E02548 Japan GAAP
前期
1,112.5億 円
前期比
110.2%
株価
1,437 (04/24)
発行済株式数
29,007,708
EPS(実績)
166.53 円
PER(実績)
8.63 倍
前期
974.9万 円
前期比
104.9%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(9.4年)
従業員数
273人(連結:687人)
当社の企業集団は、当社とその連結子会社19社、非連結子会社5社で構成され、ゴム、化学品、機械機器、自動車部品、科学機器その他各種商品の輸出入、国内販売を主な内容とし、更に各事業に関する技術サービス、研究およびその他のサービス等の事業活動を展開しています。
当社およびグループ会社の各セグメントにおける位置づけは次のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、コロナ禍からの経済活動の再開により景気回復が進んでいる一方、長期化するウクライナ情勢の悪化に伴う地政学的リスクの高まり、資源価格の高騰、金利上昇による世界経済の減速が懸念される状況となっています。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観しますと、米国では、インフレの影響による企業のコスト増と、インフレ抑制のための金融引き締めにより、景気は緩やかに減速しました。中国では、昨年末のゼロコロナ政策解除以降、設備投資や個人消費が回復したものの、低調な不動産投資や高止まりする失業率等が懸念材料となり、景況感は悪化しました。アセアンでは、米国の利上げによる通貨安に伴って輸入物価が上昇するといったマイナス要因はありますが、個人消費が拡大し景気は堅調に推移しています。
日本では、原材料やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁によるインフレ傾向がみられるものの、内需の活性化やコロナ制限の緩和及び円安の影響によるインバウンド需要の回復等、景気は回復基調にあります。
このような事業環境のもと当社グループでは、最終年度を迎えた長期経営計画「VISION 2023」に沿って、強みを活かした付加価値の高いビジネスを追求・深化させ、既存事業の強化に加え、新規ビジネスの開発、グローバル展開の更なる加速、新規投資の推進などに継続して取り組み、グループを挙げて業績の向上に努めてまいりました。
新規投資としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)が益々進展する中、ビジネス環境の変化や顧客のデジタル化ニーズ及びグループ内のデジタル化への対応を迅速に進めるため、㈱コスモ・コンピューティングシステムをグループ会社化することで、システム開発を内製化し、ビジネスにより近いところで迅速にデジタルサービスを提供する体制を構築しました。また、KOTAIバイオテクノロジーズ㈱(以下「KOTAI」)をグループ会社化することで、2022年2月にグループ会社化した㈱スクラムによるバイオ研究支援機器・試薬の販売に加え、KOTAIによる遺伝子解析受託サービスから創薬研究支援までを行うことにより、バイオ関連事業を強化しました。
新規事業開発を担う事業開発室の取組みとしては、太陽光を利用した冷却効果に基づくコーティングフィルムを研究開発するイスラエルのスタートアップ企業SOLCOLD LTDに投資を行ったほか、スタートアップ企業との交流及び最先端技術の情報収集、並びにシナジー効果を追求し、注力領域であるファインケミカル、ライフサイエンス、サステナビリティ分野における次世代事業創出に取り組むため、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター㈱が設立した UMI3号脱炭素投資事業有限責任組合に出資を行いました。
この結果、当連結会計年度の売上高は122,596百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業利益は6,740百万円(前連結会計年度比26.7%増)、経常利益は7,149百万円(前連結会計年度比13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,830百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
ゴム関連商品は、販売単価上昇や戦略商品の拡販などで売上は前期比増加したものの、円安による仕入価格高騰や販売先の在庫調整などで利益は減少しました。
化学品関連商品は、新規取扱商材の拡販などが進み、売上は前期比増加しましたが、市場の需要鈍化や円安による仕入価格高騰の影響を受け、利益は前期並みとなりました。
ライフサイエンス関連商品は、香料、染料などが好調を維持したものの、電材、機能性食品原料などが低調でした。
この結果、化成品の売上高は38,298百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は2,185百万円(前連結会計年度比12.9%減)となりました。
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産回復が進んだことで、売上、利益ともに好調に推移しました。
機械・環境関連商品は、大型設備投資が控えられた影響などで低調でしたが、保守・部品サービスの強化に努めました。
科学機器関連商品は、耐候性・腐食試験機、粒子分散測定機器などが堅調に推移しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が好調で、石油・ガス関連機材も堅調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は好調に推移しました。
㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は復調しました。なお、当期より新東洋機械工業㈱を連結の範囲に含めています。
この結果、機械資材の売上高は47,044百万円(前連結会計年度比29.5%増)、営業利益は4,450百万円(前連結会計年度比40.3%増)となりました。
Sanyo Corporation of Americaは、フィルム関連は堅調でしたが、自動車関連は低調でした。三洋物産貿易(上海)有限公司は、リチウムイオン電池関連は堅調に推移したものの、自動車関連は低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連が堅調でした。Sanyo Trading India Private Limitedは、ゴム関連が好調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、景気の落込みの影響を受け、低調でした。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連が好調でした。
この結果、海外現地法人の売上高は36,039百万円(前連結会計年度比2.6%減)、営業利益は1,347百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,155百万円増加し、57,288百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の時価評価額の増加等により、前連結会計年度末に比べ3,522百万円増加し、11,248百万円となりました。
(負債)
流動負債は、賞与引当金の増加等により、前連結会計年度末に比べ648百万円増加し、22,661百万円となりました。
固定負債は、長期借入金や繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ351百万円増加し、1,985百万円となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益の計上による株主資本の増加や、その他有価証券評価差額金の増加等によるその他の包括利益累計額が増加しました。
この結果、前連結会計年度末に比べ4,678百万円増加し、43,890百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、6,900百万円(前連結会計年度末比1,182百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,917百万円の収入(前連結会計年度比9,312百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,914百万円の支出(前連結会計年度比1,105百万円の減少)となりました。㈱コスモ・コンピューティングシステムやKOTAIの株式取得に係る支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,867百万円の支出(前連結会計年度比3,731百万円の減少)となりました。これは主に親会社の配当金支払いによる支出です。
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
受注実績と販売実績の差異が僅少の為、記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1. セグメント間の取引は相殺消去しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に有価証券の評価、固定資産の評価、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っています。
見積りおよび判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
a.経営成績の分析
(売上高)
売上高は122,596百万円となり、前連結会計年度に比べ11,346百万円の増収となりました。日系自動車メーカーの生産が回復したことや過去に実施したM&Aが着実に成長に貢献したことにより売上高が大きく増加しました。
(営業利益)
売上の増加に伴い、売上総利益は20,473百万円と前連結会計年度に比べ3,328百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は人員増による人件費の増加や販売費の増加等により13,732百万円と前連結会計年度に比べ1,907百万円増加しました。この結果、営業利益は6,740百万円となり、前連結会計年度に比べ1,421百万円の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は7,380百万円と前連結会計年度に比べ856百万円の増益となりました。当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券売却益の計上により、230百万円の利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,830百万円と前連結会計年度に比べ533百万円の増益となりました。
b.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりです。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および投資等の資金需要に対して、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、不足分は金融機関からの短期/中長期借入金で調達しています。
また、売掛/手形/電子記録債権の流動化による資金調達手段の多様化や、当社および国内子会社間で導入しているキャッシュ・マネジメント・システムによりグループにおける余剰資金を効率的にグループ内で活用するなど、安定的な流動性の確保と金融費用の削減を図っています。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。