E05695 Japan GAAP
前期
1,485.7億 円
前期比
108.8%
株価
2,038 (04/23)
発行済株式数
91,778,775
EPS(実績)
103.87 円
PER(実績)
19.62 倍
前期
558.0万 円
前期比
105.9%
平均年齢(勤続年数)
41.6歳(4.3年)
従業員数
111人(連結:31,172人)
当社グループは、株式会社オープンアップグループ(当社)を持株会社として、グループ各社において技術者等の派遣を主とした人材サービス及び業務請負を行っており、事業内容は次の4つの領域に区分されます。
4つの領域は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
(1)機電・IT領域
株式会社ビーネックステクノロジーズ、株式会社夢テクノロジー、株式会社ビーネックスソリューションズ等、国内11社にて機電・IT領域の事業を展開しております。
国内メーカーでの開発、設計、製造技術等の機械・電気・電子系の技術者や、IT企業等でのネットワーク、サーバー、ソフトウエア等の構築、開発、運用系のIT技術者による派遣や業務請負を行っております。
(2)建設領域
株式会社夢真等において、建設領域の事業を展開しております。
国内の建設業界の企業に対して、施工管理技術者の派遣やCAD技術者の派遣を主に行っております。
(3)製造領域
株式会社ビーネックスパートナーズにおいて、製造領域の事業を展開しております。
国内のメーカーに対して、主に製造工程における派遣や業務請負を行っております。
(4)海外領域
当社グループは国外での事業も展開しており、海外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業を海外領域としております。
海外領域は英国を中心に事業展開しており、Gap Personnel Holdings Limitedを中心に傘下の企業群でメーカーに対する多様な派遣を行っております。また中国、インドネシア、ベトナムの現地法人において派遣の他、人材紹介・人材コンサルティングを行っております。
また、以上の4つの領域に含まれない区分を「その他」としており、包含する事業内容には、株式会社ビーネックスウィズでの障がい者雇用促進事業、株式会社SAMURAIでのオンラインプログラミング教育事業等があります。
「事業系統図」
当社グループの各企業と事業セグメントとの関係は以下のとおりです。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における売上収益は161,689百万円(前期比8.8%増)となりました。この増収は、機電・IT領域、建設領域、製造領域の業績がそれぞれ伸長し、海外領域の減収を補ったことによります。利益面では、コロナ後の人材需給逼迫から各領域で採用コストの上昇が見られたものの、派遣単価の上昇や業務生産性の改善、また利益率の高い領域の売上収益構成比の高まりから、全体では利益率が改善しました。その結果、事業利益は12,013百万円(前期比25.7%増)、営業利益は12,760百万円(前期比26.3%増)、税引前当期利益は13,103百万円(前期比28.0%増)、当期利益は9,544百万円(前期比35.4%増)となりました。
※事業利益は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を減算したもので、「その他の収益」や「その他の費用」に計上される特別項目(雇用調整助成金や減損損失等)による影響を除いたものを示している当社独自の利益指標です。
セグメント別の業績の概要は、次のとおりです。なお、セグメント別の売上高は外部顧客への売上高を適用しております。
[機電・IT領域](機械・電機及びIT領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、前連結会計年度からの積極的な採用投資と、幅広い業種での景況感の回復や人材需要の増加から、在籍人数が期初から10%以上増加しました。また稼働率は、新卒の研修等で一時的に非稼働が増加する4月以降を除いて、概ね95%を超える水準で安定的に推移しました。利益面では、人材需給の逼迫から採用コストが大きく増加したものの、高度研修の拡大や案件シフトによる派遣単価の改善と、業務効率の改善による販売費及び一般管理費の抑制によって、利益率はやや改善しました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は80,342百万円(前期比13.7%増)、セグメント利益は8,609百万円(前期比20.9%増)となりました。
[建設領域](建設業界への施工管理技術者やCADオペレーターの派遣事業)
当連結会計年度においては、前連結会計年度から取り組んだ採用チャネルの強化改善や社員定着施策の結果、在籍人数が増加し、また建設業界の旺盛な人材需要を受けて稼働率も高い水準で推移しました。さらに前連結会計年度に計上していたPPAによる無形資産の償却費や株式報酬費用の剥落もあり、利益が改善しました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は40,121百万円(前期比8.7%増)、セグメント利益は6,271百万円(前期比17.7%増)となりました。
[製造領域](顧客企業の製造工程等における派遣・請負・受託事業)
当連結会計年度においては、引続き業種や大口顧客に偏らず、営業エリアの人材需要を幅広く開拓し、派遣の稼働人数を増やすと同時に、単価交渉等による収益性の維持改善に努めました。その結果、派遣事業では素材や電機・精密機械、物流倉庫などの業種で稼働人数が増加しましたが、請負事業では半導体関連の減産等から減員しました。原価率は維持または改善傾向で推移しましたが、採用コストと人件費が増加し、利益率はやや低下しました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は10,992百万円(前期比13.5%増)、セグメント利益は556百万円(前期比0.8%減)となりました。
[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)
当連結会計年度においては、英国ではコロナ収束後に人材需要の一時的な回復が見られましたが、年末にかけ物価高騰や金利引上げ、貿易の低迷などから経済活動が減速し、その影響でクリスマス前の繁忙シーズンの派遣売上が低調に推移したため、円安効果があったものの減収しました。利益面では、事業全体の利益率はほぼ横ばいでしたが、コロナ対策の公的助成金の終了が減益要因となりました。一方で、前連結会計年度に計上していた英国子会社の減損損失約744百万円が剥落しました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は28,959百万円(前期比3.7%減)、セグメント利益は398百万円(前期はセグメント損失417百万円)となりました。
[その他]
報告セグメントに含まれない領域として、株式会社SAMURAIがオンラインプログラミング学習サービスを、当社グループの特例子会社である株式会社オープンアップウィズ(旧会社名 株式会社ビーネックスウィズ)において、障がい者雇用によるグループ内各種サービスを行っております。
オンラインプログラミング学習サービスは収益性重視の方針により売上収益は概ね横這いでしたが、利益面は改善しました。またグループ内各種サービスは、コロナでの制約が緩和されたことなどからフラワーアレンジメントなどのグループ内売上が大きく回復しました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は内部取引を含めて1,919百万円(前期比26.0%増)、セグメント利益は38百万円(前期はセグメント損失317百万円)となりました。
② 財政状態の状況
資産・負債・資本
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて4,969百万円増加(5.1%増)し、101,491百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び現金同等物の増加3,672百万円、営業債権及びその他の債権の増加2,245百万円、その他の流動資産の増加832百万円及び非流動資産のその他の金融資産の減少1,395百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて3,298百万円増加(9.9%増)し、36,475百万円となりました。主たる変動項目は、その他の流動負債の増加2,968百万円、未払法人所得税の増加508百万円、流動負債のその他の金融負債の増加386百万円、非流動負債の社債及び借入金の減少471百万円及び営業債務及びその他の債務の減少168百万円等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて1,670百万円増加(2.6%増)し、65,016百万円となりました。主たる変動項目は、親会社の所有者に帰属する当期利益9,533百万円、剰余金の配当3,965百万円等による利益剰余金の増加5,965百万円、自己株式の増加3,962百万円及びその他の資本の構成要素の減少666百万円等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,672百万円増加し、16,077百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、15,598百万円の収入(前期は15,501百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期利益の計上による収入13,103百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費2,242百万円等の損益の調整額、未払人件費の増加1,441百万円、営業活動によるキャッシュ・フローのその他による収入1,289百万円、リース債権の減少1,235百万円及び前払費用の減少1,198百万円等が、法人所得税の支払額4,021百万円及び営業債権及びその他の債権の増加1,408百万円等による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、611百万円の収入(前期は2,161百万円の支出)となりました。収入の主な要因は、投資有価証券の売却による収入878百万円、投資活動によるキャッシュ・フローのその他による収入553百万円、有形固定資産の取得による支出427百万円及び無形資産の取得による支出300百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,667百万円の支出(前期は22,046百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、リース負債の返済による支出4,054百万円、自己株式の取得による支出4,039百万円及び配当金の支払額3,968百万円等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
前期比増減(%) |
|
販売高(百万円) |
構成比(%) |
||
機電・IT領域 |
80,342 |
49.7 |
13.7 |
建設領域 |
40,121 |
24.8 |
8.7 |
製造領域 |
10,992 |
6.8 |
13.5 |
海外領域 |
28,959 |
17.9 |
△3.7 |
報告セグメント計 |
160,415 |
99.2 |
8.9 |
その他 |
1,273 |
0.8 |
4.8 |
合計 |
161,689 |
100.0 |
8.8 |
(注)1 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績等
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,672百万円増加し、16,077百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金等は原則として営業債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、余剰資金の効率化を図っております。
また、手許流動性確保のために、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分あるいは事業会社毎の成長性と収益性を評価する指標を重視しております。具体的には売上収益とその増加率、営業利益とその増加率を社内の目標や評価に設定し、連結決算においてもこれらの項目を重視した継続的な開示と説明で状況を示しております。また、稼働する社員数の増加と稼働率は客観的な非財務の指標として重要であり、同じく開示を行っております。
また、中期経営計画として2025年6月期までを計画期間とする中期経営計画「BY25」を2021年8月に設定しておりますが、2023年6月期時点において中期経営計画「BY25」の当初計画を上回るスピードで進捗しており、 「BY25」コミットメントの目標達成が確実視されるため、新たに中期経営計画を策定し、2024年6月期末に開示を予定しております。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。
これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。