売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03139 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

[国内外経済等の背景について]

当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、コロナ禍から社会経済活動の正常化が本格化し、人流の活発化やインバウンドによる外国人観光客の増加のほか、個人消費及び企業の設備投資の一層の伸長がみられ、景気は緩やかに回復しております。一方で、日米金融施策等の影響による円安の進行、ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー資源や原材料価格の高騰に伴う物価上昇などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

家電小売業界では、新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が2023年5月に5類へ変更され、人流の回復と経済の正常化が一層高まる一方、消費支出はレジャー・サービス等が中心となり、当業界では総じて来店客数が減少傾向にありました。その中にあって、インバウンド需要の回復、省エネを意識した冷蔵庫・洗濯機などの高付加価値商品、自動調理器具などの時短家電や理美容器具等が堅調に推移する一方で、第3四半期においては暖冬などの影響によって暖房器具・季節家電が低調に推移しました。

 

[当社の取り組みについて]

このような市況を背景に、当社グループは、「YAMADA HD 2025 中期経営計画」2年目として、目標達成に向け以下の4つの重点施策、①店舗開発の積極的推進 ②Eコマースの強化推進 ③SPA商品の積極的開発  ④各事業会社別 課題の目標設定 で目標達成を図る を実行することにより、継続した増収増益体制を構築しています。

当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は前年同期比0.5%減の1兆1,710億61百万円、営業利益は前年同期比1.5%減の387億51百万円、経常利益は前年同期比3.3%減の426億26百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比12.2%減の268億51百万円となりました。主な要因としては、①物価高・実質賃金低下・可処分所得減少に伴う消費者の生活防衛意識の高まりによる家電をはじめとする耐久消費財の需要減少、②巣ごもり需要の反動減、③コロナ禍からの人流の回復と経済正常化に伴うレジャー・サービスへの消費志向のシフト、家電量販店への来店客数減少、④暖冬による季節家電の売上不振、⑤住宅事業における販売・利益向上のための店舗統廃合等の改革に伴う先行的な費用の発生による販管費率の上昇、⑥海外事業における売上・シェア向上のための大幅な店舗改装並びに広告投資による先行的費用の発生、などによるものです。その他、今年度第3四半期の業績改善の強化として従来から推進して参りました、積極的な店舗開発によるシェア・売上の向上、セルアウト管理に基づく適切な在庫管理及び粗利・商談利益の確保の2点については着実に成果を上げており、事業成長に向けたこの改革は継続して取り組んで参ります。

 

[セグメント別の業績状況]

第1四半期連結会計期間より、従来「その他」に含めていた医薬品・日用品等販売事業を「デンキ」に含めており、また当第3四半期連結会計期間より、従来「金融」に含めていた家電製品の延長サービス事業を「デンキ」に含めております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

1) デンキ事業

デンキ事業においては、「くらしまるごと」戦略の強化として、「たのしい。くらしをシアワセにする、ぜんぶ。」をストアコンセプトとしたくらし体験・体感・完結型店舗「LIFE SELECT(日本最大級の品揃え・価格・サービスのお店)」を開発、この店舗をコアにしたエリア店舗開発を展開し、インターネット販売と店舗が融合したYAMADA web.com店、リユース・アウトレット店、既存のテックランド、LABIの各業態店舗の開発及び販売の拡大推進により、シェアの向上は堅調に推移しています。Eコマースについては、自社ECサイトの刷新を行い、お客様の利便性の向上を図るとともに、Eコマースの更なる強化及び店舗DXによるお客様の利便性と生産性向上を目的としたDXイノベーションを強化しています。SPA商品については、お客様の声をダイレクトに活かした多様な商品を開発、時代に求められた機能を搭載した商品を展開し好調に推移しています。

以上の取り組みの下、デンキ事業における売上高は9,672億20百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は357億円(前年同期比2.2%増)となりました。

 

2) 住建事業

住建事業における売上高は1,884億61百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は7億83百万円(前年同期比59.9%減)となりました。

住建事業の会社別実績(内部取引相殺前)は、①ヤマダホームズは売上高564億16百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益△23億82百万円(前年同期の営業利益△13億61百万円)となり、中古再販・分譲が好調に推移したことにより増収となりましたが、住宅資材原価上昇に伴う粗利率減少、販売力向上に向けた営業人員拡充と積極的広告投資による販管費上昇により減益となりました。ヤマダホールディングスの「くらしまるごと」戦略の中核となる住宅事業は、現在発展的かつ抜本的構造改革に取り組んでおり、ヤマダらしさを満載したスマートハウスを中心とした商品力強化、営業力強化に向けた組織統廃合、デジタルとヤマダグループ顧客データベースを活用した広告販促やCMの投下により足元の受注は順調に推移していますが、業績面では完工棟数が上がる2024年度に効果が実現する予定です。

なお、2023年10月31日にセキホーム株式会社を子会社化し、富山県エリアにおける営業力の強化を図っております。

②ヒノキヤグループは住宅事業・断熱材事業ともに順調に推移しウッドショック影響も解消され始めたものの、インフレによる外注費・人件費その他素材価格の上昇が影響し、増収・減益となりました。

③バスやキッチン等の開発、製造を担う株式会社ハウステックは、商品価格戦略の見直しの継続、徹底した経費コントロール、当社グループのシナジー効果等により売上高460億35百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益17億61百万円(前年同期比18.8%増)の増収・増益となりました。

また、当社は下期以降、「くらしまるごと」戦略の集大成として「YAMADAスマートハウス」を販売開始しております。標準装備されたHEMSシステム、VPPへの展開、エンタメ・健康・セキュリティー・繋がるIoTを充実させた、ヤマダだからできる次世代スマートハウスを、当社独自の保険や住宅ローンなど多彩な金融商品と共にお客様へ今後積極的に提案活動をして参ります。

 

3) 金融事業

金融事業における売上高は27億83百万円(前年同期比72.0%増)、営業利益は4億24百万円(前年同期比64.7%増)となり、株式会社ハウス・デポ・パートナーズにおける組織再編及びヤマダNEOBANK住宅ローンの販売体制の強化が奏功し増収・増益となりました。ヤマダNEOBANK住宅ローンにおいては、家電・家具・EV・V2H機器等の購入資金を組み込んだ「くらしまるごと」提案を行うことで、更なる売上高・利益の向上を図って参ります。

 

4) 環境事業

環境事業における売上高は239億64百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は10億2百万円(前年同期比7.4%減)となりました。当社グループ完結型で進める「環境資源開発」への取り組みの成果により売上高は伸長しましたが、人件費等のコスト上昇の影響により、増収・減益となりました。

 

5) その他事業

その他事業における売上高は192億65百万円(前年同期比12.1%減)、営業利益は7億24百万円(前年同期比26.4%減)となりました。減収・減益の主要因は取引条件変更に伴うVC(EC業種)向け一時的売上不振によるものです。

 

[店舗数について]

当第3四半期連結会計期間末の店舗数(海外含む)は、20店舗の新規出店、35店舗の閉店により、直営店舗数1,013店舗(ヤマダデンキ直営984店舗、その他連結子会社29店舗)となり、FCを含むグループ店舗数総計は11,236店舗となっております。

 

[業績のまとめ]

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1兆1,710億61百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益387億51百万円(前年同期比1.5%減)、経常利益426億26百万円(前年同期比3.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益268億51百万円(前年同期比12.2%減)となりました。

 

[財政状態]

当第3四半期連結会計期間末の総資産額は、前連結会計年度末に比べ1,032億31百万円増加して1兆3,744億12百万円となりました。主な要因は、戦略的季節商品の仕入に伴う商品及び製品の増加によるものであります。

負債は、910億64百万円増加して7,504億69百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加及び運転資金の借入に伴う短期借入金の増加によるものであります。

純資産は、121億66百万円増加して6,239億42百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は44.9%となりました。

 

[経営成績]

①売上高・売上総利益

当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年度より継続している物価高での生活防衛意識の高まりによる耐久消費財の買い控えの影響があり、厳しい状況で推移いたしました。商品別には、携帯電話はiPhoneを中心に新製品が好調に推移しました。一方、テレビやDVD等のデジタル商品やパソコン等につきましては、新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要が一巡し、レジャー消費が増加し買い替えが低調になったことの影響により、前年を下回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆1,710億61百万円(前年同期比0.5%減)となりました。売上総利益は、市場と連動したDX戦略(売上と利益の最適化)に伴う粗利高(率)の増加により当第3四半期連結累計期間の売上総利益は3,450億91百万円(前年同期比1.4%増)となりました。

 

②販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益・税金等調整前四半期純利益

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、売り場面積拡大に伴う採用人員強化、エネルギー価格の上昇による物流費を中心とした各種販売管理費の増加により3,063億39百万円(前年同期比1.7%増)となり、営業利益は、387億51百万円(前年同期比1.5%減)となりました。

営業外収益及び費用は、営業外収益75億50百万円(前年同期比2.0%減)、営業外費用は36億75百万円(前年同期比24.3%増)となり、その結果、経常利益は426億26百万円(前年同期比3.3%減)となりました。

特別利益は31億64百万円、特別損失は44億88百万円となりました。

以上の結果、税金等調整前四半期純利益は413億2百万円(前年同期比0.8%減)となりました。

 

③法人税等合計・非支配株主に帰属する四半期純利益・親会社株主に帰属する四半期純利益・四半期包括利益

当第3四半期連結累計期間の法人税等合計は139億35百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益は5億14百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は268億51百万円(前年同期比12.2%減)、四半期包括利益は291億6百万円となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2億42百万円であります。これは、主に子会社である株式会社ハウステックの住宅関連事業における研究開発活動によるものであります。

なお、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。