株式会社神戸新聞社

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E00698 Japan GAAP


3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間中に、コロナウイルス感染症が5類に移行し、閉塞感が少し薄らぎましたが、ロシアのウクライナ侵攻は500日を超えても先行きは不透明です。さまざまな物の値段が上がり、企業も家計も大きな負担を強いられています。一部の企業では物価高を補うために賃上げを実施しましたが、ほとんどの企業にそのような余力はなく、おのずと財布の紐は固くなる一方です。

このような状況が加わって、新聞業界はますます厳しい状況です。販売収入の基礎になる部数の減少は止まりません。2023年5月に全国の日刊紙が発行した朝刊部数は26,188,910部で前年と比べて2,017,055部減(7.2%減)となっています。コロナ禍前の2019年の朝刊部数は33,781,765部あり、22.5%の大きな落ち込みです(日本ABC協会調べ)。2022年の日本の総広告費は前年比104.4%と伸長しましたが、昨年、7年ぶりに前年を上回ったマスコミ四媒体広告費は97.7%と再び前年を下回りました。なかでも新聞広告費は前年比96.9%と平均を下回る厳しさです。またインターネット広告費の中のマスコミ四媒体由来のデジタル広告費は昨年に続いて好調でしたが、コロナ禍による巣ごもり期間が終了し、インターネットとの接触機会が減ったことやGAFA各社の業績悪化とリストラ、ユーチューバーの収入減少などで表面化している構造変化もあって失速傾向です。その上にロシアのウクライナ侵攻で石炭価格が高騰し、あおりを受けて、新聞の主な材料である用紙の価格が大幅に上りました。

当中間における連結決算は、神戸新聞社を含む連結12社中7社が前年より減収です。売上高は、前年比2.9%減です。とりわけデジタル関連収入の落ち込みが大きく、神戸新聞社、京阪神エルマガジン社などが影響を受けました。また用紙の値上げ、電気代などの高騰も負担となって、営業利益、経常利益ともに大幅な減益です。このような状況に加えて、神戸新聞社が定年前早期優遇退職を募り、割増退職金を支給することを決定しました。この結果、連結決算を開始してから初めての税金等調整前中間純損失になりました。

この結果、売上高が18,571,260千円(前年同期比2.9%減)となり、利益については営業利益が501,279千円(同66.5%減)、経常利益が540,550千円(同64.5%減)、親会社株主に帰属する中間純損失が933,491千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益950,726千円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)

新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は14,252,557千円(同5.0%減)となりました。また、営業損失は304,874千円(前年同期は営業利益708,565千円)となりました。

(放送業)

放送業におきましては、売上高は2,783,135千円(同5.3%増)となりました。また、営業利益は232,851千円(同3.8%減)となりました。

(貸室業)

貸室業におきましては、売上高は1,431,684千円(同2.2%増)となりました。また、営業利益は546,161千円(同0.1%減)となりました。

(その他の事業)

その他の事業におきましては、売上高は103,882千円(同22.2%増)となりました。また、営業利益は26,590千円(前年同期は営業損失952千円)となりました。

 

資産は、前連結会計年度末に比べ1,349,609千円増加し、61,364,605千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ2,249,622千円増加し、36,345,375千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ900,013千円減少し、25,019,230千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における中間連結キャッシュ・フローは、営業活動で2,588,497千円の増加となりました。これに対して、投資活動で270,759千円の減少、財務活動で319,300千円の増加となったことにより、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は11,855,968千円(前年同期は11,804,543千円)となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,588,497千円(前年同期は2,510,803千円の獲得)となりました。これは主に減価償却費によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は270,759千円(前年同期は1,152,902千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は319,300千円(前年同期は374,403千円の使用)となりました。これは主に長期借入による収入によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

販売実績

当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業

14,333,638

△5.0

放送業

2,911,282

5.9

貸室業

1,436,307

2.3

その他の事業

224,857

9.0

合計

18,906,086

△2.8

 

(注) 1  金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替消去前の数値によっております。

2  主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

① 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当中間連結会計期間末の資産は、61,364,605千円(前期末比2.2%増)となりました。これは主に現金及び預金が増加したためであります。

当中間連結会計期間末の負債は、36,345,375千円(同6.6%増)となりました。これは主に未払費用が増加したためであります。

当中間連結会計期間末の純資産は、25,019,230千円(同3.5%減)となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純損失933,491千円を計上したためであります。

当中間連結会計期間は、売上高は、デジタル収入などの減少で前中間連結会計期間に比べ563,373千円減収の18,571,260千円(前年同期比2.9%減)、売上原価は、巻取用紙費増加などで前中間連結会計期間と比べ460,066千円増加の14,604,091千円(同3.3%増)、販売費及び一般管理費は、給与及び手当などの減少で前中間連結会計期間に比べ27,738千円減少の3,465,889千円(同0.8%減)となりました。これらにより経常利益は、前中間連結会計期間に比べ980,707千円減益の540,550千円(同64.5%減)となりました。

特別利益は固定資産売却益により1,402千円を計上、特別損失は割増退職金により931,969千円を計上しました。

この結果、親会社株主に帰属する中間純損失は933,491千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益950,726千円)となりました。

キャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当中間連結会計期間末における有利子負債の残高は、22,206,998千円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、11,855,968千円となっております。