株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス

サービス業食品製造プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E32138 Japan GAAP

売上高

497.8億 円

前期

349.4億 円

前期比

142.5%

時価総額

352.2億 円

株価

1,468 (04/25)

発行済株式数

23,991,121

EPS(実績)

42.85 円

PER(実績)

34.26 倍

平均給与

793.9万 円

前期

765.5万 円

前期比

103.7%

平均年齢(勤続年数)

44.1歳(5.2年)

従業員数

28人(連結:789人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社31社、持分法適用関連会社2社および非連結子会社1社により構成されております。

 当社は、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、子会社に対し、セールスマーケティング、商品開発、生産管理、購買物流、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援をおこなっております。これにより、各子会社の“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合う仕組みである「中小企業支援プラットフォーム」を構築しております。

 

(1)当社設立の背景

① 中小食品企業を取り巻く環境

 日本食は、世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は事業所数、雇用者数、GDPの面で大きな規模を占める、日本の基幹産業であります。この産業は、その企業数の99%を中小企業が担っており、優れた商品や技術力を持つ多くの企業が存在いたします。

 しかしながら、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小を続け、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いております。そのため、事業継続をあきらめて廃業や事業を停止する企業が増加する傾向にあります。

 

② 中小企業の事業承継の状況

 経営者の平均引退年齢は70歳前後(※1)となる中、経営者の平均年齢は63.02歳(※2)に達し、今後7年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想されます。そうした中、国内企業の3分の2にあたる57.2%(※3)が後継者不在となっており、現時点において事業承継を考えている企業は、全産業合計で33%(※4)にとどまるなど、事業承継の準備が進んでいない状況にあります。

(※1)中小企業庁「中小企業白書」(2023年版)、(※2)㈱東京商工リサーチ「全国社長の年齢」(2022年)、(※3)㈱帝国データバンク「全国企業『後継者不在率』動向調査」(2022年)、(※4)中小企業庁「中小企業実態基本調査」(令和4年確報(令和3年度決算実績))

 

③ 中小食品企業における事業承継の受け皿の状況

 中小食品企業における事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織は少ないのが現状です。中小食品企業は大企業が受け皿となるには規模が小さいことが多く、投資ファンドは、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから、成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくく、事業承継の担い手が圧倒的に不足する原因となっております。

 

 

(2)当社および当社グループ各社の事業における位置づけおよびセグメント区分

① 株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスについて

 当社は持株会社として、全社的な戦略の立案・実行、管理をおこなうとともに、子会社に対しては経営支援および「中小企業支援プラットフォーム」により機能別に支援をおこなっております。

 

② 事業子会社について

 子会社の事業の種別に応じて「製造事業セグメント」、「販売事業セグメント」および「その他事業セグメント」に分けております。

 

a.製造事業セグメント

 それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、国内企業は主に卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等へ販売し、海外企業は主にシンガポールおよびマレーシアのホテル、飲食店、スーパーマーケット等へ販売しております。

名称

事業内容と特徴

販売先

楽陽食品㈱

(東京都足立区)

国内5カ所の工場において、チルドシウマイおよびチルド餃子を製造販売しております。チルドシウマイの生産量は国内トップシェアを誇っております。

主に、大手スーパーとの直接取引や、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー、量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。

㈱オーブン

(愛媛県四国中央市)

供給量が限られた広島県産カキを調達する独自のルートをもち、かきフライを主力商品として、鶏なんこつのから揚げやささみフライ等を製造販売しております。

主に、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー、量販店、生活協同組合等へ販売しております。

 

白石興産㈱

(宮城県白石市)

1886年創業、宮城県白石市特産の白石温麺を主力商品とし、伝統的な製法により製造される乾麺等の製造販売をおこなっております。

 

主に、大手食品商社を経由して、東北地区、関東地区のスーパー、量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。

㈱ダイショウ

(埼玉県比企郡ときがわ町)

ピーナッツバターのパイオニアであり、独自の製法により作られる「ピーナッツバタークリーミー」は1985年の販売開始以来続くロングセラー商品です。

主に、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー、量販店、ドラッグストア等へ販売しております。

 

㈱桜顔酒造

(岩手県盛岡市)

1973年岩手県の地場の10の酒蔵が結集して設立。日本最大の杜氏集団である「南部杜氏」の技により生み出された日本酒は、フルーティで奥深い味わいです。

主に、酒卸問屋等を経由して、岩手県内のスーパー、飲食店、ドラッグストアおよび首都圏の百貨店等へ販売しております。

㈱雄北水産

(神奈川県足柄上郡大井町)

船上で捕獲直後にマイナス50度からマイナス60度で瞬間冷凍される船凍品のマグロ等を使用したねぎとろ、まぐろ切り落としを製造販売しております。

主に、水産卸売市場を経由して、関東地方と東北地方のスーパー、量販店等へ販売しております。

 

純和食品㈱

(埼玉県熊谷市)

彩の国(埼玉県)HACCPを取得するなど、万全な生産管理体制を構築しており、ゼリーの製造においては、その技術力と商品力に定評があります。

主に、大手スーパー等のプライベートブランド商品を販売するほか、スーパー、量販店等へ自社ブランド商品を販売しております。

㈱エスケーフーズ

(埼玉県大里郡寄居町)

チルド・冷凍とんかつ等の製造販売を主力としており、お客様ニーズに対応する製品を生産しております。

主に、商社等を介さず、大手スーパー等へ直接販売しております。

 

 

名称

事業内容と特徴

販売先

㈱ヤマニ野口水産

(北海道留萌市)

半世紀にわたり、北海道の特産品である鮭とばやにしん燻製等を熟練工による独自の製法により製造販売しております。

主に、地場卸問屋等を経由して、北海道内のスーパー、コンビニエンスストアおよび道の駅等へ販売しております。

JSTT SINGAPORE PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、空輸で運ばれた新鮮な日本産の魚介類等を使用し、寿司、巻物、おにぎり等の製造販売をおこなっております。

主に、シンガポールの大手スーパーマーケットチェーンの各店舗において販売しております。

㈱おむすびころりん本舗

(長野県安曇野市)

自社開発のフリーズドライ装置により、製菓原料、非常食等を製造しており、「水もどり餅」は、米スペースシャトル「エンデバー」に携行したことで一躍有名になりました。

主に、商社等を経由して菓子メーカーおよびスーパー、量販店等へ販売しております。

㈱まるかわ食品

(静岡県磐田市)

浜松エリアにおいて餃子の有名店である当社は、こだわりぬいた素材と創業以来の秘伝のレシピを使い餃子の製造・販売をおこなっております。

主に自社店舗において直接販売をするとともに、一部通信販売をおこなっております。

PACIFIC SORBY PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、チルド及び冷凍水産品の加工、卸売りをおこなっております。

主に、シンガポールの高級ホテルや病院等へ販売しております。

㈱森養魚場

(岐阜県大垣市)

養殖鮎の生産量は国内トップクラスであり、採卵・ふ化から育成・出荷まで安定的に生産できる独自のノウハウを蓄積しております。また、雄雌を産み分ける技術も有しております。

主に、水産卸売市場を経由して、日本全国のスーパー、量販店等に販売しております。また、観光やな等へも販売しております。

NKR CONTINENTAL PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールおよび子会社のあるマレーシアにおいて、厨房機器の製造、輸入販売、設計施工、メンテナンスをおこなっております。

主に、シンガポールおよびマレーシアのホテル、病院、飲食店等へ販売しております。

㈱香り芽本舗

(島根県出雲市)

ソフトタイプのわかめふりかけ、ひじきふりかけ、わかめスープ、わかめ茶漬け等の自社商品からОEМ商品まで、高品質かつ多様なラインアップの商品を製造しています。

主に、食品商社を経由して、日本全国のスーパー、量販店、生活協同組合、道の駅等へ販売しております。また、学校給食等の業務用製品も販売しております。

十二堂㈱

(福岡県太宰府市)

ソフトふりかけ「梅の実ひじき」等を製造・販売する企業です。独自の製法で爽やかに仕上げた逸品で、高い知名度と根強い人気を誇っております。

主に、食品商社等を経由して、小売店、百貨店等で販売するほか、自社店舗・通信販売による直接販売をおこなっております。

㈱小田喜商店

(茨城県笠間市)

栗及び和洋菓子向けの栗加工品・製菓原料等の製造、販売をおこなっております。

主に、飲食店、和菓子店等向けに販売するほか、自社店舗・通信販売による直接販売をおこなっております。

㈱細川食品

(香川県三豊市)

国産野菜を使用したかき揚げ、チヂミなどの冷凍総菜や、赤飯などの冷凍米飯製品の製造をおこなっております。

主に、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー、量販店、飲食店等へ販売しております。

㈱丸太太兵衛小林製麺

(北海道札幌市)

生麺(ラーメン)の製造・販売を主な事業内容としており、餃子の皮の製造及びたれ等調味料の販売もおこなっております。

主に北海道を中心とした、日本全国のラーメン店向けに販売しております。

㈱林久右衛門商店

(福岡県福岡市)

独自に開発した最中に入ったお吸物を主力商品とし、削り節、だしの製造加工・販売をおこなっております。

主に、食品商社等を経由して、小売店、百貨店等へ販売するほか、通信販売による直接販売をおこなっております。

 

b.販売事業セグメント

 販売力と企画力を強みとしており、国内企業は主に産業給食事業者、生活協同組合等へ、海外企業は主にスーパーマーケット、ホテル、飲食店等へ販売をおこなっております。

名称

事業内容と特徴

販売先

㈱ヨシムラ・フード

(埼玉県越谷市)

業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、販売先へ直送するビジネスモデルを構築しております。

産業給食、コンビニエンスストアベンダー、スーパーの惣菜、外食産業、医療福祉関係、学校給食など、多種多様な販路を有しております。

㈱ジョイ・ダイニング・

プロダクツ

(埼玉県越谷市)

冷凍食品の企画・販売をおこなっております。日本全国の生活協同組合に直接販売口座を有しており、それを活用してグループ商品の販売もおこなっております。

主に、日本全国の生活協同組合や食材・食品宅配業者へ販売しております。

SIN HIN FROZEN FOOD

PRIVATE LIMITED

(シンガポール)

アジア各地の有力な水産会社から高品質かつ安心安全な冷凍水産品および冷凍水産加工品等を仕入れ、販売しております。

シンガポールおよびアジア諸国の大手卸企業や、シンガポールの大手スーパー、大手EC販売企業および飲食店等へ販売しております。

 

c.その他事業セグメント

 「その他事業セグメント」は「製造事業セグメント」および「販売事業セグメント」に含まれない報告セグメントであり、SHARIKAT NATIONAL FOOD PTE.LTD.は不動産賃貸および管理事業等をおこなっており、株式会社ONESTORYはマーケティング事業等をおこなっております。

 

名称

事業内容と特徴

販売先

SHARIKAT NATIONAL FOOD

 PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて食品工場兼食品用低温倉庫を所有し、不動産賃貸業および管理事業等をおこなっております。

不動産の賃貸先として、当社グループ企業の他、第三者へも賃貸しております。

㈱ONESTORY

(東京都渋谷区)

「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトとし、地域に眠る「食」や「文化」を再発掘・再編集してプロデュースするマーケティング事業をおこなっております。

主に、大手広告主企業や地方自治体等へマーケティングやブランディング支援サービスを提供しております。

 

 

(3)当社グループの中小企業活性化ビジネスの特徴

① 事業承継の受け皿としての当社の強み

 当社は、支援・活性化を必要とする中小食品企業を子会社化し、短期的な視点でなく中長期的な視点に基づきグループ一体となり経営をおこなっております。これにより事業の継続を望む中小食品企業の株主や経営者は安心して会社を任せることができ、従業員も安心して働くことができるシステムを構築しております。

 また、当社は創業以来、中小食品企業を子会社化し、その後の再成長を図る取り組みをおこなってきた経験により、食品業界の市場環境や商習慣、中小食品企業特有のリスク等を習熟し、数ある中小食品企業の中から強みを持つ企業を選ぶ目利き力を磨き、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見を蓄積してまいりました。

 さらに、都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等の幅広いネットワークを構築しており、中小食品企業のM&A情報を得る体制を構築しております。

 

② 中小企業支援プラットフォーム

 「中小企業支援プラットフォーム」は、中小企業が本来持っている“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合うことを目的とし、各子会社がおこなう業務(セールスマーケティング、商品開発、生産管理、購買物流、品質管理、経営管理など)を、当社の機能別責任者が会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付けるシステムであります。

 機能別に子会社を横断的に支援するため、当社内に設けた部署に所属する機能別責任者のもと、各子会社が持つ販路、生産管理手法、商品開発ノウハウなどを共有し、子会社各社での相互活用や、経営管理の効率化、グループ信用力を活用した資金調達により当社グループ全体で成長を実現しております。

 

※画像省略しています。

 

a.販路の拡大

 中小食品企業の販売の現場では、魅力ある商品を製造している企業であっても、規模の制約から全国および海外への販路の拡大が十分とは言い難い場合があります。

 当社のセールスマーケティング担当責任者は、グループ各社が持つ日本全国の様々なチャネルや販売先を把握し、グループ内で取引先の共有や紹介、クロスセル(既存販売先へのグループ商品の販売)および営業管理・支援をおこなうことで、各社の新規販売先の開拓を実現しております。また、従来、個社では取組むことができなかった大型のプライベートブランド商品の製造も受注しております。さらに、シンガポールの子会社を中心として、アジア地域における当社グループ商品の販路拡大に向けた取り組みも強化しております。

 

b.製造の効率化

 中小食品企業の製造の現場では、既存の設備を使い従来の製造手法で製造を続けているため、生産効率が必ずしも高くないことがあります。

 当社の生産管理担当責任者は、多様な生産管理ノウハウを活用し、従来の取組みとは異なる発想で、各製造拠点の効率化・合理化をおこなっております。また、当社資金を活用した設備投資により、生産効率の向上とコストダウンを実現しております。さらに、原価計算を正確におこなうことで、商品別、取引先別に取引の適正性を把握し、的確な意思決定をおこなう仕組みを構築しております。

 

c.新規商品の開発

 中小食品企業の開発の現場では、商品開発の専門的なノウハウを持った人材を採用することが難しい状況にあります。

 当社の商品開発担当責任者は、グループ各社が持つ商品開発ノウハウやマーケティングのノウハウを活用し、消費者調査等に基づいた顧客ニーズを捉えた商品を開発しております。また、販売促進に関する企画や大手量販店のプライベートブランド商品の開発もおこなっております。

 

d.品質管理体制の強化

 中小食品企業の品質管理の現場では、昨今の異物混入等の品質関連の問題を受けて、品質管理への対応が経営の圧迫要因の1つとなっていることがあります。

 当社の品質管理担当責任者は、当社グループの品質管理に関する業務を統括し、各製造拠点や仕入先の品質管理体制を強化しております。また、食品関連の法規制に対する法令遵守の体制を構築し、安心・安全な食品を提供しております。

 

e.経営管理の充実

 中小食品企業の経営管理の現場では、経営管理に多くの人員を割くことができないため、経営状況を正確かつ迅速にとらえることができず、的確な意思決定ができないことや重大なリスクを見過していることがあります。

 当社の事業本部および管理本部は、子会社の経営状況を迅速かつ正確に把握し、対策を検討、実行することで、経営の意思決定スピードを上げ、強固な経営管理体制を構築しております。

 

f.資金調達および資金力

 中小食品企業の資金調達の現場では、経営者が資金調達に奔走し本来の営業活動や製造活動に注力できないことや、資金不足により設備投資や人材の採用・育成など長期的な成長に必要な投資ができないことがあります。

 当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内の資金を効率的に活用することで、グループ各社の資金繰りに関する業務を削減しております。また、資金不足の解消により、中長期的な成長に向けた設備投資や人材採用や育成が可能となります。

 

g.人材の確保

 中小食品企業の人材採用の現場では、知名度や安定性に欠けるため優秀な人材を採用することが難しいことがあります。

 当社グループは、グループ全体の規模と知名度を生かすことで、業界内外から優秀な人材の採用をおこなうことができます。また、子会社の中から優秀な人材を当社の事業本部の責任者へ昇格させることで、グループ内のモチベーションを上げる取り組みもおこなっております。

 

h.プラットフォームの拡張性

 中小企業支援プラットフォームは、現在の体制においても有効に機能し効果をあげておりますが、今後さらに子会社が増加することにより、新たな強みとなるノウハウが加わりグループの経営資源もさらに蓄積されてまいります。それにより、既存の子会社にとっても業績拡大の機会や生産効率化ノウハウの獲得などの新たなシナジーが生じることになります。子会社の増加は、新たな企業の支援という意味だけでなくプラットフォームの強化となり、既存の子会社にとっても新たな経営リソースの獲得として作用するものと考えております。

 

③ 地域の活性化

 当社では、地方の中小食品企業の事業承継等を積極的におこなってまいりました。当社の中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されていた魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、当社の資金を活用して新たな設備投資をおこなうことができます。これにより、地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化を促しております。

 

 なお、当社は、有価証券の取引等の規則に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 

 ※画像省略しています。

23/05/31

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により持ち直しの動きがみられるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰を背景に、世界的金融引き締め下における為替市場の急激な円安進行など、インフレ拡大や景気後退に対する懸念が広がっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 国内の食品業界は、外食産業、観光産業向けの需要は緩やかな回復の兆しが見られ、加えて、オンライン販売やデリバリーサービスなど、非接触での販売・サービスが拡大しております。一方で、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まり等により、自宅内消費を引き締める傾向が強まっており、引き続き、業界全体で厳しい経営環境が続くことが予想されます。

 このような状況下において当社グループは、「中小企業支援プラットフォーム」による傘下企業の業績向上支援、および国分グループ本社株式会社をはじめとした提携先との協業を推進するとともに、M&A案件の検討および実行を強化することで、企業価値の向上に努めてまいりました。

 その結果、当連結会計年度の業績につきましては、販売面においては新型コロナウイルス感染症への規制が緩和したことで海外子会社の売上が回復したことに加え、新たにM&Aによりグループ企業が増加したこと等により増収となりました。利益面においては、原材料価格やエネルギー価格の継続的な高騰に加え、M&A取得関連費用238百万円を計上したこと等によりコストが増加したものの、売上高の増加や、継続的な生産効率改善効果が現れたことで、前期比は若干の増益となりました。なお、外国為替相場の変動により為替差益を計上したこと等により経常利益は大幅に増益となりました。

 

a.経営成績

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は34,937,944千円(前期比19.3%増)、営業利益678,915千円(同3.6%増)、経常利益1,323,423千円(同33.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益613,432千円(同22.7%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

イ)製造事業

 製造事業につきましては、M&Aにより国内および海外事業の拡大を図るとともに、「中小企業支援プラットフォーム」の各機能による支援により、取引先の新規開拓や新商品の開発、生産効率化等の取り組みをおこなってまいりました。

 こうした中、国内製造子会社は、M&Aにより新たな企業が加わったことや、価格改定等を実施するとともに、生産体制の効率化を推進することによって増収増益となりました。また、海外製造子会社は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の規制が緩和されたことでホテル、飲食店向けの販売が回復し、増収増益となりました。その結果、売上高は26,243,927千円(前年同期比20.7%増)、利益は910,493千円は(同15.5%増)となりました。

 

ロ)販売事業

 販売事業につきましては、「中小企業支援プラットフォーム」による情報網等を活用し、既存取引先への深耕および企画販売の強化に努めてまいりました。

 こうした中、国内販売子会社は、積極的な営業活動により主に産業給食向けの売上が増加し、増収増益となりました。また、海外販売子会社は、新規販売先の開拓等により売上は増加したものの、原材料価格の高騰の影響を受け、増収減益となりました。その結果、売上高は8,370,209千円(前年同期比11.0%増)、利益は373,464千円(同0.0%増)となりました。

 

b.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,040,005千円増加し、31,855,267千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,504,706千円増加し、22,005,220千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,535,298千円増加し、9,850,046千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,639,596千円増加し、4,519,427千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は79,599千円(前連結会計年度は1,320,020千円の収入)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益1,287,066千円、仕入債務の増加額1,135,217千円、減価償却費588,622千円、およびのれん償却額425,173千円等の増加要因に対し、主にシンガポール子会社の業績が回復したことによる棚卸資産の増加額2,202,524千円、売上債権の増加額518,781千円、および法人税等の支払額481,573千円等の減少要因があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2,021,111千円(前連結会計年度は1,168,598千円の使用)となりました。

 これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,424,672千円、および有形固定資産の取得による支出490,794千円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は3,491,404千円(前連結会計年度は1,938,625千円の使用)となりました。

 これは主に、長期借入れによる収入6,745,552千円、および長期借入金の返済による支出3,703,853千円等があったことによるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、販売事業セグメントおよびその他事業セグメントにおいては、生産を行っておりませんので該当事項はありません。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

26,138,977

121.0

合計

26,138,977

121.0

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは、販売計画に基づいた見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

26,243,927

120.7

販売事業

8,370,209

111.0

その他事業

323,807

合計

34,937,944

119.3

 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して5,654,243千円増加の34,937,944千円となりました。これは主として、新型コロナウイルス感染症の影響が減少したこと、およびM&Aによるグループ企業の増加によるものであります。

 売上原価は、前連結会計年度と比較して5,033,427千円増加の27,973,900千円となりました。これは主として、売上高増加に比例したことによるものであります。

 以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、6,964,043千円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して597,353千円増加の6,285,128千円となりました。これは主として、M&Aによるグループ企業の増加により、取得関連費用、販売費および人件費が増加したことによるものであります。

 以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、678,915千円となりました。

 営業外収益は、主として外国為替相場の変動の影響により為替差益を計上し788,343千円となりました。また、営業外費用は、支払利息等の計上により、143,834千円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、1,323,423千円となりました。

 特別利益は、受取保険金等の計上により、15,746千円となりました。また、特別損失は、減損損失等の計上により、52,103千円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、1,287,066千円となりました。

 法人税等合計は、641,984千円を計上しました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して113,331千円増加し613,432千円となりました。

 

b.財政状態の分析

イ 資産

 当社グループの当連結会計年度末における総資産は31,855,267千円となり、前連結会計年度末と比較して8,040,005千円増加しました。

 流動資産は18,381,487千円となり、前連結会計年度末と比較して5,835,852千円増加しました。これは主として、現金及び預金の増加1,707,693千円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は「受取手形及び売掛金」)の増加1,145,638千円、および棚卸資産の増加2,810,570千円があったことによるものです。

 固定資産は、13,473,779千円となり、前連結会計年度末と比較して2,204,153千円増加しました。これは主として、有形固定資産の増加1,244,884千円、およびのれんの増加919,386千円があったことによるものです。

 

ロ 負債

 負債は、22,005,220千円となり、前連結会計年度末と比較して6,504,706千円増加しました。これは主として、借入金の増加4,322,475千円、および支払手形及び買掛金の増加1,551,557千円があったことによるものです。

 

ハ 純資産

 純資産は、9,850,046千円となり、前連結会計年度末と比較して1,535,298千円増加しました。これは主として、利益剰余金の増加613,432千円、および為替換算調整勘定の増加520,945千円があったことによるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。また、当社グループは、既存事業において経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持するとともに、M&Aに必要な資金を確保する事を基本方針としており、事業活動に必要な資金については、主に金融機関および内部資金等を活用しております。なお、グループ内の余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価および収益・費用の認識に影響を与える見積りおよび判断をおこなっております。これらの見積りおよび判断に関しましては、過去の実績および状況等から最も合理的であると判断される前提に基づき、継続して評価をおこなっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。