技研ホールディングス株式会社

上場日 (2018-01-09)  建設業特殊工事スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E33535 Japan GAAP

売上高

51.7億 円

前期

54.8億 円

前期比

94.3%

時価総額

33.0億 円

株価

203 (07/12)

発行済株式数

16,237,977

EPS(実績)

27.36 円

PER(実績)

7.42 倍

平均給与

479.7万 円

前期

492.4万 円

前期比

97.4%

平均年齢(勤続年数)

53.0歳(29.0年)

従業員数

1人(連結:100人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社5社により構成されており、土木・建築関連の工事の請負、消波根固ブロック製造用鋼製型枠の貸与、コンクリート二次製品及び建設資機材の販売等を主たる業務としております。

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

当社グループの事業に係わる位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。

 

[土木関連事業]

法面保護・急傾斜対策工事等の土木工事の設計・施工を技研興業株式会社が請負っております。

 

[建築関連事業]

放射線・電磁波・磁気・音響・防音施設・電波吸収及び電磁波環境対策等のトータルエンジニアリングを技研興業株式会社が請負うほか、関連する建築工事用資材を販売しております。

 

[型枠貸与関連事業]

消波根固用コンクリートブロックを製造するための鋼製型枠を技研興業株式会社が賃貸しているほか、環境や景観に配慮したコンクリート二次製品及び関連する建設資材等の販売を行っております。連結子会社日動技研株式会社は、円形型枠等の建設資材のレンタル及び販売を行っております。

 

[その他]

海外事業、事務所用テナントビル等の賃貸収入、太陽光等による発電及び売電事業等を行っております。

 

 

当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/06/26

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

① 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、円安による資材価格の高騰もありますが、インバウンド効果による国内消費の回復もあり、景気の持ち直しの動きがみられました。一方でガザ地区の紛争やウクライナ情勢が続いていること、中国の景気不安や世界各国で選挙が実施されるなど、世界情勢は依然として先行きが不透明な状況が続いております。

当建設業界においては、公共投資は関連予算の執行により底堅く推移しており、民間設備投資は徐々に持ち直しの傾向にあります。しかしながらインフレ等による建設資材の高騰や品薄が長期化してきており、当社グループを取り巻く経営環境の先行きは依然として楽観できない状況にあります。

このような中、当社グループは社会資本整備の一翼を担う企業集団として、自然災害の復旧支援、医療施設の改修事業等、国民の安全と豊かな暮らしの土台形成のための事業活動を行ってまいりました。

この結果、受注高においては前年度の災害復旧工事による受注高の減少により前期比1.2%減の4,912百万円、売上高につきましては前期比5.7%減の5,169百万円、営業利益につきましては、前期比27.7%増の529百万円、経常利益につきましては前期比23.7%増の640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比35.0%増の444百万円となりました。

 

当社グループの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

年度別

前期繰越受注高

受注高

売上高

次期繰越高

前連結会計年度

2,901,643

4,974,792

5,480,028

2,396,407

当連結会計年度

2,396,407

4,912,671

5,169,733

2,139,345

増減

△505,236

△62,120

△310,295

△257,061

 

 

当連結会計年度のセグメント別の業績等の概要は次のとおりであります。

 

[土木関連事業]

法面保護工事が主体の当事業は、土木事業部の従業員数が減少しており、年間予定案件の発注が遅れていることや、なくなっている結果、受注高につきましては前年同期比10.8%減の881百万円、売上高につきましては前年同期比33.2%減の881百万円、営業利益につきましては、前年同期比47.5%減の120百万円となりました。

なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

年度別

前期繰越受注高

受注高

売上高

次期繰越高

前連結会計年度

587,171

988,440

1,320,344

255,267

当連結会計年度

255,267

881,654

881,928

254,993

増減

△331,903

△106,785

△438,416

△273

 

 

[建築関連事業]

医療施設向けの放射線防護・電磁波シールド工事等が主体の当事業は、新築物件・改修工事等の物件数が若干回復しており、工事単価の値上げ効果もあり、受注高につきましては前年同期比3.4%減の2,575百万円、売上高につきましては前年同期比1.4%増の2,815百万円、営業利益につきましては、前年同期比16.4%増の376百万円となりました。

なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

年度別

前期繰越受注高

受注高

売上高

次期繰越高

前連結会計年度

2,058,682

2,666,601

2,775,318

1,949,965

当連結会計年度

1,949,965

2,575,154

2,815,124

1,709,995

増減

△108,717

△91,446

39,805

△239,969

 

 

[型枠貸与関連事業]

消波根固ブロック製造用型枠の賃貸及びコンクリート二次製品の販売が主体の当事業は、近年大きな災害が起きていないこともあり、災害復旧事業は減少しているのですが、公共工事において比較的大型の案件を受注できた結果、受注高につきましては前年同期比14.4%増の1,447百万円、売上高につきましては前年同期比6.3%増の1,385百万円となり、営業利益につきましては、前年同期比79.0%増の317百万円となりました。

なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。

 

 

 

 

(単位:千円)

年度別

前期繰越受注高

受注高

売上高

次期繰越高

前連結会計年度

148,129

1,265,257

1,303,303

110,084

当連結会計年度

110,084

1,447,483

1,385,590

171,977

増減

△38,045

182,225

82,286

61,893

 

 

[その他]

その他の分野には、不動産賃貸事業、海外での事業等をまとめてその他としております。受注高につきましては前年同期比84.6%減の8百万円、売上高につきましては前年同期比7.4%増の87百万円、営業利益につきましては前年同期比92.8%減の1百万円となりました。

なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

年度別

前期繰越受注高

受注高

売上高

次期繰越高

前連結会計年度

107,659

54,492

81,061

81,090

当連結会計年度

81,090

8,378

87,090

2,378

増減

△26,569

△46,113

6,029

△78,712

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益673百万円および、売上債権及び契約資産の減少665百万円等により、932百万円の収入(前連結会計年度は668百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券等の取得、固定資産の取得の支出等により、841百万円の支出(前連結会計年度は2,373百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出等があり、326百万円の支出(前連結会計年度は935百万円の収入)となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ254百万円減少し、1,832百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木関連事業、建築関連事業及び型枠貸与関連事業では生産実績を定義することが困難であり、上記の事業のうち工事業は請負形態によっているため販売実績という定義は実態にそぐわないことから、受注及び販売の実績については「(1) 業績等の概要 ① 業績」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものであります。

また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日(2024年3月31日)現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討
a.経営成績

「(1) 業績等の概要 ① 業績」に記載したとおり、わが国経済は先行き不透明な状況にあり、当社グループが属する建設関連業界におきましても楽観できない状況が続いております。

このような中、当社グループは、社会資本整備の一翼を担う企業集団として、列島各地で頻発する自然災害の復旧支援に尽力していくとともに、企業価値向上のため量から質への営業活動を展開し、各事業の効率化の向上と聖域なきコスト削減を目指して取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。

売上高におきましては、公共投資、大型案件の施行が減少したことにより、前期比5.7%減の5,169百万円と計画を下回る結果となりました。

また利益面におきましては、コスト見直しによる固定費削減の効果により、営業利益は前期比27.7%増の529百万円となりました。経常利益は前期比23.7%増の640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比35.0%増の444百万円となりました。

なおセグメント別の売上高につきましては、「(1) 業績等の概要 ① 業績」を、損益につきましては、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項をご参照ください。

 

 

b.財政状態

当連結会計年度末の流動資産につきましては、現金預金および売上債権等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,003百万円減少し、4,669百万円となりました。また固定資産につきましては、不動産の取得および投資有価証券が増加したことから前連結会計年度末に比べ2,506百万円増加し、12,559百万円となりました。その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ1,502百万円増加し、17,228百万円となりました。

流動負債につきましては、仕入債務が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、2,467百万円となりました。また固定負債につきましては、長期借入金が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ9百万円減少し、3,695百万円となりました。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ26百万円減少し、6,163百万円となりました。

純資産につきましては、剰余金の配当が16百万円でありましたが、その他有価証券評価差額金がプラス1,071百万円の計上、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が444百万円となったこと等により、前連結会計年度末に比べ1,529百万円増加し、11,064百万円となりました。

以上から、連結ベースの自己資本比率は、前連結会計年度末の60.6%から3.6ポイント増加し、64.2%となりました。

c.キャッシュ・フローの状況

当社グループの資金状態は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて932百万円の資金の収入、投資活動において841百万円の資金の支出、財務活動において326百万円の資金の支出となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの詳細状況につきましては、「(1) 業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表の作成において、経営成績及び財政状態に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したものでありますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループにおいては、特に次に掲げるものが重要な影響を及ぼす事項であると考えております。

a.貸倒引当金の見積り

当社グループが保有する債権又は投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充当する必要額を見積り、貸倒引当金を計上しておりますが、将来債務者及び被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。

b.投資有価証券の減損

当社グループの保有する有価証券については、合理的な判断基準を設定のうえ、減損処理の要否を検討しておりますが、将来保有する有価証券の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には有価証券等の評価損を計上する可能性があります。

c.固定資産の減損

当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。現時点では減損処理の必要な固定資産については、減損損失の計上を行っておりますが、将来の事業環境の変化、業績の動向等により減損の兆候が生じた場合には、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産の見積り

当社グループでは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存することから、課税所得がその見積り額と乖離する場合には繰延税金資産及び法人税等調整額が増減する可能性があります。

 

e.工事損失引当金

工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。

f.完成工事高及び完成工事原価の計上

完成工事高及び完成工事原価の計上は、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を信頼性をもって見積もることのできる工事について工事進行基準を適用しております。なお工事原価総額には、過去の工事の施行実績を基礎として、個々の案件に特有の状況を織り込んでおり、決算日ごとに見直しておりますが、外注価格及び資機材価格の高騰、手直し等による施行中の追加原価の発生など想定外の事象により工事原価総額が増加した場合は、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、土木・建築関連事業においては材料・外注費、型枠関連事業においては賃貸用鋼製型枠の設備投資費、販売費及び一般管理費等の経費であります。

当社グループでは、キャッシュ・フローの増加が企業の安定運営及び企業価値向上につながるものと認識しており、当社が中心となり当社グループ全体のキャッシュマネージメントを綿密に調査・検証することにより、流動性の確保に努めております。また、金融機関には資金運用方針の適時・適切な報告を行い、機動的な資金調達を行っていく方針であります。

当面の方針としては、事業運営に必要な短期資金を主に金融機関からの借入により賄うとともに、手許流動性の確保・拡大に努め、安定的な資金運営を目指していく方針であります。

なお、当連結会計年度における有利子負債の残高は3,814百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,832百万円となっております。

当社グループの資金の状況については「(1) 業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

当連結会計年度における売上高総利益率は23.6%(前年比1.4ポイント増)、売上高営業利益率は10.2%(前年比2.6ポイント増)、ROE(自己資本利益率)は4.3%(前年比0.9ポイント増)となりました。当社グループは、今後も、安定的な収益確保及び収益力強化と株主資本の有効活用に努めてまいります。