売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02955 Japan GAAP

売上高

2,403.5億 円

前期

1,799.1億 円

前期比

133.6%

時価総額

1,779.9億 円

株価

5,680 (04/25)

発行済株式数

31,336,500

EPS(実績)

280.12 円

PER(実績)

20.28 倍

平均給与

908.9万 円

前期

872.4万 円

前期比

104.2%

平均年齢(勤続年数)

45.4歳(14.2年)

従業員数

996人(連結:1,318人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、2023年3月31日現在、主として大手エレクトロニクスメーカーに対し集積回路を中心とした半導体製品、ボード・電子部品、ソフトウェア・サービスの販売、プライベートブランド(PB)製品の製造・販売、ネットワーク関連製品、ストレージ関連製品、セキュリティ関連製品の販売及び保守・監視サービス等を行っております。

(半導体及び電子デバイス事業)

当社において半導体製品、ボード・電子部品、ソフトウェア・サービスの販売、プライベートブランド(PB)製品の製造・販売を行っております。株式会社ファーストは、ファクトリーオートメーション向け汎用画像処理装置の開発・設計・製造・販売等を行っております。東京エレクトロン デバイス長崎株式会社は、電子機器の開発・設計・製造・販売等を行っております。アジア地域においてはTOKYO ELECTRON DEVICE ASIA PACIFIC LTD.、TOKYO ELECTRON DEVICE (SHANGHAI) LTD.、TOKYO ELECTRON DEVICE SINGAPORE PTE. LTD.及びTOKYO ELECTRON DEVICE (THAILAND) LIMITEDが、北米地域においてはTOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA, INC.が半導体関連製品及びソフトウェア等の販売・マーケティング等を行っております。

当社の関連会社であるFidus Systems Inc.は、半導体やソフトウェア等の設計・開発を行っております。

(コンピュータシステム関連事業)

当社においてネットワーク関連製品、ストレージ関連製品、セキュリティ関連製品の販売及び保守・監視サービス等を行っております。

 

当社グループの取扱い製品をセグメントに区分して示すと次のとおりであります。

[半導体及び電子デバイス事業]

分類

主な取扱い製品

半導体製品

アナログIC

アナログIC

プロセッサ

CPU、DSP

ロジックIC

画像処理用IC、通信・ネットワーク用IC、ASIC、PLD

メモリIC

SRAM、FRAM、MRAM、フラッシュメモリ

ボード・電子部品他

ボード、一般電子部品

ソフトウェア・サービス

組み込みソフトウェア、クラウドサービス

プライベートブランド(PB)

設計・量産受託サービス、受託製品

 

 

 

[コンピュータシステム関連事業]

分類

主な製品及び業務

ネットワーク関連製品

ネットワーク負荷分散装置、イーサネットスイッチ

ストレージ関連製品

フラッシュストレージ

セキュリティ関連製品

エンドポイント、ネットワーク、クラウドサービス等のセキュリティソフトウェア

保守・監視サービス

製品保守、セキュリティ監視

 

 

 

<事業の系統図>

当社グループに係る事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

※図中の矢印は、商品及びサービスの流れを示しております。

(注) 1 半導体及び電子デバイス事業並びにコンピュータシステム関連事業を営んでおります。

2 半導体及び電子デバイス事業を営んでおります。

23/06/22

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等に伴い、社会活動の正常化が進み、持ち直しの動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化、資源価格の高騰や円安による物価の上昇、各国の政策金利の引き上げによる世界的な景気後退懸念、米国による対中半導体輸出規制等により、景気の先行きについては不透明な状況で推移しました。

当社グループにおける当連結会計年度の経営成績については、売上高240,350百万円(前期比33.6%増)、営業利益14,227百万円(前期比75.0%増)、経常利益12,478百万円(前期比70.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,778百万円(前期比72.6%増)となりました。

 

当社グループにおける報告セグメントに係る業績については、次のとおりであります。

[半導体及び電子デバイス事業]

逼迫していた半導体の需給状況は徐々に改善傾向となる中、当社グループ取扱いの産業機器向け、車載向け、通信機器向け半導体製品への需要は好調に推移しました。また、円安による押し上げ効果もあったことに加え、部品逼迫による設計変更のための開発受託も増加したことなどから、当連結会計年度は外部顧客への売上高211,094百万円(前期比34.9%増)、セグメント利益(経常利益)10,459百万円(前期比105.7%増)となりました。

 

[コンピュータシステム関連事業]

クラウドの利用やセキュリティ対策といった企業のIT投資は引き続き堅調であり、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ関連製品の販売が堅調に推移したことに加え、サブスクリプション型ライセンス及びサービス販売も拡大傾向にあることなどから、当連結会計年度は外部顧客への売上高29,255百万円(前期比24.7%増)となりましたが、円安の進行に伴い仕入原価が上昇したことや、IT技術者の採用に伴い人件費が増加したことなどからセグメント利益(経常利益)は2,019百万円(前期比9.6%減)となりました。

 

当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ35,413百万円増加し134,309百万円となりました。これは主に、商品及び製品が14,464百万円増加したことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産が10,519百万円増加したことによります。
 固定資産は前期末に比べ237百万円増加し9,143百万円となりました。
 この結果、総資産は前期末に比べ35,650百万円増加し143,452百万円となりました。
 流動負債は前期末に比べ13,973百万円増加し70,595百万円となりました。これは主に、前受金が6,605百万円増加したことに加え、短期借入金が6,428百万円増加したことによります。
 固定負債は前期末に比べ14,698百万円増加し33,859百万円となりました。これは主に、長期借入金が14,736百万円増加したことによります。
 純資産は前期末に比べ6,978百万円増加し38,997百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は26.4%となり、前連結会計年度末に比べ2.3ポイント低下いたしました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べて1,414百万円増加し、6,442百万円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は12,185百万円(前期は891百万円の支出)となりました。これは主に、棚卸資産の増加や売上債権及び契約資産の増加等の資金減少要因が、税金等調整前当期純利益や前受金の増加等の資金増加要因を上回ったためであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は199百万円(前期は155百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は13,746百万円(前期は606百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金及び短期借入金の増加等の資金増加要因が、配当金の支払等の資金減少要因を上回ったためであります。

 

③ 仕入、受注及び販売の状況

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高 (百万円)

前期比 (%)

半導体及び電子デバイス事業

200,821

42.1

コンピュータシステム関連事業

21,176

35.1

合計

221,997

41.4

 

   (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

半導体及び電子デバイス事業

225,920

△13.7

166,508

9.8

コンピュータシステム関連事業

37,554

10.2

35,384

30.6

合計

263,474

△10.9

201,892

12.9

 

   (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高 (百万円)

前期比 (%)

半導体及び電子デバイス事業

211,094

34.9

コンピュータシステム関連事業

29,255

24.7

合計

240,350

33.6

 

   (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において行われる判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

a.収益の認識

当社グループの売上高は通常、注文書に基づき顧客に対して商品を引渡した時点、またはサービスが提供された時点で計上されます。なお、仕入先から顧客への商品直納販売については顧客受領時、預託在庫販売については顧客使用時、受託開発取引等検収確認が必要な取引については顧客検収完了時に計上されます。

b.貸倒引当金

当社グループは、顧客の債務不履行等により発生する損失の見込額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の支払能力低下による入金遅延が生じ、その後速やかに回収が見込まれない等の場合は、当該顧客への債権金額の50%以上引当金設定を行うことを原則としています。また、その他一定の信用悪化が認められた顧客に対する債権については個別に評価を行い、保守的な見積もりに基づく引当金設定を行う方針としています。

c.棚卸資産の評価

当社グループは、棚卸資産の評価について原則として原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しております。販売価格の低下や販売が困難と認められる棚卸資産については個別に簿価の切り下げを行う他、仕入日から一定期間を経過した棚卸資産が陳腐化したものと仮定し、期間の経過に応じ機械的に簿価の切り下げを行う等、早期に評価減を実施する方針としています。なお、期間の経過に応じた機械的な簿価切り下げ額は、当社グループが定めた商品の一般的なライフサイクル期間(5年~6年)での均等償却により算定していますが、当該期間よりも早く陳腐化等が進む棚卸資産が発生した場合は追加的な切り下げが必要となります。

d.固定資産の減損

当社グループは、減損会計の対象となる建物及び構築物、工具、器具及び備品、ソフトウェア等を有しております。現状、2022年3月期に減損処理を行った固定資産以外に減損の兆候がみられる資産はありませんが、今後、受注状況や市場動向に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

有価証券等への投資につきましては、株式及びゴルフ会員権等の保有があります。金融商品の投資価値の下落がその時点の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その価額の回復が見込まれない場合には投資の減損又は貸倒引当金の計上を行っております。なお、将来の市況悪化等により、投資の減損又は貸倒引当金の計上が必要となる可能性があります。

e.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得の発生の可能性を毎決算期に見積もり、回収可能性を検討した上で計上しております。今後、業績の悪化等により繰延税金資産の全部又は一部の回収可能性に懸念が生じた場合、繰延税金資産の取崩額が費用として計上される可能性があります。

なお、評価性引当額の設定は主に、関係会社株式評価損、ゴルフ会員権評価損及び貸倒引当金に対して行っております。

 

f.退職給付に係る負債又は資産

当社グループの退職給付に係る負債又は資産については、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、期末における安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の業績に関し、半導体及び電子デバイス事業では半導体の旺盛な需要に対して供給逼迫の状態が徐々に改善へと向かうことによって販売が伸長するとともに商権移管による商流の追加が寄与し、また、ドル円の為替レートが前連結会計年度に対して円安基調で推移したことも売上高を押し上げる形となりました。また、半導体及び電子デバイス事業におけるプライベートブランド事業では医療機器や半導体製造装置向けの設計・量産・受託サービスが好調に推移いたしました。一方でコンピュータシステム関連事業においてはIT機器に対する納期の長期化が続いたものの、クラウドやエンドポイント向けのセキュリティ製品の販売が堅調であり、システムインテグレーター、データセンター及びクラウド事業者向けのネットワーク製品が好調に推移いたしました。以上の結果、グループ全体としては売上高・利益とも前連結会計年度に比べて大幅に増加し、業績予想を上回る結果となり、当連結会計年度は売上高240,350百万円(前期比33.6%増)、経常利益12,478百万円(前期比70.5%増)、経常利益率5.2%(前期は4.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益8,778百万円(前期比72.6%増)となり、ROE(株主資本利益率)については26.1%(前期は17.2%)となりました。
 現在進行中の中期経営計画「VISION2025」(計画最終年度:2025年3月期)では、世界全体の経済成長率が逓減していく一方で高効率スマート社会(Society 5.0)の到来を事業環境として予測・想定し、「DRIVING DIGITAL TRANSFORMATION」として、デジタルトランスフォーメーションを実現する製品・サービスの提供によって社会の持続的な発展への貢献を当社グループのミッションとして掲げております。この計画のミッションを全うしていくためにもメーカー機能を持つ技術商社から技術商社機能を持つメーカーへの移行を推し進め、技術商社機能としては、データ・サービス・ストックビジネスを利益の源泉とするビジネスモデルを確立し、安定的な利益の基盤を構築してまいります。また、メーカーへの移行に向け、当社では以下の内容を重点ポイントとしております。

 a.データサイエンス・画像処理・ロボティクスを駆使した モノづくりシステムメーカー

 b.設計量産受託サービスで培われた技術に基づくODMメーカー

 c.強力なシステム開発力・提案力を有する 設計開発部門

 d.マスカスタマイゼーション対応の 高効率スマート工場

なお、当初の計画では以下の財務モデルを設定し、増益率が増収率を上回る増益増収を基本方針として会社の持続的な成長を目指してまいりましたが、当連結会計年度の業績や今後の事業環境を勘案し、最新の見通しを2023年4月27日に公表いたしました。

 

 

(中期経営計画「VISION2025」の最終年度(2025年3月期)における財務モデルと最新の見通し)

 

VISION2025

財務モデル

(2025年3月期)

最新の見通し

(2025年3月期)

   売上高

200,000百万円±10%

≧ 250,000百万円

 

(事業別構成比)

コンピュータシステム関連事業

20%

同左

半導体及び電子デバイス事業

70%

同左

プライベートブランド事業

10%

同左

   経常利益率

>  5%

≧ 5.5%

 

(事業別経常利益率)

コンピュータシステム関連事業

> 13%

同左

半導体及び電子デバイス事業

>  2%

同左

 

プライベートブランド事業

> 10%

同左

   ROE(株主資本利益率)

> 15%

≧ 20%

 

 

2023年3月期の業績は、前述のように半導体需要が極めて旺盛な状態が続く中、IT投資も堅調であったことに加え、ドル円の為替レートが前期に比べ円安で移行したことなどを背景として前連結会計年度に続き好調さを維持する結果となり、中期経営計画「VISION2025」で掲げていた財務指標については2年前倒しで達成することができました。続く2024年3月期については、コンピュータシステム関連事業は堅調であるものの、半導体市場が調整局面に入ることなどから、いわゆる「踊り場」の状態になると見込んでおり、調整フェーズに入ると予想しております。なお、中期経営計画「VISION2025」の最終年度である2025年3月期については、再び増益増収の成長フェーズに戻るものと考えております。今後も引き続きコンピュータシステム関連事業におけるサービス型ビジネスと半導体及び電子デバイス事業における最先端半導体と設計・量産受託ビジネスを組み合わせたサービス、そしてプライベートブランド事業におけるメーカー機能の強化に取り組み、利益成長を加速させていくような有望な事業を推進してまいります。

 

(2024年3月期における通期連結業績予想)

売上高

経常利益

経常利益率

230,000百万円

12,000百万円

5.2%

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動における主な資金需要は商品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。その他、プライベートブランド事業におけるメーカー機能の強化を図るための設備投資や研究開発投資、M&A投資等があります。上記、運転資金については内部資金、銀行からの短期借入金及び売上債権の流動化により調達を行い、投資資金については内部資金及び銀行からの長期借入金により調達を行うことを基本としております。一方、銀行借入金の一部を長期固定金利契約とすることにより、金利変動リスクの軽減を図っております。

日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用する方針としております。なお、取引銀行6行と当座貸越契約(2023年3月31日現在、極度額合計59,261百万円)を締結しており、資金の流動性は十分確保されております。

今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。