株式会社カッシーナ・イクスシー

上場廃止 (2023/05/10) 株式等売渡請求による取得 卸売業インテリアスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02961 Japan GAAP

売上高

90.9億 円

前期

114.6億 円

前期比

79.3%

時価総額

49.7億 円

株価

1,216 (05/09)

発行済株式数

4,091,100

EPS(実績)

76.26 円

PER(実績)

15.94 倍

平均給与

496.8万 円

前期

505.5万 円

前期比

98.3%

平均年齢(勤続年数)

39.0歳(11.0年)

従業員数

252人(連結:292人)


 

3 【事業の内容】

当社グループは、家具の輸入・製造・販売、並びに、生活雑貨の輸入・販売を主たる業務としております。

カッシーナ社製品の輸入、ジーマティック社製品の輸入、国内ライセンス製品の製造・販売を始めとして、海外製品の輸入・ライセンス製造・販売、また、独自開発のデザインによる製品の製造・販売を行っております。

 

※画像省略しています。

 

23/03/29

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が一部を除き世界各国で大幅に緩和され、輸出が増加したことなどによって回復の兆しが見られます。また、各企業による設備投資の計画は高水準に積みあがっております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束への見通しは依然として不透明なままとなっており、さらにウクライナにおける紛争の長期化やドル円レートの乱高下によって原材料価格やエネルギー価格が大きな影響を受けるなど不安定な経済環境が継続するとともに、先行きの見通しも不透明な状況となっております。

当社グループが属する家具インテリア業界においては、コロナ禍によって大きく落ち込んだ新設住宅着工戸数が増加に転じたことでインテリア需要も回復傾向にあります。一方で、家ナカ消費やテレワークの定着によるホームオフィス用家具を買い求める動きも一服感が見られるほか、原材料価格やエネルギー価格、物流費の高騰が収益の足を引っ張るなど収益環境は厳しさを増しております。さらに、業界内におけるシェア争いも激しくなっており業績を伸ばす企業と事業継続が難しくなった企業の優勝劣敗が明確になりつつあります。

このような経営環境の中、当社グループは「洗練された、夢のある生活空間へ」という企業理念を実現するため、法人及び個人のお客様が望むオフィス空間、プライベート空間を当社グループが取り扱うデザイン性の高い家具やその他のインテリア商材の特長を生かして構築してまいりました。

当連結会計年度の当社グループの連結損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は、㈱カッシーナ・イクスシー(以下、カッシーナ・イクスシー)が2021年12月27日にそれまで連結子会社であった㈱コンランショップ・ジャパン(以下、コンランショップ)の全株式を譲渡したことによって、対象会社数が前期の3社から2社に減少しております。カッシーナ・イクスシーでは、当連結会計年度においても数多くのオフィスや個人邸に家具インテリアを納品させていただきましたが、前期と比較して案件の規模が小さくなったことや大型プロジェクトの取り扱い件数が減少したことによって、減収減益となりました。ドイツのジーマティック社製システムキッチンの販売を手掛ける㈱エスエムダブリュ・ジャパン(以下、エスエムダブリュ)は、都市部の高層マンションプロジェクトにジーマティックキッチンを納めるコントラクト事業が伸長したことと戸建て住宅向けのリテール事業も堅調に推移したことにより、損益を黒字転換するところまでは届きませんでしたが、赤字幅を大幅に削減することができました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

① 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ726百万円増加し、9,871百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ565百万円増加し、4,036百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ160百万円増加し、5,835百万円となりました。

当社グループは、定量的な経営指標として事業を安定的に運営していくための目標として、自己資本比率を50%以上に保つよう努めております。当連結会計年度末の自己資本比率は59.1%と目標を上回っていますが、引き続き収益力を高めるとともに商品および製品の回転率を高める施策によって資金効率を上げて、財務内容の維持改善を図ってまいります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高9,092百万円(前期比20.7%減)、営業利益433百万円(前期比26.3%減)、経常利益478百万円(前期比21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円(前期比68.3%減)となりました。

当社グループは、定量的な経営指標として収益性を高めていくための目標として、売上高営業利益率を10%以上に高めるよう努めていますが、当連結会計年度の売上高営業利益率は4.8%となり、目標から大きく乖離しており、前期の5.1%からも悪化しました。売上高営業利益率10%以上の経営指標を達成するためには、子会社であるエスエムダブリュ・ジャパンの収益を早期に黒字転換させていくとともに、グループ全体でのDX化による業務改革を推進することで収益力を高め、目標の達成を目指してまいります。

なお、当社グループは家具インテリア事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前年同期と比べ66百万円減少し、3,417百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期と比べ188百万円増加し、307百万円となりました。税金等調整前当期純利益を512百万円計上、仕入債務の増加164百万円、法人税等の還付額が140百万円発生したことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、長期前払費用の取得による支出154百万円があり、△99百万円の支出となりました(前期は177百万円の収入)。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済によって△512百万円の支出があったものの、長期借入れによって400百万円収入があったため、△274百万円の支出となりました(前期は△483百万円の支出)。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

ア)生産実績

当連結会計年度における生産実績は1,153,885千円(前期比10.3%減)であります。

 

イ)仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は4,748,155千円(前期比15.2%減)であります。

 

ウ)受注実績

当社グループは見込生産をおこなっているため、該当事項はありません。

 

エ)販売実績

当連結会計年度における販売実績は9,092,893千円(前期比20.7%減)であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア)財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計と負債及び純資産合計は9,871百万円となり、前連結会計年度末に比べて726百万円の増加となりました。その内訳と増減要因については、次の通りであります。

(流動資産)

前連結会計年度末に比べて716百万円増加し、7,951百万円となりました。主な変動要因は、商品及び製品が449百万円、受取手形及び売掛金が368百万円それぞれ増加した一方で、未収法人税等が148百万円減少したことによるものです。商品及び製品が増加した理由は、コロナ禍や地政学的リスクに伴い商品の共有体制や物流網が不安定になる恐れがあったため売れ筋商品の在庫を厚く保有したためであります。また、受取手形及び売掛金が増加した理由は、前連結会計年度末の売上が代金を前金でいただく個人向けよりも、売掛となる法人向けが増加したためであります。

(固定資産)

前連結会計年度末に比べ9百万円増加し1,920百万円となりました。主な変動要因は、長期前払費用が133百万円増加した一方で、繰延税金資産が71百万円、建物及び構築物が56百万円それぞれ減少したことによるものです。

(流動負債)

前連結会計年度末に比べて627百万円増加し、2,906百万円となりました。主な変動要因は、契約負債が550百万円、支払手形及び買掛金が164百万円、未払法人税等が120百万円それぞれ増加した一方で賞与引当金が153百万円減少したことによるものです。

(固定負債)

前連結会計年度末に比べて61百万円減少し、1,129百万円となりました。主な変動要因は、長期借入金が67百万円減少したことによるものです。
この結果、負債の合計は前連結会計年度末に比べて565百万円増加し、4,036百万円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて160百万円増加し、5,835百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益が312百万円増加した一方で、カッシーナ・イクスシーの株主への配当金支払により151百万円減少したことによるものです。

 

イ)経営成績の分析

当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高9,092百万円(前期比20.7%減)、営業利益433百万円(前期比26.3%減)、経常利益478百万円(前期比21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円(前期比68.3%減)となりました。その内訳と増減要因については、次の通りであります。

(売上高)

当社グループを構成する2社の売上高は、カッシーナ・イクスシーが前期比7.0%の減少、エスエムダブリュが前期比66.5%の増加となっております。また前期の連結売上高には、コンランショップ2,296百万円が含まれておりました。

(営業利益、経常利益)

カッシーナ・イクスシーの営業利益は前期比31.7%の減少、経常利益は19.6%の減少となりました。エスエムダブリュの営業損失及び経常損失は、それぞれ51百万円、64百万円となり赤字が大幅に改善しました。また、前期の連結業績に含まれていたコンランショップの営業利益、経常利益はそれぞれ23百万円、7百万円でした。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

カッシーナ・イクスシーの当期純利益は、前期に発生したコンランショップ全株式の譲渡利益がなくなったことによって前期比61.5%の減少と大幅な減益となりました。エスエムダブリュの当期純損失は65百万円となりましたが、前期が153百万円の当期純損失でしたので赤字幅は大きく減少しました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ア)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

イ)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社ループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備の新設のための設備投資であります。

これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金、必要に応じて取引銀行からの借入等により資金を調達しております。なお、設備投資額及び設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。

資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、取引銀行との間で当座貸越契約を締結しており、事業活動のために必要な資金の確保と流動性を維持しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。