長崎放送株式会社

情報・通信業放送

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04390 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及

  びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りである。

 

 ①経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、コロナウィルス感染症からの回復が鮮明となり、消費においては

イベント事業、観光業などを中心にその傾向が顕著であった。長崎県内においても主要なイベントは概ね復活し、

インバウンドを背景とした、観光、宿泊、飲食等の長崎の基幹産業にも大きな回復が見られた。

 

 こうした中、当社グループは売上高確保と営業費用の効率的な運用に一層努めてきたが、放送収入においては

生活様式の変化やSNSの更なる台頭により、売上減少が避けられない状況が継続している。当該情勢を踏まえグ

ループ経営基盤の強化を図り、コンピューター関連事業と不動産賃貸事業での増収を確保し、グループ全体での

総売上高は3,571百万円と前年同期と比較して62百万円(1.8%)増加した。

 

 提出会社においては経費削減を徹底し、売上原価は1,081百万円と前年同期と比較して、79百万円(6.8%)減少した。販売費及び一般管理費も業務委託費、販売促進費を中心に削減に努め、1,031百万円となり、前年同期と比較して26百万円(2.5%)減少したものの、様々な原価高騰の余波を受けて営業損失は193百万円(前年同期は営業損失176百万円)を計上した。営業外損益を含めた経常損失は126百万円と前年同期と比較して、420千円の減益となりほぼ同じ水準での着地となった。グループ全体では親会社株主に帰属する中間純損失は162百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失165百万円)となった。

 

 セグメントの業績を示すと、次の通りである。

 

 [一般放送業]

 当部門の売上高は1,948百万円(前年同期比8.2%減)と減収となった。テレビ売上、ラジオ売上も厳しい状況が続いており、今後の売上見通しについても不明瞭な状況が継続する見込みである。営業費用については、業務委託費、イベント費、販売促進費を中心に削減に努めたが、売上高減少や物価高、高水準で推移している減価償却費を原因として、営業損失223百万円(前年同期は営業損失240百万円)を計上した。昨年度と比較して赤字額は若干の縮小を見せた。

 

 [コンピューター関連事業]

 当部門の売上高は1,228百万円(前年同期比26.2%増)と増収になった。主な原因としては機器販売やソフトウェア開発事業が好調だったためである。一方で営業費用は物価高の影響を受け、1,238百万円と前年同期比で250百万円の増加となり、営業損失を1百万円(前年同期比は営業損失3百万円)計上したが、下期に利益が偏重する見込みとなっている。

 

 [不動産賃貸事業]

 当部門の売上高は109百万円(前年同期比4.2%増)と増収となった。テナント物件が全体的に安定稼働したが、固定資産税、減価償却費、修繕費等も高止まりし、営業利益は12百万円(前年同期比56.8%減)を計上した。

 

[貸ホール事業]

 当部門の売上高は285百万円(前年同期比7.0%減)と減収となった。指定管理業務などで安定した売上を計上し、営業利益は17百万円(前年同期比24.3%減)の計上となった。

 

 ②財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度に比べ349百万円減少し、15,069百万円となった。これは主に減価償却等により固定資産が減少したことによるものである。

 当中間連結会計期間末の総負債は、前連結会計年度に比べ235百万円減少し、11,266百万円となった。これは主に借入金の返済によるものである。

 当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度に比べ114百万円減少し、3,802百万円となった。これは主に親会社株主に帰属する中間純損失を計上したことによるものである。

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得

られた資金が133百万円となり、投資有価証券の取得など投資活動による資金の減少額が80百万円となった。ま

た、借入金返済に伴う財務活動による資金の減少額が16百万円となったことから、前中間連結会計期間に比べ 215百万円の増加となり、当中間連結会計期間末には2,349百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において営業活動による資金の増加は、税金等調整前中間純損失に減価償却費、売上債権

の減少額等を加え、仕入債務の減少額や法人税等の支払額を差し引いた結果、133百万円となり、前中間連結会計期間に比べ472百万円減少した。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において投資活動による資金の減少は80百万円となった。これは主に有形固定資産の取得によるものであり、前中間連結会計期間に比べ50百万円増加した。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において財務活動による資金の減少は16百万円となった。これは借入金の返済やリース債務返済による減少及び短期借入金の純増によるものである、前中間連結会計期間に比べ329百万円減少した。

 

④販売実績

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

一 般 放 送 業

1,948,222

91.8

コンピューター関連事業

1,228,101

126.2

不動産賃貸事業

109,257

104.2

貸ホール事業

285,466

93.0

合計

3,571,047

101.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。

      2.前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する

          割合は、次の通りである。

相手先

前中間連結会計期間

(自 令和4年4月1日

 至 令和4年9月30日)

当中間連結会計期間

(自 令和5年4月1日

 至 令和5年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社TBSホールディングス

478,931

13.7

483,398

13.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものである。

 ①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作

成されている。前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。

 

②経営成績等

 当社グループは、様々な施策を図り売上回復及び経費の効率的運用を行ってきたが、当中間連結会計期間においては営業損失が193百万円 (前中間連結会計期間は営業損失190百万円)、経常損失は146百万円(前中間連結会計期間は経常損失113百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純損失は162百万円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失165百万円)となった。

 一方、当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは133百万円となり、前中間連結会計期間と比べ472百万円減少した。投資活動によるキャッシュ・フローは△80百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△16百万円となった。また、当中間連結会計期間末における自己資本比率は24.65%となった。一般放送業における売上の減少が収益の圧迫原因となっており、厳しい外部環境が継続する見通しである。グループ全体での収益構造改革により、この難局を乗り切りたいと考えている。セグメント別の分析は以下の通りである。

 

[一般放送業]

 当事業の売上高はスポンサーの出稿意欲の回復が十分でないため、弱含みの状況が継続している。前中間連結会計期間比8.2%減となっており、特にスポットCMは厳しい状況である。ローカル放送に投下される広告費については、先行きが不透明な状態が当面続くと認識している。地方局に関しては、多額の固定資産投資の回収が現実的に困難になる状況も十分考えられるため、今後の設備投資についてはクラウド化、省力化も含めた十分な検討が必要となる。経費に関しては全面的な見直しが必要な状況であり、抜本的な見直しも含めて引き続き最適化を図っていく。

 

[コンピューター関連事業]

 当事業の売上高は前中間連結会計期間比26.2%増となったが、主な原因としては機器販売の増加、ソフトウェア開発が好調であった、売上自体は堅調に推移しているが、同時に原価も高騰しているため、自治体DX推進機運を追い風として更なる販売強化と利益の確保を図りつつ、人材育成にも注力し企業力強化に取り組んでいく。

 

[不動産賃貸事業]

 当事業の売上高は社屋テナントが安定的に稼働したため、前中間連結会計期間比4.2%増となった。一方で築年数が経過している建物に関しては、頻繁に修繕が発生しており、近い将来に再開発が必要な状況である。収益が最大化するよう引き続きスキームを検討していきたい。

 

[貸ホール事業]

 当事業の売上高は前中間連結会計期間比7.0%減となった。イベントも開催される案件が増加してきているため、引き続き感染対策を適宜実施して、確実なイベント消化を行っていく。指定管理業務については引き続き安定した運営を行うとともに新規案件の獲得を目指して、社内体制を構築していく。

 

 ③キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、一般放送業における番組購入費やコンピューター関連事業におけるソフトウェアの開発費用のほか、販売費及び一般管理費の営業費用である。また、設備投資を目的とした資金需要のうち主なものは一般放送業における放送設備の購入または維持補修である。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金については金融機関からの長期借入を基本として長期安定資金の確保に努めている。

 なお、当中間連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,551百万円となってい

る。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は2,349百万円となった。