E03375 Japan GAAP
前期
1,830.5億 円
前期比
115.5%
株価
4,790 (04/18)
発行済株式数
41,399,600
EPS(実績)
20.85 円
PER(実績)
229.78 倍
前期
463.1万 円
前期比
99.4%
平均年齢(勤続年数)
31.5歳(6.8年)
従業員数
1,732人(連結:2,680人)
当社グループは当社及び連結子会社4社により構成されており、すしを主力とする直営による回転すし店のチェーン展開が主たる事業であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年11月1日から2023年10月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行したことに伴い、個人消費やインバウンド需要に回復の動きが見られました。一方で、米国・欧州におきましては急激なインフレに対応するため、急ピッチの利上げ政策がとられ、日米の金利差拡大による円安が進行し、日本国内におきましても輸入品目を中心に物価の上昇が進みました。経済活動の正常化に伴い、人手不足に起因する賃金上昇が続くなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、コロナ禍の収束に伴い、人流が改善するなどの回復傾向がみられる一方で、コロナ禍を通じた生活様式の変化や節約志向の高まりも顕在化してきております。また、原材料価格や物流費、人件費、光熱費の上昇といったコスト増の影響もあり、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、抗菌寿司カバーを始めとする安心・安全に関するさまざまな取り組みを行いながら、回転レーンを通じて、回転寿司本来の手軽さと楽しさを追求してまいりました。
店舗開発につきましては、国内23店舗、米国10店舗、台湾6店舗に加え、中国大陸(上海)に3店舗を出店し、計42店舗となりました。この結果、当連結会計年度末の店舗数は、全て直営で649店舗(「無添蔵」4店舗、「くら天然魚市場」1店舗、米国50店舗、台湾53店舗、中国大陸3店舗を含む)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,114億5百万円(前年同期比15.5%増)、経常利益28億82百万円(同17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億63百万円(同15.9%増)となりました。
セグメント業績は次の通りであります。
<日本>
人流が回復してきたことに加え、コストアップに対応するため、商品ごとにきめ細かく適正に商品設計させていただいたことが奏功し、収益面の改善に貢献いたしました。販売面におきましては、2023年4月から地域の旬の地魚を毎週お楽しみいただける「くらの逸品シリーズ」を本格導入し、2023年7月より取り扱いを全国に拡大しております。また、「かに」「まぐろ」など人気の高い商品を中心としたフェアを展開したことに加え、人気アニメ「ポケモン」や「呪術廻戦」とのコラボレーションによるグッズプレゼント等のキャンペーンを実施したことにより、当連結会計年度における売上高は過去最高となりました。
店舗展開につきましては、「グローバル旗艦店」として、日本国内5店舗目(関西2店舗目)となる、「なんばパークスサウス店」を2023年7月にオープンいたしました。都市部を中心に、急速に回復するインバウンド需要の取り込み強化を図っております。
くら寿司では、お寿司が回るエンターテインメント性を大事にし、回転寿司本来の“楽しさ”を提供してまいりました。当社独自の抗菌寿司カバーを活用し、回る寿司の楽しさを感じていただくとともに、お客さまが入れ替わるごとに、醤油差しなどの備品を入れ替え、安心、安全に食事ができる環境を整備しております。
以上の結果、売上高1,638億61百万円(前年同期比9.3%増)、経常利益13億81百万円(前年同期比18.7%増)となりました。
<北米>
米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)におきましては、米国経済が堅調に推移したことに加え、期初より出店を継続してきたことが奏功し、当連結会計年度は売上高、収益面ともに好調を維持いたしました。2019年8月のNASDAQ上場以降で初めて、通期におきまして経常利益の黒字化を達成いたしました。
以上の結果、売上高259億75百万円(前年同期比51.3%増)、経常利益2億47百万円(前年同期は経常損失82百万円)となりました。
<アジア>
台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)では、新型コロナウイルス感染症による影響は無くなり、消費の回
復傾向から売上高は順調に推移いたしました。販促面におきましては、人気アニメ「名探偵コナン」や「クレヨン
しんちゃん」のグッズプレゼントを採用するなどの取り組みを継続いたしました。また、2023年5月には海外店初
となるグローバル旗艦店である「高雄時代大道店」をオープンし、当連結会計年度の業績は前年同期間対比増収増
益を達成しております。
上海藏寿餐飲管理有限公司(KSS)では、2023年6月に中国大陸での1号店となる「龍之夢中山公園店」を開店し
ました。その後も2店舗を続けて出店し、当連結会計年度末の中国大陸での店舗数は合計3店舗となりました。
福島第一原発の処理水放出に伴う中国の日本産水産物の輸入停止、中国国内世論の反発による、売上等への影響
につきましては、現状は落ち着きつつありますが、今後も慎重に動向を注視してまいります。
以上の結果、売上高215億67百万円(前年同期比35.3%増)、経常利益は14億65百万円(前年同期比1.9%増)と
なりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが137億27百万円の収入、投
資活動によるキャッシュ・フローが145億44百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが54億95百万円の収
入、新規連結に伴い現金及び現金同等物が2億33百万円増加いたしました。この結果、当連結会計年度末の現金及
び現金同等物(以下「資金」という)残高は、189億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきまして営業活動の結果得られた資金は137億27百万円(前年同期比38.0%増)となりまし
た。これは主に税金等調整前当期純利益が22億10百万円となり、減価償却費が88億37百万円、減損損失が5億90百
万円、未払消費税等の増加額が6億62百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきまして投資活動の結果使用した資金は145億44百万円(前年同期比20.2%増)となりまし
た。これは主に有形固定資産の取得による支出が117億71百万円、有価証券の取得による支出が12億87百万円、貸付
けによる支出が6億3百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきまして財務活動の結果得られた資金は54億95百万円(前年同期は46億96百万円の支出)と
なりました。これは連結子会社の増資による収入が85億72百万円、短期借入金の純増額が8億95百万円あった一方
で、リース債務の返済による支出が33億84百万円、配当金の支払が7億93百万円あったこと等によるものでありま
す。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績は記載しておりません。
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
前年同期比(%) |
魚介類(百万円) |
55,190 |
10.8 |
穀類・麺類(百万円) |
5,757 |
9.0 |
調味料(百万円) |
5,935 |
10.0 |
野菜・果物類(百万円) |
3,911 |
18.9 |
酒類・飲料(百万円) |
2,669 |
19.4 |
その他(百万円) |
11,768 |
14.1 |
合計(百万円) |
85,233 |
11.7 |
③受注実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業部門別 |
当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
前年同期比(%) |
回転すし(百万円) |
211,405 |
15.5 |
合計(百万円) |
211,405 |
15.5 |
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
①経営成績
(売上高)
国内におきましては、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行したことに伴い、個人消費やインバウンド需要に回復の動きが見られました。海外につきましては、台湾において新型コロナウイルスによる影響は解消され、社会経済活動は正常な状態へ回復いたしました。米国は力強い景気回復のもと好調な経済を継続いたしました。地政学リスクに伴う資源高・物価高や人材不足による人件費の高騰等の不安定な経済状況ではあるものの、日本、米国、台湾で店舗開発を積極化した結果、日米台3地域全てで過去最高を更新いたしました。中国大陸(上海)では、当社グループ初となる第1号店を開設し、当連結会計年度の売上高は2,114億5百万円(前年同期比15.5%増)となりました。
(営業利益)
人流が回復してきたことに加え、コストアップに対応するため、商品ごとにきめ細かく適正に商品設計させていただいたことが奏功し、収益面の改善に貢献いたしました。また、米国においても積極的な店舗開発が奏功し、収益面の改善に貢献いたしました。営業利益は24億56百万円(前年同期は営業損失11億13百万円)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の発生等により、7億17百万円となりました。営業外費用は、支払利息の発生等により、2億91百万円となりました。
この結果、経常利益は28億82百万円(前年同期比17.3%増)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は、減損損失等を計上した結果、6億72百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は8億63百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
②財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産総額は、1,301億19百万円となり、前連結会計年度末と比較して204億97百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が57億71百万円、有価証券が12億48百万円、有形固定資産が121億22百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(負債の部)
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して88億98百万円増加し、595億53百万円となりました。これは、主に短期借入金が9億27百万円増加したことに加え、流動負債のリース債務が5億26百万円、固定負債のリース債務が50億33百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
純資産につきましては、連結子会社の増資に伴い、資本剰余金が30億86百万円、非支配株主持分が71億3百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して115億98百万円増加し、705億66百万円となりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金調達及び流動性)
取引銀行1行と貸出コミットメントライン契約(総額15億円)を締結しております。本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
加えて、リスク管理の一環として、大規模な天災等の不測の事態に備え、流動性を確保するためのバックアップラインとして総額20億円の長期コミットメントライン契約を取引銀行2行との間で締結しております。本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
また、当連結会計年度におきましては、連結子会社の増資により、85億円の資金調達を行っております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成しております。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(7)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年1月に2030年度を最終年度とする「長期構想」を公表しております。計画の基本方針は、第二の創業期として日本国内、海外を両輪で拡大していくことで、全世界での売上3,600億円以上、店舗数1,100店舗以上を目標値として設定しております。