売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02103 Japan GAAP

売上高

4,259.4億 円

前期

4,410.8億 円

前期比

96.6%

時価総額

8,885.7億 円

株価

2,537.5 (04/18)

発行済株式数

350,175,139

EPS(実績)

182.43 円

PER(実績)

13.91 倍

平均給与

679.1万 円

前期

678.6万 円

前期比

100.1%

平均年齢(勤続年数)

42.4歳(14.2年)

従業員数

4,938人(連結:9,847人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社16社、非連結子会社3社、持分法適用関連会社1社により構成されています。

当社グループの事業は半導体(注1)メーカー向けシリコンウェーハの製造及び販売を主体とした「高純度シリコン事業」のみの単一セグメントであります。

 

(1) 高純度シリコン事業について

当社グループが製造及び販売を行う半導体用シリコンウェーハは、当社グループの顧客である半導体メーカーがメモリーやロジック等の各種半導体を製造するうえで基板材料として用いられるものであります。

半導体の製造工程においては、シリコンウェーハの口径が大きいほど一枚当たりのシリコンウェーハから切り出される半導体の個数が多くなるため生産性が向上し、さらに、半導体を切り出す際に周縁部で無駄となる部分の割合が減ることで歩留りが向上するため、半導体メーカーにおけるコスト削減の要請に応え、シリコンウェーハの口径は100mmから、125mm、150mm、200mm、300mmと世代毎にその口径が大きくなっております。

このような背景のもと、当社グループは、国内外の製造拠点において、各口径のポリッシュトウェーハ(注2)や、その表面にさらに特殊加工を施したエピタキシャルウェーハ(注3)等の製造を行っております。

 

(2) 当社グループの生産体制及び販売体制について

(半導体用シリコンウェーハの製造工程及び製造方法)

半導体用シリコンウェーハの製造工程は、大きく「単結晶引上工程」と「ウェーハ加工工程」に区分されます。単結晶引上工程においては、結晶炉内に設置した高純度石英ルツボ(注4)の中で加熱溶融した多結晶シリコンを、時間をかけて単結晶を成長させながら引き上げることにより、単結晶シリコンのインゴット(塊)を製造いたします。次に、ウェーハ加工工程において、単結晶引上工程にて製造された単結晶シリコンインゴットを厚さ1mm以下にスライスし、研削、研磨、洗浄等の工程を経てシリコンウェーハ(ポリッシュトウェーハ)に仕上げます。さらにポリッシュトウェーハの表面に特殊加工を施したエピタキシャルウェーハ等の製品も製造しております。

 

(当社グループの生産体制)

当社グループにおいて、300mmウェーハについては、佐賀県伊万里市、佐賀県杵島郡江北町、山形県米沢市、長崎県大村市、台湾に製造拠点を置いております。

200mm以下のウェーハについては、佐賀県伊万里市、佐賀県杵島郡江北町、山形県米沢市、北海道千歳市、長崎県大村市、宮崎県宮崎市、米国、インドネシア、台湾に製造拠点を置いております。

 

(当社グループの販売体制)

当社グループの販売体制は、全世界の半導体メーカーに対応するため、次のような体制としております。

日本国内では東京、大阪、福岡に営業拠点を置き、北米地域では米国に販売機能を置いております。また、アジア地域には台湾及びシンガポールに営業活動を行う子会社を置くとともに、台湾及び韓国に技術サポートを行う子会社を置いております。欧州とその近隣地域では、英国の販売子会社が営業活動を行っております。

 

 

(注1)半導体

一般に「半導体」という場合、物質・物性の呼び名でなく、半導体を材料として用いて作られたダイオードやトランジスタ、またトランジスタ等の集積回路であるIC(これらを総称して「デバイス」ともいいます。)等を指します。

 

(注2)ポリッシュトウェーハ

半導体用のシリコンウェーハの表面はインゴット状の単結晶から円板状にスライスされた後、鏡面加工を施されます。この状態のウェーハを「ポリッシュトウェーハ」といいます。

 

(注3)エピタキシャルウェーハ

ポリッシュトウェーハの表面上に、反応炉内で気相成長法によって薄いシリコン単結晶層を形成させ、これによって表面部分の品質を高めたものであります。

 

(注4)高純度石英ルツボ

シリコン単結晶を製造する際に使用される容器には、加熱溶融した原材料にシリコン以外の不純物が混入しないことが求められることから、高純度石英ルツボが使用されます。

 

 

[事業系統図]

以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(※は連結子会社)

 

※画像省略しています。

 

24/03/29

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における半導体市場は、パソコンやスマートフォン・データセンター等の最終需要が低迷し、関連するロジックやメモリーの生産調整が続きました。

300mmシリコンウェーハ需要は、顧客の生産調整の影響で年間を通じて減少しました。

200mm以下につきましても、電気自動車(EV)分野が堅調でしたが、民生・産業向けが落ち込んだことで、需要の減少が続きました。

 

このような環境のもと、当社グループでは「SUMCOビジョン」の実現に向け、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により先端製品の高シェアを維持するとともに、AIを活用した生産性向上により、コスト競争力の強化にも努めてまいりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高425,941百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益73,080百万円(前年同期比33.4%減)、経常利益72,627百万円(前年同期比34.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益63,884百万円(前年同期比9.0%減)となりました。

なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当連結会計年度末における財政状態は、資産合計は1,073,087百万円(前年同期比180,531百万円増)、負債合計は437,559百万円(前年同期比136,488百万円増)、純資産合計は635,527百万円(前年同期比44,043百万円増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ102,951百万円減少し、156,353百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが96,342百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△247,677百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが43,456百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が4,926百万円となったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は「高純度シリコン」のみの単一セグメントであり、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

高純度シリコン

322,428

107.3

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

b.受注実績

当社グループの生産及び販売製品は、大半が受注生産形態をとらないため、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

高純度シリコン

425,941

96.6

 

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事株式会社

89,235

20.2

102,478

24.1

Samsung Electronics

Co., Ltd.

52,675

11.9

43,687

10.3

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

当連結会計年度におけるシリコンウェーハ市場は、最終製品であるパソコンやスマートフォン、データセンターなどの需要が低迷し、顧客のロジックやメモリー製品の生産調整が続いた結果、年間を通じて需要が減少する厳しい事業環境となりました。

このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループ業績は、価格の改善や円安効果はあったものの、販売数量が減少した結果、売上高425,941百万円営業利益73,080百万円親会社株主に帰属する当期純利益63,884百万円を計上し、営業利益率は17.2%、ROEは11.6%となりました。

 

b.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ180,531百万円増加し、1,073,087百万円となりました。現金及び預金が102,782百万円減少した一方で、有形固定資産が251,623百万円増加したことが主な要因であります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ136,488百万円増加し、437,559百万円となりました。長期借入金が79,522百万円増加したこと、及び設備関係支払手形及び設備関係未払金が59,064百万円増加したことが主な要因であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ44,043百万円増加し、635,527百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が33,420百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が7,374百万円増加したこと、並びに非支配株主持分が5,439百万円増加したことが主な要因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ83,119百万円減少し、96,342百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益が92,711百万円、減価償却費が71,425百万円、負ののれん発生益が△20,084百万円、法人税等の支払額が△30,859百万円であったことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が121,325百万円増加し、△247,677百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が△256,910百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が9,920百万円であったことが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、43,456百万円となりました。これは、長期借入れによる収入が112,365百万円であった一方で、長期借入金の返済による支出が△30,432百万円、配当金の支払額が△30,464百万円、非支配株主への配当金の支払額が△6,935百万円であったことが主な要因であります。

 

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、継続的な収益向上に取り組んでおり、獲得した資金につきましては、設備投資資金に充てる一方で、財務体質の健全性にも留意しつつ、大規模な設備投資の資金需要に対しても、機動的かつ効果的に対応してまいります。

また、当社は、適正な株主還元を経営の重要課題として認識しており、柔軟かつ積極的な株主還元を実施してまいります。

 

(資金需要の主な内容)

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、生産能力増強、製品の高精度化、研究開発を目的とした設備投資等があります。

 

(資金の流動性)

資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えております。

 

(資金調達)

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金及び外部資金を有効に活用しております。

また、安定的な外部資金調達能力の確保は重要な経営課題と認識しており、取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成において、資産・負債及び収益・費用の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで行なっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。