売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05480 IFRS

売上高

2,527.1億 円

前期

2,263.4億 円

前期比

111.7%

時価総額

4,979.6億 円

株価

2,719 (04/16)

発行済株式数

183,141,100

EPS(実績)

102.94 円

PER(実績)

26.41 倍

平均給与

741.3万 円

前期

738.1万 円

前期比

100.4%

平均年齢(勤続年数)

37.9歳(9.3年)

従業員数

2,475人(連結:4,451人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

(1) 当社グループの事業の概要

当社は、国内におけるインターネットサービスプロバイダー(ISP)(*)の先駆けとして1992年12月に設立され、以来、国内インターネット関連市場の拡大にあわせ、インターネットに関わる事業展開を進めてまいりました。

当社及び当社の連結子会社(以下、あわせて「当社グループ」といいます。)は、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤とし、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス(インターネット接続サービス、アウトソーシングサービス及びWANサービス)の提供、システムインテグレーションの受託及び機器販売等の多様なネットワーク関連役務を、複合的に組み合わせ提供しております。また、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスにて、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することによりATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を営んでおります。当社は、電気通信事業法に基づく電気通信事業者であります。

当社は、本書提出日現在、連結子会社16社及び持分法適用関連会社6社を有しており、これらの関係会社と連携して事業を推進しております。

当社グループの事業セグメント、役務の概要、当社及び当社関係会社各社の事業の概要は、以下のとおりであります。

 

①事業セグメント及び役務の内容

当社グループは、主力事業としてインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及びネットワークに関連する機器の販売等のネットワーク関連役務を提供する「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業(以下、「ネットワークサービス及びSI事業」といいます。)」と、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスが展開する「ATM運営事業」との2つの事業セグメントを有しております。

 

事業セグメントの名称

各事業セグメントを構成する役務の内容

ネットワークサービス及びSI事業

法人向け及び個人向けインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及び機器販売

ATM運営事業

銀行ATM及びそのネットワークシステムの構築及び運営

 

 

②当社グループの役務の概要

役務区分

各役務の概要

ネットワークサービス

法人向けインターネット接続サービスは、主として当社が、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、モバイル接続を含む多様なインターネット接続サービスを提供するものであります。また、個人向けインターネット接続サービスは、当社が、個人向けモバイルデータ通信サービス、モバイル端末販売等各種インターネット接続サービスの提供を行うものであります。

アウトソーシングサービスは、主として当社が、主として法人及び官公庁等の顧客に対して、セキュリティ(*)関連サービス、ネットワーク及びサーバの運用管理等のアウトソーシングサービス、データセンターサービス並びにパブリッククラウド(*)サービス等の提供を行うものであります。

WANサービスは、主として連結子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社が、主として法人及び官公庁等の顧客に対して、専用線、広域イーサネット(*)、IP(*)-VPN(*)及びインターネットVPN等の通信サービスを活用して、顧客の本社と支店或いは支社間など地理的に離れた拠点を接続しデータをやり取りする広域ネットワークを提供するものであります。

システムインテグレーション

システム構築は、主として当社が、ネットワークシステム(*)の設計、コンサルテーション、開発、構築及び顧客への通信機器、モバイル端末、自社開発した「SEIL(ザイル)」(*)等の顧客用サービスアダプタ(*)等の販売を行なうものであります。

システム運用保守は、主として当社が、当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウド(*)サービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用保守を行うものであります。

ATM運営事業

連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るものであります。

 

 

 

③当社及び主要なグループ会社の事業の概要

会社名

事業の概要

当社

インターネット接続サービスの提供、モバイルデータ通信サービスの提供、セキュリティ、VPN等のネットワーク、サーバ、クラウドコンピューティング、データセンター関連の各種アウトソーシングサービスの提供、ネットワーク或いはシステム構築等にあたってのネットワーク或いはシステムの設計、コンサルテーション、開発、構築、機器調達及び運用保守等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

主要な連結子会社

会社名

事業の概要

㈱IIJエンジニアリング

ネットワークの運用監視、カスタマーサポート、コールセンター等のアウトソーシングの受託等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

㈱IIJグローバルソリューションズ

WANサービスの提供等の国内ネットワークアウトソーシングサービス及び国際ネットワーク関連サービスの提供、並びに、システムインテグレーションの提供を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

㈱IIJプロテック

法人向けのシステム開発、運用及びサービスサポート等に関わる人材供給及び役務提供を行っております。当社の連結財務諸表において、主としてシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

㈱トラストネットワークス

ATMネットワークの運営事業を行っております。当社の連結財務諸表において、ATM運営事業に区分される役務(ATM運営事業セグメント)を提供しております。

ネットチャート㈱

機器の導入・設定、ネットワーク導入時の配線工事、アプリケーションのインストール・運用サポート等のLAN(*)関連を中心としたネットワーク構築事業を行っております。当社の連結財務諸表において、主としてシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

IIJ America Inc.

当社グループの米国ネットワーク拠点としてインターネットバックボーン網の構築及び運用、米国におけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

IIJ Europe Limited

当社グループの欧州ネットワーク拠点としてインターネットバックボーン網の構築及び運用、欧州におけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

IIJ Global Solutions

Singapore Pte. Ltd.

シンガポールにおけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

PTC SYSTEM (S) PTE LTD

シンガポールにおいて、主にシステムの構築及び運用保守の提供等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

艾杰(上海)通信技術有限公司

中国におけるネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。

主要な持分法適用関連会社

会社名

事業の概要

インターネットマルチフィード㈱

NTTグループとの合弁にて設立され、相互接続ポイントの運営、通信事業者向けのIPv6インターネット接続機能の提供等を行っております。

JOCDN㈱

在京キー局を含む民間放送局等との合弁にて、国内向けの動画配信プラットフォーム事業を行っております。

㈱ディーカレットホールディングス

大手金融機関他の各業界を代表する国内リーディング企業との合弁にて、デジタル通貨の取引・決済サービスの提供等を行っております。

㈱トリニティ

平田機工㈱の連結子会社であり、ポイント管理システムの開発、構築、販売及びアウトソース受託等の事業を行っております。

 

 

 

当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の役務別の売上高、売上高構成比及び売上総利益は、以下のとおりであります。

 

役務区分

IFRS

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日

売上収益

構成比

売上総利益

売上収益

構成比

売上総利益

(百万円)

(%)

(百万円)

(百万円)

(%)

(百万円)

ネットワークサービス

128,213

56.6

35,618

138,922

55.0

38,146

システムインテグレーション

95,338

42.1

14,942

110,944

43.9

18,553

ATM運営事業

2,784

1.2

1,068

2,842

1.1

1,209

合計

226,335

100.0

51,628

252,708

100.0

57,908

 

(注) システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。

 

当社グループは、主として国内にて、ネットワークサービス及びSI事業に関連する前記の各役務を複合し、例えば、顧客の複数拠点間を接続するインターネット接続サービスまたはVPNサービス他のWANサービスを提供し、データセンターにて顧客のサーバ等を預かり、顧客のルータ(*)等ネットワーク機器を運用管理し、顧客の電子メールシステム等の運営のアウトソーシングを受け、セキュリティ等に関するアウトソーシングサービスを提供し、それらのネットワークシステムを設計、構築及び運用するシステムインテグレーションを受託するというように、信頼性及び付加価値の高いネットワーク関連サービスを継続的に開発及び機能拡充し、ソリューション及びシステムインテグレーションという切り口で、複合的に顧客へ提供することを推進しております。

当社グループは、ネットワークサービス及びSI事業の一部として、クラウドコンピューティングサービスの提供に注力しております。当社グループは、2009年度より、クラウドコンピューティングサービスの提供を開始しており、継続的にサービスラインアップの拡充、サーバ及びネットワーク設備等の増強、データセンターの拡充、マーケティング及びプロモーションの強化等に努めております。

当社グループは、ネットワークサービスの一部として、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスの提供に注力しております。法人向けモバイルサービスにおきましては、MVNO事業者へモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するMVNE(*)案件等の推進並びにフルMVNO推進による様々な端末やデバイス等の接続、組み込み型チップSIM(*)の提供等によりIoT(*)等の新たな法人需要の開拓を推進しております。格安SIM(*)による安価なデータ通信及び電話サービスの市場が拡大しているなか、個人向けモバイルサービスにおきましては、販売代理店網の拡大、サービススペックの見直し及びサービスラインアップの充実等を推進しております。

当社グループは、主として国内企業の海外進出ニーズに対応していくために、本書提出日現在、米国、欧州及びアジアに現地法人11社を有し、海外でネットワークサービス及びシステムインテグレーションを提供するための事業基盤を強化しております。米国と英国等でのインターネット接続サービスの提供、セキュリティ関連等のアウトソーシングサービスの提供、海外拠点を接続するWANサービスの提供、海外でのシステムインテグレーション、米国、欧州、中国、シンガポール、インドネシア、タイ及びベトナムにおけるクラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。

また、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。

 

 

(2) 当社グループの事業の特徴

①当社グループの事業の変遷

当社は、インターネットがまだ普及していなかった1992年12月に、インターネットに関わる技術者を中心に日本にインターネットという新しい通信手段を普及するとの構想により、日本のISPの先駆けとして設立されました。設立当時、日本におけるインターネットに関わる技術者の層は薄く、産学共同にて研究開発活動をしていた「WIDEプロジェクト」(*)がインターネットに関する諸技術の蓄積として有力なものでありました。当社は、このような研究開発活動に携わっていた技術者を中心として設立され、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤として、設立以来信頼性の高いインターネット関連サービスの提供を追求し、今日のインターネットの普及に貢献し、マーケットをリードしてきたものと認識しております。

当社の事業開始当初は、ISPは個人向けのものも含め数えるほどであり、強い競合はなく、当社は順調に顧客基盤を広げていきました。顧客のニーズは、当初はインターネット接続サービスの利用が中心でしたが、インターネットが普及するにつれ、インターネットに関わるネットワークシステムの構築、運用保守の提供等へと複合化、多様化してまいりました。インターネットの普及及び顧客ニーズの多様化は急速に広がり、そのような市場を捉えていくために、当社は関係会社を設立することによって、当社企業集団として事業範囲を拡大してまいりました。

当社は、「IIJ」という呼称にてインターネットに関連する市場に浸透しております。当社は、上述の事業変遷より「技術のIIJ」との市場認知がなされているものと認識しており、今後もより広く定着させていきたいと考えております。

当社は、連結子会社他と協働して、当社グループとして顧客に対し総合的なネットワークソリューションを提供しております。また、中長期的な事業拡大を展望し、新規事業開発及びM&A等による事業領域の拡大並びに事業パートナーとの事業連携を推進しております。(詳細は、「第一部  企業情報  第1  企業の概況  2  沿革」及び「第一部  企業情報  第1  企業の概況  4  関係会社の状況」をご参照下さい。)

 

②技術力の蓄積

当社グループの強みは、インターネット分野における幅広い技術力の蓄積であると認識しております。インターネットに関連する技術力とは、ネットワーク及びサーバの設計、構築及び運用、ルータ等ネットワーク機器の運用、セキュリティの実施、新たな技術への適応、新ネットワークサービス及びソリューションの開発或いはコンサルテーション等の知識、経験、ノウハウ及び遂行能力であると認識しております。

当社グループは、インターネットに関わる諸技術を組み合わせ、広帯域及び広範囲のネットワークシステムを設計、構築及び安定的に運用し、大量のトラフィック(*)を安定的に処理し、セキュリティ及び障害対策等を施した信頼性の高いサービスを開発し提供する、また顧客ニーズにあったサービス及びソリューションを開発し提供するといった技術力を基盤とし、役務提供を行っております。

 

③顧客基盤

当社グループは、設立以来、技術力をセールスポイントとして、主としてネットワークシステムの信頼性を重んじる法人及び官公庁を中心に営業活動を行ってまいりました。当連結会計年度末現在における当社グループの官公庁を含む法人顧客数は、約14,000社でありました。

 

 

(3) 当社グループの役務の内容

①ネットワークサービス

<インターネット接続サービス>

当社グループは、インターネット接続サービスを提供し、対価として継続的な通信料金の収入を得ております。インターネット接続サービスは、顧客のLANやコンピュータ端末と、当社グループのネットワークを、通信キャリアが提供するアクセス回線(*)又は網により接続することにより提供されます。当社グループは、次項の「(4) 当社グループのネットワーク」に記載のとおり、大容量のネットワークを構築し、設立時から蓄積された運用技術力をもってこれを運用することにより、安定した高速のインターネット接続サービスを提供しております。当社は、日本のISPで初めてインターネット接続サービスにサービス品質保証制度(SLA)(*)を導入いたしました。また、日本で初めて、インターネットの次世代のプロトコル(*)であるIPv6によるインターネット接続サービスの商用提供を開始いたしました。当社グループは、インターネット接続サービスにおいて、帯域、アクセス回線、IPアドレス(*)の割当数、DNSサーバ(*)運用の有無、ルータ運用の有無及び価格等により仕様を分け、サービスラインナップを揃えております。

 

a)法人向けインターネット接続サービス

法人向けインターネット接続サービスは、当社グループが提供するインターネット接続サービスのうち、「IPサービス(*)」、「IIJデータセンター接続サービス」、「IIJモバイルサービス」、「IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス」等の法人向けの各種インターネット接続サービスであります。

IPサービス及びIIJデータセンター接続サービスは、広範囲な帯域の選択が可能であり、Gbps(*)超の広帯域のサービス提供も可能なIPアドレスの割当数等にも制約がない単価の高いフルスペックのサービスで、主として大規模な法人及び官公庁等に提供しております。IIJデータセンター接続サービスは、顧客設備のデータセンターへの収容にあたりデータセンターにおいてインターネット接続サービスを提供するものであります。IIJモバイルサービスは、主として㈱NTTドコモ(以下、「NTTドコモ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)から卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて、法人向けにモバイルデータ通信サービスを提供するものであります。IIJモバイルMVNOプラットフォームサービスは、MVNO事業者へモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するものであります。

 

b)個人向けインターネット接続サービス

個人向けインターネット接続サービスは、当社が自社ブランドで提供する「IIJmioサービス」及び「OEM」(*)等の個人向けの各種インターネット接続サービスであります。

IIJmioサービスは、様々な機能を組み合わせることができるカスタマイズ型のサービスであります。当社グループは、利用者に対して、LTE通信等を可能とするSIMカードやeSIMを用いた音声機能付きモバイルデータ通信サービス及びフレッツ(*)の光回線等による固定データ通信サービス等を提供しております。

OEMは、通信事業者等が個人向けインターネット接続サービス等を提供する際に、当社グループがネットワーク及びサービスの運営等の提供を行うものであります。

 

当社グループのインターネット接続サービスの契約数及び契約総帯域の年次推移は、以下のとおりであります。

 

<インターネット接続サービスの契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)1>

 

第30期

第31期

(件)

(件)

法人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数合計

2,500,116

3,026,149

 

IPサービス(1Gbps以上)(注)2

786

1,356

 

IPサービス(1Gbps未満)(注)2

1,250

1,409

 

IIJモバイルサービス(法人向け)

2,407,083

2,929,646

 

 

法人IoT等用途向け直接提供

1,374,055

1,809,816

 

 

IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス

1,033,028

1,119,830

 

その他

90,997

93,738

個人向けインターネット接続サービス回線数合計

1,437,107

1,547,206

 

IIJmioモバイルサービス

1,090,208

1,206,321

 

その他

346,899

340,885

 

 

 

 

 

 

第30期

第31期

(Gbps)

(Gbps)

法人向けインターネット接続サービス契約総帯域(注)3

7,641.6

8,814.3

 

(注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。

2.IPサービスの契約数には、データセンター接続サービスの契約数を含めております。

3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド(*)対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。

 

<アウトソーシングサービス>

当社グループは、インターネット接続サービス及びWANサービスと合わせ、アウトソーシングサービスを提供しております。アウトソーシングサービスは、顧客のネットワークシステムを運用管理する等、より有効にネットワークシステムを活用することを企図したものであります。当社グループのアウトソーシングサービスは、主としてセキュリティ関連、ネットワークアウトソーシング関連、サーバアウトソーシング関連、データセンター関連、パッケージ型クラウドコンピューティングサービス及びその他に大別でき、その概要は下表のとおりであります。

当社グループは、法人及び官公庁等の業務運営におけるインターネット利活用の重要度及びネットワークシステムの信頼性に対するニーズは増加していると認識しております。当社グループは、このようなニーズの増加に応じ、保有する技術力を基に優位性を発揮することができ、また、より発揮していきたいと考えております。

 

 

区分

各サービスの概要

セキュリティ関連

不正アクセス及び攻撃等に対するセキュリティシステムの提供及び運用監視、セキュリティオペレーションセンター(*)による24時間365日のセキュリティ監視、迷惑メール(*)対策アプリケーションサービス及びソリューションの提供、脆弱性の診断、セキュリティポリシー(*)策定支援及び社内教育等のセキュリティ支援等

ネットワークアウトソーシング関連

VPNサービスの提供及びネットワーク機器の設定、運用保守並びにそれらの仕組みの一括提供、セキュアなリモートアクセス(*)環境の提供等

サーバアウトソーシング関連

電子メールサーバ、ウェブサーバ及び配信サーバ等の機能の提供並びに電子メールシステム等の運用管理等

データセンター関連

データセンターに顧客のサーバ等を設置し、機器管理及び運用監視機能等を提供

パブリッククラウドサービス

システム構成をパッケージ化したパブリッククラウド型ホスティングサービス(*)の提供

その他

カスタマーサポート、コールセンター等のアウトソーシングの受託等

 

 

<WANサービス>

当社グループは、主として当社の完全子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社にて、WANサービスを提供しております。WANサービスは、主として通信キャリアが提供する専用線、広域イーサネット、IP-VPN及びインターネットVPN等の法人向け通信サービスを調達して顧客の複数拠点間を接続する広域ネットワークを構築し提供するものであり、顧客の要望がある場合には、当該広域ネットワークの運用監視等を併せて提供するものであります。当社グループは、特定の通信キャリアや通信機器メーカーに依存することなく、顧客のニーズに応じて各社のサービス及び機器を効果的に組み合わせることにより、顧客ニーズに合致するWANサービスを提供しております。

 

②システムインテグレーション

当社グループは、システムインテグレーションとして、法人及び官公庁等のインターネット、イントラネット(*)及びWAN等のネットワークシステムについて、コンサルテーション、設計、システム開発、システム構築及びシステム運用等のアウトソーシング受託等を行っております。対象となるシステムは、企業内部及び拠点間のネットワークシステムの設計及び構築、グループウェア導入及び仮想デスクトップ環境構築等のオフィスIT環境整備、オンライン証券(*)等電子商取引システム、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)(*)向けシステムの開発・運用及び当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウドサービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用等、多岐にわたります。

また、当社グループは、各役務の提供に付随し、顧客に対してネットワーク機器等の提供が必要となる場合には、機器販売を行っており、機器の仕入販売のほか当社が自社開発したSEIL等の顧客用サービスアダプタの販売、モバイルデータ通信サービスの顧客へのスマートフォン、タブレット等の端末の販売を行っております。

 

③ATM運営事業

当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスがATM運営事業を行っております。ATM運営事業は、銀行ATM及びそのネットワークを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得る事業モデルであります。

 

 

(4) 当社グループのネットワーク

①ネットワーク

当社グループはバックボーン回線を通信キャリアより賃借のうえ、ネットワーク機器等を設置したデータセンター間を接続すること等により、インターネットバックボーン網を運用しております。当社のインターネットバックボーン網は、当社グループが信頼性及び付加価値の高い多様なネットワーク関連サービスを安定的に提供し続けるための基盤となるものであります。そのため、性能と耐障害性を重視した設計とし運用をしております。

原則として、国内の各接続拠点(NOC(*)及びデータセンター)は、他の二接続拠点と複数の高速デジタル通信回線を経由し異なるバックボーンルータ(*)にて接続しております。また、各バックボーン回線の容量は、複数の通信キャリアの回線を利用することで大容量化し、通過するトラフィックのピーク時点においても余裕のある帯域を確保しております。当社グループのインターネットバックボーン網は、これらにより、単一の通信回線、バックボーンルータ、通信キャリアの通信設備、或いは当社グループの接続拠点における何らかの障害が発生した場合でも、可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計としております。

このような設計に基づき、主要拠点である東京及び大阪を含む国内拠点を結ぶ大容量のインターネットバックボーン網を運用しております。相互接続に関しては、持分法適用関連会社であるインターネットマルチフィード㈱が運営する相互接続ポイントであるJPNAP(*)に、当社の東京の複数の拠点及び大阪の拠点より大容量回線にて接続しており、また、WIDEプロジェクトが主催するdix-ie(Distributed IX in EDO)(*)という相互接続ポイント運用プロジェクトに、プロジェクト発足当時から参加し相互接続を行っております。加えて、国内主要ISPとピアリング(*)(相互接続)を実施しております。

米国内のインターネットバックボーン網は、当社の連結子会社であるIIJ America Inc.にて、国内と同様な考えに基づき設計され構築及び運用されております。米国の複数の主要相互接続ポイントに接続をしており、米国及び他国の主要なISPとピアリングを実施しております。日米間のインターネットバックボーン網は、複数の異なる国際通信キャリアから調達した国際バックボーン回線を、日本と米国にて複数の拠点で接続しており、日米間においても耐障害性の高いネットワークの運用を行っております。

欧州へのインターネットバックボーン網は、日英間を直接接続することにより伝送遅延を低減するとともに、米国と欧州を接続することで2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。

アジアにおけるインターネットバックボーン網は、日本、香港及びシンガポールの3カ国を各々接続することにより2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。これらの海外インターネットバックボーン網は、英国、シンガポール、香港において各々主要な相互接続ポイントに接続をしております。

当社グループは、MVNO形態にて、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスを提供しております。モバイルデータ通信サービスの提供に必要なモバイル通信網については、NTTドコモ等のモバイル通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受けており、契約回線数やトラフィックの状況等を踏まえて必要な帯域をNTTドコモ等より借り受け、運営しております。

 

 

②データセンター

当社グループは、2023年3月末現在、国内は東京、大阪、横浜、札幌、白井、名古屋、松江、福岡にて、海外は米国、英国及びシンガポールにてデータセンターを運営しております。

自社所有のデータセンターとしては、島根県松江市において、主にクラウドコンピューティングサービス用の設備として、外気冷却コンテナ型データセンターを運営しております。また、千葉県白井市において、2019年5月にシステムモジュール型データセンターである白井データセンターキャンパスを開所し運営しております。その他のデータセンターについては、他事業者のデータセンター施設設備を利用する態様で運営しております。

当社グループは、原則として、各データセンター間を大容量のバックボーン回線で接続することにより障害時のバックアップや各々のデータセンターにおける負荷分散を可能とし、耐障害性を高めております。また、データセンター内における回線の二重化や大規模なシステムを収容可能な電源、耐震または免震構造、セキュリティ管理等の環境を備えております。当社グループは、データセンターにて、インターネット接続サービスの提供、ネットワーク機器及びサーバ等の運用監視、システムインテグレーションの提供等、顧客のシステムを預かり運用管理を行う体制を整えております。

 

 

(5) 事業系統図

当社グループの事業の概要を系統図で示すと、下記のとおりであります。

 

 

 

 

当社グループ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<ネットワークサービス及びSI事業>

 

 

 

 

 

 

 

 

【国内】

 

 

 

 

 

 

当社

 

 

 

 

 

㈱IIJエンジニアリング

 

 

 

 

 

㈱IIJグローバルソリューションズ

 

 

 

 

 

ネットチャート㈱

 

 

 

 

 

㈱IIJプロテック

 

 

 

 

 

 

他持分法適用関連会社5社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海外】

 

 

 

 

 

IIJ America Inc.

 

 

 

 

 

IIJ Europe Limited.

 

 

 

 

 

IIJ Global Solutions Singapore Pte. Ltd.

 

 

 

 

 

PTC SYSTEM (S) PTE LTD

 

 

 

 

 

艾杰(上海)通信技術有限公司

 

 

 

 

 

 

他連結子会社6社

 

 

 

 

 

 

他持分法適用関連会社2社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<ATM運営事業>

 

 

 

 

 

【国内】

 

 

 

 

 

㈱トラストネットワークス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注) ◎は当社の連結子会社であります。

 

 

 

 

上記の他に、2023年3月31日現在、その他の関係会社(上場会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社)として、日本電信電話㈱があります。

 

23/06/30

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の連結業績の概要

当連結会計年度における国内景気は緩やかに持ち直しました。先行きにつきましては、各種政策の効果もあり、引き続き景気の持ち直しが期待されるものの、物価上昇、エネルギー資源等の供給面での制約、世界的な金融引締めによる金利や為替の変動等の影響を注視する必要があります。

そのような景気動向の中、当社グループが主にかかわる法人ICT関連市場では、企業及び官公庁のITサービスの利用拡大を背景としたインターネットトラフィックの継続増加、インターネット上の脅威に対抗するセキュリティ関連サービスの重要性の高まり、クラウドコンピューティング関連サービスの順次普及、それらサービスを総合的に利用するIoTの実用化の進展等により、今後も信頼性の高いネットワークシステムへの需要増加が継続していくものと想定しております。

当連結会計年度の事業進展につきましては、コロナ禍の一服後もITサービス利用の需要は堅調に推移し、加えて、社内外ネットワーク更改等のネットワークサービスとシステムインテグレーションを複合した大型案件の提案機会が増加しました。それらの結果、売上高が想定以上に伸長し、システムインテグレーションの受注額及び受注残高も順調に増加しました。ネットワークサービス分野では、月額計上される法人向けネットワークサービス(除くモバイル関連サービス(*))の売上高は前年同期比10.5%増と堅調に推移しました。その内訳といたしまして、IPサービス(*)は、既存顧客のIT利用増加等に伴う契約帯域の大容量化及び新規案件獲得等により売上高及び契約総帯域が増加しました。アウトソーシングサービスは、サイバー攻撃等の脅威への対策としてセキュリティ関連サービスの需要が活況で、売上高は前年同期比15.5%増と増収を牽引しました。WANサービスは、多拠点の社内網を接続するネットワーク案件等が堅調に推移しました。モバイル関連サービスにおいては、法人向けは継続した案件需要と既存案件の回線数増加等により売上高及び回線数が伸長し、個人向けはIIJmioモバイルサービスの回線数の大幅増加が前期初開始のギガプランへの旧プラン顧客の順次移行による平均顧客単価の継続低下影響を吸収し増収となりました。システムインテグレーション分野では、ネットワーク構築を中心とした需要が活況でシステム構築売上高は前年同期比21.4%増となり、受注額及び受注残高は各々14.6%増及び10.8%増となりました。システム運用保守は、構築案件より生じる継続的なシステム運用の増収に加えて、マルチクラウド(*)需要の高まりによるクラウドコンピューティング関連サービスの増収等もあり売上高は前年同期比13.4%増となり、受注額及び受注残高は各々22.0%増及び14.3%増となりました。国際事業の売上高(上記ネットワークサービス及びシステムインテグレーション売上高の一部)はグローバルSASE(*)案件の複数獲得や前期初に子会社となったシステムインテグレーターであるシンガポールのPTC SYSTEM (S) PTE LTDの増収等により前年同期比43.2%増となりました。また、直近で30億円規模の海外データセンター構築案件も受注しました。サービス開発においては、既存サービスの継続的な機能拡充による付加価値向上に加え、オンプレミス(*)環境とクラウド間の接続サービス「IIJプライベートバックボーンサービス/Smart HUB」、自社開発SASEサービス「IIJセキュアアクセスサービス」、オンプレミス環境とクラウド間のデータ連携サービス「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」、法人向けモバイルサービス「IIJモバイルサービス/タイプD for IIJmio Biz」等の新サービスを開発しました。設備面では、インターネットバックボーンの継続増強や自社データセンターの追加建設等により旺盛なサービス需要への対応を進めております。人材の確保については、当期は新卒採用178名に加え中途採用による増員もあり、当連結会計年度末の連結従業員数は前年度末比304名増の4,451名となりました。また、更なる事業成長に向けて、2023年4月入社の新卒採用は246名へと拡大しました。サステナビリティの取り組みとしては、TCFD提言に基づく情報開示や温室効果ガス削減に向けた自社データセンターでのオンサイト太陽光発電等を推進しました。

 

当連結会計年度の業績につきまして、総売上高は前年同期比11.7%増の252,708百万円(前年同期 226,335百万円)となりました。売上原価は前年同期比11.5%増の194,800百万円(前年同期 174,707百万円)となり、売上総利益は前年同期比12.2%増の57,908百万円(前年同期 51,628百万円)となりました。その内訳といたしまして、ネットワークサービスの売上高は前年同期比8.4%増の138,922百万円(前年同期 128,213百万円)、売上総利益は前年同期比7.1%増の38,146百万円(前年同期 35,618百万円)となりました。ネットワークサービスの売上原価におきましては、第3四半期においてNTTドコモのモバイルデータ接続料の2021年度利用分単価確定による費用戻し効果5億円強(前年同期においては10.8億円の効果)がありました。システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比16.4%増の110,944百万円(前年同期 95,338百万円)、売上総利益は前年同期比24.2%増の18,553百万円(前年同期 14,942百万円)となりました。ATM運営事業の売上高は前年同期比2.1%増の2,842百万円(前年同期 2,784百万円)、売上総利益は前年同期比13.2%増の1,209百万円(前年同期 1,068百万円)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比9.3%増の30,687百万円(前年同期 28,081百万円)となりました。営業利益は、前年同期比15.6%増の27,221百万円(前年同期 23,547百万円)となりました。税引前利益は、ファンドに係る金融資産評価益303百万円(前年同期 3,055百万円の評価益)、為替差益365百万円(前年同期 327百万円の利益)、支払利息等の金融費用552百万円(前年同期 556百万円)、持分法損失204百万円(前年同期 2,335百万円の損失)等があり、前年同期比13.0%増の27,309百万円(前年同期 24,162百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比20.2%増の18,838百万円(前年同期 15,672百万円)となりました。
 

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比14,388百万円増加し、246,193百万円(前連結会計年度末 231,805百万円)となりました。

当連結会計年度末における流動資産は営業債権、棚卸資産及び前払費用の増加等により、前連結会計年度末比2,193百万円増加し、106,678百万円(前連結会計年度末 104,485百万円)となりました。非流動資産は、有形固定資産、使用権資産及びその他の投資の取得等により、前連結会計年度末比12,195百万円増加し、139,515百万円(前連結会計年度末 127,320百万円)となりました。

当連結会計年度末における流動負債は、営業債務及びその他の債務、その他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末比1,087百万円増加し、77,864百万円(前連結会計年度末 76,777百万円)となりました。非流動負債は、借入金の減少等により、前連結会計年度末比1,380百万円減少し、49,027百万円(前連結会計年度末 50,407百万円)となりました。

当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比14,589百万円増加の118,117百万円 (前連結会計年度末 103,528百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は48.0%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、42,472百万円となりました。

 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益27,309百万円、減価償却費及び償却費28,801百万円、法人所得税の支払い9,958百万円等に対して、売掛金の増加及び前払費用の増加等により、営業資産及び負債の増減は7,712百万円の支出となり、38,529百万円の収入となりました。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による11,787百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による5,471百万円の支出、㈱ディーカレットDCPの社債の引受他によるその他投資の取得で2,511百万円の支出、有形固定資産の売却による収入1,546百万円等があり、18,386百万円の支出となりました。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、リース等によるその他の金融負債の支払19,344百万円、配当金の支払4,901百万円、長期借入金の返済1,515百万円等があり、25,731百万円の支出となりました。

 

 

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

システムインテグレーション(含む機器販売)

92,029

14.4

合計

92,029

14.4

 

(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

2.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

システムインテグレーション
(構築及び機器販売)

44,293

14.6

13,799

10.8

システムインテグレーション(運用保守)

76,617

22.0

68,958

14.3

合計

120,910

19.2

82,757

13.7

 

(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ネットワークサービス売上高合計

138,922

8.4

 

うち、法人向けインターネット接続サービス

40,253

6.2

 

うち、個人向けインターネット接続サービス

24,235

3.7

 

うち、アウトソーシングサービス

46,808

15.5

 

うち、WANサービス

27,626

4.6

システムインテグレーション売上高合計

110,944

16.4

 

うち、構築及び機器販売

42,945

21.4

 

うち、運用保守

67,999

13.4

ATM運営事業売上高

2,842

2.1

合計

252,708

11.7

 

(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

2.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。

当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。

これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。

しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。

 

 

(2) 当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の経営成績の分析

①連結経営成績サマリー

<主要な連結経営指標>

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

   至 2023年3月31日)

増減率

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

売上収益合計

226,335

252,708

11.7

 

ネットワークサービス売上高

128,213

138,922

8.4

 

システムインテグレーション売上高(注1)

95,338

110,944

16.4

 

ATM運営事業売上高

2,784

2,842

2.1

売上原価合計

△174,707

△194,800

11.5

 

ネットワークサービス売上原価

△92,595

△100,776

8.8

 

システムインテグレーション売上原価(注1)

△80,396

△92,391

14.9

 

ATM運営事業売上原価

△1,716

△1,633

△4.8

売上総利益合計

51,628

57,908

12.2

 

ネットワークサービス売上総利益

35,618

38,146

7.1

 

システムインテグレーション売上総利益(注1)

14,942

18,553

24.2

 

ATM運営事業売上総利益

1,068

1,209

13.2

販売管理費等(注2)

△28,081

△30,687

9.3

営業利益

23,547

27,221

15.6

税引前利益

24,162

27,309

13.0

親会社の所有者に帰属する当期利益

15,672

18,838

20.2

 

(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。

2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。

 

<セグメント情報>

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

   至 2023年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

売上収益合計

226,335

252,708

 

ネットワークサービス及びSI事業

223,678

249,970

 

ATM運営事業

2,784

2,842

 

セグメント間取引消去

△127

△104

営業利益合計

23,547

27,221

 

ネットワークサービス及びSI事業

22,799

26,322

 

ATM運営事業

834

919

 

セグメント間取引消去

△86

△20

 

 

 

②経営成績の分析

当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。

 

ⅰ)売上収益

当連結会計年度における売上収益は、前年同期比11.7%増の252,708百万円(前年同期 226,335百万円)となりました。

 

<ネットワークサービス売上高>

法人向けインターネット接続サービスの売上高は、IPサービス、法人IoT等用途向け法人モバイルサービス及びブロードバンド対応型サービス等の売上増加が、IIJモバイルMVNOプラットフォームサービスにおける調達コストの低減に応じた減収影響等を吸収し、前年同期比6.2%増の40,253百万円(前年同期 37,911百万円)となりました。

個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービスにおいて、回線数増加に伴う売上増加が前期初のギガプランへの旧プラン顧客の継続移行による平均顧客単価低下の年度影響等を吸収し、また、その他の個人向け光ファイバー接続サービス等も増加し、前年同期比3.7%増の24,235百万円(前年同期 23,376百万円)となりました。

アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高等の増加があり、前年同期比15.5%増の46,808百万円(前年同期 40,523百万円)となりました。

WANサービスの売上高は、前年同期比4.6%増の27,626百万円(前年同期 26,403百万円)となりました。

これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比8.4%増の138,922百万円(前年同期 128,213百万円)となりました。

 

 

 

ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。

 

<ネットワークサービス売上高の内訳>

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

増減率

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

ネットワークサービス売上高合計

128,213

138,922

8.4

 

法人向けインターネット接続サービス

37,911

40,253

6.2

 

 

IPサービス(注)1

13,683

14,835

8.4

 

 

IIJモバイルサービス(法人向け)

20,351

21,249

4.4

 

 

 

法人IoT等用途向け直接提供

10,257

11,179

9.0

 

 

 

MVNOプラットフォームサービス

10,094

10,070

△0.2

 

 

その他

3,877

4,169

7.5

 

個人向けインターネット接続サービス

23,376

24,235

3.7

 

 

IIJmioモバイルサービス

20,365

21,025

3.2

 

 

その他

3,011

3,210

6.6

 

アウトソーシングサービス

40,523

46,808

15.5

 

WANサービス

26,403

27,626

4.6

 

 

<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>

 

前連結会計年度末

(2022年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2023年3月31日現在)

増減数

契約数(件)

契約数(件)

(件)

法人向けインターネット接続サービス契約数合計

2,500,116

3,026,149

526,033

 

IPサービス(1Gbps以上)(注)1

786

1,356

570

 

IPサービス(1Gbps未満)(注)1

1,250

1,409

159

 

IIJモバイルサービス(法人向け)

2,407,083

2,929,646

522,563

 

 

 法人IoT等用途向け直接提供

1,374,055

1,809,816

435,761

 

 

MVNOプラットフォームサービス

1,033,028

1,119,830

86,802

 

その他

90,997

93,738

2,741

個人向けインターネット接続サービス回線数合計

1,437,107

1,547,206

110,099

 

IIJmioモバイルサービス

1,090,208

1,206,321

116,113

 

その他

346,899

340,885

△6,014

 

 

 

 

 

 

 

帯域(Gbps)

帯域(Gbps)

増減

法人向けインターネット接続サービス契約総帯域(注)3

7,641.6

8,814.3

1,172.7

 

(注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。

2.IPサービスには、インターネットデータセンター接続サービスが含まれます。当第3四半期末におけるIPサービス(1Gbps以上)の契約数は、第3四半期における東京都立高校プロジェクト向け約500回線開通による増加を内包しております。

3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。当連結会計年度末における契約総帯域は、第3四半期における東京都立高校プロジェクト向け約500Gbpsの増加を内包しております。

 

 

<システムインテグレーション売上高>

システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、前年同期比21.4%増の42,945百万円(前年同期 35,376百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げ及びクラウド関連サービスの売上高増加等があり、前年同期比13.4%増の67,999百万円(前年同期 59,962百万円)となりました。

これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比16.4%増の110,944百万円(前年同期 95,338百万円)となりました。

当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比19.2%増の120,910百万円(前年同期 101,476百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比14.6%増の44,293百万円(前年同期 38,660百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比22.0%増の76,617百万円(前年同期 62,816百万円)でありました。

当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比13.7%増の82,757百万円(前年同期末 72,791百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比10.8%増の13,799百万円(前年同期末 12,451百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比14.3%増の68,958百万円(前年同期末 60,340百万円)でありました。

 

<ATM運営事業売上高>

ATM運営事業売上高は、前年同期比2.1%増の2,842百万円(前年同期 2,784百万円)となりました。

 

ⅱ)売上原価

当連結会計年度における売上原価は、前年同期比11.5%増の194,800百万円(前年同期 174,707百万円)となりました。

 

<ネットワークサービス売上原価>

ネットワークサービスの売上原価は、前年同期比8.8%増の100,776百万円(前年同期 92,595百万円)となりました。モバイル端末仕入の増加及びNTTドコモのモバイルデータ接続料の2021年度利用分単価確定による費用戻し効果5億円強(前年同期においては10.8億円の効果)等がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比7.1%増の38,146百万円(前年同期 35,618百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は27.5%(前年同期 27.8%)となりました。

 

<システムインテグレーション売上原価>

システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、売上増加に伴う仕入及びマルチクラウド関連サービスのライセンス費用の増加等があり、前年同期比14.9%増の92,391百万円(前年同期 80,396百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比24.2%増の18,553百万円(前年同期 14,942百万円)となり、売上総利益率は16.7%(前年同期 15.7%)となりました。

 

<ATM運営事業売上原価>

ATM運営事業売上原価は、前年同期比4.8%減の1,633百万円(前年同期 1,716百万円)となりました。売上総利益は、1,209百万円(前年同期 1,068百万円)となり、売上総利益率は42.5%(前年同期 38.3%)となりました。

 

 

ⅲ)販売管理費等

当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、主として人件関連費用、広告宣伝費及び外注関連費用等の増加等により、前年同期比10.5%増の30,897百万円(前年同期 27,969百万円)となりました。

その他の収益は281百万円(前年同期 171百万円)となりました。その他の費用は71百万円(前年同期 283百万円)となりました。

 

ⅳ)営業利益

当連結会計年度における営業利益は、前年同期比15.6%増の27,221百万円(前年同期 23,547百万円)となりました。

 

ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益

当連結会計年度における金融収益は、主としてファンドに係る金融資産評価益303百万円(前年同期 3,055百万円の評価益)、為替差益365百万円(前年同期 327百万円の利益)等により、844百万円(前年同期 3,506百万円)となりました。

当連結会計年度における金融費用は、支払利息529百万円(前年同期 538百万円)等により、552百万円(前年同期 556百万円)となりました。

当連結会計年度における持分法による投資損益は、204百万円の損失(前年同期 2,335百万円の損失)となりました。そのうち、㈱ディーカレットホールディングスに関する持分法による投資損失は、382百万円(前年同期は持分損失1,607百万円に加えのれん相当額の減損1,181百万円)となりました。尚、これらの持分損失及びのれん相当額の減損は、税効果を認識しておりません。

 

ⅵ)税引前利益

当連結会計年度における税引前当期利益は、前年同期比13.0%増の27,309百万円(前年同期 24,162百万円)となりました。

 

ⅶ)当期利益

当連結会計年度における法人所得税費用は、8,330百万円の費用(前年同期 8,362百万円の費用)となりました。賃上げ促進税制の税額控除によるプラス効果406百万円がありました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比20.1%増の18,979百万円(前年同期 15,800百万円)となりました。

非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により141百万円(前年同期 128百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比20.2%増の18,838百万円(前年同期 15,672百万円)となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度末(2023年3月31日現在)の財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比14,388百万円増加し、246,193百万円(前連結会計年度末 231,805百万円)となりました。

当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末比2,193百万円増加し、106,678百万円(前連結会計年度末 104,485百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、現金及び現金同等物4,919百万円減少の42,472百万円、営業債権3,691百万円増加の41,340百万円、棚卸資産580百万円増加の3,188百万円及び前払費用1,788百万円増加の15,341百万円でありました。

当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比12,195百万円増加し、139,515百万円(前連結会計年度末 127,320百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、白井データセンターキャンパス建設関連の取得等による有形固定資産5,475百万円増加で23,321百万円、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)はデータセンター契約等のリース資産認識で1,801百万円増加の46,675百万円、無形資産はソフトウェア購入等で192百万円増加の16,616百万円、長期前払費用は運用保守原価等で2,127百万円増加の12,579百万円、その他の投資は㈱ディーカレットDCPの社債の引受他による1,740百万円増加の19,150百万円でありました。

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比1,087百万円増加し、77,864百万円(前連結会計年度末 76,777百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、営業債務及びその他の債務1,571百万円増加の22,313百万円、借入金458百万円増加(うち長期借入金の返済による減少1,515百万円、短期借入の減少100百万円及び非流動負債からの振替2,000百万円)の16,828百万円、未払法人所得税1,761百万円減少の4,034百万円、契約負債598百万円増加の10,169百万円及びその他の金融負債はオペレーティング・リース負債の認識等で1,070百万円増加の18,105百万円でありました。

当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比1,380百万円減少し、49,027百万円(前連結会計年度末 50,407百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、 借入金は流動負債への振替等で1,898百万円減少の3,602百万円、契約負債は18百万円減少の7,411百万円、その他の金融負債はオペレーティング・リース負債の認識等で549百万円増加の30,695百万円でありました。

当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比14,589百万円増加の118,117百万円 (前連結会計年度末 103,528百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は48.0%となりました。

 

 

 

(4) 当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析

①概要

当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。

 

②キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、42,472百万円(前年同期末 47,391百万円)となりました。

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益27,309百万円(前年同期 24,162百万円)、減価償却費及び償却費28,801百万円(前年同期 28,444百万円)、うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費11,618百万円(前年同期 11,534百万円)、法人所得税の支払い9,958百万円(前年同期 5,700百万円)等に対して、売掛金の増加及び前払費用の増加等により、営業資産及び負債の増減は7,712百万円の支出(前年同期 2,892百万円の支出)となり、38,529百万円の収入(前年同期 43,573百万円の収入)となりました。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による11,787百万円の支出(前年同期 6,783百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による5,471百万円の支出(前年同期 4,734百万円の支出)、㈱ディーカレットDCPの社債の引受他によるその他投資の取得で2,511百万円の支出(前年同期 717百万円の支出)、主としてセールアンドリースバック取引で有形固定資産の売却による収入1,546百万円(前年同期 2,150百万円の収入)等があり、18,386百万円の支出(前年同期 11,838百万円の支出)となりました。 

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払19,344百万円(前年同期 19,983百万円の支払) 、配当金の支払4,901百万円(前年同期 3,836百万円)、長期借入金の返済1,515百万円(前年同期 5,170百万円)等があり、25,731百万円の支出(前年同期 27,296百万円の支出)となりました。

 

③借入金

当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。

当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は14,770百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は11,380百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は5,660百万円でありました。

 

④ファイナンス・リース

当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の残高は16,447百万円であります。