売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E37504 

売上高

164.4億 円

前期

105.8億 円

前期比

155.3%

時価総額

284.7億 円

株価

4,870 (03/28)

発行済株式数

5,846,400

EPS(実績)

57.50 円

PER(実績)

84.69 倍

平均給与

614.3万 円

前期

664.8万 円

前期比

92.4%

平均年齢(勤続年数)

39.0歳(1.9年)

従業員数

53人(連結:88人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社(クリアルパートナーズ株式会社、合同会社RLSプロジェクト、合同会社RLSプロパティ)の計4社で構成されており、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを実現すべく、DX(注1)を活用した資産運用プラットフォーム事業を展開しております。当社グループが展開する資産運用プラットフォーム事業は不動産への投資、資金調達、物件仕入れ、運用、売却といった不動産投資運用にかかる一連のフローのDXを推進しており、ITの活用により効率的に運営される新しい資産運用プラットフォームです。

世界の運用資産残高は増え続け、また国内でも老後の年金問題に挙げられるように、資産運用の重要性やニーズは機関・個人投資家問わず増しています。あらゆる資産運用の手段の中でも、不動産投資は他の上場金融商品と比較して、金融市場の影響を受けにくく、価値が相対的に安定した、資産運用に欠かせない重要な商品のひとつにもかかわらず、不動産投資への機会は一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには大きな変革の余地がある状況です。従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資の業界においても、大きなIT化の進む局面に来ており、当社ではITプラットフォームの有無が資産運用業界における競争優位性を持ち始める時代に入っていると考えています。海外では不動産投資のDX化が進展を続け、例えばグローバルの不動産投資クラウドファンディング (注2)のマーケットは約142億ドル(2022年)から約7,934億ドル(2032年) (注3)へ成長するという予測もされております。

当社では、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービスを展開しておりますが、当社の有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は従来の人的リソースに依拠していた資産運用プロセスのDXを推し進め、多くの人が手軽に楽しく安心してオンラインで不動産投資による効率的な資産運用を始められるサービスを創造し、金融包摂(注4)の実現を企図するサービスです。すなわち「CREAL」は、いままで大型不動産投資への参加機会を持てなかった多くの個人へ不動産投資の門戸を開放することにより、不動産投資の民主化を実現します。また、「CREAL」では個人投資家の多くの共感を呼び込むことが可能であるため、従来投資が進んでいなかったESG不動産(注5)及び地方創生領域を含めた新しい不動産投資対象領域への投資の促進を図り、経済的リターンと社会的リターン(注6)の両立を図ります。

このように当社は、ITと資産運用のノウハウの活用により、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を開始できる資産運用プラットフォーム事業を提供することで、資産運用の民主化という社会課題を解決します。また同時に、日本に滞留する約1,100兆円(注7)の現預金を資産運用へ振り向ける転機となるサービスとなることを目指しています。

※画像省略しています。

 

(注)1. DXとはDigital Transformationの略で、進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革していくことを指します。

2.クラウドファンディングとは群衆(クラウド)と資金調達(ファンディング )を組み合わせた造語で、インターネットを通じて特定のプロジェクト等に共感した人より資金を募る仕組みです。

3.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。

4. 「金融包摂(Financial Inclusion)」とは、世界銀行による定義では「すべての人々が、経済活動のチャンスを捉えるため、また経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、またそれを利用できる状況」のことを指しており、経済活動に必要な金融サービスをすべての人々が利用できるようにする取り組みです。

5.「ESG不動産」は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資対象となる不動産を指します。

6.「社会的リターン」とは、社会的な成果をもたらす事業に資金を投入することにより得られる、社会の状況が改善したという成果・事実を指します。

7. 日本銀行が2023年3月17日発表した2022年第4四半期の資金循環統計(速報)によると、2022年12月末時点の家計の金融資産は2,022兆円、うち現預金が1,116兆円となっています。

 

(1) 事業の具体的内容

当社グループでは資産運用プラットフォーム事業を有機的に一体となり運営しているため単一セグメントでありますが、①「CREAL」②「CREAL Partners」③「CREAL Pro」の3つのサービスにより構成されております。①当社が展開する、1万円から資産運用が可能なサービスである「CREAL」では、保育園などESG不動産からレジデンスに至るまで多様な不動産へ投資ができる不動産ファンドオンラインマーケットです。また、②連結子会社であるクリアルパートナーズ株式会社が展開する、1,000万円からの資産運用が可能な「CREAL Partners」は、ITを活用し効率的に実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)に投資ができる個人投資家向けの資産運用サービスです。そして、③当社が展開する、1億円からの資産運用となる「CREAL Pro」は、機関投資家・超富裕層(注1)向けの大型不動産への投資を通じた資産運用サービスです。なかでも、「CREAL」及び「CREAL Partners」はDXを大きく活用したサービスであり、当社の主軸成長事業です。

 

(注)1. 「超富裕層」とは、純金融資産(預貯金、株式、投資信託、一時払い生命保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた金額)について5億円以上の保有額を誇る世帯を指します。

 

セグメント

サービス

投資金額

サービス内容

資産運用

プラットフォーム事業

CREAL

1万円~

・不動産ファンドオンラインマーケット

CREAL

Partners

1,000万円~

・実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)への投資を通じた資産運用サービスの提供

・賃貸管理サービスの提供

CREAL Pro

1億円~

・機関投資家や超富裕層向けの不動産投資サービスの提供

 

 

(2) 事業の特徴

  「CREAL」

「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。資産運用において重要な位置づけを占めるにも拘わらず、投資に必要な多額の資金と手間、専門的な知識が障害となり個人にとっては遠い存在であった不動産投資への門戸を広く個人に開放するサービスです。

当社が予め設定した分配金リターンを目的として投資家が一口1万円からさまざまな不動産へ投資できるサービスであり、投資家登録から投資実行に至るまですべてオンラインで不動産投資を完結することができる仕組みです。また、投資後の物件の管理から運用、そして売却に至る全運用プロセスについて不動産投資ノウハウを有する当社に一任することができ、投資家は手間や高度な知識を要することなく不動産投資運用が可能となります。

 

 

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

 

「CREAL」の業務の流れは以下のとおりであります。

a.  当社自社開発のAIを活用した物件仕入れ及び査定機能を持つ「CREAL buyer」や物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営者、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。

b.  当社が選定した投資適格物件についてファンドの組成を行い、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」上に公開します。

c.  投資家は掲載されたファンド情報及びファンドに応じて設定された利回りを考慮のうえ投資金額を決定します。

d.  ファンドが成立した場合には、当社が「CREAL」にて募集完了した投資金額を用いて対象不動産を売主より購入します。その際、当社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)を受領します。

e.  ファンド運用期間中に不動産を賃貸することにより賃借人から得られる賃料を基にして、投資家へ配当を行います。当社はファンド運用時に管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。

f.  ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに当社が物件を売却して利益が生じた場合には、当社は当該売却利益または当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。

 

 

※画像省略しています。

 

また、「CREAL」では、これまでの不動産投資において課題となっていた「情報の非対称性」(注1)を解消すべく、楽しくも分かりやすい徹底した情報開示を実践しております。以下は「CREAL」における情報開示項目の例となります。

・募集金額、想定利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン内訳)、想定運用期間、想定初回配当日

・投資対象の不動産や運営者へのインタビューについてのとりまとめ動画

・プロジェクトについての投資リスクの考え方

・物件が所在する地図と建物図面

・不動産価格調査報告書やエンジニアリングレポート等の不動産鑑定を含めた専門家の第三者レポート

・物件の運営者の概要

・投資対象が所在するエリアや市場のマクロマーケットの概況

・投資リターンの参考となる類似物件についての賃貸事例や売却事例

・ファンドにおける調達資金とその使途

・投資リターンのシミュレーション

・投資後の毎月のプロジェクト進捗報告をまとめたモニタリングレポート

 

 

※画像省略しています。

 

 

「CREAL」はサービス開始以来、社会的に資金を必要としているが十分に流れていないESG不動産領域へ注力してまいりました。今までは投資規模が小さいため世の中に必要な不動産であるのにもかかわらず機関投資家からの投資がされにくかった保育園、学校、地方創生関連のアセットに対して、クラウドファンディングにより個人投資家からの投資資金を送る導管としての役割を果たし、社会性と投資商品性の両立を図ることを目指しております。「CREAL」における初めてのESG不動産への投資は2019年4月、東京都豊島区駒込に所在する保育園となります。以後、「CREAL」におけるこれまでの投資金額に占めるESG不動産への投資額は50億円超(注2)となっております。

 

※画像省略しています。

 

(注)1.不動産会社である売主と一般個人である買主の間で保有する情報に格差があり、買主にとって不利な条件で不動産投資をせざるを得ない状況のことを指します。

2.サービスローンチから2023年3月末日時点における「CREAL」にて投資した全不動産の投資金額のうちESG不動産が占める金額の総額。

 

   「CREAL Partners」

「CREAL Partners」は、個人投資家向けに、実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)への投資を通じた資産運用サービスを提供しております。個人投資家向けに販売する投資用不動産を連結子会社であるクリアルパートナーズ株式会社が仕入れ、個人投資家に販売することにより当社は売却利益を獲得します。また、「CREAL Partners」では不動産販売後、投資家にとって必要な各種管理業務サービスも提供し、集金代行手数料や契約事務手数料等の賃貸管理収入を継続して受領します。

「CREAL Partners」では、不動産投資に関わる一連のプロセス各所でのDX化を通じ、業務改善やコスト削減、また顧客にとっての利便性が高まるような取り組みをしております。

 

 ・投資案件の物件評価・仕入システム「CREAL buyer」

物件仕入れを効率的に行うために自社開発をしたAIを用いた物件評価・仕入システム「CREAL buyer」は、膨大なオンライン上の中古区分レジデンス不動産情報の中から、当社グループが仕入れるべき物件を自動的に収集・提案します。「CREAL buyer」のAIは、不動産に関わる膨大な量のデータを常時学習しており、ローケーションやエリア、面積・築年数・スペックに応じた適正な賃料や価格査定を可能としており、当社グループの購入する物件についての適切な価格査定を行っている他、割安な価格や賃料が設定されているハイパフォーマンスな物件をインターネット上で常に選別し、そのような物件がある際には仕入れの提案を担当者に通知します。「CREAL buyer」の機能のうち賃料査定機能の導入は2020年8月からとなりますが、インターネット上での自動仕入れ機能の導入は2021年9月となります。「CREAL buyer」の利用により、AIによる適正賃料・適正価格の提示を通じた効率の良い仕入れ業務を実現、投資商品の安定的な供給をサポートしています。

 

※画像省略しています。

 

・不動産投資運用のDXを推進する「CREAL concierge

物件の収支や契約書がオンラインで一元管理できる「CREAL concierge」の利用により、いままで書面や対面でのやりとりに大きく依存していた不動産投資運用プロセスのDXを推進します。クリアルパートナーズ株式会社の顧客である不動産オーナーは、物件の賃貸状況や収支状況がオンラインでいつでも手軽に確認可能となります。また、顧客である不動産オーナーに対して最新の販売中の不動産を表示することも可能とすることにより、顧客の更なるロイヤルティ育成をし、物件の買い増しを促進します。

 

※画像省略しています。

 

・物件管理業務効率化ツール「CREAL manager」

物件の賃貸管理を一元化する「CREAL manager」の利用により、区分中古レジデンス不動産における賃貸管理業務を効率的に運用できる仕組みを構築しています。書面やエクセルなどで分散管理していた情報が一元化され、契約管理及び入出金管理を効率的に管理することはもちろん、オーナー向け明細の作成や希望者への郵送が自動化され効率的な作業を可能としております。

 

※画像省略しています。

 

   「CREAL Pro」

1億円からの資産運用サービスである「CREAL Pro」は、機関投資家・超富裕層向けの資産運用サービスであり、大型不動産への投資を通じた資産運用サービス事業を展開しております。具体的には、当社が情報を入手した投資物件を基に仲介業務や私募ファンドを組成・運用する業務が中心となります。また、当社グループが固定資産として保有するホテルの運営事業も含まれております。

 

「CREAL Pro」の業務の流れは以下のとおりであります。

a. 物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営会社、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。

b. 当社が選定した投資適格物件についてファンドの組成もしくは仲介業務を行い、当該ファンドへ出資に興味をもつ投資家の探索もしくは当該物件への購入意欲のある投資家の探索を行います。

c. 投資家による当該ファンドへの出資が行われファンドが成立した場合、もしくは投資物件を購入した場合には、当社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)もしくは仲介手数料を受領します。

d. ファンド運用期間中、当社は物件の運用管理を行うことにより管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。

e. ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに当社が物件を売却して利益が生じた場合には、当社は当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。

 

法人や機関投資家向けの不動産投資運用サービスを提供するに当たっては、取り扱う商品により適用される法規制・必要な許認可は異なりますが、当社では宅地建物取引業・第二種金融商品取引業及び金融商品取引法第29条に基づく登録を行い、現物不動産のみならずファンドの信託受益権の媒介業務や投資助言・代理業を行っています。また、CREAL Pro」における不動産特定共同事業法による現物不動産の取引・運用業務につきましても今後展開していく予定でございます。

 

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は以下のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

※「CREAL」は短期の資産運用(5年以内)サービスとなりますが、サービスローンチから2023年3月末までの各ファンドの想定運用期間は4か月~7年となっております。

 

23/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が前年度に比べて緩和され経済社会活動の正常化が進み、個人消費のサービス支出減少やその影響を受ける業種の企業業績も持ち直しが見られました。2023年5月から感染症法上の類型も2類相当から5類への移行が決まり、ウィズコロナの下で感染対策を継続しながらも正常化に向かうことが期待されます。海外経済におきましても持ち直しの動きが見られましたが、諸外国のインフレ高進と抑制のための金融引締め、日本と先進各国との金利差拡大と為替相場の変動、ウクライナ情勢に起因するエネルギー価格高騰などが起こり、国内経済にコスト高の影響を及ぼしました。諸外国のインフレとその対応策の副作用、ウクライナ情勢など、依然として先行き不透明な状況を注視する必要があります。

当社グループが属する不動産及び不動産クラウドファンディング業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や国境を超えた移動の制限の緩和や全国旅行支援等の政策効果を受けて、稼働率の低下していたホテルや商業施設は1年を通じて回復を続け、レジデンスや物流施設は安定稼働と底堅い投資需要が継続しました。例えば、マンション市場におきましては、新築中古ともに平米単価は上昇傾向を維持しています。また、日本の低金利と円安を背景に海外投資家による国内不動産への投資需要の高まりが見られました。当社グループの属する業界はコロナ禍からの回復と、国内外の金融情勢の変化が及ぼす影響について、今後も注視する必要があります。

こうした環境の中、当社グループは、「CREAL」において、東京23区の区分レジデンスのリノベーション、商業施設、物流施設、一棟レジデンス、コリビングタイプのレジデンス、新設保育園の不動産ファンドをオンラインで提供して運用資産の残高とアセットタイプの拡大を図るとともに、着実に売却を実行しオンライン投資家にリターンを提供することで、投資家会員数は4万人、累積投資金額は275億円を突破しました。「CREAL Partners」では、中古ワンルームマンションの販売本数を伸ばし、付随する賃貸管理物件数の増加につなげました。そして「CREAL Pro」においては、海外機関投資家を対象に国内レジデンスを複数組み入れたファンドを新規組成することにより、ファンド組成手数料及びアセットマネジメントフィーの増加につなげることができました。一方で、事業拡大に伴い先行投資も含めた人員の拡充が進み、人件費が大きく増加をいたしました。

この結果、売上高は16,436,599千円(前年同期比55.3%増)、売上総利益2,206,691千円(前年同期比42.0%増)、営業利益547,365千円(前年同期比74.5%増)、経常利益496,060千円(前年同期比93.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益336,172千円(前年同期比95.0%増)となりました。

なお、当社グループは資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

資産・負債及び純資産の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は21,492,033千円となり、前連結会計年度末と比べ10,565,768千円増加しております。これは主に、事業拡大に伴い、現金及び預金の増加4,739,998千円、預託金の増加824,796千円、販売用不動産の増加3,528,646千円、仕掛販売用不動産の増加925,632千円によるものであります。

(負債)  

当連結会計年度末における負債合計は18,380,815千円となり、前連結会計年度末に比べ8,500,527千円増加しております。これは主に、「CREAL」事業拡大に伴うクラウドファンディング預り金の増加2,940,248千円、匿名組合出資預り金の増加3,341,970千円、短期借入金の増加422,614千円、1年内返済予定の長期借入金の増加474,572千円、長期借入金の増加1,540,864千円、償還による1年内償還予定の社債の減少583,200千円によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は3,111,217千円となり、前連結会計年度に比べ2,065,241千円増加しております。これは主に、当社株式の東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資及びSBIホールディングス株式会社に対する第三者割当増資等による資本金の増加860,052千円、並びに資本剰余金の増加860,052千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上336,172千円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ4,739,998千円増加6,198,136千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは1,290,251千円の収入(前年同期は274,834千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益499,401千円、クラウドファンディング預り金の増加額2,940,248千円、匿名組合出資預り金の増加額3,341,970千円の影響により資金が増加し、預託金の増加額824,796千円、棚卸資産の増加額4,775,821千円の影響により資金が減少したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは122,801千円の支出(前年同期は237,437千円の収入)となりました。これは主に、オフィス移転にかかる有形固定資産の取得による支出20,453千円、敷金及び保証金の差入れによる支出81,584千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは3,572,548千円の収入(前年同期は1,090,874千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増加額422,614千円、長期借入れによる収入2,581,576千円、株式の発行による収入1,717,723千円の影響により資金が増加し、社債の償還による支出583,200千円、長期借入金の返済による支出566,140千円の影響により資金が減少したことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社は生産活動を行っていないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b. 受注実績

提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c. 販売実績

サービスの名称

第12期連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

CREAL

10,223,083

219.3

CREAL Partners

4,832,919

104.1

CREAL Pro

1,380,596

108.2

合計

16,436,599

155.3

 

(注)1.当社グループは資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

第11期連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

第12期連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

合同会社保育園みらいファンド

1,543,000

14.6

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態

当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 経営成績

(売上及び売上総利益)

「CREAL」において、東京23区の区分レジデンスのリノベーション、商業施設、物流施設、一棟レジデンス、コリビングタイプのレジデンス、新設保育園の不動産ファンドをオンラインで提供して運用資産の残高とアセットタイプの拡大を図るとともに、着実に売却を実行しオンライン投資家にリターンを提供することで、投資家会員数4万人、累積投資金額は275億円を突破し売上の増加につなげました。「CREAL Partners」においては区分レジデンスの販売本数を伸ばし、「CREAL Pro」においては海外機関投資家を対象に国内レジデンスを複数組み入れたファンドを新規組成することにより、ファンド組成手数料及びアセットマネジメントフィーを計上した結果、売上高は16,436,599千円となり、売上総利益は2,206,691千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費及び営業利益)

販売費及び一般管理費は、主に不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」登録会員数獲得のための広告宣伝費、及び事業拡大に伴う人件費の増加により1,659,326千円となりました。この結果、営業利益は547,365千円となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

テナント解約の違約金収入等により営業外収益を1,070千円計上した一方で、資金調達による利息計上及び2022年4月28日に東京証券取引所グロース市場に上場した際の費用を計上したことにより営業外費用は52,375千円となりました。この結果、経常利益は496,060千円となりました。

 

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益の計上により、法人税等は163,109千円となり、当期純利益は336,292千円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益120千円を計上し、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は336,172千円となりました。

 

なお、経営者の問題意識と今後の方針、及び当社グループに重要な影響を与える要因については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、クラウドファンディング組成時に行う劣後出資、不動産取得のための取得資金であります。資金調達につきましては、増資を通じた自己資金の他、各プロジェクトや物件ごとに金融機関からの借入を行っております。また、資金繰りの悪化の際に機動的に資金を調達する観点から、金融機関と当座借越契約を締結しており、流動性の確保に努めております。今後の事業拡大にともなう運転資金需要については、自己資金の他、適宜金融機関より調達を行う方針であります。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の主な収益の源泉は、「CREAL」上でファンドを組成・運用・物件の売却を行う場合に発生する一連の各種フィー及び売却益、「CREAL Partners」における投資用不動産の売却益となります。これらは、「CREAL」におけるGMV(流通取引総額:Gross Merchandise Value)及び「CREAL Partners」における投資用不動産の売上高に連動するため、当社グループではこれらを重要経営指標と位置付けております。2023年3月期における各指標の前年同期比の増減率は以下のとおりであり、順調に増加をしているとの認識でおります。引続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。

 

単位:千円

2023年3月

前年同期比

CREAL GMV

12,316,400

172.8%

CREAL Partners 売上高

4,832,919

104.1%

連結売上総利益

2,206,691

142.0%