株式会社力の源ホールディングス

ブランドなど:一風堂
小売業飲食店プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E33011 Japan GAAP

売上高

261.2億 円

前期

194.0億 円

前期比

134.6%

時価総額

517.6億 円

株価

1,711 (04/23)

発行済株式数

30,253,000

EPS(実績)

53.83 円

PER(実績)

31.79 倍

平均給与

527.6万 円

前期

502.6万 円

前期比

105.0%

平均年齢(勤続年数)

38.8歳(5.2年)

従業員数

26人(連結:498人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社を持株会社とする持株会社制を導入しており、当社、連結子会社13社で構成されております。また、国内外において、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手がける事業モデル

を志向し、報告セグメントは事業種類別に、博多ラーメン専門店「一風堂」及び一風堂のフードコート業態「RAMEN

EXPRESS」に加えて「名島亭」、「因幡うどん」といったブランドを展開する国内店舗運営事業、海外において

「IPPUDO」ブランドを中心に展開する海外店舗運営事業、そば・ラーメンの製麺及び卸販売並びに、一風堂関連商品の小売を中心とする商品販売事業を主な事業として展開しております。

 創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために、変わり続ける」の下、ラーメンをはじめとする日本食の普及をグローバルに実現することを目指すとともに、より高いレベルでの顧客満足の獲得と更なる企業価値の向上にむけて尽力しております。

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 当社グループの事業における関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

① 国内店舗運営事業

 国内店舗運営事業におきましては、「一風堂」ブランドを中核に、「名島亭」、「因幡うどん」といった複数ブランドの直営店舗の運営事業を行っております。創業時より37年間継続してきた伝統的な「一風堂」に加え、商業施設内のフードコートを中心に展開する「RAMEN EXPRESS」、「プラントベースラーメン」を常時提供する一風堂新宿ルミネエスト店等の新コンセプトショップの展開も行いつつ、「一風堂」ブランドの更なる進化と価値向上に努めております。

 

イ.主要なブランド及び運営会社は下表のとおりであります。

ブランド

主な事業内容

主な運営会社

一風堂

※画像省略しています。

オリジナルブレンド小麦を使用した自家製麺、独自工法による自社生産スープ、居心地の良さと楽しさを追求した店舗デザイン、スタッフ教育等「味」「雰囲気」「サービス」のすべてに拘ったラーメン専門店ブランドであります。「白丸元味」、「赤丸新味」、「極からか麺」を看板商品に、都心路面店、都心ビルイン、ロードサイド等の様々な立地に対して、年齢・性別を問わず、単身からファミリーまで幅広い顧客層をターゲットに店舗を展開しております。

(株)力の源カンパニー

(株)渡辺製麺(注)

RAMEN EXPRESS

※画像省略しています。

2011年より参入した当業態は、より手軽にスピーディーに本格的なラーメンを楽しんで頂くブランドであります。現在は、商業施設内フードコートを中心に出店しております。

 

 

ブランド

主な事業内容

主な運営会社

名島亭

※画像省略しています。

久留米ラーメンと、福岡長浜の屋台ラーメンをルーツに持つ福岡の老舗ラーメン店ブランドであります。九州ならではの細麺と独特の風味の豚骨スープのラーメンを提供しております。

(株)力の源カンパニー

(株)渡辺製麺(注)

因幡うどん

※画像省略しています。

創業72年の老舗「博多うどん」店。福岡市内に9店舗を運営し「博多うどん」の代表格にもあげられております。厳選された食材と昔ながらの製法を守った「出汁」、博多独特のやわらかい「麺」が特徴のうどん業態となっております。

(株)力の源カンパニー

 

(注)「一風堂」、「RAMEN EXPRESS」、「名島亭」で使用する原材料の製造・販売を行っております。

 

ロ.暖簾分け制度(フランチャイズモデル)について

 当社グループにおける国内店舗の運営形態には、直営形態と、暖簾分け制度による形態があります。暖簾分け制度とは、「一風堂」商標及び営業ノウハウをライセンス供与しロイヤリティを受領する制度であります。店舗運営技術と企業理念への理解度、事業計画等を審査項目とする社内審査を通過した従業員が、当社を退社したのちに会社を設立し代表取締役(店主)となったうえで、新規出店または店舗の譲渡により、店舗運営を行います。また、飲食事業へ造詣の深い外部法人による新規出店や、店舗の譲渡による展開も併せて進めております。なお、2023年3月末現在において、この制度で22店舗が運営されております。

 

② 海外店舗運営事業

 海外店舗運営事業におきましては、海外子会社の統括管理を行う「CHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGS PTE. LTD.」を中間持株会社とし、日本の代表食であるラーメンをはじめとする日本食を、日本の文化やおもてなしの精神とともに全世界へ普及することを目指し、「IPPUDO」ブランドを中核とした直営店舗の運営、並びに現地運営パートナー企業へのライセンス供与事業を行っております。事業展開エリアは、直営は、北米(アメリカ)、欧州(イギリス、フランス)、オーストラリア、シンガポール、台湾、インドネシアに展開し、また、ライセンス(フランチャイズモデル)は、中国・香港、マレーシア、タイ、フィリピン、ミャンマー、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドに展開しております。直営・ライセンス合わせて世界14カ国・地域(日本を除く)に拡大し、今後も世界各国への事業展開を積極的に進めてまいります。

 また、現地における麺、スープ等の製造・販売にも事業を拡大しており、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手掛ける事業モデルのグローバル展開を進めており、世界市場において、さらなる日本食の普及に努めてまいります。

 

 

主要なブランド及び運営会社は以下のとおりであります。

 

ブランド

主な事業内容

主な運営会社

IPPUDO

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

主力商品は日本国内同様に「白丸元味」「赤丸新味」等となっていますが、進出国の多様性に合わせダイニングスタイルの店舗設計を施しているほか、サイドメニューを充実した商品ラインナップを取り揃えております。

「味」「雰囲気」だけでなく、サービスにおいても「メイドインジャパン」を打ち出した「おもてなし教育」を徹底したうえで、各地のカルチャーに合わせたローカライズを実施し、高い集客と客単価の獲得に成功しております。

・IPPUDO NY, LLC

・IPPUDO CA, LLC

・IPPUDO SINGAPORE

PTE. LTD.

・IPPUDO AUSTRALIA

PTY LTD

・IPPUDO LONDON

CO. LIMITED

・IPPUDO PARIS

・PT.IPPUDO

CATERING

INDONESIA

・台湾一風堂股份有限公司

IPPUDO EXPRESS

※画像省略しています。

アジア・オセアニアの空港などの公共施設や商業施設内フードコートを中心に展開しております。IPPUDOのサブブランドとして、より手軽にスピーディーに本格的なとんこつラーメンを楽しんで頂くためのフードコート専用ブランドであります。

・IPPUDO SINGAPORE

PTE. LTD.

・台湾一風堂股份有限公司

KURO-OBI

※画像省略しています。

アメリカの商業施設内フードコートを中心に展開しております。ニューヨークスタイルを取り込んだフードコート専用ブランドで、店内でのイートインだけでなく、テイクアウトも行える業態となっております。提供されるスープもとんこつと鶏白湯をブレンドして使用したオリジナルブランドであります。

・IPPUDO NY, LLC

・IPPUDO CA, LLC

GOGYO

※画像省略しています。

「飲んで、つまんで、締めにラーメン」をコンセプトにしたラーメンダイニング業態であります。落ち着いた雰囲気の中、看板商品の「焦がし醤油ラーメン」「焦がし味噌ラーメン」を中心に、様々な和食一品料理も提供しております。

・IPPUDO AUSTRALIA

PTY LTD

 

会社名

主な事業内容

CHIKARANOMOTO GLOBAL

HOLDINGS PTE. LTD.

海外子会社の統括管理、海外ライセンス先の運営指導等

IPPUDO USA HOLDINGS, INC.

米国子会社の統括管理

 

 

③ 商品販売事業

 商品販売事業におきましては、業務用を中心とした、「信州蕎麦」「うどん」「つゆ」等の製造及び販売、「一風堂」の味をご家庭でもお楽しみ頂くことをコンセプトに開発しております「おうちでIPPUDOシリーズ」の展開並びに、自社サイト「麺ズマーケット」におけるEC事業を行っており、一般消費者から飲食企業に至るまで幅広い客層に対して商品を提供しております。また、暖簾分け(フランチャイズ)店舗への食材の販売、「一風堂」商標のライセンス供与や、シンガポールにおいては業務用食品の製造及び販売を行っております。

 

 

主要な運営会社は以下のとおりであります。

 

会社名

主な事業内容

(株)渡辺製麺

業務用向け及び一般消費者向けの麺(そば、ラーメン、うどん等)、つゆ、調味料や「おうちでIPPUDOシリーズ」の製造及び販売

自社ECサイト「麺ズマーケット」における販売

(株)力の源カンパニー

暖簾分け(フランチャイズ)店舗への食材の販売、「一風堂」商標のライセンス供与等によるロイヤリティ収入

IPPUDO SINGAPORE PTE. LTD.

シンガポールにおける業務用食品の製造及び販売

 

 

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

 

 セグメント別及びエリア別の出店状況は次のとおりであります。

セグメント

エリア

2019年

3月末

店舗数

2020年

3月末

店舗数

2021年

3月末

店舗数

2022年

3月末

店舗数

2023年

3月末

店舗数

国内店舗運営事業

日本(注1)

151

158

149

143

139

海外店舗運営事業

アメリカ

11

14

13

12

11

シンガポール

11

9

10

11

13

オーストラリア(注2)

8

9

9

9

12

イギリス

3

4

4

4

4

フランス

3

3

3

3

3

中国(含む香港)(注3)

32

32

30

28

20

マレーシア(注3)

5

6

8

10

11

台湾

11

15

14

15

16

タイ(注3)

16

18

18

19

21

フィリピン(注3)

9

10

10

11

10

インドネシア

4

5

6

6

8

ミャンマー(注3)

1

2

2

2

2

ベトナム(注3)

1

2

2

2

1

ニュージーランド(注3)

-

1

2

2

2

小計

115

130

131

134

134

合計

266

288

280

277

273

(注)1.2019年3月末で9店舗、2020年3月末で22店舗、2021年3月末で22店舗、2022年3月末で23店舗、2023年3月末で22店舗のライセンス形態にて運営する店舗が含まれております。

2.2019年3月末で2店舗、2020年3月末で2店舗、2021年3月末で2店舗、2022年3月末で2店舗、2023年3月末で3店舗のライセンス形態にて運営する店舗が含まれております。

3.海外におけるライセンス契約先パートナーの運営する店舗であります。

4.商品販売事業につきましては、運営する店舗がないため、記載しておりません。

 

 セグメント別及びブランド別の出店状況は次のとおりであります。

セグメント

ブランド名

2019年

3月末

店舗数

2020年

3月末

店舗数

2021年

3月末

店舗数

2022年

3月末

店舗数

2023年

3月末

店舗数

国内店舗運営事業

一風堂(注1)

93

93

90

100

106

RAMEN EXPRESS

31

36

35

28

22

五行

3

3

-

-

-

そば蔵・そば茶屋

3

3

1

1

1

名島亭

4

5

5

5

3

PANDA EXPRESS(注2)

3

6

8

-

-

因幡うどん

6

8

9

9

7

その他

8

4

1

-

-

小計

151

158

149

143

139

海外店舗運営事業

IPPUDO(注3)

104

117

118

121

123

IPPUDO EXPRESS

3

5

5

6

4

GOGYO(注3)

2

2

2

2

3

KURO-OBI

5

6

6

5

4

その他

1

-

-

-

-

小計

115

130

131

134

134

合計

266

288

280

277

273

(注)1.2019年3月末で9店舗、2020年3月末で22店舗、2021年3月末で22店舗、2022年3月末で23店舗、2023年3月末で22店舗のライセンス形態にて運営する店舗が含まれております。

2.PANDA EXPRESSにつきましては、2022年3月に8店舗を譲渡しております。

3.海外におけるライセンス契約先パートナーの運営する店舗が含まれております。

4.商品販売事業につきましては、運営する店舗がないため、記載しておりません。

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルスの感染者数は減少し、行動制限が解除され、人流が回復したことにより、経済活動は正常化に向かいつつあります。一方で、2022年2月からのロシア・ウクライナ情勢に起因する原材料及びエネルギー価格の上昇や、世界的なインフレ率の上昇、円安の急速な進行、労働人口の減少等による人件費の上昇、さらには、2023年3月に発生した米国における金融政策に端を発した金融機関の破綻等、様々な不安定要素が混在している状況が継続しております。

 当社グループの属する外食産業について、国内においては、新型コロナウイルス感染症にかかる規制は2022年3月以降解除され、人流の回復や、2022年10月以降は入国規制の緩和等によるインバウンドが回復傾向にあること、感染症法の位置づけも季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げられる等、明るい兆しがある一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、当期初から続く円安等、引き続き厳しい経済状況にあります。

 海外においては、新型コロナウイルス感染症について、2022年1月から4月にかけて、一部の国や地域において感染拡大の影響があったものの、その後は順調に回復に向かっております。一方で、上述の地政学的な不安定要素並びに厳しい経済環境において、原材料及びエネルギー価格の高騰や、サービス産業における人財不足が懸念され、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。

 このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、新規に15店舗を出店し、さらに植物由来の原材料のみを使用するプラントベース商品をレギュラーメニューとした一風堂新宿ルミネエスト店をリニューアルオープンしたことに加え、入国規制の緩和に伴って、2022年4月より一風堂成田空港店の営業を再開しております。一方で、定期借家契約が満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等を19店舗閉店いたしました。モバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策の推進に取り組んでコストを削減、季節商品や地域限定商品の提供に注力し、売上を増加させました。さらに、2022年7月より原材料及びエネルギー価格の上昇への対応として、価格改定を実施し利益を確保いたしました。

 海外においては、新型コロナウイルス感染症にかかる規制緩和後の客数の回復が国内に比べて非常に早かったと同時に、国内同様の施策を実施した効果に加え、原材料等のコスト上昇への対応としての価格改定を各国の情勢に合わせて実施、さらに当期初より続く為替の影響により、大幅な増収増益となりました。

 商品販売につきましては、国内では、一風堂関連商品の、B2B営業の強化を実施したほか、新たな取り組みとして、Yo-Kai Express Inc.による米国発のラーメン自動調理機「Yo-Kai Express」事業の国内展開に参画しております。また海外では、食の多様性に対応した「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの輸出販売が好調に推移しております。

 当連結会計年度末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で273店舗(国内139店舗、海外134店舗、前期末比国内4店舗減、海外増減なし)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高は26,116百万円(前期比34.6%増)となりました。営業損益は、既存店の収益力強化、並びに新店が早期から利益貢献したことにより、2,281百万円の利益(前期比

117.1%増)となりました。経常損益は2,321百万円の利益(前期比114.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純損益は、1,628百万円の利益(前期比76.3%増)となりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,206百万円増加し、17,477百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,633百万円減少し、9,837百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,839百万円増加し、7,640百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高26,116百万円(前期比34.6%増)、営業利益2,281百万円(前期比

117.1%増)、経常利益2,321百万円(前期比114.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,628百万円(前期比76.3%増)となりました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 国内店舗運営事業につきましては、売上高11,489百万円(前期比10.6%増)、セグメント損益は623百万円の利益(前期比26.6%増)となりました。

 海外店舗運営事業につきましては、売上高11,753百万円(前期比72.9%増)、セグメント損益1,489百万円の利益(前期比143.8%増)となりました。

 商品販売事業につきましては、売上高2,872百万円(前期比29.7%増)、セグメント損益402百万円の利益(前期比49.5%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,274百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,149百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は2,852百万円(前連結会計年度は1,704百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,863百万円の計上、減価償却費879百万円及び減損損失482百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、法人税等の支払額664百万円を計上したこと等によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は967百万円(前連結会計年度は923百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入131百万円、敷金及び保証金の回収による収入112百万円があったものの、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出838百万円、投資有価証券の取得による支出137百万円、敷金及び保証金の差入による支出170百万円があったこと等によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は71百万円(前連結会計年度は167百万円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入で1,936百万円があったものの、長期借入金の返済による支出1,986百万円があったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業(千円)

-

-

海外店舗運営事業(千円)

-

-

商品販売事業(千円)

810,546

135.4%

合計(千円)

810,546

135.4%

(注)1.金額は、製造原価によっております。

2.国内店舗運営事業及び海外店舗運営事業は、店舗運営が主であり生産を行っておりません。

3.当連結会計年度における生産実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり

であります。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業(千円)

2,773,838

106.8%

海外店舗運営事業(千円)

3,194,167

221.7%

商品販売事業(千円)

1,020,230

127.4%

合計(千円)

6,988,235

144.4%

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり

であります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業(千円)

一風堂

7,999,571

127.5%

その他

3,490,278

84.9%

小計

11,489,850

110.6%

海外店舗運営事業(千円)

IPPUDO

10,067,670

163.7%

その他

1,686,171

260.1%

小計(千円)

11,753,841

172.9%

商品販売事業(千円)

2,872,465

129.7%

合計(千円)

26,116,157

134.6%

(注)1.当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。

2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり

であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りにより作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示ならびに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。これらの連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

(固定資産の減損処理)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しておりますが、事業計画や経営環境の変化により、当該将来キャッシュ・フローを見積るにあたって前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、減損損失が増加する可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 繰延税金資産については、将来の事業計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

 なお、固定資産の減損損失につきましては、「3.事業等のリスク(12)固定資産の減損会計について」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。

 

②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,206百万円増加し17,477百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,971百万円増加したこと、売掛金が159百万円増加したこと、棚卸資産が115百万円増加したこと、繰延税金資産が105百万円増加したこと、定借満了店舗や不採算の店舗等の戦略的閉店等により有形固定資産及び無形固定資産が234百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,633百万円減少し9,837百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が229百万円増加したこと、有利子負債が1,941百万円減少したこと、未払金が205百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ3,839百万円増加し7,640百万円となり、自己資本比率は43.7%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加が1,628百万円増加したこと、新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金が1,952百万円増加したこと等によるものであります。

 

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は26,116百万円(前期比34.6%増)となりました。

 国内店舗運営事業につきましては、新型コロナウイルス感染症にかかる規制は2022年3月以降解除され、人流の回復や入国規制の緩和等によるインバウンドが回復傾向にあるものの、夜間並びに深夜時間帯の客足は充分に回復していないことから、売上は緩やかな回復に留まりました。このような状況のもと、新規に15店舗を出店した他、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を19店舗行いました。以上の結果、国内店舗運営事業の売上高は前期比10.6%増となりました。

 海外店舗運営事業につきましては、感染拡大による客数減少が、1月と2月にアメリカとオーストラリアで、4月と5月に台湾で発生したものの、その後は客数が急速に回復し、当セグメントの売上は好調に推移しました。以上の結果、海外店舗運営事業の売上高は前期比72.9%増となりました。

 商品販売事業につきましては、国内では、主力である一風堂関連商品の売上を強化すべく、一風堂チルド麺の導入や、新商品投入による商品ラインナップの充実、自社ECサイトにおける販促施策・小売事業者への営業に注力し、さらには、ラーメン自動調理機「Yo-kai Express」への商品の供給および開発を行っております。海外では「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの拡販に努めた結果、プラントベース商品の関心の高まりから、輸出販売が好調に推移いたしました。以上の結果、売上高は前期比29.7%増となりました。

 

(営業損益)

 当連結会計年度の営業利益は2,281百万円の利益(前期比117.1%増)となりました。

 国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに、店舗スタッフのシフトコントロール、モバイルオーダーの導入、本社機能の簡素化、業務フローの見直し等、各種経費削減並びに経営効率化の施策を実施いたしました。また、不採算店舗の閉店を実施した他、売上高が増加したことに伴い、国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに増益となりました。

 商品販売事業においても、固定費の削減及び運営体制見直し等の収益性改善に取り組んだほか、一風堂関連商品の販売強化が奏功し、増益となりました。

 

(経常損益)

 当連結会計年度の経常利益は2,321百万円の利益(前期比114.3%増)となりました。これは主に、賃貸収入等の営業外収益215百万円を計上した一方で、支払利息62百万円及び賃貸収入原価115百万円等の営業外費用を計上したことで、営業利益2,281百万円から40百万円の増加となりました。

 

(税金等調整前当期純損益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,863百万円(前期比100.3%増)となりました。これは主に、休業に伴う補助金収入及び固定資産売却益等により特別利益を175百万円計上したものの、減損損失及び投資有価証券評価損等により特別損失を633百万円計上したことにより、経常利益2,321百万円から457百万円の減少となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,628百万円(前期比76.3%増)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を235百万円計上したことによるもので、税金等調整前当期純利益1,863百万円から235百万円の減少となりました。

 

セグメント別の業績の概況

<国内店舗運営事業>

 国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて14店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて10店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて4店舗、「名島亭」ブランドにおいて2店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて3店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は139店舗(前期末比4店舗減)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」2店舗について「一風堂」への業態変更を行っております。

 新型コロナウイルス感染症にかかる規制は2022年3月以降解除され、人流の回復や入国規制の緩和等によるインバウンドが回復傾向にあるものの、夜間並びに深夜時間帯の客足は充分に回復していないことから、売上は緩やかな回復に留まりました。このような状況のもと、新規に15店舗を出店した他、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を19店舗行いました。また、モバイルオーダー及び卓上タブレットオーダー、食券機の導入等による生産性の向上を引き続き図っております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,489百万円(前期比10.6%増)となりました。セグメント損益は、前期に実施した店舗運営・管理業務のシステム化や不採算店舗の閉店等の各種コスト削減施策により、623百万円の利益(前期比26.6%増)となりました。

 

<海外店舗運営事業>

 海外店舗運営事業につきましては、シンガポールに2店舗、オーストラリアに3店舗、台湾に2店舗、タイに2店舗、インドネシアに2店舗、マレーシアに1店舗、中国に2店舗出店した一方で、アメリカで1店舗、台湾で1店舗、中国で10店舗、フィリピンで1店舗、ベトナムで1店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は134 店舗(前期末比増減なし)となりました。

 当連結会計年度の当セグメントにおける対象期間(2022年1月1日から2022年12月31日まで)の状況は、感染拡大による客数減少が、1月と2月にアメリカとオーストラリアで、4月と5月に台湾で発生したものの、その後は客数が急速に回復し、当セグメントの売上は好調に推移しました。しかしながら全世界的なインフレ傾向を受け、原材料価格の高騰や、賃金・物流費の上昇等、コスト面において様々な対応が求められました。このような状況のもと、当社は、提供商品の見直し、人財配置の見直し、DX施策の導入等で、各地域の店舗運営体制の抜本的な見直しを行いました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,753百万円(前期比72.9%増)となりました。セグメント損益は、コロナ禍からの急速な回復と上述の施策による売上の増加、各種コスト削減施策を実施したことにより、1,489百万円の利益(前期比143.8%増)となりました。

 

<商品販売事業>

 商品販売事業につきましては、国内では、主力である一風堂関連商品の売上を強化すべく、一風堂チルド麺の導入や、新商品投入による商品ラインナップの充実、自社ECサイトにおける販促施策・小売事業者への営業に注力し、さらには、ラーメン自動調理機「Yo-kai Express」への商品の供給および開発を行っております。海外では「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの拡販に努めた結果、プラントベース商品の関心の高まりから、輸出販売が好調に推移いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,872百万円(前期比29.7%増)、セグメント損益は402百万円の利益(前期比49.5%増)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループは出店資金を主に銀行借入及び増資等の方法により調達しております。

 当連結会計年度においては、有償新株予約権の行使にて1,932百万円を調達しております。また、期末日現在の現金及び現金同等物の残高は7,274百万円であり、当座貸越契約の未実行残高は1,000百万円であります。

 なお、当社グループは新型コロナウィルスの感染拡大による影響とその長期化に備えて、必要に応じて資金調達を行っております。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、国内外ともに新規出店を進めており、売上高・営業利益・営業利益率・ROEを経営指標とし、各指標の向上を目指しております。

 各指標の進捗状況は下記のとおりであります。

 

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

売上高

16,539百万円

19,398百万円

26,116百万円

営業利益又は営業損失(△)

△980百万円

1,050百万円

2,281百万円

営業利益率

△5.9%

5.4%

8.7%

ROE

△93.5%

36.2%

28.5%

 

経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現するために、ひとりのお客様に一杯のラーメンを通じて、真心をこめて商品やサービスを提供しております。2023年3月31日現在では日本国内にて139店舗、欧米やアジアを中心に海外14の国と地域で134店舗、合わせて273店舗を展開しております。そのために、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載した課題を克服し、今後もラーメンとともに「笑顔とありがとう」を伝え、顧客満足度向上への取り組みに注力してまいります。加えて、出店数を増加させることで事業を拡大させ、顧客価値向上とともに企業価値を高め、ステークホルダーの利益最大化の実現にも努めてまいります。