E03208 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の規制解除による行楽需要やインバウンド需要の回復により、景気は持ち直しの動きを示しています。一方で、物価上昇による需要減少や人件費の高まりによるコスト増加などが、今後懸念されています。
この環境下において、アシードグループは、「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来 ― すべての笑顔と健康のために」の実践に向けて更新した「中期経営計画」に基づき、ブランド創造企業への挑戦、既存事業の構造改革、M&Aによるグループ強化、新規事業・海外事業の強化を中心とした成長の加速に取り組んでいます。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高17,783百万円(前年同四半期比10.4%増)、営業利益876百万円(同20.1%増)、経常利益1,067百万円(同11.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益827百万円(同31.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。なお、売上高は外部顧客への売上高を記載しております。
①自販機運営リテイル事業
自販機運営リテイル事業におきましては、仕入及び物流コストの高騰に対して業務の見直しによる生産性の向上や売価の適正化により収益性の改善に取り組むとともに、M&Aの一環として栃木県で456台の自販機営業権の譲り受けを実施しました。グループの既存の自販機網と連携し、譲受した自販機の効率的な運営を目指します。
また、第20回世界バラ会議福山大会2025に向けて提案した「ローズマインド・ビバレッジプロジェクト」が、「市民・企業提案型事業」に採択されました。2025年開催の世界バラ会議に向けて、福山市のバラを活用した飲料の開発を進めています。
この結果、自販機運営リテイル事業の売上高は10,732百万円(前年同四半期比9.1%増)、セグメント利益は237百万円(同54.4%増)となりました。
②飲料製造事業
飲料製造事業におきましては、原材料・資材・燃料費の値上がりに対応した価格設定を行い収益性の改善を進めるとともに、炭酸缶ラインの東西2拠点体制による営業力の強化を推進しています。また、今年4月に子会社化した静岡ローストシステム株式会社は、茶葉の微粉砕加工の新規案件の獲得が進み、今後も規模の拡大を計画しています。
この結果、飲料製造事業の売上高は6,766百万円(前年同四半期比13.0%増)、セグメント利益は845百万円(同5.1%増)となりました。
③不動産運用事業
不動産運用事業におきましては、当社及びアオンズエステート株式会社を中心に所有不動産の運用を行っており、不動産運用事業による売上高は99百万円(前年同四半期比2.9%減)、セグメント利益は152百万円(同0.1%減)となりました。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高164百万円を含めると264百万円となります。
④その他事業
その他事業におきましては、グループ内物流の体制整備の一環として、10月よりアシードブリュー株式会社宇都宮飲料工場の倉庫管理や製品の入出庫などの業務をロジックイノベーション株式会社に移管しました。また、グループ所有建物の空きスペースを活用して物流倉庫の増床を行い、収益性を改善しました。
この結果、その他事業の売上高は183百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント利益は8百万円(前年同四半期は3百万円のセグメント損失)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は6,971百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,275百万円増加しました。これは現金及び預金の増加202百万円、受取手形及び売掛金の増加925百万円、商品及び製品の増加203百万円、原材料及び貯蔵品の増加34百万円、前払費用の減少26百万円及びその他の減少62百万円等によるものです。また、固定資産は11,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ940百万円増加しました。これは建物及び構築物(純額)の増加643百万円、機械装置及び運搬具(純額)の増加65百万円、リース資産(純額)の減少88百万円、建設仮勘定の増加80百万円、投資有価証券の増加207百万円、長期前払費用の減少48百万円及びその他の増加42百万円等によるものです。
この結果、総資産は18,792百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,215百万円増加しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は9,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円増加しました。これは買掛金の増加421百万円、短期借入金の減少70百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加241百万円、未払法人税等の増加111百万円、未払消費税等の増加140百万円及びその他の増加419百万円等によるものです。また、固定負債は2,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少しました。これは長期借入金の減少54百万円、リース債務の減少90百万円及びその他の増加138百万円等によるものです。
この結果、負債合計は12,072百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,117百万円増加しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は6,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,098百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益による増加827百万円、剰余金の配当による減少192百万円及び自己株式の売却による増加269百万円等によるものです。
この結果、自己資本比率は35.8%(前連結会計年度末は33.9%)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当第3四半期連結累計期間の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当第3四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
|
飲料製造事業 |
|
|
|
|
炭酸飲料(百万円) |
972 |
64.7 |
|
非炭酸飲料(百万円) |
1,534 |
121.4 |
|
低アルコール飲料(百万円) |
3,577 |
115.5 |
|
ソフトパウチ飲料(百万円) |
614 |
116.7 |
|
その他(百万円) |
647 |
- |
合計(百万円) |
7,345 |
115.0 |
(注)1.自販機運営リテイル事業・不動産運用事業・その他事業において生産活動は行っておりません。
2.その他は株式会社河村農園、静岡ローストシステム株式会社が行っている茶葉の製造などであり、静岡ローストシステム株式会社を第1四半期から連結の範囲に含めているため前年同期比を記載しておりません。
②受注実績
当第3四半期連結累計期間における受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同四半期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同四半期比(%) |
|
飲料製造事業 |
|
|
|
|
|
|
炭酸飲料 |
965 |
64.6 |
53 |
124.5 |
|
非炭酸飲料 |
1,534 |
121.4 |
- |
- |
|
低アルコール飲料 |
3,580 |
116.2 |
214 |
127.9 |
|
ソフトパウチ飲料 |
572 |
115.4 |
34 |
63.6 |
|
その他 |
654 |
- |
27 |
- |
合計 |
7,305 |
115.3 |
330 |
124.5 |
(6) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設の投資予定金 額の総額について変更はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
自販機オペレーターを取り巻く環境が厳しさを増すなか、業界内では後継者難から事業譲渡を検討している案件も増えていることから、M&Aや業務提携を通じて効率化を伴った事業規模の拡大を経営戦略として掲げています。飲料製造事業については当社グループの中核事業に成長しており、より一層戦略的な設備投資を実施しながら、需要の拡大に応えてまいります。
また、静岡ローストシステム株式会社及びマルサン萩間茶株式会社の子会社化により健康茶など新商品の共同開発を行うとともに、既存の飲料部門と相乗効果が見込める分野で新たな取り組みを進めます。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
飲料関連事業を取り巻く国内の事業環境は、今後も厳しさが増していくと予想されます。引き続き、自販機運営及び飲料製造の基盤強化を図るとともに、食品・飲料企業とアライアンスを組み、事業再編・構築を積極的に進めます。
海外ではアセアン諸国を中心に投資を積極的に推進するとともに、投資先であるハロンビールとのアライアンスも視野に入れながら低アルコール飲料及び清涼飲料市場を開拓してまいります。また、国内においては低アルコール飲料「アスター」を軸に販売拡大に努め、「アシード」ブランドの品質の高さを多くのお客様に認知いただくとともに、総合的なブランド力向上を推進します。