E00543 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化が一段と進展した一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域の地政学的リスクの高まり、円安の進行に伴う物価上昇など先行きについては依然として不透明な状況となっております。
このような経営環境の下、当フジボウグループは、中期経営計画『増強21-25』において、計画期間5年間の前半3年を「高収益体質への転換と種まき」ステージと位置づけ、各事業の成長基盤の増強に取り組んでおります。計画3年目となる当期については、事業の柱である研磨材事業は、半導体用途の需要が大幅に減少しており、世界的な半導体市場の縮小に底打ち感が見られるものの、本格的な需要回復には至らない状況で推移しました。化学工業品事業は、中国経済の低迷に加え、電子材料を中心とした市況悪化に直面し、厳しい環境となりました。生活衣料事業は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による行動制限の全面解除で店舗販売は改善傾向に向かっています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比2,282百万円(7.9%)減収の26,707百万円、営業利益は2,443百万円(55.0%)減益の2,001百万円、経常利益は2,142百万円(47.1%)減益の2,403百万円となりました。これから特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比1,424百万円(46.3%)減益の1,653百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
主力の超精密加工用研磨材は、半導体デバイス用途(CMP)が、期前半では半導体市場の調整局面の影響を受け受注が減少しましたが、期後半に入り主要半導体メーカー各社の在庫調整が進み、徐々に需要回復の兆しがみられました。シリコンウエハー用途は全体的な半導体デバイスの需要減により受注減、ハードディスク用途はデータセンター向け需要の低迷が継続、液晶ガラス用途においても世界的なインフレにより、テレビ、パソコン、スマートフォンなどで使われる液晶パネルの需要の鈍化もあり受注が減少しました。一方、電気自動車(EV)をはじめとする車載向けやデータセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野では、好調な需要が続いております。
この結果、売上高は前年同期比2,601百万円(21.6%)減収の9,438百万円となり、営業利益は2,117百万円(78.3%)減益の587百万円となりました。
機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、化学業界全般的に需要が低迷する中、とりわけ半導体を中心とした電子材料市況の悪化により厳しい事業環境となっています。機能性材料は一部を除いて受注が低調でしたが、農薬中間体は好調な受注を維持しました。原材料・エネルギー価格高騰による製造コスト上昇部分については、価格転嫁を進めました。
この結果、売上高は前年同期比304百万円(3.4%)増収の9,367百万円となり、営業利益は299百万円(31.6%)減益の647百万円となりました。
繊維素材は、物流費や原材料費の高騰によるコストアップに加えて、円安が影響し、厳しい環境が続きました。繊維製品は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い経済・社会活動の正常化が進んだことにより外出機会が増え、店頭販売を中心に需要が堅調に推移しました。また、ネット販売では継続的なSNS、検索広告に加え転換率・リピーター率向上施策が奏功し伸長しました。
この結果、売上高は前年同期比210百万円(3.7%)減収の5,402百万円となり、営業利益は10百万円(1.6%)増益の654百万円となりました。
化成品事業の成形品部門は、医療機器用部品の受注が堅調に推移し増収となりましたが、デジタルカメラ用成形品は半導体不足の影響を受け減収となりました。金型部門は、自動車向け金型は半導体不足及びEV化シフト過渡期の影響で新型案件が減少し苦戦しましたが、事務用機器や医療機器用金型に強みを持つ会社をグループに加えたことで増収となりました。貿易部門は、昨年のコロナ特需の反動で受注減となっていますが、更なる拡販と収益確保に取り組んでいます。
この結果、売上高は前年同期比224百万円(9.9%)増収の2,499百万円となり、営業利益は38百万円(25.5%)減益の111百万円となりました。
資産合計は前連結会計年度末に比べて317百万円減少の61,051百万円となりました。
流動資産は567百万円減少の22,435百万円となりましたが、これは受取手形及び売掛金やその他流動資産が増加しましたが、現金及び預金が減少したことなどによります。
固定資産は250百万円増加の38,615百万円となりました。これは、減価償却を実施したものの研磨材事業を中心とした設備投資により有形固定資産が増加したことに加え、保有株式の時価上昇により投資その他の資産が増加したことなどによります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて795百万円減少の17,652百万円となりました。
流動負債は1,040百万円減少の10,829百万円、固定負債は244百万円増加の6,823百万円となりました。これは、未払法人税等や設備関係支払手形などのその他流動負債が減少したことなどによります。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて478百万円増加し、43,399百万円となりました。これは、剰余金の配当を1,261百万円実施し、自己株式を313百万円取得したことなどによる減少がありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加が1,653百万円あったことなどによります。
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,062百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次の通りであります。
(注)事業所名(所在地)は現時点の予定であり、今後変更となる可能性があります。