E03507 Japan GAAP
前期
170.3億 円
前期比
113.4%
株価
1,980 (05/01)
発行済株式数
14,518,000
EPS(実績)
38.44 円
PER(実績)
51.52 倍
前期
460.7万 円
前期比
101.6%
平均年齢(勤続年数)
43.5歳(10.1年)
従業員数
468人
当社は、同業他社の低価格回転寿司店との差別化を図るために、より上質な商品とサービスをよりお得感のある価格帯にて提供するグルメ回転寿司業態として、「すし銚子丸」を中心ブランドとして直営店のみによる多店舗展開を行っております。
具体的には、2014年に顧客の多様な寿司へのニーズに応えることで企業価値向上を図ることを目的として、江戸前寿司の味と技をグルメ回転寿司事業に継承させるべく、立ち寿司業態の「江戸前すし百萬石」ブランドを買収しております。これに加えて「すし銚子丸」の良さである本格江戸前寿司のスタイルを踏襲しつつ、今の時代に合ったシステムを導入した進化型姉妹ブランド店「すし銚子丸 雅」と、テイクアウト・デリバリーサービス等の中食需要に特化した姉妹ブランド店「すし銚子丸 テイクアウト専門店」を運営しております。
なお、当社は寿司事業のみの単一セグメントとなっております。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の概要
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の第8波の流行がピークアウトし収束に向かう中で、景気の持ち直しの兆しが見られました。一方でロシアのウクライナ侵攻継続、世界的な金融引き締めに伴う景気下振れリスクの高まり、及び原材料・エネルギー価格の上昇等の影響により、引き続き先行き不透明な状況が続きました。
外食業界におきましても、行動制限の緩和に伴いイートイン客数が回復基調を見せる等、コロナ前の営業活動に急速に回復しました。一方で、業界全体がアフター・コロナを視野に入れた営業活動に転換する中で、ウィズ・コロナの生活で定着した消費者が求めるサービスの多様化に対応するための競争が一層激化しました。また、原材料・エネルギー価格及び物流費の上昇を背景に、業界全体で価格改定の動きが顕著となっており、更なる物価上昇の懸念など消費者の先行きへの不安から、収益面では依然として厳しい環境が続きました。
このような状況において、当社は、2022年6月からスポンサーとなった、bayFMラジオの生番組「シン・ラジオ」金曜日の「ちょうし!マル!DOでSHOW」コーナーを媒体として、CMの他、人気パーソナリティと社員の掛け合いを通してリスナーに対して商品の魅力訴求に努めました。さらに、2022年11月には前年に引き続き、創業祭特別企画として、サンリオ人気キャラクター『ポムポムプリン』とのコラボレーション企画を展開しました。また、同月、当社を利用されるお客様に対して、イベント等のお知らせを直接ご案内するためのインフラ構築に向けた第1ステップとして『銚子丸LINEミニアプリ』による会員サービスを開始(2023年3月末に全店導入済)し、DX時代の新しい営業手法に対応するための基盤構築に着手しました。
店舗開発につきましては、2022年6月に当社としては山手線内第1号店となる「すし銚子丸小石川店」(東京都文京区)を新規に出店した一方で、「すし銚子丸草加店」(埼玉県草加市)及び「すし銚子丸宮野木店」(千葉市花見川区)は、機械化・省力化による収益性の向上を目的として、それぞれ2022年9月並びに同10月に閉店し、2022年12月に「すし銚子丸宮野木店」(千葉市花見川区)、「すし銚子丸草加花栗店」(埼玉県草加市)として、近隣の好立地へ新築移転オープンしました。この結果、当事業年度末の店舗数は93店舗となっております。
また、廃棄ロスの削減、安心・安全且つ「鮮度と作り立てにこだわった」商品の提供、及び店舗オペレーションの効率化により人的余力を捻出し、これを更なる接客・サービスの付加価値の増大に充当すること等を目的として、当事業年度末までに、『フルオーダーシステム』(全品タッチパネルを使用した注文方法)の全店導入を達成しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は193億10百万円(前期比13.4%増)となりました。
利益面につきましては、原材料価格・物流費の上昇、水道光熱費の高騰、積極的な大規模改装や老朽設備の計画的な改修に伴う修繕費・消耗品の増加、DX推進に伴う外注費等の経費の増加に加えて、トルコ・シリア大地震に対する災害義援金5百万円、及びウクライナ難民緊急支援10百万円を寄付しましたが、売上高の順調な回復により経費の増加がカバーされたことにより、営業利益は6億69百万円(同194.1%増)となりました。
また、受取協力金(新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う各自治体からの協力金)1億29百万円(前期比13億円減少)を営業外収益として計上したこと等により、経常利益は7億94百万円(同52.7%減)となりました。なお、採算が悪化した店舗に係る減損損失10百万円を計上したこと等により、当期純利益は5億58百万円(同47.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ6億7百万円減少し、57億73百万円(9.5%減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4億30百万円(前期比68.9%減)となりました。これは、税引前当期純利益7億69百万円、減価償却費3億82百万円による資金の獲得、及び法人税等の支払額7億57百万円による資金の使用によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10億23百万円(前期比59.6%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億23百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、14百万円(前事業年度は29億71百万円の使用)となりました。これは配当金の支払額82百万円による資金の使用によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は一般顧客(最終消費者)へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社は一般顧客(最終消費者)へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年5月16日 至 2023年5月15日) |
前年同期比(%) |
寿司事業(千円) |
19,310,283 |
113.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における資産は4億25百万円増加し、114億2百万円(前期比3.9%増)となりました。主な要因は次のとおりであります。
流動資産は2億94百万円減少し、76億70百万円(同3.7%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金の減少6億7百万円であります。
固定資産は7億19百万円増加し、37億32百万円(同23.9%増)となりました。これは主に、建物(純額)の増加4億13百万円、工具、器具及び備品(純額)の増加1億74百万円及び建設仮勘定の増加63百万円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は59百万円減少し、30億35百万円(同1.9%減)となりました。主な要因は次のとおりであります。
流動負債は61百万円減少し、25億62百万円(同2.4%減)となりました。主な内訳は、未払金の増加3億47百万円及び未払法人税等の減少5億21百万円によるものであります。
固定負債は2百万円増加し、4億72百万円(同0.5%増)となりました。これは主に、資産除去債務の増加2百万円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は4億84百万円増加し、83億67百万円(同6.1%増)となりました。主な内訳は、繰越利益剰余金の増加4億75百万円であります。
b.経営成績の分析について
当事業年度は1店舗の新規出店と2店舗の新築移転を行い、これにより期末時点の店舗数は93店舗となりました。
売上高につきましては、前事業年度と比較して22億76百万円増の193億10百万円(前期比13.4%増)となりました。これは新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かう中で、行動制限の緩和に伴いイートイン客数が回復基調を見せる等、コロナ前の営業活動に急速に回復してきたこと、また価格改定の効果によるものであります。
売上原価は前事業年度と比較して11億9百万円増の81億76百万円(前期比15.7%増)で、原価率は42.3%と前事業年度(41.5%)比0.8%増となりました。これは、輸入食材の高騰や食用油・業務用小麦粉等の副食材の価格が上昇した結果であります。
販売費及び一般管理費は前事業年度と比較して7億25百万円増の104億64百万円(前期比7.5%増)となりました。これは給料及び手当が前期比2億16百万円、外注費が1億28百万円増加したことが主な要因であります。
以上により営業利益は前事業年度と比較して4億41百万円増の6億69百万円(前期比194.1%増)、売上高営業利益率は3.5%(前事業年度は1.3%)となりました。
経常利益は前事業年度と比較して8億84百万円減の7億94百万円(前期比52.7%減)、売上高経常利益率は4.1%(前事業年度は9.9%)となりました。
当期純利益につきましては、不採算店舗の減損損失10百万円(前期比19百万円減)を計上した結果、前事業年度と比較して4億98百万円減の5億58百万円の利益(前期比47.2%減)、売上高当期純利益率は2.9%(前事業年度は6.2%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況について
当事業年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度は新規出店及び店舗改装の設備資金は、原則として自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており借入金による資金調達は行っておりません。運転資金としては納税資金を金融機関からの借入金で調達をしております。当事業年度末のリース債務を含む有利子負債残高は1億92百万円(前事業年度末残高は1億24百万円)となっております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。また、この財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、イートイン需要が復活してきており、一方で、価格改定の効果も手伝って、売上はコロナ禍前の水準まで順調に回復するものと仮定し、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りを行っております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損損失
固定資産の減損損失につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご覧ください。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計
上しております。繰延税金資産の回収可能性は決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しており
ますが、消費の動向や事業環境の変動等により、利益計画及び課税所得の見直しが必要となった場合、当社の翌
事業年度以降の財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響が及ぶ可能性があります。