アルピコホールディングス株式会社( )

上場日 (2024-12-25) 
ブランドなど:デリシア
陸運業バス・タクシースタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E15690 Japan GAAP

売上高

1,038.4億 円

前期

996.2億 円

前期比

104.2%

時価総額

164.3億 円

株価

231 (11/07)

発行済株式数

71,113,460

EPS(実績)

32.24 円

PER(実績)

7.17 倍

平均給与

545.7万 円

前期

538.3万 円

前期比

101.4%

平均年齢(勤続年数)

46.5歳(11.0年)

従業員数

41人(連結:1,953人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社と当社の子会社10社及び関連会社1社で構成されており、当社は純粋持株会社として子会社の事業活動の経営管理・指導を行っており、子会社が流通事業、運輸事業、観光事業、不動産事業、その他のサービス事業を行っております。

 

 当社グループの事業内容は、次のとおりであります。

 (1) 流通事業

 流通事業は、長野県内で食品スーパー「デリシア」51店舗(フランチャイズ1店舗を含む)と「業務スーパー・ユーパレット」9店舗の計60店舗を展開しており、長野県内で展開していくドミナント戦略(物流や店舗管理、広告宣伝などの効率化とコスト削減のため、ある一定の地域に集中的に店舗を出店し、競合他社よりも優位な地位を獲得する戦略)の下、県内トップクラスの店舗網※1を有しております。「デリシア」の店舗フォーマットは、価格だけで勝負する食品スーパーではなく、「上質なスーパーマーケット」をコンセプトに、低価格路線からは一線を画し、鮮度・品質重視の品揃え、お客様の利便性を追求するという付加価値を重視する店舗となっております。一方、「業務スーパー・ユーパレット」は、高品質&低価格の大容量の業務用商品等で、低価格(お買い得感)を打ち出し、価格(価値)重視の店舗となっております。2つの異なる店舗フォーマット(コンセプト)により客層や商圏に合わせた店舗展開ができることは当社グループの強みであり、出店戦略においても、「デリシア」は出店することにより当該出店地域でドミナント化が図られることを基本方針とする等、業務スーパーとの差別化や「デリシア」と「業務スーパー・ユーパレット」の出店配置の最適化を図っております。また、多様化する消費動向に対応するため、移動スーパーの「とくし丸」を36台、宅配サービスの「デリシアネットスーパー」を18拠点、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しマルチチャネル化を進めております。

 この他、フードサービス事業といたしまして、株式会社モスフードサービスとフランチャイズ契約を締結しモスバーガー事業(4店舗)を、タリーズコーヒージャパン株式会社とフランチャイズ契約を締結しタリーズコーヒー事業(3店舗)を行っております。また、2022年4月に株式会社マックドラッグを傘下に置き、新規事業となる医薬品の販売事業を立ち上げました。

(子会社)

 ㈱デリシア、㈱マックドラッグ

※1 県内トップクラスの店舗網:スーパーマーケット業界3団体(オール日本スーパーマーケット協会、一般社団法人日本スーパーマーケット協会、一般社団法人全国スーパーマーケット協会)公表の2025年5月資料で、展開企業別食品スーパー店舗数(60店舗)が長野県内で1位となっております。

 

 (2) 運輸事業

 運輸事業は、バス事業、鉄道事業、タクシー事業及び自動車整備事業等を行っております。

 バス事業は、長野県、東京都、大阪府に営業所を構えております。主要事業は、長野県内外の都市間や都市と上高地・白馬等の観光地を結ぶ「高速バス事業」、松本市内から、中部山岳国立公園内の上高地、乗鞍山頂(畳平)を中心とする地域の輸送を行う「観光路線バス事業」、長野県内各地にて運行する「一般路線バス事業」及び「貸切バス事業」となります。高速バス事業は、運輸事業で一番の収益部門であり、路線別には松本・長野・白馬・諏訪・飯田の各地と「バスタ新宿」を結ぶ新宿系統が高速バス事業全体売上の4割を占めております。また、観光路線バス事業においては、「松本(新島々)~上高地線」及び「松本・沢渡~上高地線」は当社グループの単独路線ということもあり観光路線の中でも一番の収入源になっております。

 鉄道事業の営業路線は、松本~新島々間(14.4キロ)の上高地線であり、大正時代の鉄道事業創業以来、松本市西部住民の輸送及び上高地、乗鞍高原方面への観光客の輸送を行っております。

 タクシー事業は、長野県内の松本地区、長野地区、諏訪地区、大北地区の4拠点で展開しており、乗用タクシー事業の売上シェアは長野県内ではトップクラス※2となっております。需要拡大が見込めるインバウンド対応も重点的に実施しており、特に冬季における白馬地域では、タクシー需要が拡大しているため、他地域からの応援勤務も含め、全社総力を挙げて売上確保に努めております。

 自動車整備事業は、バス・タクシー等のグループ車両の整備の外、一般向け整備事業にも注力しており、お客様が車検に立ち会い「安全・安心」を実感できる車検サービスをはじめ、整備・定期点検・板金塗装・車両販売・マーキングを通じて、地域のお客様のカーライフをサポートしております。

(子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコタクシー㈱

※2 乗用タクシー事業の売上シェアは長野県内ではトップクラス:一般社団法人長野県タクシー協会「2023年度長野県輸送実績」でアルピコタクシー株式会社の売上は長野県内で1位となっております。

 

 (3) 観光事業

 長野県内で、ホテル・旅館事業、サービスエリア事業、旅行事業、レジャー場事業等を行っております。

 ホテル・旅館事業は、長野県松本市を中心にシティホテル、ビジネスホテル、温泉リゾートホテルの3形態計6施設の運営を行っております。国内利用客として、ビジネスで利用されるお客様は首都圏中心に、観光客として利用されるお客様は首都圏、関西方面から幅広く集客しております。また、需要が拡大しているインバウンドでは台湾、東南アジア、欧米など、広範にわたり各国からのお客様を受け入れております。

 サービスエリア事業は、長野県内の高速道路上下線10か所のサービスエリアのうち、諏訪湖(上り線)、梓川(上り線)、姨捨(上下線)の4か所を運営しております。売店、レストランなど、地域の特色を活かした商品・サービスの提供に努めております。

 旅行事業は長年培ってきた企画力とグループインフラを活かした豊富な旅行商品を取り揃えることで、地域のお客様へ魅力ある商品やサービスを提供しております。同事業を担うアルピコ長野トラベル株式会社は、前身の長野トラベル株式会社からは50年の社歴を有し、観光庁長官登録第1種の旅行業登録により、国内・海外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行を取扱い、個人から団体、教育旅行まで幅広く展開しております。

 レジャー場事業は、八ヶ岳など大自然の絶景を臨む蓼科高原において、ゴルフ場やキャンプ場などの運営を行っております。「蓼科高原カントリークラブ」は、1963年に開場し60年を超える歴史があるゴルフ場で、全長10,318ヤード(約9.4キロメートル)、27ホールを有しております。

(子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコホテルズ㈱、アルピコ長野トラベル㈱、アルピコリゾート&ライフ㈱

 (4) 不動産事業

 不動産賃貸事業、別荘分譲地管理事業等を行っております。

 不動産の賃貸事業は、約30件の賃貸不動産事業を行っており、松本市、長野市、茅野市等長野県内に自社で保有する土地又は建物を主に法人に対して賃貸し、賃料を得るというビジネスモデルとなっております。

 別荘分譲地管理事業は、古くからのリゾート地である蓼科高原及び八ヶ岳中央高原において、自社所有余地の売却、財産区から賃借している土地の転貸、建築及びリフォーム(一部外注あり)、上水道の供給、温泉供給、別荘管理などを行っております。

(子会社)

 アルピコ交通㈱、アルピコリゾート&ライフ㈱、アルピコ蓼科高原リゾート㈱

 (5) その他のサービス事業

 長野県内を中心に保険事業等を行っております。

 同事業を担うアルピコ保険リース株式会社では、長野県内9つの営業所網を有し、当社グループ従業員を含めた長野県のお客様に対して、幅広い種類の保険の販売を中心にサービスを提供しております。

(子会社)

 アルピコ保険リース㈱、松電事業協同組合

 

 

 以上述べた事項を図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

(注)当社(連結財務諸表提出会社)は、一般顧客への商品の販売・サービスの提供はありません。

 

25/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 a.経営成績の状況

 当連結会計年度における日本経済は、物価高によるマイナス要因があるものの、個人消費は名目賃金が増加する中で持ち直しの動きを見せております。特に、サービス消費は、新型感染症の影響が解消されインバウンドを含め人流が回復しており、前年度より増加基調が継続しております。一方、運輸や観光業界での労働力不足の深刻化は継続しており、また、企業物価は農産物を中心に上昇しております。今後の日本経済については、物流費や人件費等のコスト増による一段の物価上昇懸念や金利上昇観測、更には“トランプ関税”の動向・影響が先行きを不透明にしております。

 このような環境下、当社グループは『中期経営計画 2024-2026』において、①成長戦略、②構造改革、③サステナビリティ経営に取り組んでおり、その骨子は以下のとおりです。

① 「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」に取り組み、

成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。

② 「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用による省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施します。

③ 「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」に取り組みます。

 当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、流通事業を中心に増収に伴う影響等から、前連結会計年度に比べ3.1%増の72,401,591千円、販売費及び一般管理費は、売上・稼働が回復した運輸事業や観光事業で人件費が増加したこと等により4.0%増の28,022,204千円となりました。

 この結果、当連結会計年度の連結営業収益は103,836,216千円(前連結会計年度(以下、「前年同期」という。)比4,215,727千円、4.2%増)、連結営業利益は3,412,421千円(前年同期比963,913千円、39.4%増)、連結経常利益は3,060,406千円(前年同期比937,309千円、44.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,292,471千円(前年同期比1,388,005千円、153.5%増)となりました。

 

 当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

セグメントの名称

営業収益

営業利益

当期(千円)

前期との

差額(千円)

前年同期比(%)

当期(千円)

前期との

差額(千円)

前年同期比(%)

流通事業

76,739,047

1,887,855

2.5

1,619,847

△15,637

△1.0

運輸事業

13,301,652

1,111,835

9.1

1,590,432

707,467

80.1

観光事業

12,062,605

889,283

8.0

499,643

126,601

33.9

不動産事業

1,396,753

84,380

6.4

160,291

68,542

74.7

その他のサービス事業

618,878

251,910

68.6

69,908

8

(流通事業)

 流通事業は、食品スーパー「デリシア」51店舗(フランチャイズ1店舗を含む)と業務商品主体の「業務スーパー・ユーパレット」9店舗を運営しており、合計で60店舗を展開しております。これらに加え、マルチチャネル戦略として、移動販売「とくし丸」36台やネットスーパー18拠点、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しており、顧客基盤とマーケット及びチャネルの拡大を推進しております。また、既存店舗を業態変更し総菜商品の品揃えを強化した新カテゴリーの「デリシアミールズ」を2023年度以降3店舗オープンし、新コンセプト店舗を展開しております。当連結会計年度は、商品価格の見直しによる単価の上昇等が貢献し、前年同期比で増収となりました。一方で、生鮮相場の高騰など仕入原価の上昇や人件費増加等が利益を下押ししました。

(運輸事業)

 バス事業は、上高地や白馬等の長野県内観光地への輸送を担う観光系路線の国内外からの需要取り込みを主因に回復が鮮明となりました。

 タクシー事業は、市街地での利用回復と運賃改定(2023年9月)により前年同期比で増収となりましたが、乗務員の不足が業績回復の阻害要因となっております。

 鉄道事業は、観光需要の回復により、前年同期比で増収となりました。

(観光事業)

 ホテル・旅館事業は、松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に回復基調が継続し、前年同期比で増収となりました。

 サービスエリア事業は、インバウンド客やツアー客の立ち寄り増加により売り上げを伸ばしました。

 旅行事業は、海外旅行が復活する等ツアー募集が好調で出張・団体旅行等の法人需要も回復し、前年同期比で増収となりました。

(不動産事業)

 別荘分譲地管理事業の分譲区画販売及びテナント賃貸事業が好調に推移しました。

(その他のサービス事業)

 保険事業は、前年同期比で増収となりましたが、人件費やその他経費の増加が利益を圧迫しております。

 

 b.財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は14,683,841千円となり、前連結会計年度末に比べ690,142千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,216,904千円減少、有価証券が1,996,486千円増加したこと等によるものであります。固定資産は43,663,062千円となり、前連結会計年度末に比べ85,798千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が458,429千円増加、無形固定資産が283,727千円減少、繰延税金資産が101,099千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、総資産は58,346,903千円となり、前連結会計年度末に比べ775,940千円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は19,792,953千円となり、前連結会計年度末に比べ3,249,012千円減少いたしました。これは主に、前連結会計年度末が休日であった影響により、買掛金が3,158,535千円減少したこと等によるものであります。固定負債は24,035,757千円となり、前連結会計年度末に比べ40,284千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が408,888千円減少、リース債務が448,733千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は43,828,710千円となり、前連結会計年度末に比べ3,208,727千円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は14,518,193千円となり、前連結会計年度末に比べ3,984,668千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所スタンダード市場への上場にあたり、2024年12月24日を払込期日とする公募による新株式発行により資本金が966,460千円、資本剰余金が966,460千円増加、並びに親会社株主に帰属する当期純利益2,292,471千円等によるものであります。

 この結果、自己資本比率は24.9%(前連結会計年度末は18.3%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、仕入債務の減少、株式の発行による収入、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が2,852,904千円(前年同期比214.1%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ729,581千円増加し、当連結会計年度末には6,151,793千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により増加した資金は2,503,694千円(前年同期比75.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,852,904千円に減価償却費2,973,226千円、前連結会計年度末が休日であった影響による仕入債務の減少額3,158,535千円等の項目を加減した結果によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により減少した資金は1,955,649千円(前年同期比36.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,340,108千円、補助金収入329,667千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は181,535千円(前連結会計年度は4,530,111千円の減少)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,932,920千円及び長期借入れによる収入7,500,000千円により資金が増加する一方で、長期借入金の返済による支出7,878,037千円、リース債務の返済による支出543,516千円、長期未払金の返済による支出591,722千円等により資金が減少したことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 なお、販売の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

b.財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、長期経営方針として「ALPICO VISION 2035」を掲げ、ビジョンの実現に向けた具体的経営計画を「中期経営計画 2024-2026」として策定しております。

 長期ビジョンでは、2035年のありたい姿を「『楽しさ・ときめき』を創出し、付加価値を高めることで、持続的な地域の発展に貢献している企業グループ」としております。

 「中期経営計画 2024-2026」の取組骨子は以下のとおりです。

  ① 成長戦略として「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」

     に取り組み、成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。

  ② 構造改革に向け、「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用によ

     る省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施しま

     す。

  ③ サステナビリティ経営を実践するため、「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」

     に取り組みます。

d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、従来から認識していた、労働人口の減少、消費行動の変化、原材料価格や物価の動向、技術革新の加速等に加えて、感染症の流行や気候変動及び自然災害も大きな要因として認識しております。

 これらの事業環境に対応すべく、長野県内における各事業シェアの拡大、保有・運営する施設と商品及びサービスの質の向上、新規事業開発、経営資源の効率活用や経営基盤の強化に取り組んでおります。

 ここ数年の具体的な取組として、流通事業におきましては、マルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めており、移動販売「とくし丸」を36台運行、ネットスーパーを18拠点で展開、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しております。また、既存店舗を業態変更し総菜商品の品揃えを強化した新カテゴリーの「デリシアミールズ」を2023年度以降3店舗オープンし、新コンセプト店舗を展開しております。運輸事業におきましては、2022年4月にアルピコタクシー株式会社を株式交換によりアルピコ交通株式会社の子会社とし経営の効率化を図っております。観光事業におきましては、2022年4月に中核会社の東洋観光事業株式会社を、ホテル・旅館の運営を担うアルピコホテルズ株式会社と、主に蓼科地区での別荘・ゴルフ場運営等を担うアルピコリゾート&ライフ株式会社との2社に分社化しそれぞれの専門性を十分発揮できる体制といたしました。

 このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。

・「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」による成長の加速

・柔軟で適応力のある組織を築(つく)るため各種取り組みの展開

・持続的な価値創造の最重要基盤である人材への投資を強化

・地域に根差す企業グループとして、持続可能な社会実現に貢献

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの状況の分析

  キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に

 記載のとおりであります。

 b.資本の財源及び資金の流動性

 (資金需要)

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、流通事業における仕入原価及び物流費、運輸事業における車両維持管理費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては流通事業における店舗への更新投資、運輸事業における車両更新投資、観光事業におけるホテル・旅館等に対する設備投資等があります。

 (財務政策)

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。

 当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図っております。設備投資に当たってはリースも活用し資金繰りの平準化や効率化にも配意しております。

 また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップ等の手段を活用しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

   当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され

 ております。当連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な

 ものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積

 り)」に記載のとおりであります。