E00572 Japan GAAP
前期
123.6億 円
前期比
108.0%
株価
1,837 (04/19)
発行済株式数
4,967,151
EPS(実績)
167.70 円
PER(実績)
10.95 倍
前期
566.8万 円
前期比
105,769.2%
平均年齢(勤続年数)
44.3歳(22.9年)
従業員数
564人(連結:687人)
当社の企業集団は、当社及び子会社7社(連結子会社7社)により構成され、抄紙用具関連事業、工業用事業の2部門に亘り、製造、販売に至る事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連を図示すると次のとおりとなります。
連結子会社は次のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに持ち直しているものの、原油価格等の高騰などエネルギー価格の高止まり、それに伴う原材料価格の高騰、及び日米金利差拡大による円安ドル高の進行など、一進一退を繰り返す状況となっております。
当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界の動向は、国内につきましては板紙及び衛生用紙等の需要は横ばいで推移しておりますが、新聞用紙及び印刷情報用紙の需要は、新型コロナウイルス禍以前の水準までは回復に至らず減少傾向が続いております。海外につきましては、アジア地域において通販市場の拡大に伴う板紙及び衛生用紙の需要があるものの、新聞用紙及び印刷情報用紙は国内と同様に需要の減少傾向が続くと見込まれるなど、厳しい状況が継続しております。これを受け、当社は世界的な紙の需要減を見込み、抄紙用フエルトのコスト競争力を強化するべく生産体制の最適化を進めると同時に、原材料価格等の高騰によるコスト上昇に対応するため、製品価格への転嫁を推進してまいりました。加えて、品質面では衛生用紙向けベルトが世界的に評価され、拡販につなげるべく積極的な受注活動を行ってまいりました。
このような状況の中、原材料価格やエネルギー価格高騰による売上原価の増加、海上輸送の混乱や原油価格高騰による運送コストの増加がありましたが、期中における国内製品価格改定の実施、海外フエルトの増販に加え、為替が円安に推移した影響により、連結売上高は13,344百万円(前期比8.0%増)、連結営業利益は800百万円(前期比50.7%増)、連結経常利益は1,044百万円(前期比37.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は833百万円(前期比59.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
<抄紙用具関連事業>
(日本)
内需につきましては、抄紙用フエルトは需要の減少により販売数量が減少いたしましたが、製品価格への転嫁を推進したことにより売上高は増加いたしました。輸出につきましては、抄紙用フエルトは中国国内の一部顧客の商流を当社直販に変更したため販売数量が増加いたしました。
これに加え為替影響により、売上高は8,633百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益(営業利益)は2,041百万円(前期比12.3%増)となりました。
(北米)
抄紙用フエルト及びベルトは、新型コロナウイルス感染症の影響による一部顧客の生産調整の一巡、及び板紙向けの需要増に加え受注活動が奏功し販売数量が増加いたしました。
これに加え為替影響により、売上高は1,735百万円(前期比24.5%増)、セグメント利益(営業利益)は98百万円(前期比111.5%増)となりました。
(欧州)
抄紙用フエルトは、販売製品の選択と集中を行ったため販売数量が減少いたしました。抄紙用ベルトは、衛生用紙向け製品の品質が評価され販売数量が増加いたしました。
これに加え為替影響により、売上高は1,970百万円(前期比16.5%増)、セグメント利益(営業利益)は126百万円(前期比25.8%増)となりました。
(中国)
抄紙用フエルト及びベルトは、中国国内の景気減速に加え一部顧客の商流を当社直販に変更したため販売数量が減少いたしました。
これにより、売上高は143百万円(前期比70.8%減)、セグメント利益(営業利益)は38百万円(前期比45.9%減)となりました。
(タイ)
抄紙用フエルトは、販売製品の選択と集中を行ったため販売数量が減少いたしましたが、製品価格への転嫁を推進したことにより売上高は増加いたしました。
これに加え為替影響により、売上高は313百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益(営業利益)は59百万円(前期比32.8%増)となりました。
<工業用事業>
工業用フエルトは、需要拡大が期待されている高温成型用の耐熱緩衝材の販売数量が増加いたしました。
この結果、売上高は547百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益(営業利益)は69百万円(前期比4.2%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ910百万円増加し、26,643百万円となりました。これは主として現金及び預金が1,332百万円増加した一方、有形固定資産が658百万円減少したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ163百万円増加し、7,128百万円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が225百万円増加した一方、未払法人税等が122百万円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ747百万円増加し、19,515百万円となりました。これは主として利益剰余金が553百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ1,329百万円増加し、5,765百万円(前年度末比30.0%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下の通りであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,045百万円の計上、非資金費用である減価償却費1,005百万円の計上、法人税等の支払による支出450百万円などにより1,729百万円の収入(前期比149百万円の収入増)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入132百万円、有形固定資産の取得による支出207百万円などにより103百万円の支出(前期比354百万円の支出減)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出279百万円などにより369百万円の支出(前期比6百万円の支出増)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 受注生産品以外に仕入商品があります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に対し8.0%増加し13,344百万円となりました。国内売上高は、印刷情報用紙向け需要の減少により抄紙用フエルトの販売数量は減少しましたが製品価格への転嫁を推進したことにより、前連結会計年度に対し0.6%増の5,948百万円となりました。海外売上高は、抄紙用ベルトは衛生用紙向け製品の品質が評価されたものの景気減速の影響があり販売数量は減少しましたが、抄紙用フエルトは北米における板紙向け需要の増加により販売数量は増加し、また為替が円安に推移したことにより、前連結会計年度に対し14.8%増加し7,396百万円となり、海外売上高の比率は55.4%となりました。
当連結会計年度の売上原価は、生産体制の最適化を進めることで生産性は向上したものの、原材料価格やエネルギー価格高騰により当社製造費用が増加したことで、前連結会計年度に対し222百万円増加し7,915百万円となりました。販売費及び一般管理費は、海上輸送の混乱や原油価格高騰による輸送コストの増加や販売活動の再開に伴う出張コストの増加等により、前連結会計年度に対し496百万円増加し4,628百万円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に対し28百万円減少し312百万円となりました。営業外費用は前連結会計年度に対し45百万円減少し68百万円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対し309百万円増加し833百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に対して67.61円増加し182.06円となりました。
第7次中期経営計画策定時と当連結会計年度を比較して、為替は円安ドル高が進み原油価格は高騰するなど環境は大きく変わっております。
当連結会計年度は海外売上高の増加により増収・増益となりましたが、中期経営計画2年目にあたる翌連結会計年度につきましては、後半以降世界的な景気の減速が見込まれることや、国内市場での紙のデジタル化による構造的な需要縮小やグローバル市場での競争の更なる激化、加えて原材料価格やエネルギー価格高騰など、極めて厳しい経営環境が続いていく見通しであります。このような見通しの中、当社グループは、中期経営計画に基づき、生産体制の最適化を進めコスト競争力を高めるなどの諸施策を推進することにより、グローバル競争力を強化してまいります。また、当社グループの製品・サービス・それらを提供する社員を含めた、あらゆる面においてお客様から「世界一の品質」と評価されるよう努めることで、企業価値の増大に邁進してまいります。
当社グループは、製品売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び設備投資などに備えるために、自己資金のほか金融機関からの借入により資金調達を図っております。グループ会社の資金については必要に応じて当社より融資しております。また、グループ会社の金融機関からの借入について当社が債務保証を行っております。
これら営業活動及び財務活動により調達した資金については、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用することで金融負債の縮小化を図っております。また、当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関と当座貸越契約を締結しており、高水準で推移している現預金と併せ、中期経営計画で掲げた戦略投資を機動的に実施することが可能となっています。
今後とも入出金の厳格な管理により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の拡大を目指し、財務体質の向上に努めてまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。