E00189 Japan GAAP
前期
342.4億 円
前期比
100.7%
株価
1,305 (04/26)
発行済株式数
11,800,000
EPS(実績)
79.12 円
PER(実績)
16.49 倍
前期
642.9万 円
前期比
104.3%
平均年齢(勤続年数)
45.4歳(17.6年)
従業員数
778人
当社は、主に東京ガスグループのガス設備事業(屋内配管工事・戸建住宅暖冷房給湯工事)、ガス導管事業(本支管埋設工事・供給管工事)を主体としておりますが、そのほか建築設備事業(建築工事・給排水衛生設備工事・空気調和設備工事・集合住宅暖冷房給湯工事)、電設・土木事業(電気管路洞道埋設工事・上下水道工事・土木工事)を営み、総合設備工事業として事業活動を展開しております。
また、当社には非連結子会社として株式会社協和ライフサービス(車両のリース・整備及び損害保険代理店業務)、ガイアテック株式会社(ガス設備工事・床暖房工事・ガス機器設置工事・プロパンガス工事・エクステリア工事)があります。
更に、当社には関連会社として東京理学検査株式会社がありますが、同社は配管に対する理化学機器による検査業務を主として営んでおります。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度末における総資産は、前事業年度末の26,257百万円に比べて133百万円増加し、26,390百万円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末の17,243百万円に比べて297百万円減少し、16,945百万円となりました。これは、電子記録債権が61百万円、完成工事未収入金及び契約資産が272百万円増加しましたが、現金及び預金が434百万円、受取手形が96百万円、償還日を迎えた債権が99百万円減少したことが、主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末の9,013百万円に比べて430百万円増加し、9,444百万円となりました。
当事業年度末における固定資産のうち有形固定資産は、前事業年度末の5,482百万円に比べて305百万円増加し、5,787百万円となりました。これは、新事業場の建設に伴い建設仮勘定を302百万円計上したことが、主な要因であります。
無形固定資産は、前事業年度末の27百万円に比べて36百万円増加し、63百万円となりました。主な要因は、ソフトウェア仮勘定の増加によるものです。
投資その他の資産は、前事業年度末の3,503百万円に比べて88百万円増加し、3,592百万円となりました。これは、保有する株式の時価評価が下がったものの、新たな債券取得により、投資有価証券が89百万円増加したことが、主な要因であります。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末の8,639百万円に比べて110百万円増加し、8,750百万円となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末の8,172百万円に比べて105百万円増加し、8,278百万円となりました。これは、一年内返済予定長期借入金が100百万円、賞与引当金が140百万円減少しましたが、支払手形が152百万円、工事未払金が152百万円増加したことが、主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末の467百万円に比べて4百万円増加し、471百万円となりました。主な要因は、役員退職慰労引当金の増加によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末の17,617百万円に比べて22百万円増加し、17,639百万円となりました。これは、配当金に係る利益剰余金の支出322百万円、株式給付信託導入による自己株式を532百万円取得しましたが、当期純利益を933百万円計上したことが、主な要因であります。
当事業年度におけるわが国の経済を概観しますと、新型コロナウイルス感染症の対策が進み、経済活動は年度当初から緩やかに持ち直しの動きが続きました。製造業は世界経済の減速を背景に悪化が続いたものの、非製造業ではコロナ禍の景気への下押し圧力が弱まる中、全国旅行支援等の政策効果や、水際対策緩和による訪日外国人数の回復によるインバウンド需要の回復を受け企業収益は改善が続き、設備投資も緩やかな増加がみられました。また、労働力人口が減少する中で企業の人手不足感は強く、雇用情勢も緩やかに改善し、個人消費は外食や宿泊サービスを中心に持ち直しの動きが続きました。
一方で、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が長期化し、世界情勢が不安定化する中で、エネルギー価格や原材料価格の高騰や円安による物価の更なる上昇などにより、消費者マインドの悪化や購買力の低下が個人消費に与える影響や企業の業績悪化による設備投資の抑制などが懸念され、景気の先行きは引き続き不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、不動産・建設業界におきましては、近年の気候変動の影響による気象災害の激甚化・頻発化、南海トラフ地震・首都直下地震の発生可能性の切迫を受け、2021年度より始まった「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」による防災・減災対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策は、堅調に推移いたしました。また、2022年の新設住宅着工戸数は、新型コロナウイルス感染拡大による住宅需要の抑制の反動や、在宅ニーズの高まりによる住環境の見直しなどもあり、前年を3,045戸上回る859,529戸となり、2年連続で増加しました。一方で、需要に対する慢性的な技術者不足は改善されておらず、建設資材の価格高騰に伴う建設コストの上昇も相まって工期の長期化やコスト増などが続いており、採算悪化や住宅取得マインドの悪化が懸念される状況が続いていることに加え、猶予期間の終了が残り1年となった時間外労働の上限規制など、先行きを見通した柔軟な対応が一層重要となっております。
エネルギー業界におきましては、小売全面自由化以来、エネルギー事業者間の競争激化に伴い、電力・ガスともにコスト削減の動きが継続いたしました。それに伴い、当社が受注する主要取引先であるガス事業者の設備投資計画に伴う工事発注方式の変更や、2022年4月に実施された導管事業分離によるガス事業者の政策転換や、当社も含めた工事会社に対する取引方針の見直しなどが懸念され、当社業績への影響度を注視する1年となりました。また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化に伴う地政学的リスクが顕在化し、エネルギーの安定供給の重要性が見直され、再生エネルギーの活用や脱炭素化への投資が旺盛になりました。
このような経済環境のもと当社におきましては、ガス導管工事において難工事による進捗低下に加え、GHP(ガスヒートポンプエアコン)工事において大型案件が減少いたしました。しかしながら、集合住宅における給排水衛生設備工事および戸建住宅のガス設備工事やLCS(戸建住宅における給排水設備工事)に加え、管路埋設工事が堅調に推移いたしました。この結果、売上高は34,472百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
利益面につきましては、建設コスト増加の影響は受注先との価格交渉等により抑制できた案件が多かったものの、一部の工事において原価率の高い案件の完成があったことにより、営業利益1,141百万円(同9.3%減)、経常利益1,338百万円(同4.6%減)となりました。当期純利益は、933百万円となりましたが、前年度は投資有価証券売却益74百万円を特別利益に計上したため、前年同期比では13.5%減となりました。
当社は、企業の総合的な収益力を示す指標として、売上高経常利益率を重視しております。2023年度は中途採用費用や研修実施費用などの人的投資、システム関連投資、新拠点建設などの投資を計画しており、売上高経常利益率は3.6%と見込んでおりますが、現中期経営計画最終年度となる2024年度には、売上高経常利益率4.0%の達成を目指しております。
2023年度は、3ヶ年の中期経営計画「STEP 2024」(Sustainable Evolution Plan)の2年目となります。社会課題解決へ向けて企業への期待が高まる中、前述の事業環境の変化に対応し、社会との共生を図りつつ、100年企業として成長し続けるため、「サステナビリティ経営」を基本方針として、「事業戦略」、「CSRの推進」、「株主還元の強化」、「筋肉質な企業体質作り」、「経営基盤強化」の5つの重要施策を引き続き推進してまいります。
当事業年度より報告セグメント区分を変更しております。詳細は、第5[経理の状況]1[財務諸表等](1)[財務諸表][注記事項](セグメント情報等)」をご参照下さい。
前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分にて組替えた数値で比較をしております。
GHP工事が減少いたしましたが、組織統合による営業部門と施工部門の情報共有や連携強化の結果、集合住宅等の案件の受注が増加し、給排水衛生設備工事や給湯・暖房工事が好調に推移したことに加え、GHPメンテナンス事業が堅調に推移いたしました。この結果、売上高は5,699百万円(前年同期比2.6%増)となりましたが、給排水衛生設備工事やリノベーション工事(排水管ライニング工事を含めた改修工事)において原価率の高い案件の完成が多かったことにより、経常損失436百万円(前年同期は43百万円の経常損失)となりました。
なお、2023年度の期初手持工事高は5,210百万円と前年同期に比べ350百万円の増加となりました。集合住宅等に関連した給排水衛生設備工事において、主要顧客からの受注が引き続き堅調に推移するほか、耐震性・機能性・防犯性の向上や新しい生活様式に合わせた空間利用のニーズによる既築建物のリフォーム・リノベーション市場も堅調に推移することが見込まれており、リノベーション工事(排水管ライニング工事を含めた改修工事)も大型物件の完成を予定しております。このような受注環境の中、営業部門と施工部門における情報共有および連携の更なる強化を図ることに加え、エネルギー価格や原材料価格の高騰が建設コストに与える影響については、引き続き受注先との価格交渉や購買方法の変更を実施することなどにより、生産性の向上に努めてまいります。
住宅着工戸数が底堅く推移したことに伴い、パワービルダー系の戸建住宅の案件が増加し、ガス設備工事が好調に推移いたしました。施工体制を強化したLCSも、ガス設備工事と同様にパワービルダー系の物件が好調に推移いたしました。また、前年同期に半導体不足による給湯器の納入遅延の影響により持ち越した案件が多かったことにより機器工事も増加いたしました。この結果、売上高は9,923百万円(前年同期比7.1%増)となり、売上高の増加による利益の増加に加え、利益率の高い案件の完成が多かったことから、経常利益は649百万円(同101.5%増)となりました。
なお、2023年度の期初手持工事高は3,199百万円と前年同期に比べ561百万円の増加となりました。エネルギー価格や資機材価格高騰による建設コストの増加が持家を中心に住宅取得マインドを抑制する要因となる一方で、これまでコロナ禍で先送りされていた住宅需要が顕在化していることから、住宅着工戸数は横ばいで推移すると予想されております。首都圏のガス設備新設工事では、大規模物件の増加も見込まれることに加え、LCS(戸建住宅における給排水設備工事)においても2022年度に引き続き受注量の増加を見込んでおります。旺盛な工事量に対し効率的な施工体制を構築し、品質向上に努めてまいります。
北海道ガス株式会社および静岡ガス株式会社の設備投資計画による工事は堅調に推移いたしましたが、東京ガスネットワーク株式会社の設備投資計画による受注は堅調に推移したものの、都・国道を含む管口径の大きい難工事が増加したことにより、進捗率が低下いたしました。この結果、売上高は16,968百万円(前年同期比3.4%減)となりましたが、利益面につきましては、前年度は原価率の高い案件の完成が多かったことにより、経常利益は1,061百万円(同0.2%増)となりました。
なお、2023年度の期初手持工事高は8,629百万円と前年同期に比べ3百万円の増加となりました。2021年度より始まった「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」によるインフラ整備事業に伴う需要が引き続き堅調に推移するものと予想しており、東京ガスネットワーク株式会社をはじめとした各ガス事業者の設備投資計画が引き続き堅調に推移することが見込まれております。一方で、エネルギー業界における事業者間の競争が一層激しさを増してきたことで、引き続き設備投資計画に伴う工事についても競争激化が懸念されますが、各工事における適正利益を確保するべく予算管理を徹底するとともに、拠点間連携を更に強化し、機動的な施工管理体制を整備することにより工事量の確保および品質向上に努めてまいります。
現場準備の遅れや曜日限定稼働となる現場があったことなどにより現場稼働率が低下し、水道局関連工事が減少いたしましたが、東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事において大型案件が完成したほか、ゴルフ場の集客数回復に伴う設備投資が引き続き旺盛となり、イリゲーション工事(緑化散水設備工事およびクラブハウス等の設備工事)が堅調に推移しました。この結果、売上高は1,815百万円(前年同期比1.0%増)となりましたが、利益面につきましては、管路埋設工事等において原価率の高い案件が完成したことにより、経常利益62百万円(同3.8%減)となりました。
なお、2023年度の期初手持工事高は528百万円と前年同期に比べ84百万円の減少となりました。水道局関連工事の受注環境が引き続き堅調に推移するものと予想しております。また、東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事やケーブル保守に伴う工事は、発注者側の徹底したコスト管理施策が続くことが予想されますが、都内を中心とした再開発事業の継続、バリアフリー化や無電柱化等の需要は旺盛であることから、受注は堅調に推移するものと見込んでおります。加えて、イリゲーション工事も、引き続きゴルフ場の集客数の回復に伴うコースやクラブハウスへの設備投資が期待され、受注も堅調に推移すると見込んでおり、一層の収益確保に向け、綿密な工事計画と適切な要員配置の実施によるローコストオペレーションの徹底に努めてまいります。
(現金及び現金同等物)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,626百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の営業活動による資金は1,107百万円の収入(前年同期は769百万円の収入)となりました。主なプラス要因は税引前当期純利益1,331百万円に加え、減価償却費203百万円、仕入債務の増加305百万円などであり、主なマイナス要因は売上債権の増加237百万円、法人税の支払額354百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の投資活動による資金は575百万円の支出(前年同期は142百万円の支出)となりました。主なプラス要因は有価証券の売却による収入215百万円であり、主なマイナス要因は有形固定資産の取得による支出504百万円、投資有価証券の取得による支出408百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の財務活動による資金は966百万円の支出(前年同期は598百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出532百万円、配当金の支払額320百万円などが主な要因であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
資本の財源については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としており、健全な財務基盤、営業活動で生み出されるキャッシュ・フローにより、通常に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。資金の流動性については、活動に伴う資金の需要に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしております。また、突発的な資金需要に対しては、主要取引銀行と締結しているコミットメントライン契約を活用することで手許流動性を確保しております。なお、当事業年度末の借入実行残高はありません。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。
経営陣は、貸倒債権、棚卸資産、投資、引当金、退職給付債務、繰延税金資産、資産除去債務、法人税等及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積りおよび判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
重要な会計上の見積りについては、第5 [経理の状況]1 [財務諸表等](1)[注記事項](重要な会計方針)」に記載しております。
建設業を営んでいる当社は、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
受注高、売上高、繰越高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期売上高にも当該増減額が含まれています。
2 次期繰越高の施工高は手持工事高における支出金により推定したものです。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
4 その他の売上は、工材販売手数料等であります。
5 主な相手先別の売上実績及び割合
6 上記のほか売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。