売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E38689 

売上高

47.7億 円

前期

47.4億 円

前期比

100.6%

時価総額

76.5億 円

株価

1,526 (05/17)

発行済株式数

5,015,000

EPS(実績)

76.57 円

PER(実績)

19.93 倍

平均給与

558.2万 円

平均年齢(勤続年数)

37.8歳(6.0年)

従業員数

133人(連結:0.0人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 

当社グループは、当社、国内連結子会社(エンバイオ株式会社)1社、海外連結子会社(孝仁生物控股(香港)有限公司、高金生物科技(上海)有限公司)2社及び持分法適用関連会社(味の素コージンバイオ株式会社)1社の計5社で構成されており、細菌検査用培地(注1)、体外診断用医薬品、細胞培養用培地の製造・販売、及び細胞加工の受託を主な事業として取り組んでおります。

当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す事業の区分は「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一区分であります。

 

組織培養事業

組織培養事業では、ヒト、動物、昆虫などの細胞を増殖させることを目的とした細胞培養用培地の開発・製造・販売をしております。細胞培養用培地は、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、微量金属、無機塩などから構成される溶液で、ヒトや動物の血液成分であるウシ血清(FBS)などを添加して使用する基礎培地と血清の添加を必要としない無血清培地に分類することができます。

基礎培地は、1960年代の細胞培養の研究の黎明期に開発された培地で、含有される成分のすべてが公開されていることがその特徴となります。こうした基礎培地は十数種類存在し、基礎研究を中心に世界中の大学、企業等で使用されております。一方、無血清培地は、1986年に狂牛病(BSE)の存在が確認されたことを受け、ウシ血清等を研究等に使用することへの安全性の確保が難しくなったことを背景に開発が進められた培地であります。基礎培地の組成が公開されているのに対し、無血清培地は各社の技術の粋を集めたもので、基本的に組成は非公開とされております。加えて、基礎培地が血清を添加することで、複数種類の細胞を培養できるのに対し、無血清培地は細胞の種類ごとに専用の培地が存在している点も基礎培地と無血清培地の大きな違いであります。

ウシ血清等を添加している基礎培地が安価であるのに対し、無血清培地は血清の代替として、高額な細胞増殖因子を添加しているため、価格帯は高額となります。しかしながら、血清を添加している基礎培地にはウイルスのコンタミネーション(注2)の懸念があるのに対し、無血清培地では、ウイルス等の外来因子を排除することが可能なことから、高額であっても再生医療の研究開発に欠かせない製品となっており、当社としては無血清培地の開発と販売に注力しております。

これまでは、細胞培養用培地は研究用としての使用が主流でありましたが、近年では、再生医療分野や抗体医薬品の製造などにも多く使用されるようになってきたことから、その市場規模は数年間で急速に成長を続けており、さらに大きな市場に拡大していくと予想しております。特に再生医療分野におきましては、幹細胞、免疫細胞が注目されており、これらの細胞はアンメットメディカルニーズ(注3)の治療領域を満たすものとして、世界中で盛んに研究が行われております。その中でも間葉系幹細胞(注4)は、こうした再生医療に使用される細胞としては最も有力な細胞の一つであり、当社もKBM ADSCシリーズとして2014年から発売を開始し、主力製品の一つとなっております。また、免疫細胞に代表されるT細胞は、遺伝子改変細胞(注5)のターゲットとなっており、最新のがん治療薬として開発が進められております。当社は、こうした免疫細胞を培養する培地の開発を最も得意としており、KBM500シリーズとして販売されている免疫細胞培養用培地は、末梢血から単離したPBMC(注6)から目的の細胞であるT細胞やNK細胞を培養した際に、有効な細胞増殖性能があると大学や企業を含む顧客よりご評価いただいております。

これら培地に加えて、当社は、脳梗塞等の治療で注目される神経幹細胞(注7)を培養するKBM Neural stem cell(注8)、様々な組織を作製する上で必須となる血管網の構築を促す血管内皮細胞を培養するKBM VEC-1(注9)、皮膚の再生に必要となる表皮角化細胞を培養するKBM NHEK-XF2(注10)など、再生医療に関連する製品を多数ラインナップしております。

 

今後の開発の方向性といたしましては、抗体医薬品の70%以上がCHO細胞(注11)により生産されていること、CAR-T細胞(注12)等の遺伝子改変細胞を作製するために使用されるウイルスベクター(注13)の生産のほぼすべてはHEK293細胞(注14)と呼ばれる細胞株が使用されていることから、これらの産業利用される細胞培養用培地の市場規模は、数年で非常に大きく急成長すると予想しており、これらの開発に注力することを予定しております。これら培地は、無血清培地でありながら、細胞増殖因子を含まず、アミノ酸、ビタミン、微量金属などの化学合成物質のみから構成されるChemically Defined(CD)培地で、非常に開発が困難な培地ですが、CHO細胞用培地は現在上市準備をしております。また、HEK293細胞培養用培地に関しましても開発は順調に進んでおり、来年度上市を予定しております。さらに、こうした培地は使用量が数千リットルから数万リットルと大量なため、国内外を問わず粉末での供給が一般的ですが、そうした技術開発にも成功しております。

再生医療市場は、2020年には0.6兆円であったところ、2040年には11.6兆円の予測(再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 中間評価 技術評価報告書(2023年3月 産業構造審議会産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会評価ワーキンググループ))となっており、市場規模は拡大傾向にあります。

※画像省略しています。

 

 

(注) 1.培地は、微生物や生物組織(細胞)が成長しやすいよう人工的に作られた環境を提供するもの。寒天などで固められた固体培地や、液体状で存在する液体培地などがあり、生育させる微生物、細胞の種類により、培地の成分形状は異なります。

2.細胞や微生物などを人工的に培養するときの、微生物などによる汚染

3.いまだ満たされていない医療ニーズ、つまり、いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ

4.間葉系幹細胞は、生体内に存在し、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞等に変化できる細胞で膝関節の治療をはじめとする様々な損傷治療に使用できる細胞として注目されている

5.細胞の機能を決定する遺伝子を導入され、これまでにない機能等を与えられた細胞の総称

6.PBMC(Peripheral Blood Mononuclear Cellsの略)は、末梢血から分離される単核細胞で、T細胞、B細胞、NK細胞、単球および樹状細胞などの多様なリンパ球を含む

7.神経幹細胞は、脳の中に存在する幹細胞で、ニューロンといった神経機能を担う細胞に変化する能力を持ち、こうした機能から筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった難病の治療が期待される細胞

8.KBM Neural stem cellは、神経幹細胞を培養するための当社製品

9.KBM VEC-1は、血管の内側に存在する血管内皮細胞を培養するための当社製品

10.KBM NHEK-XF2は、ヒトの皮膚の元を作り出す表皮角化細胞を培養するための当社製品

11.CHO細胞(Chinese Hamster Ovaryの略)は、チャイニーズハムスターの卵巣に由来する上皮細胞で、組換えタンパク質の生産によく使用される

12.CAR-T細胞は、T細胞にChimeric Antigen Receptor(CAR)を導入した遺伝子改変細胞で、がんに対する攻撃力を高めた細胞

13.ウイルスベクターは、細胞内に効率的に遺伝物質を運び込むために、ウイルスの感染能力を利用して作製されたツール

14.HEK293細胞(Human Embryonic Kidneyの略 )は、ヒト胚性腎臓細胞から作製された細胞で、組み換えタンパク質やウイルスを増幅させるために使用される細胞

(主な関係会社)当社、高金生物科技(上海)有限公司及び味の素コージンバイオ株式会社

 

微生物事業

微生物事業では、感染症や食品汚染の原因となる微生物を特定するための製品の開発と製造・販売を行っています。目に見えない微小な微生物を特定するためには、微生物に由来する物質を着色したり、微生物そのものを増殖させたりして、人が視覚的に確認できるようにする必要があります。

・細菌検査用培地

当社は、創業から長年培った微生物そのものを増殖させる細菌検査用培地の製造ノウハウを保持しており、KBMブランドとして多くの製品群を市場に提供しております。

微生物の増殖のためには、目的とする微生物にとっての最適な環境を整える必要があります。一定の栄養素(アミノ酸、糖質、無機塩類)に加え、特定の栄養素(ビタミン等)や血液を発育成分として要求する微生物、酸素の有無や二酸化炭素濃度(酸化還元電位)、水素イオン濃度(pH)なども微生物によって異なります。従って、ある特定の微生物の生育に適した環境を人工的に模造することで、微生物を選択的に増殖させることも可能であり、このような微生物の培養に適した環境を与える材料を容器に閉じ込めた製品が細菌検査用培地であります。

細菌検査用培地は、用途に応じて、液体、固体、半流動の状態で利用されます。試料(検体)に含まれる微生物の数を知りたい場合等には固形の細菌検査用培地を、試料(検体)中に含まれる微生物の数が少なく速やかな増殖を期待する場合には液体の細菌検査用培地を、微生物の性状を知りたい場合等には半流動の細菌検査用培地を用います。また、細菌検査用培地は、抗生物質に感受性なのか耐性なのかを判断する場合等にも利用されます。このように細菌検査用培地は、微生物の種類や医療(感染症)、食品(病原菌)、製薬・化粧品(品質)などの検査の目的により、様々な種類の製品が存在し、当社においては2023年3月期に年間300品目を超える細菌検査用培地等を製造販売しております。

 

・体外診断用医薬品

体外診断用医薬品は、身体を直接の被検体とせずに、人に由来する試料を検体とし、検体中の物質等を検出又は測定することにより、診断に用いることの出来る医薬品です。製品として販売する場合は、厚生労働省のガイドラインに基づいた審査を受け、承認基準に適合する必要があります。当社は、微生物に由来する物質を可視化するため、抗原抗体反応を利用した検査キットを開発し、体外診断医薬品の認可を受けた製品化に成功いたしました。この検査キットは、抗体を結合させた金コロイド粒子(粒子径10nmから100nm程度の金の粒子)の共鳴反応が関与しており、金コロイド粒子の集積に基づく発色技術が使用されています(注)。また、抗体は病原体に由来する物質と特異的に反応するため、対象微生物の特定も可能となります。従って、様々な感染症の原因となる微生物を特定するための製品群を開発することが可能となります。近年では、新型コロナウイルス抗原を検査するためのキット「KBMラインチェックnCoV(スティックタイプ)」が、体外診断用医薬品として製造販売許可申請が承認され、ひいては、国からの増産要請を受けて月産最大約20万検体分の製造を行うことで、未曽有の感染拡大を続ける新型コロナの拡大防止に向けた製品提供を果たしました。また、新型コロナウイルスとインフルエンザを同時に検出する体外診断用医薬品「KBMラインチェックnCoV/Flu」の発売も開始しました。さらに、インフルエンザのA型とB型を区別するための「KBMラインチェックFlu AB」、小児の呼吸器感染症の原因ウイルスであるRSウイルスを判別する「KBMラインチェックRSV」も体外診断用医薬品として製造販売を続けています。これらの抗原検査キットは、方法が簡便であるにも関わらず、15分程度で結果が得られることから、迅速検査が望まれる医療施設や臨床検査センターなどで利用されています。近年では、新型コロナ抗原検査キットに加え、新型コロナとインフルエンザの同時抗原検査キットが薬局での販売も可能となり、国民の健康維持には欠くことの出来ないアイテムとして認知されています。

新型の感染症が問題視される一方で、いまだ世界規模で流行している感染症も多くあります。エイズ、結核、マラリアは、「三大感染症」と呼ばれています。2000年の世界保健総会において、「ストップ結核パートナーシップ」 が発足しました。WHOが中心となり、2050年までに世界の結核を100万人に一人まで減らすことが目標として策定され、日本国内においても、「ストップ結核ジャパンアクションプラン」が策定されています。当社は、発育の遅い結核菌のための培養技術の改善を目指し、国内の研究機関と連携した製品開発を進めております。また、世界規模のマラリア対策を進めるため、WHO、UNICEF、UNDP、世界銀行が中心となって「ロールバックマラリア・パートナーシップ」 が設立され、死亡率及び有病率の半減が目標として掲げられました。当社は、マラリア診断に寄与すべく、血液を試料とする抗原検査キットの開発に着手しております。また、研究用試薬となりますが、近年東南アジアを中心に猛威を振るっているNDM型カルバペネマーゼ産生菌(薬剤耐性菌)の検査キット(KBMラインチェックNDM)の開発に成功し、開発途上国の抱える課題の解決に取り組んでおります。抗原検査キットは、簡便易且つ迅速な手法であることから、電源事情の悪い地域での活用が期待されております。

微生物製品の開発や製品化においては、現在も共同研究やOEM受託等も積極的に行い、微生物検査を取り巻く市場や顧客ニーズの変化に対応した製品を提供し続けています。

 

 

※画像省略しています。

(注)金コロイド粒子の集積に基づく発色原理:金属に光が当たると、金属表面の電子がその影響を受けて集団的な振動が起こります。振動と入射した光とが共鳴すると、特定の波長の光(緑色)が強く吸収されるようになります。その結果、金コロイド粒子が、一定の波長の光(赤色系)を帯びて視認されるようになります。

(主な関係会社)当社及びエンバイオ株式会社

 

細胞加工事業

細胞加工事業では、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、再生医療等安全性確保法)における再生医療の健全な普及に向け、特定細胞加工物製造受託および再生医療等法規対応サポートを行っています。

・特定細胞加工物製造受託

免疫療法や幹細胞治療等の再生医療等を提供されている医療機関より依頼を受けて、厚生労働省より許可を得た細胞培養加工施設(施設番号:FA3190002、細胞培養加工施設の名称:コージンバイオ株式会社 埼玉加工センター)にて、当該医療機関が患者より採取した組織を預かり、特定細胞加工物の製造を受託しております。

特定細胞加工物とは、再生医療等安全性確保法第2条で、「再生医療等に用いられる細胞加工物のうち再生医療等製品であるもの以外のもの」と定義されており、当社においては免疫細胞や幹細胞を中心に医療機関より受託しております。

医療機関において採取された組織(血液や脂肪細胞等)を、当社の細胞培養加工施設にて受領し、そこから目的の細胞(免疫細胞や幹細胞)を取り出します。それら細胞をその管理項目に合った環境下において増殖させ、医療機関指定の細胞数まで増やしたうえで、医療機関からご指定の日に合うように納品いたします。

特定細胞加工物の製造には、自社製の細胞培養用培地を使用しており、組織培養事業と連携することで、双方の技術開発及び、製品の品質向上に努めております。培地の製造メーカーである当社が、自社製の細胞培養用培地を用いて特定細胞加工物の製造を行い、さらに、自社製の細菌検査用培地を用いて品質管理試験を行うことで、費用を抑えることができ、柔軟な価格設定が可能となります。そこで、再生医療を身近な医療として認知度を高め、治療の医療負担を軽減させることを目的に、特定細胞加工物を医療機関へ提供しております。

2022年7月からは、東京大学医学部附属病院との社会連携講座「臨床幹細胞生物学講座」を通じて、細胞治療のメカニズム究明やエビデンス取得のための臨床解析を行っております。

また、主要な共同研究としましては、三重大学が開発された固形がんを標的としたMAGE-A4 CAR-T細胞の調整方法および品質管理システムの基盤技術の構築に関する研究を三重大学とティーセルヌーヴォー株式会社との三社間で取組んでおります。

 

 

・再生医療等法規対応サポート

医療機関が患者に再生医療を提供する場合、再生医療等安全性確保法に基づき、製造委託の有無や細胞培養加工施設に関する情報を含め、提供しようとする再生医療のリスクに応じた再生医療等提供計画を作成し、認定再生医療等委員会の意見を付して、厚生労働大臣に提出することが義務付けられております。かかる法的手続きなどを経ないまま、再生医療等の提供あるいは特定細胞加工物の製造は医療機関においては法律違反となり、罰則が科されることとなります。当社では、再生医療を行う医療機関より委託を受けて、医療機関が患者に再生医療を提供する際に必要となる各種申請・届出業務に係る書類作成等のサポートおよび治療提供のために必要な行政手続きの支援業務を行っております。

※画像省略しています。

(主な関係会社)当社

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/04/16

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

第42期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、第7波、第8波と2度の感染拡大が発生いたしましたが、ウィズコロナの取り組みにより日常を取り戻すという政府方針のもと、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2023年5月より現状の2類から5類へ移行することが決定いたしました。

行動制限の緩和に加え、政府や自治体による旅行支援、インバウンドの回復等により、国内の経済は緩やかな回復の兆しを見せております。

一方、ロシア・ウクライナ情勢による地政学的緊張の長期化や、世界的な金融引き締めにより、国内景気や企業収益、個人消費に与える影響については、引き続き留意が必要な状況となっております。

このような経済状況の中で、感染症対策や再生医療の発展のために、経営理念で掲げる「顧客第一主義・品質第一主義」のもと、全社員がグループ全体の更なる成長とステークホルダーへの貢献に努めております。

当連結会計年度の売上高は4,742百万円(前年同期比20.2%の増加)となり、営業利益は1,267百万円(前年同期比30.7%の増加)、経常利益は1,244百万円(前年同期比35.6%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は829百万円(前年同期比41.2%の増加)となりました。

 

セグメント別の経営成績を示すと、以下のとおりであります。

(組織培養事業)

当連結会計年度における組織培養事業は、再生医療の研究開発や臨床試験が国内外で活発に実施されていることに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ワクチンやPCR検査のためのウイルス輸送液の製造用途の細胞培養用培地の需要が拡大いたしました。

国内では渡航制限の緩和により、一部の地域からのインバウンドによるメディカルツーリズムが回復したことで、自由診療領域の医療機関における細胞治療用の培地使用量が増加したこともあり、関連する製品の売上が増加いたしました。

培地のOEM製造受託については、一部の大口顧客において海外顧客からの受注減少による売上減少がみられましたが、新規契約先からの受託や既存顧客から新規案件の受託が増加しており、生産数量は増加傾向となっております。

この結果、売上高は1,648百万円(前年同期比7.1%の増加)、セグメント利益(営業利益)は521百万円(前年同期比21.1%の増加)となりました。

(微生物事業)

当連結会計年度における微生物事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、抗原検査キットの販売が大きく伸びたものの、新型コロナウイルス検査がPCR検査から抗原検査キットでの検査に一部置き換わった影響により、ウイルス輸送液の販売は減少いたしました。

また、2022年1月より弊社での取り扱いを開始した「C. DIFF QUIK CHEK コンプリートキット(TECHLAB社製)」が年度を通して売上に寄与したものの、細菌検査用培地の売上はほぼ横ばいでの推移となりました。

この結果、売上高は2,396百万円(前年同期比28.2%の増加)、セグメント利益(営業利益)は818百万円(前年同期比25.5%の増加)となりました。

 

(細胞加工事業)

当連結会計年度における細胞加工事業は、メディカルツーリズムを目的とするインバウンド患者に加え、国内患者による細胞治療が増加傾向にあることから、特に幹細胞の加工受託件数が大きく増加しており、また、新たに細胞治療を始める医療機関と細胞加工の委受託契約を締結いたしました。研究用試薬についても、化粧品の原料用途や、様々な疾患への応用が期待されているエクソソームの研究の用途での販売が増加し、フル生産の状況が継続しております。

この結果、売上高は697百万円(前年同期比29.8%の増加)、セグメント利益(営業利益)は280百万円(前年同期比66.9%の増加)となりました。

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態は以下のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ45百万円増加の3,478百万円となりました。これは主に、設備投資債務等の支払いによって現金及び預金が271百万円減少したこと、PCR検査のためウイルス輸送液の売上減少により電子記録債権が185百万円減少した一方で、新型コロナウイルス感染症及びインフルエンザウイルスの同時流行に備えた抗原検査キット製造用の材料購入等により、原材料及び貯蔵品が327百万円、商品及び製品が175百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ494百万円増加の2,655百万円となりました。これは、主にCDMO事業に関するCPC(細胞培養加工施設)の建設及び新規設備の導入により有形固定資産が462百万円増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ539百万円増加の6,134百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ823百万円増加の3,021百万円となりました。これは、主に翌連結会計年度に返済予定の長期借入金を、流動負債の1年内返済予定の長期借入金に振替えたことにより655百万円増加したためであります。また、固定負債は、上述に記載のとおり、長期借入金の返済及び振替によって1,064百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,084百万円減少の95百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ261百万円減少の3,116百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ800百万円増加の3,017百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加(829百万円)及び剰余金の配当による減少(41百万円)によるものであります。

 

 

第43期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴うインバウンド需要の拡大等により、経済活動は正常化に向けて進み始め、日経平均株価もバブル崩壊後の高値圏で推移するなど、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で、地政学的リスクの長期化や資源・原材料価格の上昇、世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き懸念等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような経済状況の中で、感染症対策や再生医療の発展のために、経営理念で掲げる「顧客第一主義・品質第一主義」のもと、全社員がグループ全体の更なる成長とステークホルダーへの貢献に努めております。

2023年5月より新型コロナウイルス感染症の感染症法上の区分がインフルエンザと同じ5類に引き下げられたことにより、同感染症関連製品の需給動向に変化が生じたことから、販売計画の見直し等を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症、及びインフルエンザの感染拡大によって、同感染症関連製品の需要は回復傾向を示しました。また、細胞加工事業においてはインバウンドの回復により、外国人患者による日本での細胞治療受診件数が急激に増加したことから、同事業における特定細胞加工物の製造受託数が計画を大きく上回って推移いたしました。これらの要因により、2023年11月に再度年度計画の修正を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症関連棚卸資産につきましては、当第3四半期連結会計期間末の在庫数量、及び上記計画修正における同製品の販売数量見込み等により、同感染症関連棚卸資産の評価損284百万円を売上原価として計上しております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,544百万円となり、営業利益は370百万円、経常利益は397百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は207百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績を示すと、以下のとおりであります。

(組織培養事業)

当第3四半期連結累計期間における組織培養事業は、企業や大学、研究機関等において再生医療の研究開発や臨床試験が国内外で活発に実施されております。国内ではインバウンドによるメディカルツーリズムの拡大により、自由診療領域の医療機関における細胞治療用の培地の使用量が増加し、企業においても、再生医療市場の拡大に合わせ特注製品やOEM製造受託の需要が増加傾向にあります。

アジア圏での細胞治療の市場においても、日本同様に市場が拡大傾向にあることから輸出数量が増加するなど、総じて堅調な受注を獲得しております。

この結果、売上高は1,406百万円、セグメント利益(営業利益)は474百万円となりました。

(微生物事業)

当第3四半期連結累計期間における微生物事業は、細菌検査用培地について、医薬品など産業用途の培地売上が微増で推移しております。新型コロナウイルス感染症について、前述のとおり、同感染症関連棚卸資産の評価損284百万円を売上原価として計上しております。

この結果、売上高は1,233百万円、セグメント損失(営業損失)は178百万円となりました。

(細胞加工事業)

当第3四半期連結累計期間における細胞加工事業は、インバウンドによるメディカルツーリズムの急速な回復により、外国人患者検体の加工受託が増加し、国内患者による細胞治療も引き続き増加傾向にあることから、がん免疫、幹細胞ともに加工受託件数が大きく増加しております。

また、研究用試薬についても、化粧品原料やエクソソームの研究用途での需要拡大が続いているなかで、生産設備の増設による供給量の増加により、売上も拡大しております。

この結果、売上高は904百万円、セグメント利益(営業利益)は368百万円となりました。

 

 

当第3四半期連結会計期間における当社グループの財政状態は以下のとおりであります。

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は3,324百万円となり、前連結会計年度末に比べ154百万円減少いたしました。これは主に、細胞加工事業におけるインバウンド需要の回復による加工受託件数の増加等により、受取手形及び売掛金が168百万円、現金及び預金が119百万円増加した一方で、新型コロナウイルス感染症関連棚卸資産の評価損を計上したこと等により、原材料及び貯蔵品が262百万円、商品及び製品が141百万円減少したことによるものであります。

また、固定資産は3,003百万円となり、前連結会計年度末に比べ347百万円増加いたしました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の抗原検査キットを安定供給する、という社会的責任を果たすため導入した製造設備、及び広島CPC開設に伴い購入した細胞培養設備102百万円等により有形固定資産が280百万円増加したことによるものであります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ193百万円増加の6,327百万円となりました。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は2,361百万円となり、前連結会計年度末に比べ660百万円減少いたしました。これは、シンジケートローンの借換により1年内返済予定の長期借入金が712百万円減少したことによるものであります。

また、固定負債は782百万円となり、前連結会計年度末に比べ686百万円増加いたしました。これは主に、前述のシンジケートローンの借換により長期借入金が562百万円増加したこと、リース資産取得に伴って固定負債のその他に含まれるリース債務が123百万円増加したことによるものであります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ26百万円増加の3,143百万円となりました。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は3,184百万円となり、前連結会計年度末に比べ166百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益207百万円の計上によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

第42期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して271百万円減少の1,462百万円となりました。

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果取得した資金は461百万円(前年同期比301百万円の収入減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を1,244百万円(前年同期比322百万円の増加)稼得したこと、売上債権の減少による増加が300百万円(前年同期比539百万円の増加)あったものの、棚卸資産の増加による減少581百万円(前年同期比590百万円の減少)や、法人税等の支払額430百万円(前年同期比128百万円の支出増)があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は575百万円(前年同期比658百万円の支出増)となりました。これは主に、CDMO事業に係る施設及び機器等の購入に伴い、有形固定資産の取得による支出が560百万円(前年同期比358百万円の支出増加)あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は172百万円(前年同期比187百万円の支出減)となりました。これは主に、短期借入れによる収入600百万円(前年同期比300百万円の収入増)があったものの、短期借入金の返済による支出300百万円(前年同期比300百万円の支出増)や、長期借入金の返済による支出409百万円(前年同期比252百万円の支出減)あったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

第42期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

組織培養事業

747,095

+9.0

微生物事業

1,158,255

+43.6

細胞加工事業

20,658

+45.9

合計

1,926,009

+27.9

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

組織培養事業

72,842

△50.1

微生物事業

142,222

+37.1

細胞加工事業

4

+266.7

合計

215,069

△13.9

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

組織培養事業

微生物事業

細胞加工事業

503,398

+17.9

20,607

+109.6

合計

503,398

+17.9

20,607

+109.6

 

(注) 組織培養事業及び微生物事業については見込生産であり、該当事項はありません。

 

 

d 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

組織培養事業

1,648,733

+7.1

微生物事業

2,396,937

+28.2

細胞加工事業

697,320

+29.8

合計

4,742,992

+20.2

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱スギヤマゲン

589,597

14.9

富士フイルム和光純薬㈱

411,772

10.4

 

  当連結会計年度の㈱スギヤマゲン及び富士フイルム和光純薬㈱に対する販売高は、総販売高に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

 

 

第43期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

a 生産実績

当第3四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

組織培養事業

658,016

微生物事業

632,299

細胞加工事業

13,437

合計

1,303,754

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b 仕入実績

当第3四半期連結累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

組織培養事業

96,568

微生物事業

75,412

細胞加工事業

114

合計

172,096

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c 受注実績

当第3四半期連結累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

受注残高(千円)

組織培養事業

微生物事業

細胞加工事業

737,376

33,947

合計

737,376

33,947

 

(注) 組織培養事業及び微生物事業については見込生産であり、該当事項はありません。

 

 

d 販売実績

当第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

組織培養事業

1,406,963

微生物事業

1,233,191

細胞加工事業

904,420

合計

3,544,575

 

(注) 1.当第3四半期連結累計期間において、販売実績に著しい変動がありました。詳細は「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 経営戦略の現状と見直しおよび経営者の問題認識と今後の方針

経営戦略の現状と見通しおよび経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

④ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態

財政状態とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 経営成績

第42期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(売上高)

売上高は、4,742百万円(前年同期比20.2%の増加)となりました。これは主に、微生物事業において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で抗原検査キットの製造・販売が大きく増加したことに加え、細胞加工事業において、国内患者による細胞治療が増加傾向にあることで、幹細胞治療の加工受託件数が増加したためであります。

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、2,288百万円(前年同期比20.0%の増加)となりました。売上原価率は48.3%となり、前連結会計年度と比して差はありませんでした。主な要因としては、利益率の高い抗原検査キットの売上が好調だった一方で、原油価格の高騰などにより水道光熱費が増加したことが挙げられます。

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費は、1,186百万円(前年同期比10.9%の増加)となりました。これは主に、抗原検査キットの販売増加に伴って運送費用が増加したことによるものです。この結果、営業利益は1,267百万円(前年同期比30.7%の増加)となりました。

営業外損益は、受取賃貸料11百万円と持分法による投資利益10百万円により営業外収益は25百万円となり、また、支払利息32百万円により営業外費用は48百万円となりました。この結果、経常利益は1,244百万円(前年同期比35.6%の増加)となりました。

(親会社株主に属する当期純利益)

法人税、住民税及び事業税を432百万円、法人税等調整額を△18百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は829百万円(前年同期比41.2%の増加)となりました。

 

第43期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

(売上高)

売上高は、3,544百万円となりました。これは主に、メディカルツーリズムの回復による細胞加工及び細胞治療用の培地需要が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症の抗原検査キット及びウイルス輸送液の需要が減少したことによります。

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、2,234百万円となり、売上原価率は63.0%となりました。これは主に、前述のとおり新型コロナウイルス感染症関連棚卸資産の評価損284百万円を売上原価として計上したことによります。

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費は、939百万円となりました。これは主に、CDMO事業に関するCPC施設の建設及び新規設備の導入により、減価償却費が増加したことによります。この結果、営業利益は370百万円となりました。

営業外損益は、主に持分法による投資利益51百万円により営業外収益は66百万円となり、また、支払利息16百万円と支払手数料21百万円により営業外費用は39百万円となりました。この結果、経常利益は397百万円となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益)

親会社株主に帰属する四半期純利益は207百万円となりました。

 

 

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,462百万円となっており、主に製品製造に必要な原材料の仕入及び生産設備の維持管理費用、従業員に支払う給与、各事業所等の賃借料等といった事業成長に伴う運転資金、並びに新規事業案件への投資に備えております。なお、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。