サントリーホールディングス株式会社

食料品飲料

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E22559 IFRS


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

経営成績の状況

 当社グループは、[飲料・食品][酒類][その他]の各セグメントにおいて国内外で積極的な事業展開を行いました。当中間連結会計期間の業績は、売上収益(酒税込み)1兆5,470億円(前年同期比113%)売上収益(酒税控除後)1兆3,909億円(前年同期比113%)、売上総利益6,283億円(前年同期比112%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、4,722億円(前年同期比414億円の増加)を計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝費及び販売促進費2,025億円(前年同期比92億円の増加)、従業員給付費用1,609億円(前年同期比163億円の増加)等です。販売費及び一般管理費に加えて持分法による投資利益69億円(前年同期比34億円の増加)、その他の収益79億円(前年同期比120億円の減少)、その他の費用32億円(前年同期比8億円の減少)を計上しました。その結果、営業利益は1,677億円(前年同期比111%)となりました。

 金融収益は27億円(前年同期比4億円の増加)、金融費用は106億円(前年同期比25億円の増加)を計上しました。金融費用の主な内容は支払利息89億円(前年同期比10億円の増加)等であり、その結果、税引前中間利益は1,598億円(前年同期比110%)となりました。

 以上の結果に加え、法人所得税費用470億円(前年同期比54億円の増加)を計上したこと等により、中間利益は1,128億円(前年同期比109%)となり、親会社の所有者に帰属する中間利益は860億円(前年同期比116%)となりました。また、基本的1株当たり中間利益は125円42銭となりました。

 

 報告セグメント別の業績については、以下のとおりです。

 

[飲料・食品セグメント]

 売上収益7,459億円(前年同期比110%)、営業利益800億円(前年同期比88%)となりました。

[酒類セグメント]

 売上収益(酒税込み)6,422億円(前年同期比114%)、売上収益(酒税控除後)4,866億円(前年同期比115%)、営業利益902億円(前年同期比131%)となりました。

[その他セグメント]

 売上収益(酒税込み)1,590億円(前年同期比120%)、売上収益(酒税控除後)1,584億円(前年同期比120%)、営業利益232億円(前年同期比146%)となりました。

 

財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,428億円増加し、6兆232億円となりました。

 当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,278億円増加し、2兆9,854億円となりました。

 当中間連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べて4,149億円増加し、3兆378億円となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて487億円減少し、2,533億円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、457億円の収入(前年同期は779億円の収入)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、813億円の支出(前年同期は349億円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、258億円の支出(前年同期は157億円の支出)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

 ①生産実績

 当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

飲料・食品

684,247

110.8

酒類

526,914

116.6

その他

103,255

131.4

合計

1,314,416

114.4

(注)1.金額は、最終販売価格によっています。

2.生産実績には外注分を含んでいます。

 

 ②受注実績

 当社グループは、原則として見込み生産を主体とする生産方式を採っているため、記載を省略しています。

 

 ③販売実績

 当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

飲料・食品

745,854

110.3

酒類

486,617

115.3

その他

158,443

120.3

合計

1,390,915

113.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

 文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものです。

 

重要性がある会計方針及び見積り

 当社グループの要約中間連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。この要約中間連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。

 要約中間連結財務諸表を作成するにあたり、重要性がある会計方針については「第5 経理の状況 1要約中間連結財務諸表等 (1)要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の判断及び見積りの不確実性の主要な発生要因」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。

 

 

経営成績の分析・検討内容

 当社グループは、[飲料・食品][酒類][その他]の各セグメントにおいて国内外で積極的な事業展開を行いました。当中間連結会計期間の業績は、売上収益(酒税込み)1兆5,470億円(前年同期比113%)、売上収益(酒税控除後)は1兆3,909億円(前年同期比113%)、営業利益1,677億円(前年同期比111%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は860億円(前年同期比116%)と増収増益となり、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する中間利益のいずれも過去最高となりました。

 

 セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。

 

[飲料・食品セグメント]

 

 サントリー食品インターナショナル(株)は、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、“お客様とともに新たなおいしさ、健やかさ、楽しさを創造し続けそれぞれの市場で最も愛される会社となることを目指す”という考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、各エリアにおいて事業構造改革を進め、収益力の強化にも取り組みました。

 

 日本では、水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランド強化に取り組むマーケティング活動が奏功し、前年同期を大きく上回る過去最高の販売数量を達成。ブランド別には、「サントリー天然水」において、ミネラルウォーターの販売数量が堅調に推移したことに加え、「同 きりっと果実」シリーズも増分に寄与したことで過去最高の販売数量となりました。「BOSS」では、「ボス カフェイン」「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」などの新商品も増分に寄与しました。「伊右衛門」は2022年2月に機能性表示食品として発売した「同 濃い味」が引き続き好調に推移しました。「GREEN DA・KA・RA」ブランドは、4月に「GREEN DA・KA・RA」「同 やさしい麦茶」のリニューアルを実施したことや新商品の「同 やさしいルイボス」が好調に推移したことで過去最高の販売数量となりました。

 

 アジアパシフィックでは、清涼飲料事業および健康食品事業の主力ブランドへの集中活動を継続しました。特にベトナムでは、エナジードリンク「Sting」、茶飲料「TEA+」などの活動を強化した結果、販売数量が伸長しました。タイでは「Pepsi」「TEA+」が好調に推移しました。健康食品事業では、「BRAND'S Essence of Chicken」のブランド育成に注力しました。オセアニアではエナジードリンク「V」のマーケティング活動を強化したことや、「BOSS」が大幅に伸長したことにより販売数量が前年同期を上回りました。

 

 欧州では主力ブランドが伸長し、フランスでは「Oasis」、英国では「Lucozade」の販売数量が前年同期を上回りました。

 

 米州では、主力炭酸ブランドや伸長する非炭酸カテゴリーの活動強化に加えて「Gatorade」の販売チャネル拡大が寄与し、販売数量は堅調に推移しました。

 

 これらの結果、飲料・食品セグメントは売上収益7,459億円(前年同期比110%)、営業利益800億円(前年同期比88%)となりました。

 

[酒類セグメント]

 

 スピリッツ事業は、売上収益(酒税込み)、売上収益(酒税控除後)ともに前年同期比1割強の増収となりました。

 海外では、ビームサントリー社が推進するプレミアム化戦略が奏功し、アジアをはじめとする主要マーケットで売上が伸長しました。バーボンウイスキー「ジムビーム」「メーカーズマーク」、スコッチウイスキー「ラフロイグ」、ジャパニーズウイスキー「TOKI」のほか、テキーラ「オルニートス」、ジャパニーズクラフトジン「ROKU」やジャパニーズクラフトウオツカ「HAKU」などが好調に推移しました。またRTDのグローバル展開にも積極的に取り組みました。エリアごとのニーズを捉えた商品開発により、豪州・中国で「-196℃」が大きく成長、アジアでは「ほろよい」が伸長しました。

 日本では、売上収益(酒税込み)が前年同期比114%、売上収益(酒税控除後)が同116%となりました。サントリーウイスキーは今年、100周年を迎えます。山崎蒸溜所、白州蒸溜所において、さらなる品質向上と蒸溜所魅力訴求の強化を主な目的として、2024年にかけて設備投資を実施しています。主要ブランドでは「ジムビーム」「碧Ao」に加えて、「角ハイボール缶」が好調に推移しました。RTDは、「-196℃ 瞬間凍結」「こだわり酒場のタコハイ」を発売するなど新需要創造に挑戦しました。「こだわり酒場のタコハイ」は、発売から4カ月で当初年間販売計画を突破するなど、食事に合う味わいにご好評いただき、年間販売計画を当初の2倍となる500万ケース※1に上方修正しました。サントリージン「翠(SUI)」は、“第3のソーダ割り”として新しい市場の創造に挑戦すべく、日常の食事に合う「翠ジンソーダ」という新たな価値の提案を強化しています。

※1 250ml×24本換算

 

 ビール事業※2の販売数量は、ビールカテゴリーがけん引し、前年同期比111%、ノンアルコールビールテイスト飲料を除くビール類は、同114%となりました。

 4月に新発売した「サントリー生ビール」は、“グッとくる飲みごたえと、かつてない飲みやすさ※3”にご好評いただき、販売数量は発売3カ月で200万ケース※4を突破、年間販売計画を当初の約1.3倍となる400万ケースに上方修正しました。「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは、時代に合わせた“新プレミアム創造”を目指して大幅にリニューアルし、前年同期比111%となりました。「金麦」ブランドは、麦のうまみにこだわった“日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類”を目指して、旬の食材や料理と合わせて楽しむ“晩酌”をテーマにしたプロモーションを展開し、前年同期比101%となりました。炭酸水でつくる自由なビール「ビアボール」は、“自分らしく自由に楽しむ”という価値をより多くのお客様にお伝えするため、全国各地の特産品に関係する素材などを使用したオリジナルの「地元ビアボール」を開発するなど、ご好評いただいています。

※2 ノンアルコールビールテイスト飲料を含む

※3 自社内において

※4 633ml×20本換算

 

 ワイン事業は、売上収益(酒税込み)が前年同期比101%、売上収益(酒税控除後)が同102%となりました。国産ワインは、主力の「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」ブランドを3月にリニューアルしたことで、販売数量が好調に推移しました。また、昨年9月に発売した日本ワインの新ブランド「SUNTORY FROM FARM」は徹底した品質管理によって生まれる味わいにご好評いただき、大幅に伸長しました。輸入ワインは、イタリア産オーガニックワイン「タヴェルネッロ オルガニコ」ブランドより3月に新発売した「同 テトラパック®」がご好評いただき、販売数量が大きく伸長しました。

 

 ノンアルコール飲料カテゴリーでは、アルコール度数0.00%だからこそ実現できる、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる文化の創造を目指し、“圧倒的美味の実現”“ラインナップ拡充”“魅力をお伝えする提案”に取り組みました。ノンアルコールビールテイスト飲料の「オールフリー」や本格的なレモンサワーのようなおいしさをお楽しみいただける「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」に加え、6月に“記憶力”に着目した機能性表示食品「あしたを想うオールフリー」や、「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」を通年発売し、ラインナップを拡充しました。また、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる場として、「のんある酒場」を全国各地で展開することで、ノンアルコール飲料の魅力をお客様にお伝えしました。

 

 これらの結果、酒類セグメントは売上収益(酒税込み)6,422億円(前年同期比114%)、売上収益(酒税控除後)4,866億円(前年同期比115%)、営業利益902億円(前年同期比131%)となりました。

 

[その他セグメント]

 

 健康食品事業の売上収益は、「ロコモア」や「オメガエイド」などが好調で、前年同期比106%となりました。外食事業の売上収益は、好調に推移しました。

 

 これらの結果、その他セグメントは売上収益(酒税込み)1,590億円(前年同期比120%)、売上収益(酒税控除後)1,584億円(前年同期比120%)、営業利益232億円(前年同期比146%)となりました。

 

 親会社の所有者に帰属する中間利益は860億円(前年同期比116%)となりました。これは営業利益の増加等によるものです。

 

 

 なお、国内と海外の売上収益は次のとおりです。

売上収益(酒税込み)

国内 7,711億円(前年同期比111%)海外 7,759億円(前年同期比114%)

海外比率 50%

 

売上収益(酒税控除後)

国内 6,664億円(前年同期比111%)海外 7,245億円(前年同期比115%)

海外比率 52%

 

 当社の企業理念では、「わたしたちの目的」として「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」、「わたしたちの価値観」として「Growing for Good」「やってみなはれ」「利益三分主義」を掲げています。

 

 サステナビリティ経営に関しては、水や農作物など自然の恵みに支えられた食品酒類総合企業として、人々の生活を潤い豊かにすることと自然環境を守り育むことが共存し、人と自然が互いに良い影響を与えあって永く持続していく社会を目指します。

 

〈水〉

 今年で20周年を迎える森林整備活動「サントリー 天然水の森」では現在、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養。2月には「同 とうきょう檜原」を新設し、全国15都府県22ヵ所約1万2千haの規模で水源涵養力と生物多様性の向上を目的とした活動を行っています。同じく2月にはサントリー九州熊本工場が、工場周辺流域の持続可能な水利用に関する「Alliance for Water Stewardship(AWS)」認証※5において、最高位である「Platinum」を取得。かつ258の認証拠点中、世界最高レベルの評価となりました。水に関する次世代環境教育「水育」は日本だけでなく事業を展開する海外各国にも広がっています。今年はイギリス、ニュージーランドにも新たに展開し、アジア・欧州・オセアニアにおいて計9ヵ国で活動をしています。引き続き、自社工場※6の水使用量の原単位をグローバルで35%削減※7することや、自社工場の半数以上で水源涵養活動により使用する水の100%以上をそれぞれの水源に還元することなどを掲げた「環境目標2030」の達成に向け、取り組みを推進します。

 

〈温室効果ガス(以下GHG)〉

 2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出を実質ゼロにすることを「環境ビジョン2050」で、2030年までにGHG排出を50%削減※8することを「環境目標2030」で掲げています。「グリーン水素」生成に向けた「やまなしモデルP2Gシステム」については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるステージゲート審査を通過し、実証実験への移行が決定しました。引き続き山梨県と連動し、2025年までの導入を目指します。これからも、自社施設や設備およびバリューチェーンの両面において、さらなる省エネ技術の積極導入や再生可能エネルギーの活用などにより排出量の削減に努めます。

 

〈容器包装〉

 2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルの素材を、サステナブル素材(リサイクル素材あるいは植物由来素材)に100%切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指しています。2022年は、国内清涼飲料事業における当社全ペットボトル重量のうち、同素材の比率は46%となりました。4月から「サントリー天然水」では、2Lペットボトルにおいて約6分の1まで小さく折りたたむことができる新容器を開発、導入しています。加えて、植物由来素材30%使用ペットボトルの導入も開始、今秋の切り替え完了を目指しています。今後も「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進、容器包装の軽量化、国内飲料業界初のFtoPダイレクトリサイクル技術※9などを

通じ、環境負荷低減活動を継続していきます。

 

 このほか、生物多様性や自然の喪失を食い止め、その回復を目指す「ネイチャー・ポジティブ」の取り組みにおいては、Science Based Targets Network(SBTN)が世界で初めて発表した、自然環境に対して企業が取るべき行動についての科学的根拠に基づくガイダンスの試験運用を行う企業として日本で唯一選出されました。また、人権デュー・ディリジェンスの取り組みが3月にSedex Sustainability Awardsの「Data & Insights」部門で「APAC地域最優秀賞」を受賞し、同アワードで日本企業として初の受賞となりました。これらのサステナビリティ経営への評価を意義深く受け止め、グループ一丸となって一層活動を強化していきます。

 

※5 2018年にサントリー天然水 奥大山ブナの森工場が日本で初めてAWS認証を取得。2022年にはサントリー天然水 南アルプス白州工場が同認証を取得。日本でAWS認証を取得している工場は以上2工場にサントリー九州熊本工場を加えた3工場のみ

※6 製品を製造するサントリーグループの工場

※7 2015年における事業領域を前提とした原単位での削減

※8 2019年の排出量を基準とする

※9 回収したペットボトルを粉砕・洗浄したフレーク(Flake)を高温、真空で一定時間処理し、溶解・ろ過後、直接プリフォーム(Preform)を製造できる技術

 

 また、当グループでは創業以来、「人」こそが経営の最も重要な基盤であるという「人本主義」を掲げています。「人が最も育つ会社」を目指し、人材育成のための多種多様なプログラム開発や成長機会の提供を行っているほか、全従業員が心身ともに健康でイキイキと働くことは企業の競争力の源泉そのものと考え、健康経営の推進にも力を入れています。また、多様な人材や多様な価値観を積極的に取り入れ、公平性を担保し、活かすことが重要という考えのもと、DEI(Diversity, Equity &Inclusion)の取り組みを進めています。

 

財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,428億円増加し、6兆232億円となりました。これは主に、前連結会計年度末と比べて、主要通貨に対して円安になったことにより、在外子会社の資産合計が増加したためです。

 当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,278億円増加し、2兆9,854億円となりました。これは主に、前連結会計年度末と比べて、主要通貨に対して円安になったことにより、在外子会社の負債合計が増加したためです。

 当中間連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べて4,149億円増加し、3兆378億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する中間利益を計上したことで利益剰余金が増加したこと及び、前連結会計年度末と比べて、主要通貨に対して円安になったことにより、在外営業活動体の換算差額が増加したためです。

 

キャッシュ・フローの分析

 当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて487億円減少し、2,533億円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益や法人所得税の支払、営業債権及びその他の債権の増加、棚卸資産の増加に加え、減価償却費及び償却費など非資金取引などにより、457億円の収入(前年同期は779億円の収入)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等により、813億円の支出(前年同期は349億円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、リース負債の返済を進めたことで、258億円の支出(前年同期は157億円の支出)となりました。

 

資本の財源及び資金の流動性

 当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金などです。

 当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、銀行借入やリース等による間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っています。

 また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、資金需要に対応しています。

 なお、今後予定されている設備投資に係る資金需要の主なものは、飲料・食品セグメントの飲料・酒類製造工場や酒類セグメントのウイスキー製造設備等の新設です。