売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05425 IFRS

売上高

2,388.8億 円

前期

2,308.2億 円

前期比

103.5%

時価総額

1.27兆 円

株価

1,877.5 (04/26)

発行済株式数

679,063,600

EPS(実績)

71.49 円

PER(実績)

26.26 倍

平均給与

948.5万 円

前期

901.7万 円

前期比

105.2%

平均年齢(勤続年数)

34.7歳(3.0年)

従業員数

588人(連結:10,533人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループの事業目的は、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと」です。社名のエムスリーは医療(Medicine)、メディア(Media)、変容(Metamorphosis)の3つのMを表しています。インターネットというメディアの力を活かして、医療の世界を変えていくことが、当社の設立の志です。

上記の目的の実現に向けて、当社グループでは、以下のような事業を展開しています。

 

当社グループの事業は、国内における医師会員32万人以上(2023年4月28日現在)が利用する医療従事者専門サイト「m3.com」、米国の「MDLinx」や英国の「Doctors.net.uk」等の当社グループが世界中で運営する医療従事者のプラットフォームを中心に様々なサービスの展開をしています。

主なサービスの内容は下記の通りです。

なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一です。

 

(1) メディカルプラットフォーム

主要サービス

主要サービスの内容

医療関連会社マーケティング支援

「m3.com」のプラットフォーム上で会員医師が主体的、継続的に高頻度で情報を受け取れる「MR君」ファミリーをはじめとする、インターネットを活用した医師への情報提供をサポートするマーケティング支援事業。

調査

医療従事者を対象とした受注型または定型の各種調査の受託。

一般企業向けマーケティング支援

会員へ医療情報以外のライフサポート情報を提供する「QOL君」等の一般企業向けサービスの提供。

開業・経営サービス

開業準備医師や開業後の診療所の経営支援事業。

「治験君」サービス

「m3.com」上で治験に参加する施設・対象患者を発見する治験支援サービスの提供。

CSO事業

医薬品・医療機器等の営業活動及びマーケティング業務等の受託。

電子カルテ等の開発・販売

医療機関向け電子カルテ等の開発・販売・サポート事業。

医療機器等の開発・販売

医療機関向け医療機器の開発・販売・サポート事業。

 

(2) エビデンスソリューション

主要サービス

主要サービスの内容

CRO事業

臨床開発業務の支援及び大規模臨床研究の支援。

SMO事業

治験実施医療機関における治験業務全般の管理・運営の支援。

 

(3) キャリアソリューション

主要サービス

主要サービスの内容

医療従事者等向け人材サービス

医師、薬剤師向けの総合キャリアサービスの提供。

人材紹介、「m3.com CAREER」等への求人広告掲載等。

 

(4) サイトソリューション

主要サービス

主要サービスの内容

医療機関支援

経営戦略支援、経営管理支援、人事労務支援等、医療機関に対する各種運営サポートの提供。

訪問看護

訪問看護ステーション、在宅ホスピスの運営等、訪問看護サービスの提供。

 

(5) 海外

主要サービス

主要サービスの内容

マーケティング支援

海外におけるインターネットを利用した製薬会社等の営業、マーケティング支援事業等の提供。

調査

海外における医療従事者を対象とした調査サービス。

医療従事者向け人材サービス

海外における医師向け転職支援サービス及び病院向け医師プロファイルデータベースライセンスの提供等。

治験支援事業

海外における治験実施施設の運営、治験業務の管理・運営支援。

 当社グループの事業の系統図は、以下の通りです。

※画像省略しています。

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、入手可能な情報に基づいて当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営成績の概況

国内においては、医師会員32万人以上(2023年4月28日現在)が利用する医療従事者専門サイト「m3.com」を中心に様々なサービスの展開をしています。

メディカルプラットフォームでは、「m3.com」のプラットフォーム上で会員医師が主体的、継続的に高頻度で情報を受け取れる「MR君」ファミリーの各種サービスに加え、会員医療従事者を対象とした調査サービス、会員へ医療情報以外のライフサポート情報を提供する「QOL君」等の一般企業向けマーケティング支援サービス等、顧客の意図や用途により選べるサービスメニューを提供しています。また、次世代MR「メディカルマーケター」の提供、医療系広告代理店等の事業を、グループ各社を通じて展開しています。

エビデンスソリューションでは、臨床開発業務の支援及び大規模臨床研究の支援を行うCRO、治験実施医療機関において治験業務全般の管理・運営を支援するSMO、臨床開発・臨床研究等の実施に必要な被検者の募集並びに周辺業務の支援を行うPRO等の事業を、グループ各社を通じて展開しています。

キャリアソリューションでは、エムスリーキャリア株式会社において、医師、薬剤師向けの求人求職支援サービスの展開を進めています。

サイトソリューションでは、医療機関の運営をサポートする各種サービスを展開しています。

さらに、一般の方々からの健康や疾病に関する質問に「m3.com」登録医師が回答する「AskDoctors」(https://

www.AskDoctors.jp/)や医療福祉系国家試験の対策等の事業を行うエムスリーエデュケーション株式会社等を通じてさまざまなサービス展開を進めています。

海外においては、米国で、医療従事者向けウェブサイト「MDLinx」を運営し、この会員基盤を活かした製薬会社向けサービスの他、医師向けの転職支援サービスや治験支援サービスも展開しています。欧州では、英国で医師向けウェブサイト「Doctors.net.uk」において製薬会社向けサービスの展開を進める他、Vidal Groupを通じてフランス、ドイツ、スペインで医薬品情報データベースの提供を行うとともに、eDoctores Soluciones, S.L.を通じて医療従事者向け診療現場モバイルアプリiDoctusをスペインおよび中南米で提供しています。アジア地域においても順調に事業を拡大しています。

また、日本、米国、欧州、中国、韓国をはじめ、当社グループが世界中で運営する医療従事者向けウェブサイト及び医師パネルに登録する医師は合計で約600万人となっており、医師パネルを活用したグローバルな調査サービスの提供も行っています。

 

当連結会計年度の業績は、以下の通りです。

(当期の業績)                                    (単位:百万円)

 

2022年3月期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

2023年3月期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

売上収益

208,159

230,818

+22,659

+10.9%

営業利益

95,141

71,983

△23,158

△24.3%

税引前当期利益

96,187

74,318

△21,868

△22.7%

当期利益

66,108

51,983

△14,126

△21.4%

 

(セグメントの業績)                                 (単位:百万円)

 

2022年3月期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

2023年3月期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

メディカル

プラットフォーム

セグメント売上収益

85,928

93,098

+7,170

+8.3%

セグメント利益

39,553

41,147

+1,594

+4.0%

エビデンス

ソリューション

セグメント売上収益

22,756

27,157

+4,402

+19.3%

セグメント利益

5,654

7,662

+2,007

+35.5%

キャリア

ソリューション

セグメント売上収益

14,094

14,538

+445

+3.2%

セグメント利益

4,646

4,644

△2

△0.0%

サイト

ソリューション

セグメント売上収益

35,184

35,295

+111

+0.3%

セグメント利益

3,399

3,745

+346

+10.2%

海外

セグメント売上収益

51,831

62,095

+10,263

+19.8%

セグメント利益

44,837

16,990

△27,847

△62.1%

その他エマージング事業群

セグメント売上収益

3,360

3,284

△76

△2.3%

セグメント利益

△601

945

+1,547

調整額

セグメント売上収益

△4,994

△4,649

セグメント利益

△2,348

△3,151

合計

売上収益

208,159

230,818

+22,659

+10.9%

営業利益

95,141

71,983

△23,158

△24.3%

 

① メディカルプラットフォーム

製薬マーケティング支援においては、期中に一部の外資系製薬企業を中心に予算圧縮の動きが見られ、DX化支援関連サービスは下期でその影響を受けたものの、医療現場のDX化支援等、製薬マーケティング支援以外の事業を中心に堅調に推移した結果、セグメント売上収益は、93,098百万円(前期比8.3%増)となりました。製薬マーケティングチームの強化等、将来の成長に向けた積極的な先行投資により、人件費等を中心として販売費及び一般管理費は増加しているものの、主に売上収益の増加により、セグメント利益は41,147百万円(前期比4.0%増)となりました。

 

② エビデンスソリューション

2021年3月期に新型コロナウイルス感染症拡大に伴い複数の治験プロジェクトが一時的に停止したこと等の影響が前期において一巡し、回復基調が当期も継続していることに加え、新型コロナウイルス感染症関連の治験プロジェクト等により、セグメント売上収益は27,157百万円(前期比19.3%増)、セグメント利益は7,662百万円(前期比35.5%増)となりました。

 

③ キャリアソリューション

新型コロナウイルスのワクチン接種支援プロジェクトの貢献が前期比で減少した影響はあるものの、医師向け求人求職支援サービス等が堅調に推移しました。この結果、セグメント売上収益は14,538百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は売上構成比の変化もあり4,644百万円(前期比0.0%減)となりました。

 

④ サイトソリューション

新型コロナウイルスのワクチン接種支援プロジェクトの貢献が前期比で減少した影響はあるものの、提携医療機関及び利用サービスの増加等により、セグメント売上収益は35,295百万円(前期比0.3%増)となりました。セグメント利益は、新型コロナウイルスのワクチン接種支援プロジェクトが前期比で減少したものの、主に前期第4四半期に計上した減損損失が剥落した影響により、3,745百万円(前期比10.2%増)となりました。

 

⑤ 海外

各地域の堅調な実績に加え、円安による為替影響もあり、セグメント売上収益は62,095百万円(前期比19.8%増)となりました。売上収益の増加はあったものの、中国にて事業を運営する子会社を傘下に持つMedlive(現 持分法適用関連会社)が香港証券取引所に上場したことに伴う利益を前期に計上したことにより、セグメント利益は16,990百万円(前期比62.1%減)となりました。

 

 

⑥ その他エマージング事業群

コロナ禍後の市場環境の変化等を受け、セグメント売上収益は3,284百万円(前期比2.3%減)となりました。セグメント利益は、前期に計上した減損損失の剥落に加え、持分法による投資損益及び株式の評価損益の増減により、945百万円(前期は601百万円の損失)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上収益は230,818百万円(前期比10.9%増)、営業利益は71,983百万円(前期比24.3%減)、税引前当期利益は74,318百万円(前期比22.7%減)、当期利益は51,983百万円(前期比21.4%減)となりました。

 

(2) 財政状態の概況

資産合計は、前連結会計年度末比54,664百万円増の400,645百万円となりました。流動資産については、その他の短期金融資産が8,895百万円減少した一方、現金及び現金同等物が14,066百万円増加したこと等により前連結会計年度末比4,596百万円増の203,471百万円となりました。非流動資産については、新規連結子会社の取得等によりのれんが13,521百万円、無形資産が15,630百万円増加したこと、また、為替の影響等により持分法で会計処理されている投資が8,970百万円増加したこと等により前連結会計年度末比50,068百万円増の197,174百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末比9,099百万円増の91,126百万円となりました。流動負債については、営業債務及びその他の債務が3,887百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比2,363百万円増の59,580百万円となりました。非流動負債については、その他の長期金融負債が3,139百万円、繰延税金負債が3,325百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比6,736百万円増の31,547百万円となりました。

資本合計は、前連結会計年度末比45,565百万円増の309,518百万円となりました。剰余金配当10,862百万円を行った一方、親会社の所有者に帰属する当期利益49,028百万円を計上したことで、利益剰余金が38,301百万円増加したこと等によります。

 

(3) キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高より14,066百万円増加し、118,319百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、57,113百万円の収入(前期は52,108百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期利益74,318百万円、主な減少は、法人所得税の支払額23,132百万円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、21,933百万円の支出(前期は23,407百万円の支出)となりました。主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,960百万円が発生しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、22,837百万円の支出(前期は16,371百万円の支出)となりました。主に親会社の株主への配当金の支払による支出10,860百万円が発生しています。

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

 当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。

 

② 受注実績

当社グループは、実績に応じて売上が計上される契約がほとんどであり、受注時に受注金額を確定することが困難な状況であるため、記載を省略しています。

 

③ 販売実績

セグメント別の当連結会計年度における販売実績は、次の通りです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比

メディカルプラットフォーム

(百万円)

90,196

+8.4%

エビデンスソリューション

(百万円)

26,527

+21.1%

キャリアソリューション

(百万円)

13,869

+3.9%

サイトソリューション

(百万円)

34,979

+0.9%

海外

(百万円)

62,070

+19.8%

報告セグメント計

(百万円)

227,641

+11.1%

その他エマージング事業群

(百万円)

3,177

△2.4%

合計

(百万円)

230,818

+10.9%

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、前連結会計年度及び当連結会計年度における各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、連結決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り、予測の評価を実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載の通りです。

 

② 当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の概況、(2)財政状態の概況、(3)キャッシュ・フローの概況」に記載の通りです。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益74,318百万円を計上したことを主な要因に、57,113百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等により21,933百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により22,837百万円の支出となりました。これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より14,066百万円増加し、118,319百万円となりました。

当社はこの資金により、今後更に経営基盤を強化し、新たな事業展開に備えるための新規投資や出資等による支出に、機動的に対応していきます。

余剰資金の運用については、市場リスクや与信リスクを極めて限定的なものにする保守的な運用を行う方針としており、規模、期間を勘案した適切な手段による資金運用を行っています。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因、今後の方針等について

経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りです。また、経営方針・経営戦略等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。