売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00873 IFRS

売上高

2.49兆 円

前期

2.23兆 円

前期比

111.7%

時価総額

1.17兆 円

株価

720 (04/24)

発行済株式数

1,631,481,403

EPS(実績)

44.64 円

PER(実績)

16.13 倍

平均給与

756.4万 円

前期

734.3万 円

前期比

103.0%

平均年齢(勤続年数)

40.3歳(17.2年)

従業員数

6,992人(連結:48,682人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社及び当社の関係会社310社(子会社266社・関連会社等44社)において営まれている主な事業の内容は、下記製品の製造、加工及び販売です。なお、以下の事業区分は、セグメント情報における事業区分と同一です。

事業区分

主要製品

繊維事業

ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、人工皮革、アパレル製品

機能化成品事業

ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、ポリエステル・ポリエチレン・ポリプロピレン等のフィルム及びフィルム加工品、合成繊維・プラスチック原料、ファインケミカル、電子情報材料、印写材料

炭素繊維複合材料事業

炭素繊維・同複合材料及び同成形品

環境・エンジニアリング事業

総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、情報関連機器、水処理用機能膜及び同機器、住宅・建築・土木材料

ライフサイエンス事業

医薬品、医療機器

その他

分析・調査・研究等のサービス関連事業

 

 

各事業区分における、当社及び当社の関係会社の位置付けや、主要な関係会社の名称を示した事業系統図は、以下のとおりです。

※画像省略しています。

(注) 1.複数の事業に携わっている会社は、各事業区分に記載しております。

2.商事会社は事業区分が多岐に渡るため、事業規模が最大の事業区分に記載しております。

3.上記会社名の○は子会社、△は関連会社等を示しております。

 

23/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来における事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況の概要及び分析

当連結会計年度の世界経済は、ウクライナ情勢に伴う資源価格の高止まりや中国のゼロコロナ政策によるロックダウン、及び欧米を中心としたインフレの進行と利上げの影響により、成長が鈍化しました。国内経済については、コロナ禍からの回復が続いていますが、資源高の進行が、円急落と相まって同回復に対して下押し圧力となりました。

このような事業環境の中で、当社グループは2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”を実行しました。

以上の結果、当社グループの連結業績は、売上収益は前期比11.7%増の2兆4,893億円、事業利益は同27.3%減の960億円となりました。営業利益は同8.4%増の1,090億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同13.5%減の728億円となりました。

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減率(%)

売上収益

22,285

24,893

11.7

事業利益

1,321

960

△27.3

営業利益

1,006

1,090

8.4

親会社の所有者に

帰属する当期利益

842

728

△13.5

 

 

セグメントごとの売上収益は、前期に比べ、機能化成品事業を除くすべてのセグメントで増収となりました。事業利益は、繊維事業、炭素繊維複合材料事業、環境・エンジニアリング事業で増益となった一方、機能化成品事業、ライフサイエンス事業で減益となりました。

セグメントごとの売上収益及び事業利益、並びに事業利益の増減要因は、以下のとおりです。

 

(単位:億円)

 

売上収益

前連結
会計年度

当連結
会計年度

増減

繊維事業

8,362

9,992

1,630

機能化成品事業

9,100

9,094

△6

炭素繊維複合材料事業

2,152

2,817

665

環境・エンジニアリング事業

1,993

2,288

295

ライフサイエンス事業

520

538

18

その他(注)1

159

164

5

合計

22,285

24,893

2,608

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

事業利益

増減の内訳

 

前連結
会計年度

当連結
会計年度

増減

数量差

価格差

費用差
ほか

海外子会社の邦貨換算差

繊維事業

422

512

91

 

19

24

13

34

機能化成品事業

910

304

△606

 

△469

△148

13

△1

炭素繊維複合材料事業

16

159

143

 

115

117

△93

5

環境・エンジニアリング事業

165

197

32

 

63

34

△73

8

ライフサイエンス事業

14

2

△12

 

△3

6

△16

1

その他・調整額(注)1、2

△206

△214

△8

 

1

△9

△0

合計

1,321

960

△360

 

△273

33

△167

47

 

(注) 1.「その他」は分析・調査・研究等のサービス関連事業等です。

2.「調整額」はセグメント間取引消去及び全社費用です。

 

・「数量差」は、世界経済の成長鈍化に伴う販売量、生産量の減少を主因に、合計で273億円の減益要因となりました。

・「価格差」は、原燃料価格が前期に比べ上昇しましたが、販売価格への転嫁を進め、合計で33億円の増益要因となりました。

・「費用差ほか」は、運輸費の高止まりの影響や営業費の増加等により、合計で167億円の減益要因となりました。

 

セグメントごとの経営成績の詳細は、以下のとおりです。

 

 (繊維事業)

衛材用途は需給バランス悪化の影響で低調に推移しましたが、衣料用途で、コロナ禍からの回復が見られました。産業用途は一部地域で自動車用途の需要が回復傾向となりました。また、ほぼ全ての用途・地域において、原燃料価格の高騰及び運輸費の高止まりの影響を受けました。

以上の結果、繊維事業全体では、売上収益は前期比19.5%増の9,992億円、事業利益は同21.5%増の512億円となりました。

 

 (機能化成品事業)

機能化成品事業は原燃料価格高騰の影響を受けました。

樹脂・ケミカル事業は、ファインケミカル事業が好調に推移しましたが、樹脂事業は国内及び中国市場の需要減少等の影響により低調となりました。フィルム事業の光学用途・電子部品関連、及び電子情報材料事業の有機EL関連材料・回路材料において、サプライチェーンの在庫調整により、需要が減少しました。

以上の結果、機能化成品事業全体では、売上収益は前期比0.1%減の9,094億円、事業利益は同66.6%減の304億円となりました。

 

 (炭素繊維複合材料事業)

航空宇宙用途の需要が回復傾向となったほか、一般産業用途において圧力容器用途が拡大しました。また、原燃料価格の上昇に対し、価格転嫁を推進しました。

以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上収益は前期比30.9%増の2,817億円、事業利益は同143億円増の159億円となりました。

 

 

 (環境・エンジニアリング事業)

水処理事業は、逆浸透膜などの需要が堅調に推移し、新たに稼働を開始した設備が業績に寄与しました。

国内子会社では、エンジニアリング子会社でリチウムイオン二次電池関連装置の出荷が増加しました。

以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上収益は前期比14.8%増の2,288億円、事業利益は同19.2%増の197億円となりました。

 

 (ライフサイエンス事業)

医薬事業は、経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®が海外向けに数量を拡大したものの、経口そう痒症改善薬レミッチ®(注)において、後発医薬品発売の影響を受けたほか、薬価改定の影響を受けました。

医療機器事業は、血液透析ろ過用のダイアライザーが国内で堅調に推移しましたが、原燃料価格高騰の影響を受けました。

以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上収益は前期比3.5%増の538億円、事業利益は同86.2%減の2億円となりました。

 

(注) レミッチ®は、鳥居薬品㈱の登録商標です。

 

 (その他)

売上収益は前期比3.4%増の164億円、事業利益は同17.0%減の25億円となりました。

 

 (生産、受注及び販売の状況)

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

(2) 財政状態の状況の概要及び分析

当連結会計年度末の財政状態は、資産・負債ともに、円安による海外子会社の円換算額増加の影響がありました。

資産は、棚卸資産や有形固定資産、その他の金融資産が増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べ1,502億円増加し3兆1,940億円となりました。

負債は、社債及び借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ140億円増加し1兆5,582億円となりました。

資本は、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加を主因に、前連結会計年度末に比べ1,362億円増加し1兆6,358億円となり、このうち親会社の所有者に帰属する持分は1兆5,350億円となりました。当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ1.9ポイント上昇し48.1%、D/Eレシオは同0.05低下し0.62となりました。

 

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況の概要及び分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加が投資活動による資金の減少を425億円上回った一方、配当金の支払や有利子負債の減少を主因に財務活動による資金の減少が574億円となったこと等により、前連結会計年度末に比べ64億円減の2,240億円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業債務及びその他の債務の減少額が前期比391億円増加した一方、営業債権及びその他の債権の減少額が同373億円増加、棚卸資産の増加額が同423億円減少したこと等により、営業活動による資金の増加は同69億円(5.0%)増の1,452億円となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産及び無形資産の取得による支出が前期比100億円増加したこと、投資の売却及び償還による収入が同326億円減少したこと等により、投資活動による資金の減少は同456億円(79.7%)増の1,027億円となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

社債の償還及び長期借入金の返済が前期比229億円増加した一方、短期借入債務の純増額が同776億円増加したこと等により、財務活動による資金の減少は同441億円(43.5%)減の574億円となりました。

 

② 資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資などの長期資金需要と当社製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金需要です。このうち、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」に記載しております。

 

③ 財務政策

当社グループは、資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で、最適なタイミング、規模、手段を判断して資金調達を実施しております。また、財務健全性を維持しつつ、事業拡大を推進することを基本方針とし、運転資金の圧縮、固定資産の稼働率向上、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ内余剰資金の有効活用等、資産効率の改善にも取り組んでおります。

財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物などの流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入金、社債等による資金調達により、事業拡大に必要な資金を十分に賄えると考えております。また、業績やキャッシュ・フローの悪化等により緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、国内外の金融機関とコミットメントライン契約、当座貸越契約等を締結し、資金流動性を確保しております。

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況

① 財務目標

2020年度から2022年度までの3か年を対象とする中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”においては、地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献するグリーンイノベーション(GR)事業、医療の充実と健康長寿、公衆衛生の普及促進に貢献するライフイノベーション(LI)事業を成長分野として、「積極的な投資による事業拡大」という基本戦略を維持しつつ、成長戦略を可能にする事業構造改革や財務構造強化を両輪で推進することに取り組んできました。

2022年度の売上収益は、コロナ禍で落ち込んだ2020年度からの需要回復を取り込み、原燃料価格の転嫁、為替換算差もあって伸長しましたが、“プロジェクト AP-G 2022”計画からはコロナ禍に起因する行動変容や供給制約による航空機、自動車向け等の数量未達により、目標比1,107億円の減収となりました。また、2022年度の事業利益は、数量減及びウクライナ情勢の長期化による原燃料価格高騰の影響を主因に、目標比840億円の減益となりました。フリー・キャッシュ・フローとD/Eレシオは、財務体質強化により、目標比大幅に改善しました。

“プロジェクト AP-G 2022”の財務目標の達成状況は以下のとおりです。

 

2020年度実績

2021年度実績

2022年度実績

 

2022年度目標

売上収益

18,836億円

22,285億円

24,893億円

 

26,000億円

事業利益

903億円

1,321億円

960億円

 

1,800億円

事業利益率

4.8%

5.9%

3.9%

 

7%

ROA (注)

3.2%

4.5%

3.1%

 

約7%

ROE

3.9%

6.4%

5.0%

 

約9%

フリー・キャッシュ・フロー

2,373億円

(3年間累計)

 

1,200億円以上

(3年間累計)

D/Eレシオ

0.79

0.67

0.62

 

0.8程度

(ガイドライン)

 

(注) 事業利益/資産合計(期首・期末平均)

 

② サステナビリティ目標

「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」の「2030年度に向けた数値目標(KPI)」に対する進捗は以下のとおりです。

 

2013年度実績

(基準年度)

(日本基準)

2022年度実績

(2013年度比)

(IFRS)

2030年度目標

(2013年度比)

(IFRS)

サステナビリティイノベーション製品の供給

5,624億円

2.3倍

4.5倍

バリューチェーンへのCO2削減貢献量

0.4億トン

9.5倍

25倍

水処理貢献量

2,723万トン/日

2.5倍

3.5倍

生産活動によるGHG排出量の売上高・売上収益原単位

337トン/億円

35%削減(注)

50%以上削減

日本国内のGHG排出量

245万トン

21%削減(注)

40%以上削減

生産活動による用水使用量の売上高・売上収益原単位

15,200トン/億円

32%削減(注)

50%以上削減

 

(注) 基準年度である2013年度の値は、2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出しております。

 

サステナビリティの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成において採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。