売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00335 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、年度初めの新型コロナウイルス感染症の分類変更や行動制限の撤廃に伴い、国内消費者の行動心理の活性化、インバウンド消費の回復に牽引され、外食需要や観光需要等が大幅に回復、百貨店やスーパー、コンビニエンスストア等の流通業も堅調に売上を伸ばしており、経済活動は正常化が進みました。

一方、原材料価格やエネルギーコストは高値が継続、円安の再度の進行、労働コストも高まる等により製造コストの上昇が続いております。このため前期に引き続き今期も様々な業種において値上げが複数回実施されており、食品全体の値上げ品目数が大きく増加しました。このような状況を受け、ベースアップ等で賃金水準は上昇に向かっているものの、実質賃金は物価高の影響でマイナスが継続しており、国内消費者の生活防衛意識は高く、順調に消費拡大が続くとまでは言い難い市場環境となっています。

当業界におきましても、製造コストの上昇に加えて、畜肉の現地相場高や円安水準の継続、疾病問題等により畜肉市場が大きく変動する要因が多く、厳しい事業環境が継続しております。

このような状況の中、当社グループの「目指す姿」である「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」という基本的な考えのもと、中期経営計画目標の達成に向けて、「ESGへの取り組みと持続可能な経営基盤の強化」と「外部環境の変化に対応した収益基盤の構築」及び「成長投資とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。

 

この結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高3,425億67百万円前年同期比4.3%増)、営業利益103億91百万円前年同期比18.6%増)、経常利益111億80百万円前年同期比20.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益62億2百万円前年同期比5.7%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

<加工食品事業部門>

2023年4月に続き昨年10月に4回目のハム・ソーセージ商品及び加工食品の価格改定を行い、販売先への納品価格の引き上げを実施いたしました。業界全体では生産数量や市販用商品市場の販売額が前期を下回る厳しい環境が継続しておりますが、当社のシェアは昨年度に引き続き上昇いたしました。

 

① ハム・ソーセージ部門

主力ブランドの「香薫®あらびきポークウインナー」は、定番の2個束商品に加え、大袋ジッパー付き商品の販売も引き続き好調に推移しました。販売促進政策では、東京ディズニーリゾート®ご招待キャンペーン、宝塚歌劇星組貸切公演ご招待キャンペーン、SNSを活用したキャンペーン等を継続的に実施し、当期も販売シェア拡大を継続することができました。新たに建て替えた鹿児島工場が今春より本格的に稼働を開始し、安定した商品供給や新商品の提供に寄与しております。結果、市販用商品、業務用商品ともに売上高及び販売数量は前年同期を上回り、順調に推移いたしましたが、損益面では価格改定の効果以上に原材料のコストが上昇し、前年同期を下回る結果となりました。

 

② 加工食品部門

加工食品部門では、常温商品の「ストックディッシュ」、手軽に食べられる「サラダチキンバー」等の市販用商品が消費者から評価を得ており、順調に拡大販売を進めることができました。また、業務用商品においては、市場の回復や価格改定の効果により売上を拡大できましたが、原材料等の仕入コストの大幅な上昇を補いきれず、利益面では前年同期を下回る結果となりました。

コンビニエンスストア向けのベンダー事業についても、原材料高騰や、燃料高、人件費アップ等製造コストが上昇しましたが、お客様の要望に応えた新商品開発、発売を継続的に行ったことにより、売上高、利益面ともに前年同期を上回ることができました。

 

これらの結果、加工食品事業部門における売上高2,400億95百万円前年同期比4.6%増)となり、セグメント利益95億60百万円前年同期比5.0%増)となりました。

 

<食肉事業部門>

海外畜肉相場の高値継続と円安による輸入仕入コストの上昇等、食肉事業の仕入環境は厳しい状況が継続しています。販売先の店頭価格は、食肉の相場上昇を補うまでの十分な価格上昇には至らず、販売環境も同様に厳しい状況が継続しています。当該状況下、段階的に販売先への価格転嫁を進めるとともに、相場と連動した取引への変更も徐々に浸透し、前年同期を上回る売上高、利益を確保できました。

飼料価格は依然として高い水準のため、養豚事業も収益的には厳しい環境ですが、宮城新農場の肥育は順調に進み、予定通り出荷を開始しており、良質な豚肉を適正な価格で販売拡大できるよう、様々な取り組みを進めていきます。

 

これらの結果、食肉事業部門における売上高1,020億52百万円前年同期比3.7%増)となり、セグメント利益9億53百万円前年同期はセグメント損失51百万円)となりました。

 

<その他>

その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)における売上高4億19百万円前年同期比9.2%増)となり、セグメント利益1億79百万円前年同期比7.4%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析 

<資産>

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ216億1百万円増加し、2,514億89百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が135億35百万円、棚卸資産が57億78百万円、現金及び預金が38億64百万円、投資有価証券が29億56百万円、建物及び構築物が15億62百万円増加し、預け金が67億9百万円減少したことによるものです。

 

<負債>

負債については、前連結会計年度末に比べ162億37百万円増加し、1,229億30百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が163億19百万円増加したことによるものです。

 

<純資産>

純資産については、前連結会計年度末に比べ53億64百万円増加し、1,285億58百万円となりました。これは主に、利益剰余金が29億43百万円、その他有価証券評価差額金が11億31百万円、為替換算調整勘定が6億45百万円増加したことによるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億75百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 資本の財源及び流動性についての分析

当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

当社及び国内子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うとともに、当社グループの余剰資金を、伊藤忠商事㈱のグループ金融制度に預け入れ、資金の効率的な運用を図っております。

また、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、当社及び当社グループの十分な手元流動性の確保をしております。