日本瓦斯株式会社

電気・ガス業エネルギー

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04524 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から5類へ移行したことに伴い社会経済活動に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調となりました。しかし、その一方で資源価格の高止まりや物価高の進行、円の独歩安や地政学リスク等の懸念などに因り、先行きは不透明な状況で推移しております。鉱工業生産は、海外経済の減速に伴う輸出低迷の影響などから弱い動きとなった後、供給制約の緩和を受けて自動車を中心に持ち直しております。消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、2023年1月に前年比4.2%と40年ぶりの高い伸びとなった後、政府の電気・ガス代に対する負担緩和策を受けて2月以降は前年比3%台前半で推移しております。個人消費は、外食、宿泊、娯楽などの対面型サービスを中心に回復しておりますが、物価高の影響で一部に弱い動きがみられます。

エネルギーを取り巻く環境は、原油相場はサウジアラビアの減産延長やロシアの輸出削減維持を受け6月末から上昇しており、都市ガスの主原料であるLNGのJLC(全日本LNG輸入平均価格)は、2022年9月をピークに下降したものの足元の原油価格の影響を受け、依然として高止まりの状況が続いております。

このような状況のなかで、当社グループは、電力・LPG等他燃料との厳しい競争に晒される中で全社一丸となって都市ガスの普及拡大に努力いたしました結果、取付メーター戸数、小売りお客さま件数ともに増加しました。

当中間連結会計期間の業績は、売上高が174億6千万円と前中間連結会計期間に比べ31億4千1百万円(21.9%)の増収となりました。

損益につきましては、営業利益が15億1千6百万円(前中間連結会計期間比86.0%増)となり、経常利益は15億6千8百万円(前中間連結会計期間比79.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は11億6百万円(前中間連結会計期間比71.6%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a.都市ガス事業

都市ガス事業におけるガス販売量につきましては、家庭用は物価高騰による節約意識の高まりなどから使用量が伸び悩み、前年同期に比べ2.3%減少、業務用(商業用・工業用・その他用)についても省エネの浸透とエネルギー価格上昇に伴う節減の徹底などにより、前年同期に比べ2.3%減少しました。この結果、ガス販売量全体では、前年同期に比べ2.3%減少の50,058千m3となりました。ガス事業売上高につきましては、ガス販売量は減少したものの原料費調整制度の適用によって、販売単価が前年同期に比べて高めに推移したことにより、23.9%増加して84億8千4百万円となりました。

総売上高は、144億9千万円と前中間連結会計期間に比べ28億9千2百万円(24.9%)増収となり、セグメント利益は13億6千6百万円(前中間連結会計期間5億4千3百万円)となりました。

b.液化石油ガス事業

液化石油ガス事業におけるプロパンガスの販売量につきましては、工業用の販売量の伸びが牽引し、小売販売量は3.2%の増加となりました。

また、大口卸売りの販売量は新規需要獲得に鋭意努力した結果、5.6%増加しました。この結果、プロパンガス販売量全体では前中間連結会計期間に比べ4.4%増加の8,882千m3となりました。

液化石油ガス販売においては、ガス販売量は増加しましたが、原料価格の低下に伴い原料費調整制度によって販売単価が下がったことにより、総売上高は13億2千2百万円と前中間連結会計期間に比べ1億4百万円(7.3%)減収となり、セグメント損失は1千3百万円(前中間連結会計期間セグメント損失4千1百万円)となりました。

c.受注工事およびガス機器事業

受注工事およびガス機器事業の総売上高は、建材機器メーカー等の業界における取引実績が昨年度を下回る中、比較的工事規模の大きい受注を獲得したことなどにより、9億4千7百万円と前中間連結会計期間に比べ1億2千1百万円(14.7%)増収となり、セグメント損失は7百万円(前中間連結会計期間セグメント損失5千3百万円)となりました。

d.電力事業

電力事業は、総売上高は14億6千5百万円と前中間連結会計期間に比べ1千2百万円(0.9%)増収となり、セグメント利益は1億2千8百万円(前中間連結会計期間3億3千5百万円)となりました。

e.その他

その他事業は、スポーツクラブにおけるコロナ禍の収束による会員の復帰などにより、総売上高は6億2千万円と前中間連結会計期間に比べ2千8百万円(4.9%)増収となりましたが、セグメント損失は3千万円(前中間連結会計期間セグメント損失2千9百万円)となりました。

当社グループの売上高は、都市ガス事業の性質上、上半期はガス不需要期にあたるので、連結会計年度の上半期の売上高と下半期の売上高に相違があり、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。

 

注1.上記のセグメント別売上高、セグメント利益にはセグメント間の内部取引に係る金額を含んでおります。

 2.ガス量はすべて1m3当たり46.04655メガジュール換算で記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ1億7千9百万円(24.7%)増加し、当中間連結会計期間末には9億5百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で獲得した資金は、27億3千7百万円(前中間連結会計期間は7億8千8百万円の使用)となりました。これは、主に棚卸資産の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、前中間連結会計期間に比べ2億3千4百万円減少し、9億6千6百万円となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、16億9千4百万円(前中間連結会計期間は18億4千1百万円の調達)となりました。これは、主に短期借入金の返済による支出の増加によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループにおいては、都市ガスを中心とした生産および販売活動を行っておりますので、都市ガス事業に限定して記載しております。

a.生産実績

都市ガス事業における主要製品であるガスの生産実績は次のとおりであります。

区分

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

ガス  (千m3

50,754

97.0

   (注)都市ガス事業以外は、生産を行っておりません。

b.受注実績

事業の性質上受注生産は行っておりません。

 

c.販売実績

当社グループの主製品であるガスは製造工場から導管により直接需要家に販売しておりますが一部については卸供給を行っております。

ガス販売実績

区分

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年9月30日)

数量(千m3

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

ガス販売実績

家庭用

9,137

97.7

2,939,634

104.6

その他

40,921

97.7

5,544,783

137.3

50,058

97.7

8,484,418

123.9

中間連結会計期間末

お客さま戸数

154,505件

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

①会計上の見積および当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積および当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

詳細については、第5「経理の状況」1中間連結財務諸表等(1)中間連結財務諸表 注記事項 「中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

②当中間連結会計期間の経営成績の分析

a.概要

当中間連結会計期間の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであり、売上高は174億6千万円となりました。

また、損益につきましては、営業利益15億1千6百万円、経常利益15億6千8百万円、親会社株主に帰属する中間純利益11億6百万円となりました。

以下、中間連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析しました。

b.売上高の状況

当中間連結会計期間の売上高は、ガス販売量の増加に加え原料費調整制度の適用によって販売単価が前年同期に比べ高めに推移したことにより、前中間連結会計期間に比べ31億4千1百万円増収の174億6千万円となりました。

c.売上原価、供給販売費および一般管理費等の状況

売上原価、供給販売費および一般管理費等は、政情不安に伴うエネルギー価格の高騰及び円安によるLNG輸入価格の高止まりの影響によって原材料費が増加し、前中間連結会計期間に比べ24億4千万円増加し159億4千4百万円となりました。

 

③資本の財源および資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、LNGの仕入等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当中間連結会計期間末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高108億1千1百万円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は9億5百万円となっております。

 

 

④当中間連結会計期間の財政状態の分析

a.資産の部

(固定資産)

当中間連結会計期間末における固定資産の残高は3億5百万円増加し、275億9千万円(前中間連結会計期間末比1.1%増)となりました。

主な内容は、ガス導管等の供給設備への投資が11億8千8百万円増加したことによるものであります。

(流動資産)

当中間連結会計期間末における流動資産の残高は5億5千6百万円増加し、80億3千4百万円(前中間連結会計期間末比7.4%増)となりました。

主な内容は、受取手形及び売掛金が2億5千8百万円増加したことによるものであります。

b.負債の部

(固定負債)

当中間連結会計期間末における固定負債の残高は7千6百万円減少し、87億5千8百万円(前中間連結会計期間末比0.8%減)となりました。

主な内容は、長期借入金が4千1百万円減少したことによるものであります。

(流動負債)

当中間連結会計期間末における流動負債の残高は7億8千9百万円減少し、59億2千1百万円(前中間連結会計期間末比11.7%減)となりました。

主な内容は、短期借入金が10億4千万円減少したことによるものであります。

c.純資産の部

当中間連結会計期間末における純資産の部の残高は17億2千6百万円増加し、209億4千7百万円(前中間連結会計期間末比8.9%増)となりました。

主な内容は、利益剰余金が16億9千3百万円増加したことによるものであります。

 

⑤財政政策

当社グループは、設備投資資金および運転資金については自己資金および金融機関からの借入金によっております。

財政政策として、日本銀行の金融政策の動向を考慮しつつ、低金利時に長めの借入期間へシフトする等効果的な資金調達をしてきました。今後は、市場が不透明なため動向を注視し、柔軟に対応して、より一層の財務体質の健全化をめざしていきたいと考えております。