売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E32682 Japan GAAP

売上高

50.0億 円

前期

48.5億 円

前期比

103.1%

時価総額

58.0億 円

株価

1,810 (03/28)

発行済株式数

3,204,600

EPS(実績)

93.22 円

PER(実績)

19.42 倍

平均給与

546.8万 円

前期

507.2万 円

前期比

107.8%

平均年齢(勤続年数)

42.6歳(8.1年)

従業員数

113人(連結:134人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社1社、持分法適用関連会社1社及びその他の関係会社1社で構成されており、造園緑化工事の設計・施工・メンテナンスを主たる業務としております。

 当社グループでは、「街や暮らしに潤いを与える緑空間の創造」をコンセプトに掲げ、1927年の当社創業以来、蓄積したノウハウや造園技法の伝承に努めるとともに、人と自然とが共生でき、エコや地球環境や時代の変化に対応できるような技術開発に取り組み、事業を展開しております。

 当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントでありますが、対象とする物件により「ガーデンエクステリア」と「ランドスケープ」に区分しております。

(1)ガーデンエクステリア

 「ガーデンエクステリア」は、ガーデン(庭)とエクステリア(外構)を組み合わせたものであります。当社グループでは、住宅の周辺環境を総称してエクステリアと位置付け、庭園(ガーデン)のテイストをより多く盛り込んだ「ガーデン+エクステリア」の設計・施工を通じて、顧客の家庭での暮らしが緑に溢れ、より豊かなものになるよう設計・施工に努めております。既製品を組み合わせた定型的なエクステリアではなく、樹木や天然石を多用し、個々の緑豊かなガーデンエクステリアが集まり、美しい街並みを形成することをコンセプトに設計や施工を行っております。

 なお、対象となる物件は、付加価値の高い戸建住宅・集合住宅の景観構築、住宅メーカーとの協働による新規の住宅分譲地での設計・施工、一般顧客向けの「パインズ」でのショールーム展開等によるものであります。

① 戸建住宅・集合住宅の景観構築

 当社グループが手掛ける戸建住宅や集合住宅(アパート等)の外構造園は、主に住宅メーカーが受注した新築案件の門・塀・庭園など、建物周辺の景観構築に関して設計・施工を行っております。同業他社にとって難易度が高い富裕層向けの高級案件の依頼も多く、素材には樹木や天然石などを多く取り入れ、付加価値の高い外構造園を提供しております。

② 住宅分譲地での設計・施工

 住宅メーカーや不動産デベロッパー等とともに、大型分譲地の計画段階から携わっております。住宅の敷地や道路の配置、そして全体に繋がりのある緑地や公園等を総合的に計画することで、全体が統一された美しい分譲地となります。また、個々の住宅のガーデンエクステリアは、当社グループが指定業者として全棟を任されることが多く、顧客ごとの要望を満たしながら、分譲地全体の樹木や石材等素材の連続性を保つことが可能となります。なお、10から20区画の小規模分譲地については、当社が分譲用の土地を取得し、住宅メーカーと協働して同様の計画、販売及び施工を行うこともあります。

③ 「パインズ」でのショールーム展開

 「パインズ」は、一般顧客向けのガーデンエクステリアショールームとして、東海・近畿・四国地方に4店舗を展開しております。主にホームページや地域タウン誌をはじめ、既存顧客や住宅メーカーの紹介により集客しております。当社グループでは、全てオーダーメイドにて提案し、顧客の思いの実現に繋げております。また、顧客が完成後のイメージを視覚的に認識できる様、素材やデザインの提示は主にデジタルコンテンツによって行っております。施工では当社グループの監督・指揮の下、自社及び専属の協力会社にて行っております。定期的な現場への巡回や協力会社を交えた勉強会を実施し、品質と安全の向上に努めております。

 その他の受注活動として、引渡し後の顧客への定期訪問や、樹木の剪定等のアフターメンテナンスを通じ、リガーデン(ガーデンエクステリアのリフォーム)の受注に繋げております。

 

(2)ランドスケープ

 不特定多数の人が訪れるパブリックスペース(景観を構成する諸要素のことや、景観そのものを意味します。)に、樹木の緑あふれる憩いの空間を創り出しております。当社グループは、造園技法を用いた、主に緑化によるランドスケープの構築を行っており、樹木や石材を使った伝統的な造園工事から、建物の屋上や壁面を緑で覆う屋上・壁面緑化工事、生き物との共生を目的としたビオトープ(※)工事、大手ショッピングモールが取り組んでいる森づくりによる環境再生に配慮した工事など多岐に亘っております。

 なお、対象となる物件は、公共工事、民間工事、また、工事施工後の緑地メンテナンスや公共公園の指定管理事業によるものであります。

① 公共工事

 官公庁(国土交通省、地方自治体等)が発注する物件であり、庁舎等の施設、都市公園、街路、公立学校等の施工・整備に係る造園緑化工事を行っております。受注の形態としては、官公庁が発注する工事における競争入札によるものと、大手建設会社や地元建設会社が受注した工事の造園緑化工事部分を協力会社として請け負うものがあります。いずれも、官公庁が定めた仕様に従い施工を行いますが、施工技術、品質、安全管理、提案力などが受注に際してのポイントとなります。

② 民間工事

 民間企業が発注する物件であり、商業施設、工場、リゾートホテル、ゴルフ場、飲食店、ショッピングモール、温浴施設、住宅マンション、私立学校、病院、老人介護施設等の施工・整備に係る造園緑化工事を行っております。受注の形態としては、民間企業より直接受注するものと、大手建設会社や地元建設会社が受注した工事の造園緑化工事を協力会社として請け負うものがあります。公共工事と同様、施工技術、品質、安全管理、提案力などが受注に際してのポイントとなります。

③ 緑地メンテナンス

 官公庁からの委託を受け、公園や公共施設等の緑地のメンテナンスを行っております。主な内容としては、樹木の剪定、施肥、病害虫駆除、草花の植え替えなどがあります。また、歴史的価値のある樹木の保存や、病気に侵された樹木の治療なども行っております。

④ 公共公園の指定管理事業

 官公庁からの委託を受け、指定管理者として市営公園全体の運営・管理を行っております。現在、岐阜市内6か所の公園の指定管理者となっており、来園者の誘導、イベントの企画・運営、売店の営業、遊具等のメンテナンス、サッカー場やテニスコート等運動場の整備、そして緑地のメンテナンスなど、市民の憩いの場所となるような公園運営に努めております。

(※)ビオトープ

 生命(バイオbio)と場所(トポスtopos)の合成語で生物の生息空間のこと。

 

 

[事業系統図]

 以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

23/12/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

経営成績等の状況

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行し、行動制限の大幅な緩和等により経済活動が回復しつつある一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰、欧米諸国での政策金利の引き上げに伴う大幅な為替変動等、景気に対する先行きは不透明な状況が継続しております。

 建設業界においては、公共建設投資については、防災・国土強靭化等を背景に底堅く推移しており、民間建設投資については、民間企業の設備投資意欲の上昇により持ち直しの傾向にあります。しかしながら、建設資材価格の高騰や建設業就業者数の減少及び高齢化はいっそう深刻化しており、予断を許さない状況が継続しております。

 このような状況の下で、当社グループは、主に首都圏において大型開発案件の受注に努めるとともに、大手住宅メーカーとの業務提携による共同プロジェクト等を推進し、持続的な収益の獲得に努めてまいりました。一方で、人材の不足は徐々に深刻化しており、継続的な事業規模の拡大のため、優秀な人材の確保や早期育成が喫緊の課題となっております。

 経営成績については、大規模な都市開発案件、大型のランドスケープ案件及び中部地区を中心とした公共工事の受注に努めました。東京支店においては、大型のランドスケープ案件、ゼネコンや大手住宅メーカーと共同した個人住宅向け外構造園工事の受注活動も強化しました。その結果、ガーデンエクステリアに関して、当社グループが元請となる個人住宅向け外構造園工事の完成数は減少しておりますが、大手住宅メーカーとの共同による外構造園工事の売上は増加しております。これらにより、ガーデンエクステリアの売上高は前連結会計年度と比較して微減しております。また、ランドスケープに関して、官公庁からの受注は、前連結会計年度に、岐阜県庁の改築に伴う大規模な緑化工事があったことから、当連結会計年度は減少しましたが、それ以上にゼネコンや大手企業からの受注案件が増加したため、ランドスケープの売上高は増加しております。なお、ガーデンエクステリアの売上高の減少額をランドスケープの売上高の増加額が上回ったこと等により、当連結会計年度は、増収増益となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,002,157千円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益は390,091千円(同1.6%増)、経常利益は398,664千円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は298,748千円(同20.9%増)となりました。

 なお、当社グループは造園緑化事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ65,462千円増加し、当連結会計年度末には1,826,070千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は204,654千円(前連結会計年度は309,557千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益398,664千円、減価償却費55,426千円、販売用不動産の増減額47,343千円等の資金の増加に対して、売上債権の増減額179,451千円、法人税等の支払額145,276千円、未成工事受入金の増減額25,425千円等の資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は29,115千円(前連結会計年度は441,002千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入12,554千円等の資金の増加に対して、有形固定資産の取得による支出21,834千円、保険積立金の積立による支出23,015千円等の資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は110,076千円(前連結会計年度は84,266千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額80,022千円、長期借入金の返済による支出22,734千円等の資金の減少によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

区分

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ガーデンエクステリア

2,534,536

79.0

483,247

63.9

ランドスケープ

1,919,464

87.9

899,303

76.6

合計

4,454,000

82.6

1,382,550

71.6

 (注)当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

ガーデンエクステリア

2,807,444

97.1

ランドスケープ

2,194,712

111.9

合計

5,002,157

103.1

 (注)1.当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス株式会社

1,524,783

31.4

1,575,007

31.5

大和ハウス工業株式会社

468,611

9.7

406,818

8.1

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて218,002千円増加し、4,695,863千円となりました。これは主に販売用不動産が47,343千円、建物及び構築物(純額)が27,013千円、土地が10,056千円等減少したものの、受取手形・完成工事未収入金が179,451千円、現金及び預金が65,463千円、投資有価証券が42,090千円、保険積立金が16,831千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて40,397千円減少し、1,169,321千円となりました。これは主に役員退職慰労引当金が16,090千円、流動負債のその他が27,371千円等増加したものの、未払法人税等が47,396千円、未成工事受入金が25,425千円、長期借入金が13,054千円等減少したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて258,400千円増加し、3,526,542千円となりました。これは、主に利益剰余金が218,652千円増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて150,302千円増加し、5,002,157千円となりました。これは前連結会計年度と比較して、ガーデンエクステリアが83,083千円減少したものの、ランドスケープが233,386千円増加したことによります。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて95,647千円増加し、3,629,425千円となりました。これは主にランドスケープの売上増加に伴い、外注加工費及び原材料費が増加したことによります。

 この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて54,654千円増加し、1,372,731千円となりました。

 なお、売上総利益率は、27.4%(前連結会計年度は27.2%)となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて48,439千円増加し、982,639千円となりました。これは主に減価償却費が14,339千円、従業員給与及び手当が9,653千円、役員退職慰労金繰入額が6,542千円、広告宣伝費が6,259千円、退職給付費用が4,434千円、役員報酬が4,000千円等増加したものの、支払手数料が8,637千円、地代家賃が4,377千円等減少したことによります。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて6,215千円増加し、390,091千円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて9,797千円減少し、17,809千円となりました。これは主に、保険返戻金が4,198千円、投資不動産売却益が4,435千円等減少したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べて32,288千円減少し、9,236千円となりました。これは主に、株式公開費用が16,233千円、投資有価証券評価損が12,632千円等減少したことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて28,705千円増加し、398,664千円となりました。

 なお、売上高経常利益率は、8.0%(前連結会計年度は7.7%)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度は特別損益を、計上しておりません。

 この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて51,677千円増加し、298,748千円となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に必要となる外注加工費等及び人件費等の販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。

 当連結会計年度においては、売上高5,050,000千円、売上総利益率29.1%、売上高経常利益率8.5%を目標としておりましたが、実績は売上高5,002,157千円、売上総利益率27.4%、売上高経常利益率8.0%となり、目標を下回る結果となりました。なお、2024年9月期は、売上高5,150,000千円、売上総利益率28.9%、売上高経常利益率8.7%を目標に掲げております。引き続きこれらの指標について、向上に努めてまいります。