E05480 IFRS
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当期における国内景気は一部に足踏みもみられましたが、緩やかに回復しました。先行きにつきましては、各種政策の効果もあり、景気の緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇、世界的な金融引締めによる金利や為替の変動等の影響を注視する必要があります。
そのような景気動向の中、当社グループが主にかかわる法人ICT(*1)関連市場では、クラウドサービスやAI(*2)等の新技術の企業活動への活用の浸透、それらも含む要因によるインターネットトラフィック(*3)の継続増加、サイバーセキュリティ対策の重要性の高まり等が想定されます。企業のネットワーク及びシステムの領域は、旧来の社内閉域ネットワークから、インターネット技術を融合した複雑で多様なものへと変化しつつあり、今後も信頼性の高いネットワーク及びシステムの安定運用との重要性が増していくと想定をしております。
当第3四半期連結累計期間の事業概況につきましては、企業及び官公庁等の社内外ネットワーク構築関連の需要が引き続き活況で、月額提供のネットワークサービスをシステムインテグレーションに組み込む「サービスインテグレーション」との態様でこれらに注力しております。上半期にありました公共機関向け期間総額約123億円のネットワーク構築案件の受注に続き、当第3四半期にて、サービス事業者向け期間総額約40億円のサービス基盤構築・運用案件や大手金融機関向け期間総額約40億円のネットワーク更改案件等を獲得いたしました。売上分野別では、ネットワークサービス(除くモバイル関連サービス(*4))は、IPサービス(*5)、セキュリティ関連サービス及びWANサービス(*6)等の需要が引き続き良好で、売上高は前年同期比9.7%増と堅調に推移しました。モバイル関連サービスは、IoT(*7)用途等の法人向けモバイルサービスの強い伸長及びIIJモバイルMVNOプラットフォームサービスの増収にて、前年同期比8.4%の増収となりました。システムインテグレーションは、大型案件増加に伴う行程期間の長期化等の継続により想定に下振れて推移しておりますが、上半期より期ずれした約28億円の海外データセンター構築案件の売上計上等があり、システム構築の売上高は前年同期比12.0%増、システム運用保守の売上高は前年同期比5.0%増となりました。受注環境は引き続き活況で、システム構築の受注及び受注残高は各々前年同期比26.9%増及び41.6%増となり、システム運用保守の受注及び受注残高は各々前年同期比11.6%増及び18.9%増となりました。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、総売上高は、前年同期比8.5%増の201,098百万円(前年同期 185,339百万円)となりました。売上原価は前年同期比8.0%増の155,145百万円(前年同期 143,683百万円)となり、売上総利益は前年同期比10.3%増の45,953百万円(前年同期 41,656百万円)となりました。内訳といたしまして、ネットワークサービスの売上高は前年同期比9.3%増の112,303百万円(前年同期 102,744百万円)、売上総利益は前年同期比14.6%増の32,225百万円(前年同期 28,117百万円)となりました。ネットワークサービスの売上原価におきましては、当第3四半期において㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料(*8)の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期においては5億円強の効果)がありました。システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比7.6%増の86,620百万円(前年同期 80,477百万円)、内システム構築売上は33,540百万円(前年同期 29,936百万円)、システム運用保守売上は53,080百万円(前年同期 50,541百万円)であり、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上総利益は前年同期比0.8%増の12,746百万円(前年同期 12,642百万円)となりました。ATM運営事業の売上高は前年同期比2.7%増の2,175百万円(前年同期 2,118百万円)、売上総利益は前年同期比9.5%増の982百万円(前年同期 897百万円)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比12.3%増の25,673百万円(前年同期 22,866百万円)となりました。営業利益は、前年同期比7.9%増の20,280百万円(前年同期 18,790百万円)となりました。税引前四半期利益は、主として為替影響によるファンドに係る金融資産評価損で588百万円の反動減がありましたが、前年同期比3.3%増の19,645百万円(前年同期 19,018百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比1.0%増の12,979百万円(前年同期 12,854百万円)となりました。
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用語集
(*1) ICT:Information and Communication Technologyの略。コンピュータによる情報通信に関するハードウェア、ソフトウェア、システム及びデータ通信等に関する技術の総称。
(*2) AI:Artificial Intelligenceの略。コンピュータシステムや機械が、推論、判断及び学習等の人間の知能を模倣する技術のこと。
(*3) インターネットトラフィック:インターネットを通じて転送されるデータ流量のこと。
(*4) モバイル関連サービス:IIJモバイルサービス(法人IoT等用途向け直接提供及びIIJモバイルMVNOプラットフォームサービス)及びIIJmioモバイルサービス。
(*5) IPサービス:当社が提供する、フルスペックの法人向け専用線型インターネット接続サービス。
(*6) WANサービス:WANはWide Area Network(広域通信網)の略であり、専用線等を用いて、本店支店間等の地理的に離れたLAN同士を接続し、データをやりとりする広域ネットワークサービスのこと。
(*7) IoT:Internet of Thingsの略。モノのインターネットと言われ、これまでインターネットに接続されていなかった物体に通信機能を持たせることで、物体が情報通信を行うようになること。
(*8) モバイルデータ接続料:㈱NTTドコモと当社の間のモバイル設備の利用に係るデータ通信帯域に係る費用、Mbps当り単価のこと。
当社グループの売上収益の大部分は「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業」からのものであり、役務別の分析により記載しております。
<連結業績サマリー>
(注)1. システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2. 販売費及び一般管理費(含む研究開発費)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報サマリー>
当第3四半期連結累計期間における売上収益は、前年同期比8.5%増の201,098百万円(前年同期 185,339百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>
法人向けインターネット接続サービスの売上高は、法人IoT等用途向け法人モバイルサービス、IPサービス及びIIJモバイルMVNOプラットフォームサービス等の売上増加があり、前年同期比12.7%増の33,245百万円(前年同期 29,504百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス売上高の増加等により、前年同期比2.0%増の18,702百万円(前年同期 18,335百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス等の売上増加があり、前年同期比13.9%増の39,145百万円(前年同期 34,359百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、前年同期比3.2%増の21,211百万円(前年同期 20,546百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比9.3%増の112,303百万円(前年同期 102,744百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数内訳並びに法人向けインターネット接続サービス契約総帯域>(注)1
(注)1. 法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。
2. IPサービスには、インターネットデータセンター接続サービスが含まれます。
3. 法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<システムインテグレーション売上高>
システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、前年同期比12.0%増の33,540百万円(前年同期 29,936百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げによる増加等があり、前年同期比5.0%増の53,080百万円(前年同期 50,541百万円)となりました。
これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比7.6%増の86,620百万円(前年同期 80,477百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比17.3%増の107,890百万円(前年同期 91,971百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比26.9%増の43,390百万円(前年同期 34,190百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比11.6%増の64,500百万円(前年同期 57,781百万円)でありました。
当第3四半期連結会計期間末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比23.4%増の104,027百万円(前年同期末 84,285百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比41.6%増の23,649百万円(前年同期末 16,705百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比18.9%増の80,378百万円(前年同期末 67,580百万円)でありました。
<ATM運営事業売上高>
ATM運営事業売上高は、前年同期比2.7%増の2,175百万円(前年同期 2,118百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における売上原価は、前年同期比8.0%増の155,145百万円(前年同期 143,683百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>
ネットワークサービスの売上原価は、前年同期比7.3%増の80,078百万円(前年同期 74,627百万円)となりました。セキュリティ関連サービスのライセンス費用等の増加及び㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期においては5億円強の効果)等がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.6%増の32,225百万円(前年同期 28,117百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は28.7%(前年同期 27.4%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>
システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、外注関連費用及び仕入の増加等があり、前年同期比8.9%増の73,874百万円(前年同期 67,835百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比0.8%増の12,746百万円(前年同期 12,642百万円)となり、売上総利益率は14.7%(前年同期 15.7%)となりました。
<ATM運営事業売上原価>
ATM運営事業売上原価は、前年同期比2.3%減の1,193百万円(前年同期 1,221百万円)となりました。売上総利益は、前年同期比9.5%増の982百万円(前年同期 897百万円)となり、売上総利益率は45.1%(前年同期 42.4%)となりました。
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件関連費用の増加等があり、前年同期比11.1%増の25,621百万円(前年同期 23,064百万円)となりました。
その他の収益は98百万円(前年同期は一時的な資産売却益を含む246百万円)となりました。その他の費用は150百万円(前年同期 48百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における営業利益は、前年同期比7.9%増の20,280百万円(前年同期 18,790百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における金融収益は、為替差益268百万円(前年同期 323百万円の利益)等により、491百万円(前年同期 802百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における金融費用は、支払利息456百万円(前年同期 400百万円)、主として為替影響によるファンドに係る金融資産評価損212百万円(前年同期 376百万円の評価益にて588百万円の反動減)等により、704百万円(前年同期 413百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットホールディングスに関する損失392百万円(前年同期 274百万円の損失)等があり、422百万円の損失(前年同期 161百万円の損失)となりました。
当第3四半期連結累計期間における税引前四半期利益は、前年同期比3.3%増の19,645百万円(前年同期 19,018百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間における法人所得税費用は、6,508百万円の費用(前年同期 6,049百万円の費用)となり、当第3四半期連結累計期間における四半期利益は、前年同期比1.3%増の13,137百万円(前年同期 12,969百万円)となりました。
非支配持分に帰属する四半期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により158百万円(前年同期 115百万円)となり、当第3四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比1.0%増の12,979百万円(前年同期 12,854百万円)となりました
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末比16,212百万円増加し、262,530百万円(前連結会計年度末 246,318百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末比9,086百万円増加し、115,764百万円(前連結会計年度末 106,678百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、現金及び現金同等物1,053百万円減少の41,419百万円、営業債権2,703百万円増加の44,043百万円、前払費用の設備保守及び顧客向け案件等による4,321百万円増加の19,662百万円、契約資産2,036百万円増加の4,214百万円でありました。
当第3四半期連結会計期間末における非流動資産は、前連結会計年度末比7,126百万円増加し、146,766百万円(前連結会計年度末 139,640百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、有形固定資産の白井データセンターキャンパス建設関連資産の取得等による4,727百万円増加の28,048百万円、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)の償却等による5,887百万円減少の40,788百万円、無形資産の743百万円増加の17,359百万円、前払費用の顧客向けライセンス案件等及び設備保守等による5,135百万円増加の17,714百万円、その他の投資の保有上場株式の時価評価等による3,123百万円増加の22,273百万円でありました。
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末比18,997百万円増加の96,861百万円(前連結会計年度末 77,864百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、営業債務及びその他の債務4,698百万円増加の27,011百万円、借入金13,302百万円の増加(うち、自己株式取得に見合う短期借入金による調達12,000百万円、借入金の返済による減少2,245百万円及び非流動負債からの振替等3,542百万円)の30,130百万円、契約負債1,825百万円増加の11,994百万円、その他の金融負債214百万円増加の18,319百万円でありました。
当第3四半期連結会計期間末における非流動負債は、前連結会計年度末比1,605百万円減少の47,422百万円(前連結会計年度末 49,027百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、借入金は流動負債への振替等による3,542百万円減少の60百万円、契約負債は526百万円増加の7,937百万円、その他の金融負債の長期未払金等による506百万円増加の31,201百万円でありました。
当第3四半期連結会計期間末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、自己株式の取得による11,405百万円減少等により、前連結会計年度末比1,289百万円減少の116,953百万円(前連結会計年度末 118,242百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は44.5%となりました。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、41,419百万円(前年同期末 41,327百万円)となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益19,645百万円(前年同期 19,018百万円)、減価償却費及び償却費21,929百万円(前年同期 21,254百万円)、うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費8,868百万円(前年同期 8,460百万円)、法人所得税の支払い7,897百万円(前年同期 9,871百万円)があり、営業資産及び負債の増減は、主として前払費用の支出増により6,931百万円の支出(前年同期 2,991百万円の支出)となり、27,587百万円の収入(前年同期 27,314百万円の収入)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、白井データセンターキャンパス建設関連等の有形固定資産の取得による8,261百万円の支出(前年同期 9,760百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による5,778百万円の支出(前年同期 4,150百万円の支出)等があり、13,060百万円の支出(前年同期 13,160百万円の支出)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加11,800百万円、自己株式の取得の支払11,405百万円、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払15,053百万円(前年同期 14,396百万円)、その他の金融負債による収入6,371百万円、配当金の支払5,682百万円(前年同期 4,901百万円)、長期借入金の返済2,045百万円(前年同期 1,500百万円) 等があり、16,065百万円の支出(前年同期 20,766百万円の支出)となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更及び新たな発生はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は、ネットワークサービス及びSI事業に係るものであり、前年同期比28.2%増の478百万円(前年同期 373百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ及び当社の従業員数の著しい増加或いは減少はありませんでした。
(注) 従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。受入出向社員は含んでおりません。
(注) 従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。受入出向社員は含んでおりません。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、前年同期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、前年同期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注高及び受注残高の記載事項はありません。
(注) 前年同期比の欄の%表示は、前年同期比での増減率を記載しております。
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び前連結会計年度末における主要な設備に関する計画からの著しい変更はありません。