E26842 Japan GAAP
前期
80.0億 円
前期比
214.8%
株価
939 (04/26)
発行済株式数
12,883,150
EPS(実績)
-101.90 円
PER(実績)
--- 倍
前期
600.7万 円
前期比
95.7%
平均年齢(勤続年数)
36.0歳(7.4年)
従業員数
64人(連結:722人)
当社グループは(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社19社、持分法適用関連会社2社の計22社で構成され、「食のあるべき姿を追求する」という共通の経営理念のもとで、食産業において、地鶏や鮮魚等の食材の生産から流通、外食店舗を主とする販売までを一貫して手掛ける「生販直結モデル」による総合的な事業展開をおこなっております。
「生販直結モデル」においては、販売店舗の運営を通じて消費動向を把握しながら、潜在的な競争力を有する全国各地の第一次産業の生産者や行政と直接提携・信頼関係を構築していきます。この生産・販売の直接関係により、無駄な中間流通コストをカットするだけでなく、その商品は誰がどのように生産されたものかを継続して把握することができます。また、当社自身も直営農場や加工場等の設営を行うことで産地を知り、生産者の想いを共有することができます。次に、最適な物流手段や加工方法等の独自の流通ソリューションを立案することで、物流コスト、鮮度及び余剰・未利用品等の課題を解決しています。そして、ブランドストーリーの考案と商品企画により生産地・産品をブランド化するのに加えて、生産者直営店舗であることで安心・低価格・高品質であることを直接伝えることができます。さらに、販売店舗における顧客感動満足を追求する独自の販促手法により、付加価値を高めて消費者に提供しています。このネットワークと一連のプロセスにより、第一次産業の生産者には適正価格で継続的に出荷できることで安心して生産に従事できる環境を、地域には産業の活性化と現地雇用の促進を、販売においては安全で高品質な商品と生産者の想いを背負う社会的意義を、そして消費者に対しては従来よりも高品質低価格な商品・サービスを提供することが可能となり、食産業におけるALL-WINを達成しています。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
当社及び当社の関係会社の事業の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下の2事業はセグメントと同一の区分であります。
当社グループの事業に関わる位置付けは次のとおりであります。
(注)㈱都農ワイン、㈱豊洲漁商産直市場は持分法適用関連会社であります。
生産流通事業
当事業は、「生販直結モデル」の一部として、全国各地の潜在的な競争力を有しながら流通していない食材を選定し、その産地の生産者や行政と直接関係を構築の上で、現地法人を通じて食材の生産及び加工販売を行っております。また、物流コスト、鮮度、余剰部位、店舗納品頻度等、生産地と販売の双方の課題に対して、最適な流通ソリューションの提供を行っております。
具体的には、地鶏への取組みとして、宮崎県が生産管理する「みやざき地頭鶏」について、宮崎県日南市の生産者と行政の理解の下、2006年に現地法人による自社養鶏場での生産を開始、2007年には加工場を建設、2010年には雛センター及び食鳥処理場を統合し、現地における生産一貫体制を確立しました。この取組みをモデルとして、北海道新得町の現地生産組合等と連携の上、現地法人による「新得地鶏」の自社農場での加工と販売を、2012年より鹿児島県の行政や生産者等と連携し「黒さつま鶏」の自社農場での生産と販売を開始し、順次拡大しております。
鮮魚への取組みとして、2010年より宮崎県島野浦の定置網より始まり、宮城県や福井県など多様な地域の漁業事業者と、仲卸業者や卸売市場を通さない直接取引、販売を順次拡大しています。その中で、遠隔地で当日朝に水揚げされた水産物を夕方に首都圏店舗に届ける「今朝獲れ便」による鮮度向上、未利用魚を加工しての商品化等の付加価値向上を行うことで、高品質低価格を実現するとともに、漁業者からの適正価格での買取を継続しております。また、羽田空港近くに鮮魚の配送センターを設置し、自社流通の整備も徐々に取り組んでおります。
その他への取組みとして、関係会社において2010年に東京都中央卸売市場の大田市場青果部の売買参加権を取得し、同市場で青果物の直接買入と販売を行っているほか、青果物について全国各地の生産者との直接取引、販売を行っております。
(主な関係会社)㈱地頭鶏ランド日南、㈱新得ファーム、㈱カゴシマバンズ、㈱豊洲漁商産直市場
(注)雛センターは月間素雛生産羽数、各養鶏場は月間飼養羽数、食鳥処理場は月間食鳥処理羽数、加工場は月間食肉加工羽数を記載。
販売事業
当事業は、「生販直結モデル」の一部として、生産地・産品のブランドストーリーの創出と独自の企画開発を通じてブランド化された商品を、主に塚田農場(地鶏)、四十八漁場(鮮魚)等の中価格帯(客単価3,500円~4,500円)の居酒屋業態、及び鮨、焼鳥、ホルモン、鴨、串揚げなどの専門店業態(客単価2,000円~15,000円)の外食事業、並びに弁当やデリバリーなどの中食事業において、顧客感動満足を追求する独自の販促手法により付加価値を高めて販売しております。
当事業の具体的な特徴は、生産地・産品のブランド化とその伝達にあります。現地との直接関係を通じて創出されたブランドストーリーと独自に企画開発された商品は、店内装飾やメニューブック上での、どのような生産者がどのように生産しているのかという生産情報と共に、生産者直営店である安心・信頼感の中で消費者に届けられます。
また、コロナ禍を通じて消費環境が大きく変化したこともあり、外食事業ではデジタルを活用した生産性と顧客体験価値の引き上げに取り組んでおります。モバイルオーダーの導入や自社サイトにおける予約機能の拡充を進めるとともに、店頭・卓上双方のサイネージやクラウドカメラ、配膳ロボットなど新しく世に出てきた技術のトライアルも積極的に進めており、再来店動機の創出を行っています。
以上の共通の特徴を持ちながら、外食事業におきましては、地鶏の直営店は「宮崎県日南市塚田農場」、「北海道シントク町塚田農場」及び「鹿児島県霧島市塚田農場」等、鮮魚の直営店は「四十八漁場」、「日本橋墨之栄」等、食肉の直営店は「芝浦食肉」、「平澤精肉店」等の、40超のブランドを国内160店舗及び海外19店舗を展開しております。また、「宮崎県日南市じとっこ組合」はライセンス方式により20店舗展開しております。
2023年3月31日現在の詳細は下表のとおりです。
(主な関係会社)㈱エー・ピーカンパニー
AP Company International Singapore Pte., Ltd.、
AP Company USA Inc.、㈱塚田農場プラス、PT.APC International Indonesia
㈱リアルテイスト、AP Place Hong Kong Co., Ltd.、㈱APスタンディングフーズ
㈱AP B.CUE、㈱AP Restory
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもと、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要があります。
外食業界におきましても、コロナ禍での生活習慣の変化で夜間利用の戻りは鈍く、更にかつてない資源価格や原材料の仕入価格の高騰に加え、人件費の上昇等によって依然厳しい状況が続いております。
このような環境の中、当社グループにおきましては消費環境の変化に対応し、付加価値の高い商品の開発や販売におけるサービスの更なる強化に取り組んでおります。「食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、DX化の推進などによる既存ブランドの再構築を行うことで、生産者との継続的な深い関わりに基づく商品力を基軸とした新たなビジネスに取り組むなど、専門店化への事業モデルの転換に努めております。
(生産流通事業)
生産流通事業では、「生販直結モデル」の一部として、地鶏の生産事業及び、鮮魚・青果物などの生産並びに流通事業を行っております。食産業全般において、仕入価格の不安定化が事業課題になっておりますが、当社グループにおいては主要食材を当社グループ会社や安定した契約農家などから調達できることが事業の安定化につながっており、それが強みとなっております。
直近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う行動制限の解除によって販売事業の売上高が増加したことにより、地鶏の生産量や野菜の流通量は徐々に増加しており、加えて、地鶏のグループ外への販売も堅調に推移しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,362百万円(前年同期比78.5%増)、セグメント損失は12百万円(前年同期はセグメント損失202百万円)となりました。
(販売事業)
販売事業では、「生販直結モデル」の一部として、主に外食店舗を運営しております。
コロナ禍を通じて消費環境が大きく変化したこともあり、国内飲食事業では、売上高は回復途上で、まだコロナ前の水準にまで戻り切ってはおりませんが、このような環境の中でも来るべき本格回復時期に売上高・利益を最大化するべく、様々な取り組みを進めてまいりました。
改めて産地や食材に向き合った商品の開発については、最も店舗数の多い塚田農場業態にて積極的な取り組みを進めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は16,544百万円(前年同期比117.7%増)、セグメント損失は1,722百万円(前年同期はセグメント損失3,567百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は17,175百万円(前年同期比114.8%増)、営業損失は1,734百万円(前年は営業損失3,769百万円)、経常損失は1,103百万円(前年同期は経常利益1,598百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,312百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益31百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より331百万円増加し、1,817百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,023百万円となりました。これは主に雇用調整助成金・新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金に関する未収入金の回収による収入1,313百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は560百万円となりました。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出513百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は159百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入658百万円及び株式発行による収入850百万円と長期借入金の返済1,325百万円の差額によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ544百万円減少し、9,139百万円となりました。これは主に現金及び預金が331百万円、売掛金が393百万円増加したものの、雇用調整助成金・新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金に関する未収入金が967百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度に比べ119百万円減少し、当連結会計年度における負債合計は9,021百万円となりました。これは主に返済により長期借入金が667百万円減少したためです。
純資産につきましては、前連結会計年度に比べ424百万円減少し、当連結会計年度における純資産合計は118百万円となりました。これは主に新株の発行及び資本金からの振替により資本準備金が876百万円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失により1,312百万円減少したためです。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、17,175百万円(前年同期比114.8%増)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、生産流通事業が1,362百万円(前年同期比78.5%増)、販売事業が16,544百万円(前年同期比117.7%増)となっており報告セグメントの合計は17,906百万円となっております(連結売上高との差額は内部取引によるものです)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う行動制限の解除によって販売事業の売上高が回復したことが影響し、生産流通事業の売上高も増加しております。
(営業利益又は営業損失)
当連結会計年度は営業損失1,734百万円(前年は営業損失3,769百万円)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、生産流通事業がセグメント損失12百万円(前年はセグメント損失202百万円)、販売事業がセグメント損失1,722百万円(前年はセグメント損失3,567百万円)となっており報告セグメント合計はセグメント損失1,734百万円(前年はセグメント損失3,769百万円)となっております(営業利益との差額は連結上の調整額によるものです)。生産流通事業は、売上高が増加したことにより、セグメント利益が増加となっております。販売事業においても、売上高が回復したことにより、セグメント利益は前年より増加となりました。
(経常利益又は経常損失)
当連結会計年度は経常損失1,103百万円(前年は経常利益1,598百万円)となりました。これは、主に新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金187百万円や雇用調整助成金334百万円があったことにより営業外収益が合計805百万円となったことと、借入れによる支払利息108百万円など営業外費用が合計174百万円となったことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1,312百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益31百万円)となりました。これは減損損失116百万円を計上したこと等によるものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は6,847百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,817百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。