売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E26703 Japan GAAP

売上高

62.0億 円

前期

68.7億 円

前期比

90.3%

時価総額

153.5億 円

株価

360 (07/12)

発行済株式数

42,642,000

EPS(実績)

19.66 円

PER(実績)

18.31 倍

平均給与

710.2万 円

前期

710.8万 円

前期比

99.9%

平均年齢(勤続年数)

36.0歳(4.8年)

従業員数

129人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根を壊し、誰もが多様な専門性を生かすことで今まで存在しなかった新しい価値を創造する、“Specialty”Marketplace(スペリャルティマーケットプレイス)「BUYMA(バイマ)」を中心とした事業を展開しております。

 当社は、パーソナルショッパーと呼ばれる専門性の高い出品者が世界中の話題のアイテムを紹介・出品、販売できる“Specialty”Marketplace「BUYMA」を運営しております。

 “Specialty”Marketplaceとは、嗜好性の高いモノ・サービスを扱うために、ある分野に特化した専門性の高いマーケットプレイスを指します。

 「BUYMA」は、ファッションやトラベルに特化した“Specialty”Marketplaceです。

 出品者となるパーソナルショッパーは、主に海外在住の日本人が登録しており、現地の最先端アイテム、日本で買うより安いアイテムなど、世界中の魅力的なアイテムを「BUYMA」に出品します。パーソナルショッパーは、出品したアイテムに注文が入ってから買い付けすることが可能であるため、在庫リスクを持たずに取引を行うことができます。また一般のパーソナルショッパーに加え、取引実績等から当社が優良と認定したプレミアムパーソナルショッパー及び法人として豊富な出品数と独自のラインナップを構成する法人ショップがおり、購入者はそれぞれの多種多様な嗜好にあわせてアイテムを購入することができるようになっております。

 「BUYMA」は、服飾、美容、生活雑貨などのライフスタイル全般に広くかかわるアイテムを中心に、2005年2月よりサービスを開始いたしました。世界各国に居住しているパーソナルショッパーより、日本未発売のアイテムや欠品アイテム、レアアイテムをはじめ、世界中のあらゆるファッションアイテムを入手できることを強みとして、サービスを拡大してきております。

 2024年1月現在で、世界178カ国で22万人超のパーソナルショッパーにより、登録数18,300ブランド以上、出品数610万品以上のアイテムが出品され、クロスボーダーに商品が集まっており、会員数は約1,129万人と多くのユーザーから利用されております。

 また「BUYMA」は、以下のような特徴を有しております。

① 豊富な品揃え

 パーソナルショッパーが在庫リスクを持たずに販売ができるため、世界178カ国から旬なアイテムが幅広くラインナップされます。また、パーソナルショッパー22万人超の嗜好性が反映されるため、多様化する消費者の趣味を幅広くカバーすることができます。トレンドの変化もパーソナルショッパーによっていち早くキャッチアップでき、常に旬なアイテムを取り扱うことができます。その結果、現在、登録ブランド18,300以上、出品数610万品以上の幅広いラインナップを実現できており、堅調に拡大を続けてきております。

② 在庫の効率化

 今まで店舗で品切れ、サイズ切れ、入手困難なアイテムは諦める以外選択肢がありませんでした。「BUYMA」では、世界178カ国に点在するパーソナルショッパーが現地で調達することで、世界中に散在する在庫を仮想的に統合することができ、消費者の入手機会を大きく高めております。

③ 価格の適正性

 店舗を持たず、中間業者を介さないため、現地に近い価格で提供可能となっております。また、パーソナルショッパー同士の競争原理が働くため適正な価格を実現できております。

④ リクエスト機能

 会員は、22万人超のパーソナルショッパーに欲しいアイテムの購入を依頼できるリクエスト機能を利用することができます。購入希望者は「BUYMA」に出ていないアイテムでも、リクエスト機能を利用することで購入することができます。アイテム名と型番を指定して出品を依頼することができ、金額や条件等の具体的要望を伝えて、パーソナルショッパーから提案を受けて購入することも可能となっております。

⑤ 決済システム

 会員の皆様が安心して、安全にお取引することが可能な決済システムを採用しており、ユーザー同士が直接金銭をやりとりすることはなく、詐欺やトラブルを回避することができ、安心してご利用いただけるサービスとなっております。

⑥ 補償サービス

 「BUYMA」では「BUYMA」上の取引に対して、当社が間に入ることで充実した安心補償サービスを提供しております。基本サービスとして、全ての取引を対象として鑑定サービスを無料で提供しており、品質におけるトラブルや不安に対し、ユーザーは「本物保証制度」により鑑定サービス(無料オプション)を利用することができ、さらに「あんしんプラス」(有料オプション)を付けることで「初期不良補償制度」及び「紛失補償制度」並びに「サイズが合わない」「イメージと違った」といった場合に、一定の条件を満たした商品について、「BUYMA」が返品を受け付ける「返品補償制度」のサービスを利用することができます。また、鑑定サービスの実績を活用し、出品者の活動実績や鑑定の履歴を閲覧できる機能「あんしんナビ」の提供を2023年10月より順次開始、より安心してご利用いただけるサービスを拡充しております。

⑦ リセールサービス

 2015年11月より、中古品買取・委託販売サービス「ALL-IN」の提供を開始しております。「BUYMA」で購入し楽しんでいただいた商品を「ALL-IN」で中古品買取・委託販売をいただき、還元額等を次回の購入原資に充てていただくことで、これまでよりも「BUYMA」をより効率的にお楽しみいただけます。会員登録、申込み、集荷配送、査定は全て無料であり、商品の対象ブランドは1,000以上、かつ、BUYMA取り扱い商品以外のアイテムも利用可能です。会員は事前に送られてくる箱にアイテムを入れるだけで、梱包・伝票記入などの煩わしい作業の必要がなく、受取配送業者に“玄関先で渡すだけ”の手軽な宅配買取・委託販売サービスを利用することができます。また、会員は売買成約後の還元額(買取額・販売実績額)に加えて、還元額の5%分のBUYMAポイントを受け取ることができます。

⑧ スケーラビリティ

 世界中のパーソナルショッパーと連携して、日本のトレンドを反映させる品揃え戦略、パーソナルショッパーを獲得し教育するパーソナルショッパーリレーション、検索エンジンで上位表示させるスペシャリストを擁したSEO体制、芸能人や読者モデルと連携したソーシャルメディアマーケティング、雑誌・テレビへの徹底したPR体制など、ソーシャル、マーケティング、テクノロジーを駆使した低コストな運用により、取引規模を効率的に拡大させることを可能とし、高い収益性を実現しております。

 

 当社は「BUYMA」で取引されたアイテムの価格に応じて、下記の利用料・手数料をパーソナルショッパー及び購入者より受領し、利用手数料収入として売上高に計上しております。

対象ユーザー

手数料(消費税込)

購入者

決済システム利用料として出品価格の5.50%

あんしんプラス加入料として出品価格の1.47%

※最低利用料金293円

(購入者がオプションの要否を選択できます。)

パーソナルショッパー

一般パーソナルショッパー

成約手数料として出品価格の7.70%

プレミアム

パーソナルショッパー

成約手数料として出品価格の5.50%

法人ショップ

成約手数料として出品価格の5.50%~7.70%

(3ヵ月間の取扱高実績により変動します。)

 

 また「BUYMA」における対象者別の機能の概要は以下のとおりです。

対象者

機能(注)1

機能の概要

全てのユーザー

出品アイテムの閲覧

アイテムを検索して閲覧することができます。

アイテムは「レディース」「メンズ」「ベビー/キッズ」「ビューティー」「ライフスタイル」「スポーツ」の6カテゴリで構成されます。

STYLE HAUS

(スタイルハウス)

ファッションメディアを閲覧することができます。世界178カ国で活躍する22万人超のパーソナルショッパーとのネットワークを活かした「BUYMA」ならではの、海外の最新ニュースや世界中のリアルなトレンドも掲載されており、記事にある商品を「BUYMA」で購入することも可能です。

会員(注)2

リクエスト

出品されていないアイテムを世界中のパーソナルショッパーにリクエストして探してもらうことができます。

出品アイテムの購入

アイテムを購入することができます。

カートまとめ買いディスカウント機能でさらに効率良くショッピングが行えます。

PREMIUM MEMBERS

(プレミアムメンバーズ)

ポイント還元をはじめとした様々な特典を受けることができます。合計購入額に応じて3つのステージを設けており、ステージに応じてポイント還元率やクーポン割引等のサービス内容が変わります。

ALL-IN

(オールイン)

中古品アイテムを宅配買取・委託販売をすることができます。還元額(買取額・販売実績額)に加えて、還元額の5%分のBUYMAポイントを受け取ることができます。

会員

(一般パーソナルショッパー・プレミアムパーソナルショッパー・法人ショップ)

出品

アイテムを出品して販売することができます。

通常の出品に加え、購入希望者からのリクエストに応えて「レスポンス出品」することも可能です。

一般パーソナルショッパー・プレミアムパーソナルショッパー及び法人ショップ登録後、当社で所定の審査を行い、約1週間以内に販売できるようになります。

プレミアムパーソナルショッパーとなるには当社独自の審査基準を通過する必要があります。

パーソナルショッパーPOST

過去に購入した購入者や、ファン登録をしている購入者に対して、商品紹介やセール情報(優待セール・クーポン等)、トレンドやパーソナルショッパー活動状況を手軽に発信することができ、自身のセンスやライフスタイルなどを伝えることで、独自のプロモーションを行うことができます。

(注)1.「BUYMA」はパソコン/スマートフォンの各デバイス向けのブラウザで利用できます。また、パーソナルショッパーが販売した際の成約手数料、購入者が購入した際の決済システム利用料、あんしんプラス加入料以外はすべて無料で利用することができます。

2.必要な会員情報を登録後、直ちに利用することができます。

 

 当社は「BUYMA」における会員間の取引を拡大することにより、また、前述の各種サービスを提供することで、収益の向上を図っております。

 また「BUYMA」の世界展開として、2015年10月1日に「GLOBAL BUYMA」をリリースしALL-JAPAN体制での展開を開始しております。

 「GLOBAL BUYMA」の特長としましては、従来の「BUYMA」が世界178カ国から日本という一方向の商品の流れ(N:1)のみでありましたのに対し、「GLOBAL BUYMA」では世界のどこからでも商品を買うこと(N:N)ができます。また、現在「BUYMA」に出品中の商品に加えて、新たに日本の商品を世界へ発信することができ、堅調に拡大をしております。発送中のトラブル防止のため発送される商品にはすべてトラッキングが付されております。なお、補償等の各種オプションサービスについては、順次サービス範囲の拡大を検討してまいります。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

 また、2019年8月より「BUYMA TRAVEL(バイマトラベル)」を独立サイトとして提供を開始し、従来のファッションアイテムだけでなく、世界178カ国に在住する22万人超のパーソナルショッパーから、海外旅行者へ“現地ならではのパーソナライズされた旅行体験”の幅広いサービス提供に向けて出品商品の拡充を進め、2020年2月にはBUYMA独自の商品ラインナップを揃えてグランドオープンしております。

(新型コロナウイルス感染症の全世界的感染拡大の影響を鑑み、マーケティングを一時停止しておりましたが、旅行需要回復を機にマーケティングを再開しております。)

 

 

24/04/25

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.業績等の概要

(1)業績

当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根を壊し、誰もが多様な専門性を生かすことで今まで存在しなかった新しい価値を創造する、“Specialty” Marketplace(スペシャルティマーケットプレイス)「BUYMA(バイマ)」を中心とした事業を展開しております。

当事業年度(2023年2月1日~2024年1月31日)における世界経済は、緩やかな持ち直しの兆しがみられるものの、世界的な金融引き締めが進み、高止まりするインフレの影響等により、下振れリスクを伴った不透明な状況が続いております。日本経済においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う経済活動の正常化が進み、個人投資や設備投資等の緩やかな回復に加え、インバウンド需要の増加もみられたものの、長引くロシア・ウクライナ戦争に続くイスラエル・ハマス紛争の影響による原油価格の高騰と、止まらない円安を背景とした物価と金利の上昇に加え、経済を支えるサプライチェーンにも混乱が続く等、多様化する地政学的リスクへの対応は企業収益を圧迫しております。

このような環境の中、当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。良質な認知獲得と顧客体験の質向上に向け、継続的な各機能向上施策に加え、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。

当事業年度におけるグローバルファッションEC市場は、リアル店舗への客足回帰に加え、為替影響と海外でのインフレによる物価上昇の影響を受け厳しい状況が続いており、BUYMAにおいても異常気象の影響により秋冬物需要期が大幅に減少し、当事業年度の総取扱高は苦戦を強いられたものの、BUYMAイベントスペース「BUYMA studio」とパーソナルショッパーによる企画イベントの強化、Chat GPTを利用した「AIでさがす」や「あんしんナビ」の導入による利便性の向上、外部機関との連携による安心・安全訴求の体制強化、BUYMA独自のセール実施、韓国ファッションを主とした海外法人の出品力強化、ロイヤルカスタマー向けのコンシェルジュサービス対象者拡大等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進めており、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、X(旧Twitter)等)と連動企画の展開等による良質な認知の獲得も進めてきております。GLOBAL BUYMAにおいては、専属出品者の増強、Connected TV広告及びSEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR(取引成約率:取引注文数に対する取引成約数の割合)上昇を着実に進めてきております。更に、BUYMA TRAVELにおいては、海外旅行需要の回復を追い風に成長を加速しており、持分法適用関連会社である株式会社MEGURUが運営する「Hello Activity」との連携も開始し、第2第3の柱の成長に向けて積極的に戦略を進めております。また、利益面では、前事業年度以降の数年は、確かな価値に基づく高い成長を目指すための転換点と位置づけ、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、営業利益は黒字を前提として、短期的には減益を許容し、さまざまな投資を事業環境や事業進捗に応じ、機動的かつ柔軟に実行していく方針としており、当該方針に基づくヒトとモノの両面からの投資強化を継続的かつ戦略的に進めていることから、減益となりました。

以上の結果、会員数は11,296,087人(前期比6.7%増)、商品総取扱高は57,825,210千円(前期比8.6%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,203,762千円(前期比9.7%減)、営業利益は999,507千円(前期比12.1%減)、経常利益は1,019,753千円(前期比10.8%減)、当期純利益は838,365千円(前期比17.7%増)となりました。

なお、当社の事業セグメントはソーシャルコマース事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は10,529,231千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動により得られた資金は1,707,735千円(前期は322,765千円の使用)となりました。

この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,154,404千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動により使用した資金は1,014,691千円(前期は785,261千円の使用)となりました。

この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出744,265千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動により使用した資金は480,575千円(前期は1,422,185千円の使用)となりました。

この主な減少要因は、自己株式の取得による支出82,444千円及び配当金の支払額による支出398,130千円等によるものであります。

 

2.生産、受注及び販売の実績

当社は、ソーシャルコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

事業部

売上高(千円)

前期比(%)

ソーシャルコマース事業

6,203,762

90.3

合計

6,203,762

90.3

(注)最近2事業年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当事業年度における資産合計は13,225,199千円(前期比4.3%増)となりました。

流動資産は11,270,646千円(前期比3.4%減)となりました。この主な要因は、現金及び預金が413,594千円増加した一方で、預け金が491,831千円、未収還付法人税等が142,145千円、未収消費税等が89,279千円減少したことによるものであります。

固定資産は1,954,553千円(前期比91.7%増)となりました。この主な要因は、投資有価証券が759,887千円増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度における負債合計は2,699,285千円(前期比6.3%増)となりました。

流動負債は2,690,842千円(前期比6.3%増)となりました。この主な要因は、未払法人税等が193,712千円増加した一方で、未払金が72,250千円減少したことによるものであります。

固定負債は8,443千円(前期比1.1%増)となりました。この要因は、資産除去債務の増加93千円によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度における純資産は10,525,913千円(前期比3.7%増)となりました。この主な要因は、当期純利益838,365千円の計上による増加と剰余金の配当398,130千円による減少であります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。良質な認知獲得と顧客体験の質向上に向け、継続的な各機能向上施策に加え、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。

当事業年度におけるグローバルファッションEC市場は、リアル店舗への客足回帰に加え、為替影響と海外でのインフレによる物価上昇の影響を受け厳しい状況が続いており、BUYMAにおいても異常気象の影響により秋冬物需要期が大幅に減少し、当事業年度の総取扱高は苦戦を強いられたものの、BUYMAイベントスペース「BUYMA studio」とパーソナルショッパーによる企画イベントの強化、Chat GPTを利用した「AIでさがす」や「あんしんナビ」の導入による利便性の向上、外部機関との連携による安心・安全訴求の体制強化、BUYMA独自のセール実施、韓国ファッションを主とした海外法人の出品力強化、ロイヤルカスタマー向けのコンシェルジュサービス対象者拡大等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進めており、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、X(旧Twitter)等)と連動企画の展開等による良質な認知の獲得も進めてきております。GLOBAL BUYMAにおいては、専属出品者の増強、Connected TV広告及びSEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR(取引成約率:取引注文数に対する取引成約数の割合)上昇を着実に進めてきております。更に、BUYMA TRAVELにおいては、海外旅行需要の回復を追い風に成長を加速しており、持分法適用関連会社である株式会社MEGURUが運営する「Hello Activity」との連携も開始し、第2第3の柱の成長に向けて積極的に戦略を進めております。

以上の結果、会員数は11,296,087人(前期比6.7%増)、商品総取扱高は57,825,210千円(前期比8.6%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,203,762千円(前期比9.7%減)となりました。

 

(売上原価)

当事業年度における売上原価は1,341,601千円(前期は1,416,916千円)となりました。これは主として、商品購入者に対する取引代金の回収業務委託先へ支払う決済手数料となります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、3,862,653千円(前期は4,315,079千円)となりました。これは主として、広告宣伝費、業務委託費及び人件費となります。

以上の結果、当事業年度における営業利益は、999,507千円(前期は1,136,808千円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

当事業年度における営業外収益は、33,411千円(前期は16,250千円)となりました。これは主として、未払成約代金受入益及び助成金収入となります。

一方、営業外費用は、13,164千円(前期は9,967千円)となりました。これは主として、為替差損及び投資事業組合運用損となります。

以上の結果、当事業年度における経常利益は、1,019,753千円(前期は1,143,091千円)となりました。

(特別利益、特別損失及び当期純利益)

当事業年度における特別利益は、135,042千円(前期は4,084千円)となりました。これは主として、投資有価証券売却益となります。

一方、特別損失は、391千円(前期は153,310千円)となりました。これは主として、商品評価損となります。

以上の結果、税引前当期純利益は1,154,404千円(前期は993,865千円)となりました。

また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、316,038千円(前期は281,291千円)であります。

以上の結果、当事業年度における当期純利益は838,365千円(前期は712,574千円)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

(次期の見通し)

 

今後の我が国経済は、緩やかな回復が見込まれているものの、中国での不動産不況の長期化、国際情勢に起因するエネルギー資源や原材料の高騰と、欧米での利下げ開始時期の遅れによる消費減速、日銀の金融政策変更による為替変動等が内外経済の下振れ材料となっており、引き続き先行き不透明な状況で推移すると予測しております。

このような環境と経済状況が急激に変化を繰り返す中で、当社は、利益額の達成を優先目標とした数年単位での中期計画は本質的な企業価値向上を目指すには不向きであると判断し、短期的な売上や利益目標を最優先とした視点から離れ、長期の視点で経営を改めて進めるため、当社が創業時から実現を目指してきた信念(パーパス)である「世界を変える、新しい流れを。」をより強く意識するとともに、これを基軸においた長期的な企業価値の創造と向上のための投資を、短期的な利益成長を追わずに直近数年をかけて行うことで、一過性ではなく、時代を超えて価値を提供する会社を目指す方針としております。

当社は、確かな価値に基づく高い成長の実現のため、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、複数の事業を運営するエニグモグループの形成と、2027年1月期の売上高100億円達成をターゲットとする中期目標を設定しました。既存事業の経営効率を高めることで一定の営業利益規模を確保しつつ、中期目標達成に向け新収益の柱を複数構築すべく、長期視点での投資を事業環境や事業進捗に応じ機動的かつ柔軟に実行してまいります。

以上の方針から、2025年1月期における業績予想につきましては、売上高・営業利益については増収・増益を見込んでおりますが、具体的な予想数値は合理的に算定することが困難であるため、非開示とさせていただきます。

基幹事業である国内外の「BUYMA」を柱としつつ、新収益の柱となる“Specialty” Marketplace を複数構築するべく、新領域でも企業価値の向上に寄与できるよう、営業収益を再投資に継続的かつ戦略的に投下し、長期視点で企業価値の向上から売上高の成長加速へと繋げていくことを実現してまいります。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。