売上高

利益

資産

キャッシュフロー

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労働生産性

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総資本回転率

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最終更新:

E05483 Japan GAAP

売上高

69.8億 円

前期

63.3億 円

前期比

110.2%

時価総額

112.6億 円

株価

645 (04/24)

発行済株式数

17,464,000

EPS(実績)

27.63 円

PER(実績)

23.35 倍

平均給与

476.0万 円

前期

459.5万 円

前期比

103.6%

平均年齢(勤続年数)

36.4歳(9.3年)

従業員数

420人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社は、遺影写真等画像映像のデジタル加工、通信出力を主体としたフューネラル事業と個人向け写真集の作製、販売を主体としたフォトブック事業を主な事業として取り組んでおります。また、第3の事業として、空中結像技術を取得し、空中ディスプレイ事業として、その研究、開発を行い、事業化に向けて進めております。

なお、最近のセグメント別の売上実績は以下のとおりであります。

 

回次

第27期

第28期

決算年月

2022年4月

2023年4月

セグメントの名称

売上高
(千円)

構成比
(%)

売上高
(千円)

構成比
(%)

フューネラル事業

2,773,460

43.8

3,152,168

45.2

フォトブック事業

3,410,229

53.9

3,634,755

52.1

空中ディスプレイ事業

147,642

2.3

189,303

2.7

合計

6,331,332

100.0

6,976,226

100.0

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

当社の事業系統図は以下のとおりであります。

 

※画像省略しています。

※ ASKA3Dプレートとは、空中結像を可能にする当社独自技術による特殊なプレートのことです。

 

(1) フューネラル事業

当事業におきましては、主として葬儀葬祭関連の会社に対し、遺影写真等写真画像のデジタル加工、通信出力及びメモリアルビデオなど葬祭関連演出サービスの提供並びに付随するシステム機器、サプライ用品等の販売を行っております。

当事業の特徴は以下のとおりであります。

 

① 当事業の成り立ち

従来より遺影写真は葬儀において不可欠な要素でありましたが、その作成手法は暗室において遺影写真の元となる写真から切り貼りするという大変手間がかかるものでした。また、仕上がりは不自然なものとなるのが実状でありました。

当社の前身となる株式会社飛鳥写真館において、写真業を営む傍ら、コンピュータによるデジタル画像処理により、不具合が生じた写真を修正するサービスを提供し、画像処理のノウハウを蓄積いたしました。そのノウハウを元に遺影写真に特化した画像処理技術を研究、確立し、集配可能な地域において取引先を拡大してまいりました。

その後、通信インフラ技術、リモートコントロール技術との融合により、葬儀社などでの集配業務を削除でき、高品質、低価格、短納期で遺影写真を全国に提供できるサービスを確立させ、当社を設立し、全国的に展開いたしました。

 

② 遺影写真の加工技術

遺影写真の加工は最新のコンピュータとソフトウェアを用いて行っておりますが、コンピュータは単なる絵筆であり、ソフトウェアを使用するだけで美しい遺影写真を作成できるわけではありません。加工前写真は小さなものも多く、拡大する必要があり、また、喪家のご要望により、着物を洋装や和装に着せ替える必要が生じます。その際、自然な感じに仕上げるためには、粒子の質感を合わせたり、顔の向きと体の向きを調整したり、顔の大きさのバランスや首の仕上げ、絵画的な表現など、広範囲にわたる特殊な画像加工ノウハウを必要とします。当社では、長年の蓄積による遺影写真に特化したオペレーター教育体制を確立しており、常に高品質の加工技術を用いて作成された遺影写真を提供しております。

 

③ ネットワークによる囲い込み

遺影写真等写真画像のデジタル加工につきましては、当社の顧客にコンピュータ・スキャナ・プリンタなどから構成される専用端末機械を設置し、加工前写真の取り込みから加工済み写真のプリント出力までを、通信回線を通じ、当社でフルリモートコントロール(注)にて処理しております。

(注)フルリモートコントロールとは、加工前写真の取り込み作業及び加工済み写真のプリントアウト作業を当社のオペレーターが通信回線を通じて葬儀社などに設置してある専用端末機械を遠隔操作によって行うものです。従って、葬儀社などにとっては、スキャナ上に遺影写真作成の元となる加工前写真を置くだけで、あとは完成された遺影写真が自動的にプリンタから出力される流れになります。

 

 

フルリモートコントロールによるプロセスを示すと、以下のようになります。

 

※画像省略しています。

 

このフルリモートコントロールの仕組みにより、地域を問わずサービスの提供が可能となり、全国約2,820か所の葬儀社等とネットワークによる囲い込みを実現しております。

 

④ サポート体制

万が一専用端末機器が故障した場合に備えて、全国14箇所に自社社員によるメンテナンスサポート拠点を設置し、何時でも迅速に機器の代替ができる365日自社サポート体制を構築することによって、葬儀社などに安心感を提供しております。

 

⑤ 新しい演出サービスの総合的提供

当事業においては、遺影写真等のデジタル加工、通信出力サービスの他に、以下のようなサービスを提供しております。

・主に葬祭会館祭壇用に開発した、エッジライト(導光板)やLEDを応用した光るパネル(額)を提供し、そのパネルに使用するフィルムへの遺影写真等の出力サービスを行っております。このサービスにより葬祭会場のどの場所からも遺影写真がはっきり見えるようになります。

・故人の思い出の写真を川の流れや四季の動画、ナレーションと共に編集を行い、葬儀に際し、ビデオとしてスクリーン投影し、故人を偲ぶ葬儀演出用コンテンツの作成・通信出力サービスを行っております。

・家庭に残された故人の子供の頃からの多量の写真を元に、追悼の写真集を製作しております。

・故人の写真数枚から製作するイメージポスターをデザインし、製作・通信出力するサービス(メモリアルコラージュ)を提供しております。このサービスは、主に葬祭会館のロビーにおいて、故人の思い出の品とともに展示されています。

 

⑥ 葬儀葬祭市場のDX化を実現するサービスの開発・提供

当事業においては、葬儀葬祭市場のDX化を目的とした「tsunagoo(つなぐ)」サービスを開発し、以下のようなサービスを提供しております。

・このサービスは、葬儀社・喪主・会葬者をDXサービスによりつなぎ、効率化や利便性の向上を実現しています。

・喪主は、訃報のオンライン化により、訃報連絡の手間が大幅に削減されます。

・会葬者は、オンライン上で正確な訃報連絡を受けたり、供物や供花、弔電等の注文を簡単に行うことができます。

・葬儀社は、電話等での受注や代金回収の手間が解放され、業務の効率化が図れるとともに、新しい収益源を確保することができます。

・その他、葬儀後のサービスの充実や、不動産や相続など他サービスとの連携を継続しております。

 

(2) フォトブック事業

当事業におきましては、デジタルカメラの急速な普及や、ブロードバンド環境の一般化を背景に、写真館などのプロフェッショナル写真市場、写真愛好家を中心とするハイエンドアマチュア(注1)市場、一般コンシューマ市場向けにオンデマンド写真印刷(注2)による1冊からの少ロットに対応した個人向け写真集(アスカブック、マイブック、オートアルバム等)の製造、販売及び関連するソフトウェアの開発、販売を行っております。

(注)1 ハイエンドアマチュアとは、デジタル一眼レフカメラなどを所有し、写真撮影を趣味としている人々のことです。

   2 オンデマンド写真印刷とは、フィルムや版を作製することなく写真データを直接印刷することです。

当事業の特徴は以下のとおりであります。

 

① 当事業の成り立ち

当事業は、従来の「写真撮影→プリント→アルバム」から「デジタルカメラ撮影→インターネット→写真集」というデジタルカメラからの新しいアウトプット手法を提案するものであります。フューネラル事業で蓄積してきた画像加工ノウハウと、デジタルカメラの普及、ブロードバンドの一般化という市場環境を融合させ、当事業を開始いたしました。

写真データがデジタル化されているため、コンピュータにより自由に加工、編集が可能となり、比較的容易に自分だけのオリジナルデータが作成でき、そのデータをインターネット経由で発注することで、自分だけの写真集を1冊から提供しております。

 

② 技術的背景

当事業の特色は、特殊なオンデマンド印刷によって作成される印刷画像のクォリティーの優位性にあります。これまで写真集を通常の印刷で製作しようとする場合は、印刷に必要な製版を行う必要があるため、非常に高価となり、数冊レベルの少ロット作製には不向きでした。

一方、オンデマンド印刷と呼ばれる無版印刷では、一般的には、色表現や機器制御が難しいため、高品質で安定した写真表現は困難とされていました。当事業では当初から写真プリントと同等の高品質無版印刷を目指し研究開発を行ってまいりました。その結果、高度なカラーマネジメント技術(注1)や当社印刷機専用のカラープロファイル(注2)、高い品質安定度を実現するオンデマンド印刷機器の制御技術、使用用紙の表面処理技術などにより、写真プリントと同等の高品質印刷による写真集を1冊から非常に安価で作製することを実現いたしました。また、一般の写真愛好家でも、特別な編集スキルを必要とせず、自由に発注できる写真集編集用ソフトウェアを各種開発し、提供しております。ユーザーは、そのソフトウェアをWEBなどからダウンロードして使用でき、データ制作後には再びWEBから発注ができるようになっております。発注されたデータは当社のサーバー内にて自動組版されることにより、効率的な生産を行っております。また当事業では、クォリティーや納期を重視するために、写真のデータ化・画像処理・画像用サーバー運用・印刷・製本までの全てを自社内で運用しております。これらにより一冊からの少ロット・多品種であるにもかかわらず非常に安価で高品質な写真集を提供することが可能になっております。

(注)1 カラーマネジメント技術とは、正しく設定されたユーザーのモニターやスキャナと当社印刷物の色調を統一的に管理する技術のことです。

   2 デジタルカメラなどで作成されたデータは光の三原色(RGB)によって構成されています。カラープロファイルとは、そのデータを印刷用インキの四色(CMYK)のデータに変換する一種のプログラムのことで、印刷品質に大きく影響を与えるものです。

 

一般的な印刷による写真集作製工程と当事業における写真集作製工程との主な違いは以下のように示すことができます。

 

※画像省略しています。

 

③ サービス概要

当事業において提供している製品は、主に、アスカブック、マイブック及びOEMによる提供であります。

アスカブックは主としてプロフェッショナル写真市場向けの製品で、サイズが大きく重厚なものや、書店に並んでいる写真集と同様のつくりとなっており、当社が提供しておりますソフトウェア「アスカブックメーカー」による入稿のほか、デジタルカメラで撮影された写真データでの入稿にも対応しております。当市場に対しては、自社営業による顧客開拓のほか、デジタルフォトセミナーを主催し、顧客の囲い込みに努めております。特に婚礼写真市場向けの販売が主力となっておりますが、スタジオ写真、建築写真市場への拡販を進めております。マイブックは主として一般コンシューマ向けの製品で、インターネット経由により簡単に発注でき、安価で提供しており、子供の成長記録や旅行の思い出記録などに適しています。マイブックについても、発注用のソフトウェアを開発し、ユーザーに無償で提供しており、このソフトウェアを用いることによって専門的な知識がなくとも、自由にデザイン、レイアウトすることが可能です。また、ウェブ上で簡単に発注できる仕組みのほかスマホからの様々なフォトグッズを注文できるマイブックライフというサービスも展開しております。OEMでの提供は、大手顧客を中心に相手先ブランドにて写真集やプリントを提供しております。これらすべての製造は、自社工場にて行っております。

 

④ 生産フロー

当事業では、写真のデータ化、デザイン処理から印刷、製本までを社内一貫生産することで、短納期できめ細かい対応を実現しております。

生産フローの概要は以下のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

(3) 空中ディスプレイ事業

当事業におきましては、空中結像技術を元に、様々な映像画像の新しい表現方法を模索しています。より高度な空中結像を可能にするための研究、それを実現する反射パネル等の製造、当技術が有効に活用される市場のマーケティングを主要な活動としております。

当事業の特徴は以下のとおりであります。

 

① 当事業の成り立ち

当社は、デジタル画像処理やオンデマンド写真印刷等、常に映像画像の新しい表現方法を追求しております。そのような状況の中、空中に映像画像を結像させ表現するという極めてユニークな技術に出会い、その技術者とともに当社に取込み、当事業を開始いたしました。

 

② 技術的背景

当事業の技術は、別の装置から発光される映像画像が特殊な反射プレート(ASKA3Dプレートといいます。)を通過することによって、空中に再結像させる受動系技術と、自らが映像画像を発して空中に結像させる能動系技術に二分されます。まずは、基盤の試作化に成功しており、反射パネルに独自の技法を施すことにより、高輝度、高精細、高い飛び出し距離を実現しております。また、平面だけでなく立体画像映像も空中に結像させるなど研究を進めてまいります。あわせて、より高度な能動系技術の研究も追随させてまいります。

 

③ 現状の課題と今後の方向性

受動系技術、能動系技術とも、今までにない新しい技術であり、その実現には様々な課題があります。まずは、受動系技術の開発、事業化に重点的に取り組んでまいります。受動系技術につきましては、基本的な技術開発は完了しており、生産体制を構築し、ASKA3Dプレートの販売を行っております。空中結像を可能にするASKA3Dプレートにつきましては、ガラス製、樹脂製の両方にトライしております。ガラス製につきましては、大型かつ高品質な空中結像が可能であり、サイネージ用途に適しており、一定程度生産できる体制は確立しておりますが、さらなるコストの削減を進めてまいります。また、ガラス製ASKA3Dプレートの内製化を目的として技術開発センターを設立し、その研究を行っております。中型サイズまでは試作品が完成しており、大型化および量産化に向けて進めてまいります。樹脂製につきましては、その生産性の高さから、センサーと組み合わせた製品組込用途に適しており、一定量の量産体制は確立しております。現在の生産能力にフィットした案件の獲得と、将来的な生産能力の拡大が課題となっております。マーケティング面につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、空中結像による非接触操作が注目を受けており、国内外において販売の拡大を図ってまいります。海外代理店の営業活動の制約がなくなりつつあるため、代理店サポート体制を充実させ、海外での売上拡大を見込んでおります。能動系技術につきましては、受動系技術による事業化が軌道に乗ってから本格的に研究・開発する方針であります。

 

23/07/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(全般)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、238,624千円増加し、7,134,859千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が49,848千円、売掛金が50,024千円、棚卸資産が194,292千円それぞれ増加したためであります。また、自己資本比率は前事業年度末に比べ0.4ポイント減少し、86.9%となりました。

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ、312,084千円増加し、3,745,622千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が49,848千円、売掛金が50,024千円、棚卸資産が194,292千円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ、73,460千円減少し、3,389,237千円となりました。その主な要因は、投資有価証券が46,972千円増加した一方、建物が33,581千円、機械及び装置が107,467千円それぞれ減少したためであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ、57,749千円増加し、922,337千円となりました。その主な要因は、賞与引当金が32,180千円増加したためであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ、1,437千円減少し、9,424千円となりました。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ、182,311千円増加し、6,203,097千円となりました。その主な要因は、自己株式が189,465千円増加した一方、利益剰余金が364,854千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種行動制限の緩和により、社会経済活動の正常化が進みました。一方、欧州における地政学リスクの長期化や、原材料やエネルギー価格の高騰による個人消費の伸び悩みなど、先行きに予断を許さない状況が続いております。

このような環境の中、当社は景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するフューネラル事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するフォトブック事業、空中結像という今までにないユニークな技術で新しい市場を創造し、夢の実現を目指す空中ディスプレイ事業というそれぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。

2022年12月には、結婚式相談カウンターDXサービス「トキハナ」を展開するスタートアップ企業である株式会社リクシィと資本業務提携を締結いたしました。

 

セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。

 (フューネラル事業)

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽減し、葬儀の施行は正常化しておりますが、葬儀の小規模化傾向は継続している状況です。主力である遺影写真加工収入は、新規契約を確実に積み上げたことに加え、全国的に葬儀施行件数が増加したことが影響し、順調に増加いたしました。それに伴い、額やペーパーなどのサプライ品の売上やハード機器の売上も順調に伸長いたしました。
 取組みとしましては、葬儀業界向けDXサービス「tsunagoo(つなぐ)」の操作方法やレイアウトを見直し、より利用しやすいデザインとしました。また、葬儀社に役立つ情報提供を充実させ、オンラインセミナーを実施してまいりました。

利益面につきましては、前期において想定以上の遺影写真加工件数の増加に伴い繁忙期において画像処理オペレーションセンターの稼働が高止まりしたため、人員を積極的に増強した結果人件費が増加し、加えてサプライ品の仕入価格上昇により商品粗利率が低下したものの、売上増加の効果によりセグメント利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は3,152,168千円(前期比113.7%)、セグメント利益は751,673千円(前期比105.4%)となりました。

 

 (フォトブック事業)

当事業におきましては、国内プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、国内一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真をもとにフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。
 国内プロフェッショナル写真家向け市場では、主力であるウェディング向け写真集が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から回復し、ウェディングの施行が正常化したため、売上は順調に回復いたしました。また、家族写真や子ども写真などスタジオ向け写真集の売上も新製品投入の効果もあり、順調に増加いたしました。データ納品システム「グランピック」の機能強化を進めたほか、アスカブック20周年記念として「赤ちゃんの等身大フォトアワード」など三つのフォトアワードを同時開催しました。

国内一般消費者向け市場は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されつつあるものの、海外旅行の戻りは鈍く、またマスク着用の常態化により撮影機会が減少している状況は続いており、自社ブランド「マイブック」、OEMともに売上の減少を余儀なくされております。このような厳しい状況の中、様々なキャンペーンの実施や新製品の投入などの施策を実施してまいりました。また、新たに「マイブック年賀状」サービスをリリースいたしました。

利益面につきましては、原材料価格の値上げや、人件費、水道光熱費などの増加があったものの、工場稼働率の上昇や各生産工程での改善施策が奏功し、セグメント利益は順調に増加いたしました。
 以上の結果、売上高は3,640,854千円(前期比106.8%)、セグメント利益は772,112千円(前期比119.9%)となりました。

 

 (空中ディスプレイ事業)

当事業におきましては、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指しており、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれを開発、製造、販売しております。

営業面につきましては、国内は自社営業を主として、海外は代理店を主として販売を進めております。国内では沖縄の首里杜館や自治体、アミューズメント施設など、海外ではトルコの病院施設など設置実績を重ねてまいりました。一方、中東地域の大型サイネージ案件では設置環境の問題等から受注が叶わなかったケースが生じました。2023年1月には世界最大級のIT展示会「CES2023」に北米代理店と共同出展し、ASKA3Dプレートを使用した空中ディスプレイの持つ近未来感やエンターテインメント性を高く評価いただきました。また、プロモーション動画をリニューアルいたしました。

製造・開発面では、ガラス製、樹脂製とも外製による生産の安定や大型化への取組みを進めており、成果をあげております。自社技術開発センターでは、中型のガラス製プレートの製造に一定の目途が立ち、試作品の販売を実現しました。今後は安定的な生産を確立するため量産試作段階へと進めてまいります。

売上につきましては、主にサイネージ向けのガラス製ASKA3Dプレートの販売が国内外の市場で進み、また製造に必要な金型の売上が発生したため、売上高は前年実績を上回りました。

費用面では、国内1か所、海外1か所の展示会へ参加したことにより広告宣伝費が増加し、また、営業活動の活性化により旅費交通費が増加したものの、研究開発テーマの絞り込みによる研究開発費のコントロールなどにより、セグメント損失は前期に比べ縮小しました。

以上の結果、売上高は189,303千円(前期比127.8%)、セグメント損失は300,889千円(前期は352,037千円の損失)となりました。
 

以上の結果、売上高は6,976,226千円(前期比110.2%)となり、利益面につきましては、フューネラル事業とフォトブック事業のセグメント利益が増加したことが主要因となり、経常利益は618,028千円(前期比136.5%)、当期純利益は482,498千円(前期比145.0%)となりました。

 
③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当期純利益の増加などにより、前事業年度末に比べ、49,848千円増加し、2,044,027千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、695,453千円(前事業年度は827,132千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益617,815千円、減価償却費417,492千円を計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、331,554千円(前事業年度は91,260千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の償還が200,000千円あった一方で、投資有価証券の取得246,150千円、有形固定資産の取得181,682千円、無形固定資産の取得97,608千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、315,639千円(前事業年度は157,761千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払117,780千円、自己株式の取得による支出196,421千円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

   a. 生産実績

生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

第28期

(自 2022年5月1日

至 2023年4月30日)

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

生産高(千円)

前期比(%)

フォトブック事業

1,669,148

105.3

1,761,124

105.5

空中ディスプレイ事業

218,937

140.0

294,301

134.4

合計

1,888,085

108.4

2,055,425

108.9

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 フューネラル事業は、主に役務提供及び仕入商品の販売であり、生産を伴わないため、生産実績を記載しておりません。

 

  b. 仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

第28期

(自 2022年5月1日

至 2023年4月30日)

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

仕入高(千円)

前期比(%)

フューネラル事業

614,212

116.2

779,689

126.9

合計

614,212

116.2

779,689

126.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 フォトブック事業及び空中ディスプレイ事業は、主に生産であり、仕入を伴わないため、仕入実績を記載しておりません。

 

 c. 受注実績

フューネラル事業、フォトブック事業、空中ディスプレイ事業とも受注実績はありますが、受注から売上計上までが、フューネラル事業においては概ね1日以内、フォトブック事業においては概ね20日以内、空中ディスプレイ事業においては概ね1か月以内であるため、記載を省略しております。

 

 d. 販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

第28期

(自 2022年5月1日

至 2023年4月30日)

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

フューネラル事業

2,773,460

111.3

3,152,168

113.7

フォトブック事業

3,410,229

108.0

3,634,755

106.6

空中ディスプレイ事業

147,642

119.5

189,303

128.2

合計

6,331,332

109.7

6,976,226

110.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

第27期

第28期

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社NTTドコモ

843,683

13.3

721,864

10.3

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

新型コロナウイルス感染症拡大による当事業年度における影響は一定程度ありますが、会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識しておりません。

 

② 当事業年度における経営成績等の状況に関する認識等
 a. 経営成績等の状況

当事業年度の経営成績は、売上高6,976,226千円(前期比110.2%)、経常利益618,028千円(前期比136.5%)、当期純利益482,498千円(前期比145.0%)となりました。

当社は経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。当事業年度の売上高増加率はプラス10.2%であり、前事業年度がプラス9.7%であったことに比べると、売上は順調に増加いたしました。フューネラル事業、フォトブック事業のプロフェッショナル部門とも新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽減しており、正常化へ向け着実に進んでおります。一方、フォトブック事業のコンシューマ部門におきましては、依然として継続しており、海外旅行の鈍い戻りやマスク着用の常態化により写真撮影機会が減少しており、新型コロナウイルス感染症拡大以前の状況には戻っておらず、厳しい環境が継続しております。OEM供給部門も同様の傾向となりました。フォトブック事業のプロフェッショナル部門では、現在活況となっておりますフォトウェディングや、スタジオ写真、建築写真など一般ウェディング以外の市場に向けた営業及び製品投入が奏功いたしました。フューネラル事業においては、自社営業による新規顧客開拓に加え、2期連続での全国的な葬儀施行件数の増加という追い風もあり好調な売上に繋がりました。一方tsunagooなどのITサービスは導入顧客からのサービス自体の評価は高いものの、新規導入件数は想定には及びませんでした。そこで専任営業を置くなどの施策によりサービス拡大を図ってまいりたいと考えております。また、空中ディスプレイ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が軽減し、国内、海外とも基本的に営業活動の制約がなくなりましたが、中国市場は当事業年度第4四半期からようやく活動が再開できました。そうした状況の中、サイネージ案件での実績を積み重ね、一定程度の売上の増加は実現できましたが、中東での大型有望案件が受注できなかったことなどにより、想定の売上は達成することができませんでした。国内営業体制の強化、海外代理店サポート体制の強化により、売上の増加を図ってまいります。
 売上高経常利益率は8.9%となり、前事業年度に比べ、1.7ポイント回復いたしました。これは、フォトブック事業において、材料費や水道光熱費の増加があったものの、売上の回復により稼働率が上昇したことや製造部門における改善活動が奏功し、セグメント利益率が上昇したことが主な要因になっております。空中ディスプレイ事業につきましては、セグメント損失は縮小したものの、継続してセグメント損失を計上しており、事業化に想定以上の時間を要していることは重く受け止めております。売上の増加はもちろんのこと、広告宣伝費や研究開発費の効果的な活用に努めてまいります。

 

 b. キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしております。

当社の事業活動における資金需要の主なものは、フォトブック事業における生産設備や空中ディスプレイ事業における生産設備や研究開発費等になります。

翌事業年度においては、フォトブック事業における印刷機等生産設備の購入のほか、空中ディスプレイ事業におけるASKA3Dプレート大型化や技術開発センターでの生産技術確立のための研究開発投資などの資金需要がありますが、これらは自己資金で賄う予定であります。