売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00335 Japan GAAP

売上高

4,307.4億 円

前期

4,207.2億 円

前期比

102.4%

時価総額

1,141.3億 円

株価

2,259 (04/25)

発行済株式数

50,524,399

EPS(実績)

89.16 円

PER(実績)

25.34 倍

平均給与

778.9万 円

前期

733.9万 円

前期比

106.1%

平均年齢(勤続年数)

41.8歳(17.2年)

従業員数

1,124人(連結:3,680人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)の企業集団は、当社及び当社の親会社、連結子会社33社、持分法適用関連会社2社で構成され、加工食品の製造・販売、食肉の処理・加工・販売を主な事業内容とし、さらに各事業に関連する物流、その他のサービス等の事業活動を展開しております。

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の事業に係る位置づけは次のとおりです。

なお、次の2事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

 

○加工食品事業部門

・加工食品の製造・販売

当社及びプリマハムミートファクトリー㈱、秋田プリマ食品㈱、プリマ食品㈱、四国フーズ㈱、プライムフーズ㈱、プリマルーケ㈱が製造し、当社及び販売会社を通じて販売しております。

・ベンダー事業

プライムデリカ㈱、㈱プライムベーカリーは、㈱セブン-イレブン・ジャパンへ調理パン・惣菜等を製造・供給しております。

・販売

当社及び北海道プリマハム㈱、北陸プリマハム㈱、㈱エッセンハウス、東栄フーズ㈱は、主にハム・ソーセージ、加工食品、その他関連商品の販売を行っております。

・海外

PRIMAHAM(THAILAND) CO.,LTD.、PRIMAHAM FOODS(THAILAND) CO.,LTD.、Rudi's Fine Food Pte Ltd、Continental Deli Pte. Ltd.は、加工食品等の製造・販売を行っております。

・その他

清掃等サービスをプリマ環境サービス㈱が行っております。

 

○食肉事業部門

・肉豚の生産・肥育及び関連事業

太平洋ブリーディング㈱、ジャパンミート㈱、クリーンファーム㈱、㈲肉質研究牧場、㈲エクセルファーム、㈲かみふらの牧場が生産し、当社ほかへ供給しております。

Swine Genetics International, Ltd.は豚精液を供給しております。

・食肉の処理・加工

当社及び㈱かみふらの工房、西日本ベストパッカー㈱が処理・加工し、当社及び販売会社を通じて販売しております。

・販売

当社及び関東プリマミート販売㈱、関西プリマミート販売㈱、タッキーフーズ㈱、ティーエムジーインターナショナル㈱は、食肉、その他関連商品を販売しております。

・物流

プリマロジスティックス㈱が食肉事業の物流を行っております。

 

○その他

・検査・衛生管理等コンサルティング業を㈱つくば食品評価センターが行っております。

・理化学機器の開発・製造・販売をプライムテック㈱が行っております。

・情報処理業は、プリマシステム開発㈱が行っております。

・人事・保険・不動産サービス業は、プリマ・マネジメント・サービス㈱が行っております。

 

事業の系統図は次のとおりになります。

※画像省略しています。
23/08/09

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

○業績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度の期首より表示方法の変更を行っており、経営成績については当該表示方法の変更を反映した組替え後の前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて比較しています。

 

(1) 財政状態及び経営成績の概要

① 当期の概況について

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による日常生活の制約や社会活動への制限が緩和・解除され、旅行や帰省等の国内移動が回復し、外国人の入国制限も段階的に解除され、人流が戻り通常レベルの経済活動に戻りつつあります。飲食業、観光業、百貨店等、制限下で非常に苦慮していた業種においても流行以前まで業績が回復する企業もでてきています。個人の家計消費も娯楽や旅行、外食等の支出増加が牽引し、前年を上回る水準となっております。

一方、2022年10月以降、一定の揺り戻しはあったものの、依然として日米の金利差や貿易赤字等を背景にした円安、ウクライナ情勢等の影響を受け、原材料やエネルギーコストが高騰し、これらの結果製造コストが大幅に上昇しており、幅広い業種において値上げが実施されています。しかしながら、消費者物価指数(CPI)や企業物価指数が示すとおり、国内物価は上昇しているものの、製造コストの上昇をカバーしきれておらず、複数回の値上げを実施する企業も数多く、食品は未曾有の値上げラッシュとなっております。これに対し個人は生活防衛意識の高まりから買い控え行動がおきる等、今後の消費動向は予断を許さない状況となっております。年末に日本銀行によるイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の運用見直しが実施され、また、年度末には米欧の金融不安が生じる等、金利や為替相場のボラティリティが高まり、今後の経済見通しは一層予測がつきにくくなっています。

当業界におきましても、畜肉相場の上昇、飼料価格の高値継続、円安による海外からの調達条件の悪化等の影響を受け、製造コストが想定以上に上昇する一方、販売価格は思うように値上げできず、厳しい環境が継続しています。

 

このような状況の中、当社グループの「目指す姿」である「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「ESGへの取り組みと持続可能な経営基盤の強化」、「既存事業の領域拡大及び収益基盤のさらなる強化」及び「成長投資とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。

 

② 業績

結果、売上高は4,307億40百万円前期比2.4%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は97億25百万円前期比30.7%減)、経常利益は105億10百万円前期比29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、有形固定資産、のれんの減損損失を計上したこと等により45億5百万円前期比53.6%減)となりました。

目標とする経営指標につきましては自己資本利益率(ROE)4.0%となり、純利益減により未達となりました。

 

<加工食品事業部門>

2022年2月に引き続き、9月に2回目のハム・ソーセージ商品及び加工食品の価格改定を行い、販売先への納品価格の引き上げを実施いたしました。市販用商品市場の販売額が前年を下回る厳しい環境においても、当社市販用のシェアは継続的に上昇しましたが、当初の想定以上に製造コストが急上昇していることを受け、収益面では厳しい結果となりました。

Ⅰ.ハム・ソーセージ部門

主力ブランドの「香薫®あらびきポークウインナー」は、定番の2個束商品に加え、大袋ジッパー付き商品の販売も引き続き好調に推移しました。販売促進政策では、香薫20周年記念として宝塚歌劇団のご招待キャンペーンが好評をいただきました。東京ディズニーリゾート®ご招待キャンペーンやSNSを活用したキャンペーン等を継続的に実施し、当期も販売シェアの拡大が継続し、世代を問わず幅広い支持を得ています。その他の市販用商品の拡販にも努め、売上高、販売数量ともに前期を上回ることができました。業務用商品においても、市場の回復や価格改定の実施等の施策を進め、販売は好調に推移いたしました。

 

Ⅱ.加工食品部門

加工食品部門では、常温商品の「ストックディッシュ」、手軽に食べられる「サラダチキンスティック」等の市販用商品が消費者から評価を得ており、順調に拡販を進めることができました。また、業務用商品においては、市場の回復や価格改定に伴い売上を拡大いたしましたが、原材料等の仕入コストの大幅な上昇を補いきれず、利益面では前期を下回る結果となりました。

コンビニエンスストア向けのベンダー事業についても、お客様の要望に応えた新商品開発や原材料コスト上昇を補った新商品発売を継続して行いましたが、電気代、燃料費等のエネルギーコストの急騰や、人件費の上昇等により、利益面では前期を下回る結果となりました。

 

これらの結果、加工食品事業部門は、売上高3,006億54百万円前期比5.3%増)となり、セグメント利益102億45百万円前期比27.2%減)となりました。

 

<食肉事業部門>

海外の畜肉相場高や穀物相場の高止まり、円安による輸入仕入コストの上昇等、食肉事業の仕入環境は極めて厳しい状況が継続しています。販売先の店頭価格は、原料肉の相場上昇を補うまでの価格上昇には至らず、家計調査をみても、消費者の生鮮肉の購買数量は、牛肉を中心に前年から減少しています。販売先への価格転嫁の浸透不足と生鮮肉市場の需要ダウンが重なり、販売数量の維持、利益の確保が難しく、食肉販売の売上高及び採算が大きく悪化しています。国産の豚肉相場は高水準で推移しているものの、飼料価格の高騰には追いつかないため、養豚事業も収益的には厳しい状況であります。しかしながら、将来的なサステナビリティ対応強化方針を見据えて、国産豚肉の先進的生産事業の拡大と農場生産性向上を計画的に推進しており、先行投資は堅実に実行しているところです。

 

これらの結果、食品事業部門は、売上高1,295億56百万円前期比3.8%減)となり、セグメント損失1億83百万円前年同期はセグメント利益12億92百万円)となりました。

 

<その他>

その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)の売上高5億29百万円前期比10.3%増)となり、セグメント利益2億32百万円前期比2.1%増)となりました。

 

③ 当期の財政状態について

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ81億65百万円増加し、2,298億87百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が60億24百万円、ソフトウエア仮勘定が34億45百万円、商品及び製品が21億97百万円、受取手形及び売掛金が23億67百万円増加し、預け金が59億86百万円減少したことによるものです。

負債については、前連結会計年度末に比べ75億38百万円増加し、1,066億92百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年以内返済予定含む)が50億79百万円、未払法人税等が14億14百万円増加したことによるものです。

純資産については、前連結会計年度末に比べ6億27百万円増加し、1,231億94百万円となりました。これは主に、利益剰余金が12億39百万円、為替換算調整勘定が7億47百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が8億94百万円減少したことによるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて21億32百万円減少前連結会計年度は135億42百万円減少)し、140億98百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは117億19百万円のネット入金前連結会計年度は167億39百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益59億円減価償却費109億58百万円減損損失46億43百万円、棚卸資産34億93百万円の増加、売上債権23億3百万円の増加法人税等の支払16億87百万円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは150億89百万円のネット支払前連結会計年度は237億13百万円のネット支払)となりました。主な要因は、生産設備更新、生産性向上及び品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出181億86百万円、預け金の払戻による収入50億円です。

財務活動によるキャッシュ・フローは12億6百万円のネット入金前連結会計年度は66億16百万円のネット支払)となりました。主な要因は、長期借入による収入90億円、長期借入金の返済による支出39億20百万円、配当金の支払32億68百万円です。

配当性向は72.5%となり、目安である30%以上の水準を維持しております。着実な営業キャッシュ・フローの創出を原資に財務規律を守りながら成長投資を着実に実行しつつ、安定した配当を継続するバランス経営を実施してまいります。

 

○生産・受注・販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

加工食品事業部門

197,950

104.2

食肉事業部門

31,509

116.2

その他

71

106.7

合計

229,530

105.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

 

② 受注実績

当社の子会社プライムデリカ㈱は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック㈱は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

加工食品事業部門

300,654

105.3

食肉事業部門

129,556

96.2

その他

529

110.3

合計

430,740

102.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 以下は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合になります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

117,950

28.0

116,485

27.0

 

 

○経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りへの反映につきましては、当社グループの現時点での市場環境及び業績推移を踏まえて、特段の考慮は不要と判断しております。

 

① 棚卸資産の評価損

当社グループは、主として移動平均法による原価法で棚卸資産を評価しておりますが、収益性の低下した棚卸資産につきましては正味売却価額まで帳簿価額を切り下げております。

棚卸資産の実現可能価額は、通常の事業活動による見積り販売価額から見積り直接販売経費を控除して算出されます。棚卸資産の評価は、棚卸資産が先の方法で正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、必要と判断された場合、棚卸資産の帳簿価額と正味売却価額との差額を棚卸資産の評価損として計上しております。見積り販売価額や見積り直接販売経費は過去の状況や将来の消化予想、その他の要素を加味して算出しております。また、将来破棄する棚卸資産についても考慮しております。当社グループの棚卸資産の評価は適正であると判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

③ 投資有価証券の評価損

投資有価証券については、時価が取得価額を下回り、かつ時価の下落又は実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思等を含めた基準により四半期ごとに判断しております。

当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額に影響を受ける可能性があります。

なお、2023年3月31日現在、当社グループが保有する投資有価証券のいくつかの銘柄については、時価が簿価を下回っております。これらの銘柄については、下落期間や入手可能な発行体の業績等をもとに一時的な下落であると判断し、評価損は計上しておりません。

2023年3月31日現在、重要な影響を与える含み損は発生しておりません。

 

④ 固定資産の減損

当社グループが保有する有形固定資産については、帳簿価額の回収ができないという兆候を示す事象が発生した場合には、将来の見積キャッシュ・フローに基づき減損の判定を実施し、減損が生じたと判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超える金額を減損損失として計上しております。

減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

2023年3月期において、減損損失の認識の判定で割引前将来キャッシュ・フローの総額が、固定資産の簿価を下回っていると判断されたため、プライムデリカ㈱の一部の資産を回収可能価額である正味売却価額まで減額し減損損失を計上しております。この結果生じた減損損失3,821百万円については、特別損失に計上しております。

 

⑤ のれん及び顧客関連資産の評価

のれん及び顧客関連資産は、その効果の発現する期間を見積り、その期間に基づく定額法により償却しています。また、のれん及び顧客関連資産の評価にあたっては、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローや割引率等の見積りや仮定を用いており、将来の事業計画や経営環境の変化等によりこれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

2023年3月期において、減損損失の認識の判定で割引前将来キャッシュ・フローの総額が、のれん及び顧客関連資産の帳簿価額を下回っていると判断されたため、ティーエムジーインターナショナル㈱ののれんを減額し減損損失を計上しております。この結果生じた減損損失807百万円については、特別損失に計上しております。

 

⑥ 退職金及び退職年金

当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として企業年金基金制度、退職一時金制度及び確定拠出年金制度を採用しております。また、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度を採用しております。退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。これらの前提条件は年に一度見直しております。当社グループは、使用した仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 概要

当連結会計年度の売上高は4,307億40百万円前期は4,207億17百万円)となりました。利益面におきましては、営業利益97億25百万円前期比30.7%減)、経常利益105億10百万円前期比29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益45億5百万円前期比53.6%減)となりました。

なお、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。

2023年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本利益率(ROE)10%以上、配当性向30%以上を目指してまいります。

 

② 売上高

当連結会計年度の売上高は4,307億40百万円であり、前連結会計年度と比較しますと100億23百万円の増収となっております。

加工食品事業部門は、新型コロナウイルス感染症対策としてまん延防止等重点措置の期間延長が続く最中、前年の反動を受ける環境下でもありました。自家消費の需要に応じた主力ブランドを中心に大袋商品やおつまみ系商品の販売拡大、業務用商品の売上回復に取り組みました。LINEや公式Twitterを活用したキャンペーン、ブランド認知向上にも取り組んだ結果、販売数量拡大及びシェアアップに貢献しました。また、食肉事業部門は、感染症対策に伴い海外の相場高、長期化する輸送遅延の影響が大きく、オリジナルブランド商品の拡販や得意先とのオンライン商談を行い、売上拡大に取り組みましたが前期を下回る結果となりました。

 

③ 営業利益

加工食品事業部門の業績は、原材料、燃料、電力等の調達コスト上昇とともに人件費アップの影響により利益率が悪化しました。食肉事業部門においても、輸入肉の調達コストの高騰、国産豚生産事業の餌飼料調達コスト上昇により前期を下回る結果となり、当連結会計年度の営業利益は、97億25百万円となり、前連結会計年度と比較しますと43億12百万円の減益となりました。

 

④ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は105億10百万円であり、前連結会計年度と比較しますと43億73百万円の減益となりました。

 

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は45億5百万円であり、前連結会計年度と比較しますと52億13百万円の減益となりました。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況  3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

当社及び国内子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うとともに、当社グループの余剰資金を、伊藤忠商事㈱のグループ金融制度に預け入れ、資金の効率的な運用を図っております。

また、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、当社及び当社グループの十分な手元流動性の確保をしております。

 

 

⑧ セグメントごとの財政状態

<加工食品事業部門>

加工食品事業部門につきましては、2022年度に鹿児島新工場の稼働を開始いたしました。鹿児島新工場は地産商品の拡充やライン自動化を目的とした、最新鋭設備導入等の設備投資を行い、これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減等を図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。

 

<食肉事業部門>

食肉事業部門につきましては、肉豚生産事業のインテグレーション強化に向けた投資に注力しております。具体的には肥育舎の増設による生産規模の拡大、農場近代化による生産効率の向上を目的とした投資を行い、子会社加工場へ肉豚を安定供給し、品質の高い国産肉豚の生産体制を確立し、販売競争力を高め、収益力の拡大を推進してまいります。2022年度に宮城新農場での母豚搬入、種付け、子豚の出産を開始いたしました。

 

<その他事業>

その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。