E00543 Japan GAAP
前期
376.7億 円
前期比
95.9%
株価
4,595 (11/01)
発行済株式数
11,720,000
EPS(実績)
180.63 円
PER(実績)
25.44 倍
前期
640.6万 円
前期比
97.4%
平均年齢(勤続年数)
41.1歳(14.1年)
従業員数
106人(連結:1,299人)
当フジボウグループは、富士紡ホールディングス株式会社(当社)及び子会社12社によって構成され、事業は、超精密加工用研磨材、不織布、化学工業製品の製造・販売、紡績糸及び編物などの素材から二次製品にいたる各種繊維工業品の製造、加工及び販売、車両、自動車部品等の販売、化成品、金型の製造・販売を行っております。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
事業内容と当社及び関係会社の当該事業にかかる位置付け等は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化が一段と進展したことに伴い、緩やかな回復傾向がみられました。一方で中東やウクライナにおける紛争の長期化、中国経済の低迷、常態化する円安などの影響でエネルギー価格の高騰や物価上昇が続くなど、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境の下、当フジボウグループは、中期経営計画『増強21-25』において、計画期間5年間の前半3年を「高収益体質への転換と種まき」ステージと位置づけ、各事業の成長基盤の増強に取り組んでおります。計画3年目となる当期については、事業の柱である研磨材事業は、半導体用途の需要が2022年下期から大幅に減少しましたが、2023年上期後半より底打ちの兆しが見え始め、緩やかな回復基調となりました。化学工業品事業は、中国経済の低迷に加え、電子材料を中心とした市況悪化に直面し、厳しい環境となりました。生活衣料事業は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行されたことにより、行動制限が全面的に解除され、店舗販売は改善傾向に向かいました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比1,560百万円(4.1%)減収の36,108百万円、営業利益は2,054百万円(42.2%)減益の2,818百万円、経常利益は1,764百万円(35.0%)減益の3,276百万円となりました。これに特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比1,282百万円(37.7%)減益の2,117百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
主力の超精密加工用研磨材は、半導体デバイス用途(CMP)は期前半では半導体市場の調整局面の影響を受け受注が減少しましたが、期後半に入り主要半導体メーカー各社の在庫調整が進み、徐々に需要回復の兆しがみられました。シリコンウエハー用途は全体的な半導体デバイスの需要減により受注減、ハードディスク用途はデータセンター向け需要の低迷が継続、液晶ガラス用途においても世界的なインフレにより、テレビ、パソコン、スマートフォンなどで使われる液晶パネルの需要の鈍化もあり受注が減少しました。一方、電気自動車(EV)をはじめとする車載向けやデータセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野では、好調な需要が続きました。
この結果、売上高は前年同期比1,657百万円(11.0%)減収の13,416百万円となり、営業利益は1,740百万円(61.5%)減益の1,087百万円となりました。
機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、昨年度から続く原材料・エネルギーコスト等の上昇を年度初めから販売価格に転嫁し、利益の確保を図りました。しかし、中国経済の低調を背景として化学業界全般的に需要が低迷するなか、とりわけ電子材料市況の悪化が継続し厳しい事業環境となりました。そのため、工場の一部製造ラインにおいては稼働低下を余儀なくされ、利益は圧迫されました。
この結果、売上高は前年同期比144百万円(1.2%)増収の12,519百万円となり、営業利益は142百万円(13.8%)減益の888百万円となりました。
繊維素材は、物流費や原材料費の高騰によるコストアップに加えて、円安が影響し、厳しい環境が続きました。繊維製品は、高収益の年間定番商品は堅調に推移しましたが、残暑や暖冬の影響により秋冬商品が苦戦、委託販売の撤退等も影響し減収となりました。ネット販売では、継続的なSNS、検索広告に加えネット専用製品など商品力向上施策が奏功し伸長しました。一方、高品質な日本製が評価され、海外向け販売は大幅に増加しました。
この結果、売上高は前年同期比327百万円(4.5%)減収の6,952百万円となり、営業利益は107百万円(12.1%)減益の782百万円となりました。
化成品部門は、医療機器用部品の受注が堅調に推移し増収となりました。金型部門は、自動車向け金型ではEV化シフトを含めた開発案件の端境期のため受注が減少しましたが、事務用機器や医療機器用金型では比較的堅調に推移しました。貿易部門は、昨年のコロナ特需の反動と主力車種のモデルチェンジによる生産中止の影響で受注減となりましたが、更なる拡販と収益確保に取り組みました。
この結果、売上高は前年同期比279百万円(9.5%)増収の3,219百万円となり、営業利益は64百万円(52.0%)減益の59百万円となりました。
資産合計は前連結会計年度末に比べて1,143百万円増加の62,512百万円となりました。
流動資産は686百万円増加の23,689百万円となりましたが、これは棚卸資産が減少しましたが、現金及び預金や売上債権が増加したことなどによります。
固定資産は457百万円増加の38,822百万円となりましたが、これは保有株式の時価上昇により投資その他の資産が増加したことなどによります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて91百万円増加の18,539百万円となりました。
流動負債は112百万円減少の11,756百万円、固定負債は203百万円増加の6,782百万円となりました。これは、設備関係支払手形などのその他流動負債が増加したことなどによります。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて1,052百万円増加し、43,973百万円となりました。
これは、剰余金の配当による減少が1,261百万円、自己株式の取得などによる減少が487百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が2,117百万円あったことなどによります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、法人税等の支払などがありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより4,987百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として固定資産の取得による支出により、3,094百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、自己株式の取得や配当金の支払などにより、1,786百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて155百万円増加の8,245百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しておりません。
2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については消去しておりません。
2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べて686百万円増加の23,689百万円となりました。これは棚卸資産が減少しましたが、現金及び預金や売上債権が増加したことなどによります。
固定資産は前連結会計年度末に比べて457百万円増加の38,822百万円となりました。有形固定資産は、研磨材事業を中心に設備投資を実施しましたが、減価償却により微減となりました。無形固定資産については、のれんの償却により減少しました。
資産合計は前連結会計年度末に比べて1,143百万円増加の62,512百万円となりました。
セグメント別では、研磨材事業は335百万円増加の22,263百万円、化学工業品事業は524百万円減少の11,754百万円、生活衣料事業は224百万円増加の5,912百万円、その他の事業は772百万円増加の5,524百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産などの調整額は335百万円増加の17,058百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べて112百万円減少の11,756百万円となりました。これは研磨材事業を中心とした設備投資による設備関係支払手形が306百万円増加しましたが、未払法人税等が減少したことなどによります。
固定負債は前連結会計年度末に比べて203百万円増加の6,782百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が105百万円減少しましたが、長期借入金や繰延税金負債が増加したことなどによります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて91百万円増加の18,539百万円となりました。
株主資本は剰余金の配当による減少が1,261百万円、自己株式の取得などによる減少が487百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が2,117百万円計上されたことなどにより、389百万円増加しました。
その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加などにより、662百万円増加しました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて1,052百万円増加し、43,973百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は前年同期比1,560百万円(4.1%)減収の36,108百万円、営業利益は2,054百万円(△42.2%)減益の2,818百万円となりました。
研磨材事業では、半導体向けは、期前半では半導体市場の調整局面の影響を受け受注が減少しましたが、期後半に入り主要半導体メーカー各社の在庫調整が進み、徐々に需要が回復しました。しかし年間では、CMP用途、シリコンウエハー用途で減収となりました。ハードディスク用途向けについては、データセンター向け需要の低迷が継続し、液晶ガラス用途においてもテレビ、パソコン、スマートフォンなどで使われる液晶パネルの需要鈍化により減収となりました。一方、電気自動車(EV)をはじめとする車載向けやデータセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野では、好調な需要が続きました。
化学工業品事業では、中国経済の低調を背景として化学業界全般的に需要が低迷するなか、電子材料市況の悪化が継続し厳しい事業環境となりました。昨年度から続く原材料・エネルギーコスト等の上昇を年度初めから販売価格に転嫁しましたが、工場の一部製造ラインにおいては稼働低下を余儀なくされ、利益は圧迫されました。
生活衣料事業では、繊維製品においては、高収益の年間定番商品は堅調に推移しましたが、残暑や暖冬の影響により秋冬商品が苦戦、委託販売の撤退等も影響し減収となりました。また、ネット販売では、継続的なSNS、検索広告に加え、ネット専用製品など商品力向上施策が奏功し伸長しました。繊維素材においては、物流費や原材料費の高騰によるコストアップに加えて、円安が影響し、厳しい環境が続きました。
その他の事業では、化成品部門は、医療機器用部品の受注が堅調に推移し増収となりました。金型部門は、自動車向け金型ではEV化シフトを含めた開発案件の端境期のため受注が減少しましたが、事務用機器や医療機器用金型では比較的堅調に推移しました。貿易部門は、昨年のコロナ特需の反動と主力車種のモデルチェンジによる生産中止の影響で受注減となりましたが、更なる拡販と収益確保に取り組みました。
セグメント別の売上高・営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外収益は、化学工業品事業において工場増設による補助金の交付が決定したことなどにより、前年同期比234百万円(52.2%)増加の682百万円、営業外費用は為替差損が改善した他、前連結会計年度に計上した防災対策費用が発生しなかったことなどにより、前年同期比54百万円(19.7%)減少の224百万円となりました。この結果、経常利益は前年同期比1,764百万円(35.0%)減益の3,276百万円となりました。
特別利益は固定資産売却益や有価証券売却益などを計上し、142百万円となりました。特別損失は固定資産処分損79百万円や減損損失88百万円などを計上し、168百万円となりました。
これから法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1,282百万円(37.7%)減益の2,117百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、IT業界の景気状況や競合他社の状況、法的規制などがあります。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画『増強21-25』を策定し、2021年4月よりこれを実行しています。中期経営計画『増強21-25』では、2025年度の連結業績目標を売上高600億円、営業利益100億円、営業利益率16.7%、ROE10%以上、ROIC10%以上、自己資本比率65%以上としております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,987百万円の収入となりました(前年同期比188百万円収入減)。法人税等の支払1,205百万円、売上債権の増加1,165百万円などがありましたが、税金等調整前当期純利益が3,251百万円、減価償却費が3,329百万円計上されたことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは3,094百万円の支出となりました(前年同期比460百万円支出減)。これは主として研磨材事業を中心とした設備投資を実施したことなどによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,786百万円の支出となりました(前年同期比112百万円支出減)。これは、配当金1,258百万円の支払や、自己株式の取得により501百万円支払ったことなどによります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。当社グループの運転資金需要の主なものは、商品・原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、設備投資、M&A等であります。なお、重要な設備投資の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、特に以下の事項は経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。その他の重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。