売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E33595 Japan GAAP

売上高

35.6億 円

前期

20.9億 円

前期比

170.8%

時価総額

20.5億 円

株価

773 (04/26)

発行済株式数

2,648,992

EPS(実績)

13.89 円

PER(実績)

55.63 倍

平均給与

585.1万 円

前期

524.7万 円

前期比

111.5%

平均年齢(勤続年数)

33.1歳(4.9年)

従業員数

90人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社は、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中を応援し、社会に貢献してゆく」という経営理念のもと、グループコミュニケーション支援サービスを独自開発し、その運営を通して、さまざまな生活者支援に貢献するべく事業を推進しております。

当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、2023年3月期より『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』及び『その他』の3つの区分としております。当社の強みは、データマネジメント力であり、その構成要素は『データ集めの仕組み作り』と『データを活用した事業作り』であります。『コミュニケーションデータ事業』は、らくらく連絡網を中心としたコミュニケーションに派生して得られるデータを活用して、収益を上げていく事業であります。一方で『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウ、そこで得たデータとテクノロジーを組み合わせた事業となっております。

『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』及び『その他』の3つの区分に含まれるサービスは従来と変わらず、主要なサービスとして下記のサービスを提供しております。

①日本全国の部活動、サークル、PTA等の団体活動従事者向けにグループコミュニケーション支援サービスを提供す

 る『らくらく連絡網』

②自社サービスの登録情報を基にした精度の高いデータを保有している『pinpoint DMP』を活用した運用型広告サ

 ービスを行うDSP広告サービス『pinpoint』

③アルバイト求人情報ポータルサイトである『らくらくアルバイト』

④求人検索エンジンの販売代理及び広告運用に関するコンサルティングを行う『求人検索エンジン』

⑤次世代の運用型求人広告プラットフォームである『HR Ads Platform』

⑥採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』

当社の提供するサービスとその概要は以下のとおりであります。

セグメント区分

事業区分

サービス名

概要

インターネット

メディア関連事業

コミュニケーションデータ事業

らくらく連絡網/

らくらく連絡網.app

グループコミュニケーション支援サービス

BtoB向けをメインとした簡易版らくらく連絡網

pinpoint

独自のデータを保有する「pinpoint DMP」を活用した運用型広告

らくらくアルバイト

アルバイト求人情報ポータルサイト

HRデータ事業

求人検索エンジン

他媒体販売による運用型広告

HR Ads Platform

運用型求人広告プラットフォーム

ジョブオレ

採用活動を応援するための採用支援システム

その他

その他

上記以外のサービス

 

 

(コミュニケーションデータ事業)

 当社の『コミュニケーションデータ事業』は、『らくらく連絡網』のユーザーに提携先のデータを加えた、約2,000万人のビッグデータを利用して、様々なインターネット媒体のうち、最も効果が高いと考えられる媒体への広告出稿を可能にし、広告効果の最大化を行うサービス群となっています。各サービスの内容は以下のとおりです。

 

(1) らくらく連絡網

当社サービスの基盤となる『らくらく連絡網』は、団体やグループでの活動に必要な出欠確認や日程調整、アンケート、安否確認等を、メールの一斉送信でカンタンに行うことができる無料のグループコミュニケーション支援サービスであります。『らくらく連絡網』のユーザーは、部活動やサークル、ゼミ、子供の習い事や少年スポーツチーム、PTA等、何らかの団体・集団活動に従事しており、団体単位で加入して団体活動の出欠確認、日程調整、重要情報の通達等に『らくらく連絡網』を利用しております。

『らくらく連絡網』は、団体活動を前提としたグループコミュニケーションをターゲットにしており、グループ外へのつながりの抑制や、メンバー間の団体活動外でのつながりを起こさない形でのコミュニケーションを意識しています。一方で団体活動に必要な便利機能として、「スマートフォン、PC等様々なデバイスに対応」「アプリでの通知とメールでの通知の兼用」「出欠確認等の回答結果がひと目でわかる、未回答にワンタップで催促できる」「日程調整や出席確認等7種類のメール機能」「写真、会議の資料、集合場所の地図、部活動の台本等をExcel、Word、PDF等様々な形で共有可能」等の機能を備えております。

当社は、『らくらく連絡網』の機能や利便性の向上によりユーザー数の増加を図っており、2005年4月にサービス開始以降、ユーザー数は堅調にして推移しております。2023年3月末時点における『らくらく連絡網』の会員数は698万人、アプリ会員数は287万人、有効団体数(会員が3名以上所属している団体数)は39万団体であります。

なお、当社は、『らくらく連絡網』のインターネット媒体としての特性や利用者数等を背景として、広告収入を受け取るともに、後記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2) pinpoint」に記載の『らくらく連絡網』のデータを活用した他媒体への広告配信を行っております。また、無料版の『らくらく連絡網』の利便性を高めた有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。

『らくらく連絡網.app』は、従来の『らくらく連絡網』からより利便性を求めた団体活動向け連絡網サービスです。「新しい生活様式」が求められるなど、事業環境の変化から法人利用ニーズが高まっており、カスタマイズが容易なコミュニケーションツールとして、SaaS型ソリューション事業の実現へ向けて、展開しております。

 

① 広告収入

『らくらく連絡網』を利用している会員に対し、『らくらく連絡網』サイト内でのバナー広告の掲載やメールマガジンの配信、当社ユーザーが閲覧する第三者サイトへのバナー広告の掲載等を行うことにより、広告主から広告収入を受け取っております。また、『らくらく連絡網』のユーザー向けに商品サンプリングや市場調査における調査対象者のリクルーティング等のタイアップ広告を配信し、広告主のマーケティング支援を行い、その成果に応じて収入を受け取っております。

当社が独自開発した『らくらく連絡網』を無料で提供することで会員数を増やし、広告配信機会の拡大を図ることができ、また、会員の詳細な属性データを保有していることから、クライアントのニーズに応じた詳細な配信設定により高い広告配信効果を期待できる、付加価値の高い広告サービスを提供しております。

 

② 有料版『らくらく連絡網』の利用料収入

『らくらく連絡網』は、原則として利用者に無料でサービスを提供しておりますが、有料であってもより高い利便性を望むユーザーもいるとの認識から、有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。

 

(2) pinpoint

『pinpoint』は、当社及び提携パートナーが独自に保有する属性が明らかな約2,000万人の匿名加工化されたユーザーデータを活用して、精密なセグメント設定によって本当に届けたいターゲット属性への広告配信を可能とするサービスであります。『pinpoint』においては、『らくらく連絡網』の広告枠の販売だけではなく、DSPを介して『らくらく連絡網』利用者のオーディエンスデータ(注1)に合致する外部サイトの広告枠すなわち他媒体への第三者配信を行うことで、広告主のマーケティング・チャネルの最適化を図っております。当社は、『らくらく連絡網』における698万人の会員情報を基に、匿名加工化された精度の高い詳細なオーディエンスデータを保有していることから、これを当社が独自開発したプライベートDMP『pinpoint DMP』で統合、管理、分析することで、精度の高いターゲティングを可能とした運用型広告サービスを『pinpoint』として提供しております。

『pinpoint』は、以下のような強みや特徴を有しております。

・広告配信の基礎となるデータベースは、『らくらく連絡網』及び提携パートナーから取得しているデータで構築されており、そのデータの属性が明確であることから、類推データを使用して広告配信を行う他のDSP広告サービスよりも高い確度でターゲットへの広告配信を行うことができます。

・『pinpoint DMP』は当社が独自開発したDMPであり、その運用も社内で行っております。そのため、データサプライヤー側との連携が容易であることに加え、各DSP事業者等との接続にあたっても広告代理店の広告配信システムを変更することなく行うことができます。

・当社は、Trading Desk(注2)チームを内製化しており、クライアントの広告効果最大化のため、適宜配信の設定・変更・分析を行うことができます。また、その知見を社内に蓄積させることで、事例をもとにした同一業界への販売活動が可能であります。

・『pinpoint』は、国内の複数のWEBサイト・SNSへの広告配信が可能であり、ターゲットへの広告配信機会を幅広く確保しております。また、静止画バナー広告の他、インフィード広告(注3)、動画広告といった、多様な広告表現にも対応することができます。

また、『pinpoint DMP』を介さず他媒体を利用する場合においてもTrading Deskや配信機能を活用しております。

なお、当社は、『らくらく連絡網』に蓄積されたユーザーデータと『pinpoint DMP』を活用した広告サービスを提供し、あるいは他媒体への第三者配信による広告料収入を受け取っております。また、広告配信における媒体選定・配信設計・広告運用・クリエイティブ制作といった一連のサービスをワンストップで提供しており、これらのサービスに係るサービス料収入を受け取っております。

 

(3) らくらくアルバイト

『らくらくアルバイト』は、アルバイト求人サイト運営企業と提携し、当該企業群が保持する全国のアルバイト求人情報をインポートしているアルバイト求人情報ポータルサイトであります。全国のアルバイト求人情報を、地方の大学生や、『らくらく連絡網』のもうひとつの中心的な利用者である、20代・30代の男女のうち主にフリーターや主婦層に対して提供しております。

『らくらくアルバイト』は、698万人の会員を有する『らくらく連絡網』の会員登録時及び利用時において当サイトの訴求を行い、新規登録者の獲得に繋げることができるという特徴があります。また、アルバイト求人サイト運営企業と提携し、当該企業群が保持する全国のアルバイト求人情報をインポートすることで、保持するデータベースの量やクライアント企業の案件への応募数において、優位性を確保できるという特徴があります。

『らくらくアルバイト』においては、サービス開始以降、会員数は堅調に増加しており、2023年3月末時点での会員数は194万人となっております。

なお、当社は、サイト利用者が応募したアルバイト求人情報を提供している提携企業側から広告収入を受け取っております。

 

(HRデータ事業)

当社の『HRデータ事業』は、日本の求人市場において新たな雇用機会を提供すべく、当社が求人業界で培ったノウハウとテクノロジーを活かした事業であります。『HRデータ事業』は、以下の3つのサービスが含まれております。

(1) 求人検索エンジン

『求人検索エンジン』は、インターネット上の求人情報を一括して検索できる、『求人検索エンジン』の広告代理運用事業を行っております。『求人検索エンジン』の利用は、採用企業側にとっては採用コストが安く、求職者にとっては求人メディアを横断して検索可能であることから、双方にとって利便性が高いため、急激に求人広告市場のシェアを拡大している広告手法であります。一方、『求人検索エンジン』で広告効果を高めるためには一定の広告運用の知識やノウハウが必要となっております。当社は、効率的かつ効果的な採用を行いたい企業から『求人検索エンジン』の運用代行を請け負っており、当社がこれまで蓄積した経験知とノウハウから求人企業の採用を最適化することで、当該分野における優位性を確保しております。

なお、当社は求人企業側から広告収入を受け取っております。

 

 (2)HR Ads Platform

 『HR Ads Platform』は、運用型広告と呼ばれるアドテクノロジーを求人領域に活用し、掲載媒体の選定、プラン、広告出稿及び運用を自動で行うことで採用業務のDX化を推進する、運用型求人広告プラットフォームであります。 求人企業が求人原稿、予算及び応募単価などを設定して入札するだけで、『HR Ads Platform』独自のアルゴリズムにより、連携している多数の求人メディアから最適な掲載メディアと掲載順位を自動で選定し、即日に求人広告を掲載します。掲載までの工程に人力を介さないため、従来の掲載フローと比べ大幅に業務量が削減され、求人企業側の採用スケジュールを短縮することができます。さらに成果型課金方式と呼ばれるCPA(応募課金)であることから採用コストの最適化を実現するなど、採用担当者が求人広告掲載において抱えていた様々な悩みを解決することができます。

 なお、当社は求人企業側から成果に応じて広告収入を受け取っております。

 

(3)ジョブオレ

2019年3月より採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』の提供を開始しております。企業は『ジョブオレ』を利用することで、簡単でスピーディーな採用サイトの作成を行うことが可能となります。また、応募者対応及び分析機能を搭載しており、専用の管理画面から詳細な応募や採用状況の分析、一元管理を行うことができます。また『ジョブオレ』で作られた採用サイトは各種アグリゲートサイトとの連携を行っているため、企業側にとっては幅広い求職者へのアプローチを可能とします。また、『HR Ads Platform』にも接続可能となっており、『ジョブオレ』を通じて採用企業が自由に入札や出稿を行える仕組みとなっております。

なお、『ジョブオレ』については、利用企業より一部利用料を受け取っております。

 

 (その他)

その他のサービスとして、『他求人広告』、『セールス・プロモーション(SP)』等のサービスを提供しております。『他求人広告』は、他社が運営する求人媒体における求人広告枠の販売サービスであります。また、『SP』は、主に大学構内でのフィールド系広告の販売サービス等であり、学食内、売店等の広告スペースや学内チラシへの広告の掲載や、学内やキャンパス前での広告チラシの配布等を行っております。当社は、広告の掲載等を行うことで、広告主から広告収入を受け取っております。

 

(注1) オーディエンスデータとは、あるインターネットユーザー(アプリを含む)の個人を特定しない属性情報や行動履歴情報であります。

(注2) Trading Desk(トレーディングデスク)とは、広告主に代わって、DSP等を用いた広告運用の最適化をサポートすること、または、サポートする組織であります。予算と商品に合わせて、利用するDSP等の広告配信ツールの選定、広告枠の買付け、運用戦略の立案、配信結果のレポーティング、分析等を行い、最適な広告運用をサポートします。

(注3) インフィード広告とは、WEBサイトやSNSアプリのコンテンツとコンテンツの間に組み込まれ、表示される広告のことであります。

 

 

事業系統図

 

※画像省略しています。

 

23/06/23

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収まり、中国のゼロコロナ政策の終了もあったものの、ドル円為替水準の大きな変動等、経済に大きな影響を及ぼす事象が複数発生しており、未だ経済の見通しにつきましては、不透明な部分が存在するものと認識しております。

当社が属するインターネット広告市場においては、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査(2023年2月分確報)によると、2023年2月のインターネット広告の売上高合計は119,977百万円(前年同月比2.59%増)と引き続き回復傾向となってきておりますが、当社が注力してまいりましたインターネットを活用した求人広告市場につきましては、2023年3月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.32倍(厚生労働省「一般職業紹介状況(2023年3月分)について」)で直近では微増で推移しており、2023年3月の職種分類別求人広告掲載件数は、全体で154万件(公益社団法人全国求人情報協会 「求人広告掲載件数等集計結果(2023年3月分)」)となっており、前年同月比で増加し、回復基調となっているものの更なる回復が望まれます。

このような事業環境の下、『コミュニケーションデータ事業』は、当社の優位性の一つであるデータとテクノロジーを組み合わせて収益を上げていく事業として、『らくらく連絡網』、『らくらくアルバイト』、『pinpoint』及び『他媒体広告』、『休日いぬ部』を含めており、当事業年度は代理店戦略の強化やアライアンスの推進を行い、データの拡充と有効活用を図ってまいりました。

また、『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウとテクノロジーを組み合わせた事業として、『求人検索エンジン』、『HR Ads Platform』及び『ジョブオレ』を含めており、当事業年度は『HR Ads Platform』を重視し、新規求人メディア連携やATS連携の強化を図ってまいりました。

その結果、『らくらく連絡網』の2023年3月末時点の会員数は698万人(前年同期比0.7%増)、アプリ会員数は287万人(前年同期比8.9%増)、有効団体数は39万団体(前年同期比0.1%増)、『らくらくアルバイト』の2023年3月末時点の会員数は194万人(前年同期比3.9%増)、『ジョブオレ』の2023年3月末時点の求人原稿数は335千件(前年同期比2.4%増)となっております。

以上の結果、当事業年度の売上高は3,564,446千円(前年同期比70.8%増)、営業利益は55,082千円(前年同期は40,321千円の営業損失)、経常利益は54,184千円(前年同期は43,565千円の経常損失)、当期純利益は36,806千円(前年同期は147,250千円の当期純損失)となりました。

なお、当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は前事業年度末に比べ65,376千円増加し、457,574千円(前年同期比16.7%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は125,614千円(前年同期は1,441千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額292,409千円、未払消費税等の減少額31,181千円があったものの、仕入債務の増加額265,883千円及び未払金の増加額61,515千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は273,533千円(前年同期比277.5%増)となりました。これは主に、事業譲受による支出156,000千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は213,295千円(前年同期比405.3%増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入208,305千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社の主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b. 受注実績

受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

コミュニケーションデータ事業

950,311

+44.1

HRデータ事業

2,494,593

+80.0

その他

119,542

+191.1

合計

3,564,446

+70.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

(売上高)

売上高は、前事業年度より1,478,019千円(70.8%)増加し、3,564,446千円となりました。これは主に、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、各企業の販促需要が徐々に回復し、『HRデータ事業』において、運用型広告の当社運用力を背景に他社からの乗り換えやコロナ禍の影響を受けにくい顧客群の強化を行ってきたことにより、売上高を牽引し、コロナ禍以前の売上高水準を上回る成果を見せ始めたものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、前事業年度より1,296,289千円(89.6%)増加し、2,742,876千円となり、売上原価率は7.6ポイント増加して77.0%となりました。これは主に、売上高増加に伴って仕入高が1,194,239千円増加及び外注費が84,894千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、売上総利益は、前事業年度より181,730千円(28.4%)増加し、821,569千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ86,326千円(12.7%)増加し、766,487千円となり、売上に対する販売費及び一般管理費の比率は、11.1ポイント減少して、21.5%となりました。これは主に、広告宣伝費が12,797千円減少したものの、販売手数料が18,285千円増加、支払報酬が17,419千円増加、支払手数料が10,094千円増加、人件費が9,174千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、営業利益は前事業年度より95,403千円増加し、55,082千円の営業利益(前事業年度は40,321千円の営業損失)となりました。

 

(営業外損益)

営業外損益は、前事業年度の3,244千円の費用(純額)から897千円の費用(純額)となりました。これは主に、新株予約権発行費が3,277千円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、経常利益は前事業年度より97,750千円増加し、54,184千円の経常利益(前事業年度は43,565千円の経常損失)となりました。

 

(特別損益)

特別損益は、前事業年度の101,394千円の損失(純額)から15,725千円の損失(純額)となりました。これは主に、前事業年度において、減損損失が101,394千円発生、当事業年度において、本社移転費用が15,757千円発生したことによるものであります。

 

(法人税等合計)

法人税等合計は、前事業年度に比べ637千円(27.8%)減少して、1,652千円となりました。これは法人税等が637千円減少したことによるものであります。

以上の結果、当期純利益は、前事業年度より184,057千円増加し、36,806千円の当期純利益(前事業年度は147,250千円の当期純損失)となりました。

 

b. 財政状態

(資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて697,565千円(92.8%)増加し、1,449,262千円となりました。これは主として、売掛金が292,097千円増加、のれんが144,354千円増加、ソフトウエアが114,978千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて444,464千円(141.9%)増加し、757,677千円となりました。これは主として、買掛金が265,883千円増加、預り金が101,040千円増加、未払金が81,696千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて253,101千円(57.7%)増加し、691,585千円となりました。これは主として、資本金が106,560千円増加、資本準備金が106,560千円増加、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が36,806千円増加したことによるものであります。

 

c. キャッシュ・フロー

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、媒体仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、サーバー等の設備投資、サービス開発に係る労務費、外注費等によるものであります。必要資金については原則として手許資金で賄っておりますが、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、その当座貸越極度額は200,000千円であります。
当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、財務の健全性や資本効率等当社にとって最適な資本構成を追求しながら、新たなサービスの開発等、会社の将来の成長のための内部留保の充実を図る必要があると考えております。

 

e. 経営戦略の現状と見通し

 2024年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大は感染症法における分類の引き下げなどにより収束に向かうと期待しておりますが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による、原材料の価格高騰や材料不足などから起こるインフレーションによる消費マインドの冷え込みリスクなど、経済の先行きは不透明な状況が続くと予想されます。
 2024年3月期は、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、『らくらく連絡網』の新機能追加やUI改善により、新規会員獲得に注力し、データの拡充を行い、そのデータを活かしたより効果の高い広告配信を行うことで競争力の強化を図ってまいります。また、中長期的には、新たな収益モデルの確立のために投資を行い、更なる新規事業の創出を目指しております。『HRデータ事業』に関しては、『HR Ads Platform』の新規求人メディア連携やATS連携の強化を図るとともに、人事管理系ツールとの連携や採用BIツールの構築等に、引き続き注力してまいります。『求人検索エンジン』については既存顧客の継続率を高めつつアップセルを強化していくとともに、新規顧客の獲得を積極的に行い、効果の高いサービス提供に取り組んでまいります。
 以上の状況を背景に、売上高は4,784,000千円(前年同期比34.2%増)となり、営業利益は90,000千円(前年同期比63.3%増)、経常利益は、88,504千円(前年同期比63.3%増)、当期純利益は86,786千円(前年同期比135.7%増)を予想しております。

 

f. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制、内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を行ってまいります。

 

g. 経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営陣は、今後のさらなる成長のために、スピーディーな事業展開による収益基盤の強化と多角化、システムセキュリティの維持と情報管理体制の強化、及びこれらを担う優秀な人材確保が大きな課題であると考え、これらの達成を中期的な目標としております。詳細につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。