E33000 IFRS
前期
2,813.0億 円
前期比
107.3%
株価
2,999 (04/24)
発行済株式数
116,069,184
EPS(実績)
71.16 円
PER(実績)
42.15 倍
前期
865.2万 円
前期比
89.6%
平均年齢(勤続年数)
42.2歳(3.1年)
従業員数
247人(連結:7,134人)
当社は、持株会社として当社グループの経営方針策定・経営管理を担当しており、当社グループは、当社及び連結子会社18社で構成され、直営方式による回転すし店のチェーン展開を主たる事業としております。
当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(国内スシロー事業)
子会社である株式会社あきんどスシローが国内において、回転すし店の「スシロー」を展開しております。
(海外スシロー事業)
子会社であるSushiro Korea, Inc.、Sushiro Taiwan Co., Ltd.、Sushiro GH Singapore Pte. Ltd.、FOOD & LIFE COMPANIES HONG KONG LIMITED、Sushiro GH (Thailand) Ltd.、広州寿司郎餐飲有限公司、深セン寿司郎餐飲有限公司、成都寿司郎餐飲有限公司において、回転すし店の「スシロー」の海外店舗を展開しております。
(京樽事業)
子会社である株式会社京樽において、持ち帰りすし専門店の「京樽」及び寿司職人が寿司を提供する「回転寿司みさき」「海鮮三崎港」等を展開しております。
(その他)
主として子会社である株式会社FOOD & LIFE INNOVATIONSにおいて、寿司居酒屋の「鮨・酒・肴 杉玉」を展開しております。
当社グループの事業の系統図は以下のとおりであります。
(事業系統図)
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類へ移行され、行動制限が撤廃されたこと等から、人の動きに回復傾向がみられる一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴い原材料価格やエネルギー価格が高止まりしているのみならず、円安が進行しており、様々な物価が高騰し、先行き不透明な状況が続いております。
外食業界におきましても、同様にロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う原材料価格やエネルギー価格の高止まりや円安の進行、様々な物価の高騰等により引き続き厳しい状況になっております。
このような状況の中、当社グループでは、「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」をVISIONとして、日々の食を美味しくすることで、お客様の生活や人生までゆたかにしたいという願いに向けて、商品開発、店内調理、安心・安全の取り組み及びサービスの向上に取り組んでまいりました。
また、業態別店舗数は以下のとおりであります。
[当社グループ業態別店舗数]
( )内は内数でテイクアウト専門店・FCの店舗数
以上の結果、財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
(資産)
総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ18,699百万円増加し、350,682百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3,409百万円増加し、71,401百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が1,060百万円及びその他の金融資産が932百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ15,291百万円増加し、279,280百万円となりました。これは主に、新店出店等により有形固定資産が14,125百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,090百万円増加し、278,937百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ27,425百万円増加し、81,491百万円となりました。これは主に、社債の一部における非流動負債からの振り替えに伴い、社債及び借入金が19,998百万円増加したこと及び営業債務及びその他の債務が2,645百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ15,335百万円減少し、197,446百万円となりました。これは主に、社債の一部における流動負債への振り替え及び借入金の返済等により、社債及び借入金が23,971百万円減少した一方でリース負債が9,065百万円増加したこと等によるものであります。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末に比べ6,610百万円増加し、71,744百万円となりました。これは主に、配当金の支払により2,603百万円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により7,899百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の経営成績は、売上収益301,747百万円(前連結会計年度比7.3%増)、営業利益11,001百万円(前連結会計年度比8.7%増)、税引前利益9,864百万円(前連結会計年度比30.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,899百万円(前連結会計年度比119.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(国内スシロー事業)
国内スシロー事業につきましては、円安や水産資源の減少等による食材の調達コスト、物流費、地代、人件費、設備・建設資材の高騰など、飲食業を含めて事業会社を取り巻く環境の変化はこれまでに無いほど急激で大きなものがあり、2022年10月1日より、国内におけるスシロー全店において、価格の改定を行っております。
そのような中、2023年1月には、スシロー店舗における迷惑動画がSNSにおいて掲載され、拡散されました。このような行為は、お客さまへ安全・安心な「おすし」を提供する上で、お客さまとの信頼関係を損なう重大な事案であると重く受け止めております。お客さまの信頼回復に向けて、対象店舗において、すべての湯呑の洗浄、しょうゆボトルの入れ替えを実施し、今後の防止策としては、テーブルに備え付けの食器や調味料にご不安をお感じになられた場合の消毒済のものへの交換、全国の郊外型店舗に対してアクリル板の設置の実施などを行っております。
業績回復に向けた取り組みとして、「スタミナ祭」では、大切りうなぎやキムチを使ったうま辛ネタなどのスタミナ満点の商品を提供し、「ハイキュー!!」とのコラボでは、初となるアニメとのコラボとして、「盛ってこーい!!!ハイキュー!!頂すし!」のコラボメニューやコラボグッズ付き商品の販売、コラボグッズが当たるSNSキャンペーンなどの企画をお客さまにお楽しみいただき、「満腹 デカネタ祭」では、本鮪大切り中とろやダブルジャンボ貝柱、えび天マウンテンなどをご堪能いただきました。
また、2023年7月より、"スシローのこだわりの語り部"として落語家の笑福亭鶴瓶さんを起用し、新TV-CMを全国で放映し、同年9月より、デジタルビジョンと回転レーンを融合した「デジタル スシロー ビジョン」(通称:デジロー)を一部店舗にてトライアル導入しております。
以上の結果、国内スシロー事業の売上収益は205,906百万円(前連結会計年度比5.6%減)、セグメント利益は4,881百万円(前連結会計年度比44.7%減)となりました。
(海外スシロー事業)
海外スシロー事業につきましては、新型コロナウイルスの影響から完全に脱し強い回復傾向にあった中、8月末から開始されたALPS処理水放出による輸入規制および風評被害を受けて、9月は中国大陸を中心に客数が落ち込みました。処理水放出の影響は一時的と見ており、集客力回復に向けて効果的な施策を検討してまいります。
そのような環境の中、積極的な事業展開に向けて、中国大陸においては成都、武漢への出店を含め、当期に合計25店舗を出店しました。その他の地域では、台湾8店舗、香港8店舗、タイ6店舗、シンガポール1店舗と、新規出店を継続し、海外スシロー事業において130店舗オープンを達成しております。
また、来店客数の維持・拡大に向けて、夏フェア(中国大陸)、スシロープレミア(韓国)、世界厳選ネタフェア(台湾)、感謝祭(香港)、4周年創業祭(シンガポール)、三貫盛り(タイ)など、魅力的な販促・マーケティング政策を各地域で継続的に実施いたしました。
以上の結果、海外スシロー事業の売上収益は66,132百万円(前連結会計年度比72.7%増)、セグメント利益は5,293百万円(前連結会計年度比は141.6%増)となりました。
(京樽事業)
京樽事業につきましては、テイクアウト事業では、月1回のキャンペーンに加えて週替りでお得な商品を提供させて頂く「週得祭」をスタートさせるなどの商品ラインアップの強化に加え、陳列方法の改善・接客強化等の取組みを実施致しました。加えて「京樽」ブランドのロゴを刷新する等のリブランディングを図り、伝統を継承しつつも現代にマッチしたブランドへ進化すべく各種取り組みを実施し収益力の強化を図ると共に、不採算店を閉店する等による収益力の改善を進めて参りました。
みさきブランドでは、販促の強化に加え、赤シャリの更なる改良を図る等により、売上は好調に推移しました。また「すしみさき」へのブランド転換についても好調であり、引き続き立地条件に応じたブランド転換を計画しております。加えて、店舗オペレーションの効率化を実施すると共に接客の強化を図ることで店舗体験価値の向上に努め収益力の強化を進めて参りました。
以上の結果、京樽事業の売上収益は24,446百万円(前連結会計年度比14.2%増)セグメント損失は653百万円(前連結会計年度セグメント損失3,023百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ591百万円増加し、51,228百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、42,360百万円(前連結会計年度比43.5%増)となりました。
これは主に、税引前利益9,864百万円、減価償却費及び償却費26,586百万円、減損損失4,975百万円の計上及び営業債務及びその他の債務の増加が2,580百万円、法人所得税の還付額が2,414百万円があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加が2,295百万円、法人所得税の支払額が3,026百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、17,888百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。
これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出が15,755百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、23,876百万円(前連結会計年度は10,539百万円の獲得)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出が17,297百万円、長期借入金の返済による支出が4,009百万円、配当金の支払額が2,598百万円あったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1) 仕入実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて「仕入実績」を記載しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
(2) 受注実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、連結財務諸表の報告日の資産、負債、収益及び費用の金額に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態」に記載しております。
(売上収益・売上総利益)
売上収益は、前連結会計年度に比べ20,447百万円増加(前連結会計年度比7.3%増)し、301,747百万円となりました。これは主に、国内43店舗及び海外50店舗の新規出店を行ったこと等によるものであります。
売上原価は、134,229百万円となり、売上原価率は前連結会計年度に比べ1.8ポイント低下し44.5%となりました。これは2022年10月より国内スシロー事業において行った価格改定の影響等によるものであります。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ16,504百万円増加(前連結会計年度比10.9%増)し、167,518百万円となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ14,412百万円増加(前連結会計年度比10.4%増)し、152,437百万円となりました。これは主に、店舗数の増加に伴う人件費及び減価償却費及び償却費が増加したこと等によるものであります。
その他の収益は、前連結会計年度に比べ3,245百万円減少(前連結会計年度比71.2%減)し、1,313百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の補助金収入が減少したこと等によるものであります。また、その他の費用は、前連結会計年度に比べ2,030百万円減少(前連結会計年度比27.3%減)し、5,393百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ減損損失が1,845百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ878百万円増加(前連結会計年度比8.7%増)し、11,001百万円となりました。
(金融収益・金融費用・持分法による投資損益・親会社の所有者に帰属する当期利益)
金融収益は、前連結会計年度に比べ175百万円減少(前連結会計年度比35.0%減)し、325百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ為替差益が242百万円減少したこと等によるものであります。また、金融費用は、前連結会計年度に比べ511百万円増加(前連結会計年度比50.9%増)し、1,514百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ支払利息が488百万円増加したこと等によるものであります。
持分法による投資損益は、持分法適用会社であるWasabi Participations Limitedの株式売却等により、持分法投資利益52百万円(前連結会計年度は持分法投資損失2,056百万円)となりました。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ4,292百万円増加(前連結会計年度比119.0%増)し、7,899百万円となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因の分析について)
当社グループの売上及び費用は、経済情勢、他社との競合、消費者の嗜好の変化、食材価格、水道光熱費、新規出店、不動産賃料、自然災害、人件費等による影響を受けます。これらの変動要因が発生し、当社グループが適切に対応できなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループは、設備投資や運転資金のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる十分な流動性を確保していると考えております。
資金の流動性の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。