E05550 Japan GAAP
前期
424.3億 円
前期比
98.8%
株価
1,884 (04/19)
発行済株式数
10,265,480
EPS(実績)
59.19 円
PER(実績)
31.83 倍
前期
526.9万 円
前期比
107.9%
平均年齢(勤続年数)
44.9歳(14.8年)
従業員数
596人(連結:1,414人)
当社グループは、当社(ヒビノ株式会社)と連結子会社21社により構成されており、音響・映像機器の販売・施工、建築音響に関する設計・施工、コンサート・イベントの音響・大型映像サービスを主たる事業としています。
当社グループでは、報告セグメントを販売施工事業、建築音響施工事業及びコンサート・イベントサービス事業に区分しています。当社グループの事業内容及び当社と連結子会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(セグメント情報等)に記載のとおりであります。
報告セグメント |
主要な会社 |
主要な事業内容 |
販売施工事業 |
当社 ヒビノインターサウンド株式会社 株式会社エレクトリ 株式会社テクノハウス ヒビノライティング株式会社 株式会社Cerevo ヒビノスペーステック株式会社 ヒビノイマジニアリング株式会社 Hibino Asia Pacific Limited Sama Sound Inc. Sama D&I Co., Ltd. Sama CDS Inc. |
・業務用音響・映像・照明・制御機器の販売・システム設計・施工・メンテナンス ・LEDディスプレイ及び周辺機器の開発・製造・販売 ・コンシューマー用音響・映像機器等の販売 |
建築音響施工事業 |
日本環境アメニティ株式会社 日本音響エンジニアリング株式会社 株式会社サンオー |
・建築音響・騒音対策に関する設計・施工 ・音響製品の開発・製造・販売 ・音・振動に関するコンサルティング・調査・測定 |
コンサート・イベント サービス事業 |
当社 ヒビノメディアテクニカル株式会社 株式会社シグマ映像 Hibino Asia Pacific (Shanghai) Limited Hibino USA, Inc. H&X Technologies, Inc. TLS PRODUCTIONS, INC. Hibino Europe B.V. |
・コンサート・イベント用音響システム・映像システムの企画立案・レンタル・オペレート並びにコンサート・イベントの録音・中継・トラックダウン・オーサリング ・イベントの企画立案・運営・コンサルティング ・音響・映像・システム関連のオペレーター及びエンジニアの人材派遣 |
[事業系統図]
当社グループの事業系統図は下記のとおりであります。
※画像省略しています。
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、36,864百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,956百万円増加しました。これは、売掛金並びに商品及び製品が増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、27,382百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,378百万円増加しました。これは短
期借入金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、9,482百万円となり、前連結会計年度末と比べ577百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和等各種政策の効果により、経済社会活動の正常化が進んだものの、海外景気の下振れによるリスクをはじめ、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響が懸念され、先行きが見通せない状況が続いています。
当社グループを取り巻く経営環境は、イベント開催制限の緩和、外国人の入国規制の緩和等を受け、コンサート需要の回復が顕著であり、また、顧客の設備投資計画も活発化しています。
このような状況のもと当社グループは、グループビジョン「世界のヒビノへ」の実現に向け、中期経営計画「ビジョン2025」(2023年3月期~2026年3月期)に取り組んでいます。本中期経営計画では、中期経営方針として「持続的成長を可能とする経営体質の構築」「健全経営の確立」の2つを掲げています。成長戦略である「ハニカム型経営」と「イノベーション」を加速させ、M&Aも活用しながら新領域を伸ばすとともに、適正な利益、財務の安定、人的資本の向上の好循環サイクルを確立していきます。
この方針に基づき、第3四半期には、IoT(コネクテッド)関連製品の開発・製造・販売等を展開する株式会社Cerevoを連結子会社化しました。また、中国(上海)の連結子会社Hibino Asia Pacific (Shanghai) Limitedについて、グループ経営の最適化の観点から解散及び清算することを決定しました。なお、従来非連結子会社であった株式会社サンオーは、重要性が増したため、当連結会計年度より連結の範囲に含めています。
当連結会計年度は、コンサート・イベントサービス事業における東京オリンピック・パラリンピック特需の剥落に加え、建築音響施工事業も前連結会計年度に大型案件が集中したことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。また、販売費及び一般管理費が営業活動の正常化及び連結子会社の増加に伴い増加したことから、営業利益以下の各段階利益は減少しました。一方で、当第4四半期連結会計期間においては、複数の大型案件の検収及び工事進捗により、前年同四半期と比べ業績の大幅な改善を図ることができました。
これらの結果、売上高41,922百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益1,229百万円(同8.2%減)、経常利益1,400百万円(同27.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益607百万円(同43.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法及び名称を変更しております。業績における前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しております。詳細は、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項」の(セグメント情報等)に記載のとおりであります。
[販売施工事業]
販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売において、コロナ禍で凍結・先送りされていた設備投資が再開され、市場別に強弱はあるものの回復基調が続きました。世界的なサプライチェーン混乱に伴う入荷遅延をはじめ、メーカー仕入れ価格の上昇、円安の進行や輸送費の高騰といった影響を受けながらも、売上高及びセグメント利益は前連結会計年度を上回りました。
韓国においては、日本と同様に輸入価格上昇等の影響を受けましたが、コロナ禍からの需要回復を追い風に事業規模拡大を図っています。
LEDディスプレイ・システム販売については、スタジアム・アリーナ等スポーツ施設向けの納入が増加したことなどから、前連結会計年度を上回る売上高となりました。
また、グループ連携によるトータル・ソリューション販売も拡大しており、都心の再開発ビルや企業ギャラリー、イノベーション施設等の大型案件を手掛けました。
これらの結果、売上高20,124百万円(前連結会計年度比12.3%増)、セグメント利益449百万円(同231.1%増)となりました。
[建築音響施工事業]
建築音響施工事業は、放送局の建替やスタジオの新設、都市再開発に伴う文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にあります。しかしながら、前連結会計年度に大型案件が集中した反動に加え、一部で着工時期のずれ込みや工期遅延、計画縮小が発生し、案件の端境期となったことから、売上高及びセグメント利益は前連結会計年度を下回りました。
当連結会計年度より連結化した子会社、株式会社サンオーは、自社製の防音パネル、サイレンサーを活用した騒音対策工事を行っており、当社グループの戦略事業分野と位置づける騒音対策の事業成長を支える一翼を担っています。
これらの結果、売上高7,963百万円(前連結会計年度比17.6%減)、セグメント利益466百万円(同28.2%減)となりました。
[コンサート・イベントサービス事業]
コンサート・イベントサービス事業は、東京オリンピック・パラリンピック特需の剥落により、売上高及びセグメント利益は前連結会計年度に及ばなかったものの、コロナ禍前の業績を上回りました。
主力のコンサート市場では、海外アーティストの来日公演やドーム・スタジアムクラスの大型ツアー、音楽フェスが再開されるなど活況を取り戻し、従来閑散期である第4四半期にも数多くのコンサートを受注しました。
戦略事業分野と位置づけるバーチャルプロダクションについては、新スタジオをオープンし、既設の「Hibino VFX Studio」のほか、顧客の外部スタジオでの常設運用等を合わせて5拠点でサービスを提供しています。
これらの結果、売上高13,835百万円(前連結会計年度比6.8%減)、セグメント利益1,435百万円(同18.8%減)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ823百万円減少し、2,754百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,442百万円(前連結会計年度は6,018百万円の資金獲得)となりました。
資金の主な減少要因としては、売上債権及び契約資産の増加額3,303百万円及び棚卸資産の増加額2,371百万
円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,060百万円(前連結会計年度比61.2%増)となりました。
資金の主な減少要因としては、有形固定資産の取得による支出2,679百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は4,550百万円(前連結会計年度は4,438百万円の資金使用)となりました。
資金の主な増加要因としては、短期借入金の純増額5,054百万円及び長期借入れによる収入4,300百万円であり
ます。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
販売施工事業 (千円) |
2,402,116 |
88.5 |
建築音響施工事業 (千円) |
4,782,581 |
83.2 |
合計 (千円) |
7,184,697 |
84.9 |
(注)1.販売施工事業の金額は、当期完成工事高及び製造原価を記載しております。
2.建築音響施工事業の金額は、当期完成工事高を記載しております。
3.前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しておりま
す。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
販売施工事業 |
4,755,661 |
107.6 |
2,229,852 |
104.4 |
建築音響施工事業 |
7,096,537 |
130.3 |
6,909,954 |
178.1 |
合計 |
11,852,199 |
120.1 |
9,139,807 |
151.9 |
(注)1.販売施工事業の受注実績は、建設工事及び映像製品に係る特注品を対象としております。
2.建築音響施工事業の受注実績は、建設工事を対象としております。
3.前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しておりま
す。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
販売施工事業 (千円) |
10,927,535 |
144.3 |
合計 (千円) |
10,927,535 |
144.3 |
(注)前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しておりま
す。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
販売施工事業 (千円) |
20,124,497 |
112.3 |
建築音響施工事業 (千円) |
7,963,020 |
82.4 |
コンサート・イベントサービス事業 (千円) |
13,835,058 |
93.2 |
合計 (千円) |
41,922,576 |
98.8 |
(注)1.前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分方法及び名称に組み替えて比較しておりま
す。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社 |
5,202,439 |
12.3 |
- |
- |
3.当連結会計年度については、総販売実績に対して10%以上に該当する相手先がないため記載を省略しており
ます。
4.パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社は、2022年4月1日付で、吸収分割承継会社とし
てパナソニックコネクト株式会社に社名変更しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りを行っております。これら見積りにつきましては過去の実績や状況を勘案した合理的な仮定に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況の1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、重要な会社の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「同注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高及び売上総利益
売上高は、コンサート・イベントサービス事業及び販売施工事業においてコロナ禍からの回復が進んだものの、東京オリンピック・パラリンピック特需剥落の影響を受けたことに加え、建築音響施工事業も前連結会計年度に大型案件が集中したことから、前連結会計年度と比べ減少しました。
売上総利益は、販売施工事業の増収効果と、コンサート・イベントサービス事業及び建築音響施工事業の売上総利益率改善により、前連結会計年度と比べ増加しました。
これらの結果、売上高41,922百万円(前連結会計年度比1.2%減)、売上総利益は14,207百万円(同5.3%増)となりました。
② 営業損益、経常損益
販売費及び一般管理費は、営業活動の正常化により人件費、旅費交通費等が増加したことや、連結子会社が2社増加したことに伴い、前連結会計年度比831百万円増の12,977百万円となりました。
営業外収益は、保険解約返戻金が増加しましたが、休業に伴う助成金収入及び中止案件の受取キャンセル料が減少したこと等により、前連結会計年度比495百万円減の335百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度は業務委託費用及び輸送事故による損失の計上があったこと等により、前連結会計年度と比べ84百万円減少し、164百万円となりました。
これらの結果、営業利益は1,229百万円(同8.2%減)、経常利益は1,400百万円(同27.1%減)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
特別利益はなく、特別損失は、和解関連費用68百万円や、代理店契約解約損53百万円等を計上しました。
法人税、住民税及び事業税は398百万円、法人税等調整額は142百万円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は607百万円(同43.5%減)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことのできないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。運転資金につきましては、貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。子会社取得に要する資金及び設備投資資金につきましては、長期借入金による調達を行っております。また、グループ全社資金の効率化を図るため、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うグループファイナンスを実施しております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
・各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
・各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。