売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E05676 Japan GAAP

売上高

757.1億 円

前期

728.7億 円

前期比

103.9%

時価総額

98.5億 円

株価

456 (03/03)

発行済株式数

21,611,000

EPS(実績)

29.18 円

PER(実績)

15.63 倍

平均給与

733.6万 円

前期

675.7万 円

前期比

108.6%

平均年齢(勤続年数)

50.6歳(7.8年)

従業員数

24人(連結:12,608人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」
社名変更

3【事業の内容】

 当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは、HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)、EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)、PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)の3つで構成されています。

製造派遣・製造請負を柱とするHS事業は、当社グループの原点であり、日本マニュファクチャリングサービス株式会社を母体とし、事業を開始しました。事業の裾野をモノづくりへと広げる中、HS事業とシナジーが活かせる技術ノウハウの獲得を目的に、2010年7月に株式会社志摩電子工業およびそのグループ会社を、2011年7月に株式会社テーケィアール(現・株式会社TKR)およびそのグループ会社を経営統合し、EMS事業を発足させました。2014年10月には、開発、設計といった製造における上流プロセス機能および技術力の確保を目的に、パナソニック株式会社(現・パナソニックホールディングス株式会社)から一般電源事業を譲り受け、パワーサプライテクノロジー株式会社においてPS事業を発足させました。これにより、人材派遣および製造請負を展開するHS事業、電子・電気機器の製造受託を行うEMS事業に加え、電源関連製品の開発から設計、製造、販売まで行うメーカー機能としてPS事業を有する、独自性ある事業体となりました。

2017年4月には、持株会社体制へ移行し、HS事業は「日本マニュファクチャリングサービス株式会社」が事業承継し、グループ事業統括・経営管理を担う「nms ホールディングス株式会社」と、個別事業を担う「事業会社」の機能をより明確にした事業構造となっています。

なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これによりインサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

各事業の概要は以下のとおりです。

 

(1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)

HS事業は、国内/海外におけるマニュファクチャリングサービス全般を日本・中国・ASEAN諸国にて展開しています。お客様のニーズに合わせ、機動的な人材確保に加え、グループ内EMS事業の省力化ノウハウを活かした生産効率向上の複合提案も行っています。また、研修施設や日本語教育システムなどを活用し、外国人材定着支援サービスも展開しています。主な事業内容は以下のとおりです。

国内/海外におけるマニュファクチャリングサービス全般

・製造事業(受託・請負・派遣・紹介)

・生産系エンジニアリング事業(受託・派遣・紹介)

・IT・設計開発エンジニアリング事業(受託・派遣・紹介)

・テクニカルサービス事業(各種リペア・リワーク・解析等/カスタマーサービス全般)

・ロジスティクスサービス事業(3PL/流通加工/派遣)

・外国人技能実習制度に関わる入国後教育研修の受託および実習生受け入れ先への業務支援

 

(2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)

EMS事業は、実装・プレス・成型・完成品組み立て、さらには、試作、部品調達、検査など広範囲にわたるノウハウを有し、高い実装品質と低コストの生産ライン構築で、一貫生産・量産はもちろんのこと、プロセス単体・少量多品種など、お客様のニーズへの機動的な生産対応を行っています。海外においては、中国、マレーシア、ベトナムに生産拠点を展開しており、2018年12月には米国・テキサス州に拠点を設立、2019年3月31日にはソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)から同社米国法人Sony Electronics Inc.の事業部門Sony Service and Operations of Americasの機能および事業、ならびにメキシコ生産拠点を事業譲受するなど、グローバル事業体制の拡充を図っています。主な事業内容は以下のとおりです。

・電子機器製造受託サービス(基板実装、基板組立、簡易プレス、樹脂成型、組立 等)

・電子機器修理サービス

・車載関連機器・部品の設計・開発・製造

・お客様とのシェアリングビジネス、これにかかる設計・開発・営業

・スタートアップソリューション事業

・3Dプリンター事業(設計および製造、販売、修理、保守)

 

(3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)

 PS事業は、電源専業メーカーとして、「安全・安心」を追求した電源・電源関連部品をお客様に提供しています。日本および中国において拠点展開する一方、新たな事業の柱として、主軸の電源・電源関連部品に加え、クルマや産業機器類の「電動化」に対応するEV関連製品を開発し、新規分野への参入を行っています。主な事業内容は以下のとおりです。

 

・カスタム電源(スイッチング電源、高圧電源)の開発・設計・製造・販売

・マグネットロールの開発・設計・製造・販売

・各種トランス(スイッチングトランス、高圧トランス)の開発・設計・製造・販売

 

以下に、各事業の事業系統図を記載いたします。

※画像省略しています。

 

25/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、長期化するウクライナ情勢や中東情勢による地政学的リスクの高まり、世界的なインフレの進行や中国経済の低迷に加え、米国政権交代による保護主義政策強化の動きも見られ、依然として不透明な状況が続きました。

わが国経済においても雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により景気は緩やかな回復基調となりましたが、不安定な国際情勢の中、円安傾向の継続、資源・エネルギー価格の高騰に伴う物価の上昇がさらに進行し、引き続き注視が必要な状況にあります。

このような状況のもと、当社グループは、各事業において新市場への参入や新規需要の開拓等、次の成長への種まきを進めるとともに、事業基盤の強化を図るべく、グループ全体で合理化、効率化を徹底的に進め、事業効率のよい体制への転換や抜本的コスト構造改革を行ってまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は75,707百万円(前年同期比3.9%増)となり、営業利益はHS事業の減益影響があり1,650百万円(前年同期比12.6%減)となりました。また、営業外収益において海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替え及び海外子会社間の取引等による為替差益517百万円の発生もあり、経常利益は1,650百万円(前年同期比5.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したこと等から、630百万円(前年同期比14.4%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し3,779百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。また、現金及び現金同等物に係る換算差額を357百万円計上しております。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、1,371百万円の収入(前年同期は4,772百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益1,466百万円(前年同期は1,526百万円)、減価償却費1,514百万円(前年同期は1,423百万円)、棚卸資産の減少額1,694百万円(前年同期は3,824百万円の減少額)等となり、主なマイナス要因は、売上債権の増加額262百万円(前年同期は2,228百万円の減少額)、為替差益743百万円(前年同期は458百万円の為替差益)、仕入債務の減少額245百万円(前年同期は2,915百万円の減少額)、法人税等の支払額1,025百万円(前年同期は868百万円)等によるものです。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、899百万円の支出(前年同期は1,052百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出954百万円(前年同期は941百万円の支出)、無形固定資産の取得による支出53百万円(前年同期は65百万円の支出)等によるものです。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、1,252百万円の支出(前年同期は3,092百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増額2,024百万円(前年同期は2,709百万円の純減額)、自己株式の処分による収入1,383百万円等となり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出1,934百万円(前年同期は887百万円の支出)、社債の償還による支出2,000百万円等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

    当社グループは、製造アウトソーシング事業を主な事業として営んでいます。HS事業につきましては、その大部分が、請負業務・派遣業務であり、重要性が乏しいため、記載を省略しています。

 

 

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年度比(%)

EMS事業 (千円)

33,150,944

104.13

PS事業 (千円)

13,356,191

106.01

合計(千円)

46,507,136

104.66

    (注)金額は、製造原価によっています。

 b. 受注実績

    当社グループは、受注から生産までの期間が短く受注管理を行う必要性が乏しく、受注実績と販売実績の差異が僅少のため、受注実績の記載を省略しています。

 c. 販売実績

        当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年度比(%)

HS事業 (千円)

23,172,234

102.10

EMS事業 (千円)

36,132,397

105.37

PS事業 (千円)

16,402,962

103.24

合計(千円)

75,707,594

103.89

    (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

       2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度においては、長期化するウクライナ情勢や中東情勢による地政学的リスクの高まり、世界的なインフレの進行や中国経済の低迷等がありました。加えて、米国の関税引き上げ政策による経済減速リスクなど、依然として不透明な状況が続きました。 わが国経済においても、インバウンド需要の回復や賃金・雇用情勢の改善がみられるものの、原材料・エネルギー価格の高騰や世界的な金融引き締め環境における為替市場の急激な円安進行など、国内経済への影響や物価上昇等、景気後退への懸念により先行き不透明な状況が続いております。

その結果、事業環境変化を背景としたお客様における減産影響等もあったものの、新規受注の立ち上げや量産開始等により各セグメントで増収を達成し、売上高は75,707百万円(前年同期比3.9%増)となりました。一方、利益につきましては、前年に引き続きグループ全体および各拠点において合理化、効率化を徹底的に進め、事業効率のよい体制への転換や抜本的コスト構造改革を行うなど、収益性改善への取り組みを着実に進めてきたものの、HS事業の減益影響により営業利益は1,650百万円(前年同期比12.6%減)となりました。他方で経常利益については、下期以降の円高進行による為替影響があったものの、キャッシュマネジメント強化による有利子負債削減の効果により1,650百万円(前年同期比5.1%増)となりました。しかし、小野文明氏による不適切な経費の使用等に係る特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は630百万円(前年同期比14.4%減)となりました。

 

■資産・負債及び純資産

1)資産

当連結会計年度末の資産合計は36,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ、254百万円増加いたしました。

流動資産合計は26,077百万円となり、前連結会計年度末に比べ100百万円減少いたしました。これは主に、売掛金が983百万円、製品が310百万円、仕掛品が203百万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が1,648百万円減少したことによるものです。

固定資産合計は10,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ368百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が372百万円増加したことによるものです。

2)負債及び純資産

当連結会計年度末の負債合計は30,946百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,684百万円減少いたしました。

流動負債合計は27,947百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,271百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が510百万円、短期借入金が679百万円増加したものの、1年内償還予定の社債が2,000百万円、未払消費税等が149百万円、預り金が250百万円減少したことによるものです。

固定負債合計は2,998百万円となり、前連結会計年度末に比べ413百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が311百万円、リース債務が113百万円減少したことによるものです。

純資産合計は5,283百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,939百万円増加いたしました。これは主に資本剰余金が588百万円、利益剰余金が521百万円増加し、自己株式が795百万円減少したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は、5.2ポイント上昇し14.5%となりました。

持続的成長をめざす中、その基盤となる財務体質の改善は重要課題と認識しており、中期経営計画においてキャッシュマネジメントを強化、有利子負債の削減を計画しております。

具体的には、質が伴った事業収益創出基盤とすべく、運転資本マネジメントを強化し、キャッシュを生み出す仕組みの定着を進めます。これらにより、有利子負債の削減を進め、社外流出キャッシュの抑制を図るとともに、投資の採算性、効率性のモニタリングを強化し、投資回収までの効率を高め、フリーキャッシュ・フロー創出への取り組みを強化してまいります。

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

流動資産

26,178

26,077

△100

固定資産

9,784

10,152

368

 

有形固定資産

7,981

8,354

372

 

無形固定資産

605

551

△54

 

投資その他の資産

1,197

1,247

49

繰延資産

13

△13

資産合計

35,976

36,230

254

負債合計

32,631

30,946

△1,684

 

流動負債

29,219

27,947

△1,271

 

固定負債

3,411

2,998

△413

純資産合計

3,344

5,283

1,939

負債・純資産合計

35,976

36,230

254

 

■売上高・利益

1)売上高

 売上高は、新規受注の立ち上げや量産開始等により各セグメント全体で需要が堅調に推移し、前年同期比3.9%増の75,707百万円となりました。

 国内売上高は、前年度比7.0%減の26,510百万円、海外売上高は前年同期比10.9%増の49,196百万円となりました。お客様の生産調整による影響はありましたが、全体として需要は堅調に推移、新規受注の立ち上げや量産開始などこれまで進めてきた事業規模拡大のための施策効果により、販売が増加しました。海外売上高比率については前連結会計年度の60.9%から4.1ポイント増加し、65.0%となりました。

2)売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

 売上原価は、売上高の増加による影響もあり前年同期比3.4%増の65,696百万円となりましたが、収益確保に向けた施策の実行により売上原価対売上高比率は前年同期比0.4ポイント減の86.8%となり、売上総利益は前年同期比7.4%増の10,011百万円となりました。

 販売費及び一般管理費については、コスト構造改革の影響はあったものの、主に物価上昇に伴う人件費および業務委託コストの増加、HS事業の基盤づくりに係るブランドプロモーション等により前年同期比12.5%増の8,361百万円となり、販売費及び一般管理費対売上高比率は、前年同期比0.8ポイント増の11.0%となりました。

 この結果、営業利益は前年同期比238百万円減の1,650百万円となりました。

3)経常利益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の経常利益は前年同期比80百万円増の1,650百万円となりました。

 受取利息及び受取配当金から支払利息、社債関連費用を控除した金融収支の純額費用は、前連結会計年度から242百万円費用が減少し、466百万円の負担となりました。

 また、営業外収益においては、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する為替差益の発生が前連結会計年度から25百万円増加し517百万円となったこと等により、前年同期比27百万円増の662百万円となりました。

 営業外費用については、支払利息が前連結会計年度から222百万円減少し516百万円となったこと等により、前年同期比290百万円減の662百万円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、小野文明氏による不適切な経費の使用等に係る特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したことにより、前年同期比106百万円減の630百万円となりました。

 当連結会計年度に実施した事業構造改革の効果や需要拡大等を背景に次年度も引き続き経営基盤の強化を図りながら、当期純利益の増加につなげてまいります。

 

 

(単位:百万円)

前連結

会計年度

当連結会計年度

実績

前年度比

主なポイント

売上高

72,874

75,707

3.9%

HS事業 :国内は、一部事業所でお客様の生産調整があり、利益面でも戦略投資における初期費用が発生。海外は、基盤強化策の効果に加え、売上増加がありましたが利益はタイの新規取引先立ち上げコストの影響で横ばい

EMS事業:ベトナム・北米の戦略拠点で新規受注立ち上げや量産開始に加え、マレーシア拠点における販売増加もあり堅調に推移。利益面では、各拠点における生産性改善やコスト構造見直しの成果もあり前年同期に対して増益

PS事業 :お客様の減産及び一部商品の前倒し影響がありましたが、国内需要は高い水準を維持し、第2四半期以降は国内販売向け増加、為替影響もあり、前年同期比に対し増益

[経常利益]

営業外収益  662百万円(前年同期比  27百万円増)

営業外費用  662百万円(前年同期比 290百万円減)

 

[特別利益]   65百万円

[特別損失]   249百万円

営業利益

1,888

1,650

△12.6%

経常利益

1,570

1,650

5.1%

親会社株主に

帰属する当期純利益

737

630

△14.4%

 

■当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当連結会計年度は、感染症の拡大を経てサプライチェーンを含む市場構造は変化し、加えてウクライナ情勢の長期化や中国の経済成長の減速、また、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げやこれに伴う為替変動など、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いています。

 

1)金融市場の環境

足もとでは金融市場の先行きをめぐる不確実性が拡大しています。米国の関税引き上げ政策、ウクライナ情勢や中東情勢など、各国を巡る対立による世界経済の景気減速懸念から金利低下を見込む期待がある一方、インフレの再加速による金利高止まりの視点も存在し、金融市場の先行きは不透明な状況にあります。加えて、日本国内においては、2024年3月の日銀マイナス金利解除以降、市場金利などの上昇に伴い貸出金利は上昇傾向にあります。

当社グループ事業においても、財務体質改善を着実に進めているものの、利上げに対してネガティブな影響を受けるため、留意が必要な状況が続く模様です。

 

2)事業環境

アフターコロナ、各国情勢や米国の関税引き上げ政策など、サプライチェーンをはじめとする市場構造の変化が見込まれる環境にあり、製造業における在庫の増産・調整というサイクルが、従来よりも不透明な状況にあります。

これらを背景に、世界経済の動向や金利・為替の変動が想定され、市場環境・ニーズもこれまで以上に変化することが見込まれ、製造業のファブレス化や外注比率の拡大等、機能分担がさらに加速していくものと見ています。

一方で、生産拠点の調整が行われる環境は、グローバルに複数の生産拠点を有する当社グループにおいて、お客様の生産課題に即応することで事業拡大の起点となる可能性も含んでおり、この環境を好機と捉え、事業戦略の策定・実行に臨むことが肝要であると考えております。

 

当社グループ事業は、景況変化においても、確実に利益をだせる体質に転換しつつありますが、市場環境や顧客の販売戦略変化により、端境期を迎えている製品もあり、内部資源の活用だけでなく、M&Aによる事業規模・技術・商圏・人材等を取り込んでいく戦略も必要と認識しております。

また、脱炭素社会の実現に向けた新たな技術開発や、仕組みの導入が世界各国で進められており、様々な産業分野において電動化への転換が加速していくことが見込まれます。

したがい、成長戦略実行のための資金調達を含む、持続的発展を生み出す財務体質改善への仕組みづくりも着実に進めるとともに、業績の変動要因となる、部品・部材調達リスクおよび為替変動リスクについては、以下の取り組みを行ってまいります。

 

 ・部品・部材調達リスクについて

製造業各社においてグローバルでサプライチェーンの見直しが進められているものの、当連結会計年度においては、最先端の部材だけでなく、多岐にわたる部品・部材が調達難となった状況を踏まえ、これらの影響を最小限に抑えるため、部材調達リソースの多様化、顧客の生産変動に即応する当社グループのサプライチェーンマネジメントを強化し、グループ全体で機動的かつ柔軟に対応できる体制を高度化させてまいります。

 ・為替変動について

当社グループはすべての事業セグメントにおいて、グローバル市場におけるビジネスを展開しており、為替変動リスクの構成要素である、グループ各社の為替持ち高(エクスポージャー)の圧縮を進めます。為替持ち高の圧縮は外貨建て資産・負債の増減により一定程度の圧縮が可能であり、金融取引・商取引の双方からの取り組みを進め、為替変動リスクの抑制に努めてまいります。

 

■セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

 

HS事業

 国内事業については、原価率改善や適正販管費の管理強化等、基盤強化策を継続して実行したことに加え、高度エンジニア人材の育成を目的とした技術センターの開設も実行し、事業成長への種まきを進めました。一方で、事業環境においては、半導体関連や自動車関連など一部のお客様における減産の影響等があり、戦略投資における初期費用の発生がありました。海外事業については、これまでの基盤強化策の効果に加え、中国やタイ、ラオスにおける売上増加がありましたが、利益面ではタイにおける新規取引先の立ち上げコスト等の負担もあり前年同期に対しほぼ横ばいとなりました。

 この結果、当セグメントの売上高は23,172百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は、734百万円(前年同期比33.9%減)となりました。

EMS事業

 EMS事業は、中国・ASEAN・北米において生産活動を展開しており、戦略投資の実行期にあります。当連結会計年度においては、半導体関連投資の後ろ倒しによる、お客様の生産調整影響があったものの、戦略投資先であるベトナムおよび北米において、新規受注の立ち上げや量産開始等、需要は堅調に推移し、マレーシア拠点においてもエアコン関連部品を中心に需要は底堅く推移しました。利益面でも各拠点における生産性改善やコスト構造見直しの成果もあり、前年同期に対し増益となりました。

 この結果、当セグメントの売上高は、36,132百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は、679百万円(前年同期比18.2%増)となりました。

PS事業

 当連結会計年度においては、年度を通じて需要は高い水準を維持しました。期首にはサプライチェーンの構造変化による在庫調整や、お客様における減産及び事業環境変化に伴う一部商品の販売後ろ倒し影響がありましたが、第2四半期以降は国内向け販売の増加など主力機種の受注が回復、為替影響もあり、前年同期に対し売上、利益とも増加しました。

 この結果、当セグメントの売上高は、16,402百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は、1,120百万円(前年同期比42.6%増)となりました。

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

前年度比

HS事業

売上高

22,695

23,172

2.1%

セグメント利益

1,110

734

△33.9%

EMS事業

売上高

34,290

36,132

5.4%

セグメント利益

575

679

18.2%

PS事業

売上高

15,888

16,402

3.2%

セグメント利益

785

1,120

42.6%

調整額

セグメント利益

△582

△884

合計

売上高

72,874

75,707

3.9%

セグメント利益

1,888

1,650

△12.6%

 

■設備投資および減価償却費

 当社グループは、グローバル市場における次の成長機会の創出および事業競争力強化に向け、戦略投資を行っています。

 当連結会計年度の設備投資額は、前年度比9.5%増の1,215百万円となりました。これは、主にEMS事業及びPS事業にて実施した、海外生産拠点における能力拡充及び合理化を目的とした設備投資によるものです。

 また、当連結会計年度の減価償却費は、前年度比6.4%増の1,514百万円となりました。

 翌連結会計年度以降の設備投資(新規・拡充)については、HS事業における高度エンジニア人材ビジネス拡大に向けた社内インフラ関連、EMS事業においては、メキシコ拠点における生産力増強投資およびベトナム拠点における合理化投資、PS事業においては中国及び国内の合理化投資、タイ拠点の生産能力増強投資を計画しております。

 投資内容および投資実行のタイミングについては、案件ごとに投資後の事業環境や将来キャッシュ・フロー観点による計画策定を行っております。投資計画は当社コーポレート本部にてその内容を確認し、将来キャッシュ・フローにおいて課題があると認識した場合は、投資内容だけでなく、固定費、変動費の状況や売上拡大余地など、計画前提の抜本的見直しを行い、取締役会にて実行要否の判断を行っております。

 また、既存・新規を問わず、実行していく投資案件については、投下資本利益率(ROI)の引き上げを行い、投資効果の早期発現をめざすしくみとしております。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループにおけるキャッシュ・フローは、事業活動の資金需要、設備投資資金のための基本的財源となっています。また、当社グループのキャッシュ・フローの状況に影響を与える事項として、売上債権及び棚卸資産等による運転資金の変動、また、戦略投資の実行があります。

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し3,779百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 営業キャッシュ・フローについて、前連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の増加に加え、運転資金マネジメントの強化に注力した結果、売上債権の減少2,228百万円及び棚卸資産の減少3,824百万円を達成し、4,772百万円の営業キャッシュ・フローを創出いたしました。当連結会計年度も、引き続き運転資金マネジメントに取り組んだ結果、棚卸資産の減少1,694百万円による運転資金負担の軽減などにより、営業キャッシュ・フローは1,371百万円の収入となりました。引き続き収益性の改善とともに適正な売上債権、在庫水準管理に取り組む体制を強化し、キャッシュ・フロー・マージンの向上を図ってまいります。

 投資キャッシュ・フローは、主にEMS事業及びPS事業における能力拡充及び合理化を目的とした設備投資の実行により、899百万円の支出(前年同期は1,052百万円の支出)となりました。キャッシュ循環性を活かした、グループ基盤の構築及び持続的な事業成長、お客様へのさらなる価値提供を行ってまいります。

 財務キャッシュ・フローについて、当連結会計年度は、2025年3月26日にワールドホールディングス株式会社に対する第三者割当による自己株式の処分により1,383百万円の収入がありました。また、当社の経営課題の1つである有利子負債の削減として、長期借入金の返済1,934百万円および社債の償還2,000百万円の支出を行った結果、1,252百万円の支出(前年同期は3,092百万円の支出)となりました。

 今後も引き続き運転資金マネジメントを強化しキャッシュの創出を行うことで、有利子負債削減による収益性の向上及び適切な戦略投資による事業成長を通じて、中期経営計画の達成をめざしてまいります。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

 

税金等調整前当期純利益

1,526

1,466

 

減価償却費

1,423

1,514

 

運転資金の増減

3,137

1,187

 

その他

△1,314

△2,797

 

営業キャッシュ・フロー

4,772

1,371

 

固定資産の取得・売却

△1,003

△942

 

その他

△48

42

 

投資キャッシュ・フロー

△1,052

△899

フリーキャッシュ・フロー

3,720

471

 

借入金の増減

△2,396

90

 

配当金支払 他

△695

△1,342

 

財務キャッシュ・フロー

△3,092

△1,252

現金及び現金同等物期末残高

4,203

3,779

 

■資本の財源および資金の流動性の分析

当社の資金需要の主なものは運転資金、設備資金および法人税等の支払です。これに対しては、営業キャッシュ・フローから産み出した内部資金の活用を優先し、内部資金では不足する場合に外部からの借入や資本性の資金調達で対応することを原則としています。

 借入を行なう場合は、低コスト、長短のバランスの勘案、安定的な資金確保を方針としています。長短のバランスについては、運転資金等の短期資金需要については短期借入金で、設備資金やM&Aなどの長期資金需要については長期借入金で調達を行なうこととしています。

 グループにおける資金調達は当社(持株会社)に原則一元化し資金効率を高めるようにし、グループ会社の運営資金は、事業戦略に基づき必要と判断した額を、取締役会で決議の上、貸付を行っています。

当連結会計年度においては、新規事業における投資回収並びに自己株式の処分による資金調達の結果、外部からの借入金及び社債は1,632百万円の減少(純額)となっております。引き続き、運転資本の効率化を図り借入金を減少させ、これにより自己資本比率等の財務体質改善を目指します。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っております。重要な資産の評価基準および評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しており、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。

特に、有形固定資産および無形固定資産の減損損失については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積りおよび仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。