売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05483 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当第3四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる経済活動の制限緩和や外国人観光客によるインバウンド需要の増加、円安メリットを享受している企業の好調な業績などにより雇用環境や個人消費の改善が進みました。一方、ウクライナや中東の情勢不安や、国内の物価高、中国経済の減速など、リスク要因も存在しています。 

このような環境の中、当社は、景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するフューネラル事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するフォトブック事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指す空中ディスプレイ事業、それぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。

また、2023年12月には、バーチャルライバービジネスを展開する株式会社BETの株式を取得し、子会社化いたしました。なお、株式会社BETにおいては、みなし取得日を2023年12月31日としているため、当第3四半期連結会計期間においては貸借対照表のみを連結しております。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。

(フューネラル事業)

当事業におきましては、葬儀施行件数は前期からの反動減が見られましたものの、自社営業による新規顧客契約によりカバーし、ハード機器売上の買替需要一巡の影響があったものの、主力の画像処理収入をはじめ、堅調に推移いたしました。葬儀業界向けDXサービスである「tsunagoo」は、新規契約が想定より苦戦しているものの、既存契約先の活用は増加しております。

利益面につきましては、人員不足となっておりました画像加工部門のオペレーターを積極的に採用したこと及び前期末にベースアップを実施したことから人件費が増加したため、セグメント利益を圧迫いたしました。

その結果、売上高は2,405,477千円、セグメント利益は532,257千円となりました。

 

(フォトブック事業)

当事業では、プロフェッショナル写真家向け市場では「アスカブック」、一般消費者向け市場では「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真をもとにフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。

プロフェッショナル写真家向け市場では、主力であるウェディング向け写真集は第2四半期以降、前期コロナ禍待機の影響で挙式が増加したことへの反動減が見られ、苦戦しましたが、家族写真や子ども写真などスタジオ向け写真集は堅調に推移いたしました。オンラインセミナーを充実させるほか、顧客向けのビジネス資料や製品作成動画の配信などの施策を実施してまいりました。

一般消費者向け市場では、海外旅行の回復遅れの影響や撮影写真のアウトプット減少の戻りが遅れているなどの影響により、特にOEM部門は厳しい状況が継続しております。このような厳しい状況ではありますが、各種キャンペーンやフォトコンテストの実施、「マイブック年賀状」への取組み、季節商品となるカレンダーや卒業アルバムのプロモーションを進めてまいりました。
 利益面につきましては、作業の機械化やKAIZEN活動の成果により一定のコスト削減は実現しましたが、稼働率低下による固定費の負担増や材料費値上げなどによるコストアップの影響を受け、セグメント利益は苦戦いたしました。

当事業においては、株式会社BETを子会社化し、バーチャルライバービジネスを展開するとともに、フォトグッズ等の提供の企画を開始しております。また、子会社化に伴い発生したアドバイザー等に係る費用を当第3四半期連結会計期間において計上しております。なお、株式会社BETにおいては、2023年12月31日をみなし取得日としているため、当第3四半期連結累計期間の業績には含まれておりません。

その結果、売上高は2,687,473千円、セグメント利益は515,561千円となりました。 

 

(空中ディスプレイ事業)

当事業は、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指しており、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれ開発、製造、販売しております。

営業面につきましては、国内は自社営業を主として、海外は代理店を主として販売を進めております。国内におきましては、サイネージや空中操作案件を中心に堅調に推移しておりますが、海外におきましては、特に中東や北米の案件について進捗の遅れが続いており、想定を下回る売上となりました。北米代理店の展示会出展をサポートするほか、営業人員の増強、品質管理体制の強化などに取り組んでまいりました。

製造・開発面では、ガラス製につきましては、自社研究開発センターでのプレート大型化に取り組んでおり、一定の進展を見せております。樹脂製につきましては、環境性能に優れた素材での安定生産に向けて試作を繰り返しております。

損益面では、仕損じの減少や採算のよい案件が増加したため、粗利率が上昇した一方で、人員増強により人件費が増加し、研究開発費や特許関連費用も増加いたしました。

その結果、売上高は113,912千円、セグメント損失は234,838千円となりました。 

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は5,201,946千円、経常利益は356,336千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は232,079千円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における資産は、6,866,454千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金1,228,677千円、受取手形及び売掛金が983,917千円、建物が835,547千円、土地が844,060千円であります。  

当第3四半期連結会計期間末における負債は、700,391千円となりました。その主な内訳は、買掛金が148,968千円、未払金が183,954千円であります。

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、6,166,062千円となりました。その主な内訳は、資本金490,300千円、資本剰余金626,380千円、利益剰余金5,643,762千円、自己株式△627,799千円であります。 

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は174,523千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。