E04395 Japan GAAP
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
2023年の日本経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが「5類」に移行し経済活動が正常化するなか、緩やかな景気回復が続いたが、ロシアによるウクライナ侵攻や円安などを原因とした物価高の消費動向への影響がテレビ・ラジオのCM出稿に影を落としている。民放連研究所の9月時点での今年度営業収入見通しは、テレビが年初予測の0.2%増から3.8%減へ、ラジオが年初予測の1.9%増から2.6%減へと下方修正された。
このような状況のなか、当社グループは「最も必要とされる放送局であり続ける」という経営理念のもと、放送活動並びに営業活動に取り組んだ。
ラジオでは、ニュースや情報発信の即時性を高めるため、生放送のスタジオ内にラジオ情報デスクを新設した。
午後のワイド番組「でるラジ」では定時のニュースを廃止し、最新のニュースや情報を「スマートフォンよりも早
くリスナーの耳に届ける」というコンセプトで番組改革を進めていく。近年頻発している異常気象による災害や地
震、Jアラート発令など、非常時におけるメディアとしての対応力を高め、地域における存在価値を示したいと考え
ている。
テレビは若者のテレビ離れが進んでいると言われているが、県内放送局の中では高い支持を得ており、個人視聴
率は全日(6時~24時)、ゴールデンタイム(19時~22時)、プライムタイム(19時~23時)の3部門で上半期25週全て
で県内トップを獲得している。テレビの情報番組で放送したコンテンツを記事化してあらためて配信するWEBメ
ディア「nannan」をKNBWEB内に立ち上げるなど、テレビ放送とWEB配信との相乗効果を狙った取り組みを
実施している。
当社グループの当中間連結会計期間の業績は、売上高24億25百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益39百万円(前年同期比37.9%減)、経常利益4億4百万円(前年同期比31.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益2億75百万円(56.4%増)となった。
当中間連結会計期間末の総資産は、株価上昇に伴う投資有価証券の含み益の増加などにより、前連結会計年度末より27億37百万円増加し308億93百万円となった。負債は、投資有価証券の含み益の増加に伴う繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末より8億29百万円増加し61億10百万円となった。純資産は、その他有価証券評価差額金の増加などにより前連結会計年度末より19億8百万円増加し247億83百万円となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
(放送事業)
売上高は23億15百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は10百万円(前年同期比83.2%減)である。
(不動産賃貸事業)
売上高は99百万円(前年同期比40.5%増)、営業利益は60百万円(前年同期比101.2%増)である。
(その他)
売上高は10百万円(前年同期比43.0%増)、営業損失は30百万円(前年同期は営業損失26百万円)である。
②キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2
億53百万円減少して54億63百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末において、営業活動の結果得られた資金は4億16百万円(前年同期比29.5%減)となった。税金等調整前中間純利益を3億84百万円、減価償却費を1億91百万円計上したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末において、投資活動により使用した資金は5億43百万円(前年同期比65.8%減)となった。有形固定資産や投資有価証券の取得などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末において、財務活動により使用した資金は1億26百万円(前年同期比24.4%減)となっ
た。配当金の支払いや長期借入金の返済によるものである。
③生産、受注及び販売の実績
販売実績
当中間連結会計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
前年同期比(%) |
放送事業(百万円) |
2,315 |
93.3 |
不動産賃貸事業(百万円) |
99 |
140.5 |
その他(百万円) |
10 |
143.0 |
合計(百万円) |
2,425 |
94.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
相手先 |
前中間連結会計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
日本テレビ放送網 株式会社 |
598 |
23.4 |
558 |
23.0 |
株式会社 電通 |
365 |
14.3 |
345 |
14.3 |
株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ |
263 |
10.3 |
240 |
9.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりである。
当中間連結会計期間の総資産及び純資産は、株価の上昇により投資有価証券の含み益が増加したことなどにより、総資産及び純資産共に増加した。
当中間連結会計期間の売上高は、放送収入が減少したことなどにより、減収となった。
営業利益は、売上高が減少したことなどにより、減益となった。
経常利益は、受取利息及び配当金、投資有価証券売却益の増加などで営業外収益が増加し、増益となった。
親会社株主に帰属する中間純利益は、受取利息及び配当金、投資有価証券売却益の増加などで営業外収益が増加
し増益となった。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ロシアによるウクライナ侵攻長期化による景気後退などがある。
放送事業において、当中間連結会計期間は、CM出稿に対するネガティブな要因が継続し、テレビのネットタイムとスポットが大きく落ち込んだ。依然として世界経済の不安定、急速な円安による個人消費の停滞感は強く、先行きが見えない状況となっている。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
(放送事業)
テレビ放送収入はネットタイムとローカルタイム、スポットともに前年実績を下回り、テレビ放送収入全体で前年実績に及ばなかった。
ラジオ放送収入はネットタイムとスポットは前年実績に届かなかったもののローカルタイムが前年実績を大きく上回ったことなどによりラジオ放送収入全体では前年実績を上回った。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸売上の増加により増益となった。
(その他)
売上は増加したものの売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用の増加により減益となった。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための投資や株主への配当水準の向上・安定化に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めている。なお流動資産から流動負債を控除した運転資本については、当社グループでは以前から流動資産が大きく上回っている。
当中間連結会計期間末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はないが、運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。