売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05518 Japan GAAP

売上高

206.2億 円

前期

200.2億 円

前期比

103.0%

時価総額

2,024.0億 円

株価

5,380 (04/23)

発行済株式数

37,620,700

EPS(実績)

17.72 円

PER(実績)

303.65 倍

平均給与

598.4万 円

前期

593.0万 円

前期比

100.9%

平均年齢(勤続年数)

39.5歳(7.8年)

従業員数

590人(連結:755人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社6社(ゲヒルン株式会社、櫻花移動電信有限公司、アイティーエム株式会社、ビットスター株式会社、プラナスソリューションズ株式会社、IzumoBASE株式会社)、非連結子会社1社(株式会社Tellus)、持分法適用関連会社2社(株式会社S2i、BBSakura Networks株式会社)、その他の関係会社1社(双日株式会社)で構成されており、クラウド・インターネットインフラサービスを自社グループで運営する国内のデータセンターを活かして提供する事業を行っております。

当社グループが提供するサービスは、以下のとおりです。

① クラウドサービス

インターネット上で多彩なITインフラ構成を実現できるパブリッククラウドサービス(「さくらのクラウド」など)、サーバーを複数人で共同利用するスタンダードな共有ホスティングサービス(「さくらのレンタルサーバ」など)等のクラウドコンピューティングサービスを個人から法人、文教・公共分野まで、さまざまなお客様のニーズに合わせて提供しております。

②  物理基盤サービス

当社グループが運営するデータセンター内に、顧客所有の通信機器類を自由に設置できるスペースとインターネット接続に必要な回線や電源などを貸与するハウジングサービス、及びインターネット上で当社グループが所有する物理サーバーを専用で利用できるサービス(「さくらの専用サーバ」など)を提供しております。

③  その他

前述の主たる業務に付帯するサービスです。

 

 

当連結会計年度末における事業系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/15

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の概況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続くなか、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある状況となっております。

当社グループの属するクラウド・インターネットインフラ市場は、DXが進むなか、すべての企業で第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)の利用が加速し、企業ITインフラのクラウドへの移行の本格化が予想されており、当社グループの属する市場は、国産パブリッククラウドへの期待も高まっているなかで、今後も拡大が継続すると見込んでおります。

 こうした状況のもと、当社グループはシステムインテグレーションから開発、クラウド・インターネットインフラサービスの提供、保守、運用、お客様サポート等をグループ内においてワンストップで提供することで、お客様の「やりたいこと」の実現を支援することを目指しております。現在の48万件を超える顧客と新たな顧客にとってのカスタマーサクセスの実現に注力することで、今後も高い市場成長が見込まれるクラウドサービスの拡大に注力しております。

売上高につきましては、クラウド集中を図る中で物理基盤サービスにおける大口案件の契約期間満了等がありましたが、クラウドサービス売上が引き続き好調に推移したこと等により、20,622,900千円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。
 営業利益につきましては、原油価格高騰による電力費の増加や円安の影響によるドメイン取得費の増加がありましたが、売上高の増加に加え、クラウド集中による投資の効率化やデータセンターの最適化の進行等により、1,093,053千円(前連結会計年度比43.2%増)となりました。

経常利益につきましては、営業利益の増加などにより、965,830千円(前連結会計年度比48.7%増)となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の増加などにより、666,551千円(前連結会計年度比142.0%増)となりました。

 

サービスカテゴリー別の状況は以下のとおりです。

① クラウドサービス

さくらのクラウド、さくらのVPSが順調に推移したこと等から、クラウドサービスの売上高は11,840,595千円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。

② 物理基盤サービス

高火力コンピューティングサービス大口案件の契約期間満了等により、物理基盤サービスの売上高は3,638,388千円(前連結会計年度比19.1%減)となりました。

 

③ その他サービス

政府衛星データ関連案件の計上や、グループ会社での大口案件の獲得等により、その他サービスの売上高は5,143,917千円(前連結会計年度比12.9%増)となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

① 生産実績

 記載すべき事項はありません。

 

② 受注実績

 記載すべき事項はありません。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。

サービス区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

クラウドサービス

11,840,595

+8.0

物理基盤サービス

3,638,388

△19.1

その他サービス

5,143,917

+12.9

合計

20,622,900

+3.0

 

(注) 当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績の概況」に記載のとおり

   であります。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産・負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりです。

① 資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,140,217千円減少し26,256,109千円(前連結会計年度末比7.5%減)となりました。主な要因は、減価償却による有形固定資産の減少、買掛金の支払いや借入金の返済による現金及び預金の減少、売掛金の減少等によるものです。

② 負債

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ2,176,427千円減少し17,769,970千円(前連結会計年度末比10.9%減)となりました。主な要因は、借入金や買掛金の減少加等によるものです。

③ 純資産

当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ36,210千円増加し8,486,139千円(前連結会計年度末比0.4%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度と比べ641,964千円減少し4,810,628千円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。

各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ収入が 5,673千円増加し、3,963,420千円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。主な要因は、売掛金の入金による減少等によるものです。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が1,068,637千円減少し△606,129千円(前連結会計年度比63.8%減)となりました。主な要因は、サービス機材等の有形固定資産の取得による支出の減少等によるものです。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が2,994,097千円増加し、△3,999,374千円(前連結会計年度比297.8%増)となりました。主な要因は、借入金の返済および自己株式の取得等によるものです。

 

 (資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループにおける資金の配分につきまして、適正な手元資金として月商の約2ケ月分程度を目安とし、緊急の資金需要や当社を取り巻く様々な環境変化に伴うリスク等については借入等の資金調達枠を確保いたします。当社グループの資金需要は主にサービス提供にかかる設備投資資金です。当社グループが属するクラウド・インターネットインフラ市場は今後も拡大が見込まれており、当社が事業運営において重視するカスタマーサクセスの実現にはサーバなどの機材に関する継続的な投資が不可欠なものであると認識しております。株主還元につきましては、当社グループは成長フェーズにあると考えており、持続的成長と収益力確保のため原資を確保しつつ、株主様への一定の利益還元を両立させたいと考えております。資金調達につきましては、賞与・納税等の短期運転資金は自己資金及び借入を基本とし、設備投資資金や長期運転資金は自己資金、借入及びリースを基本とすることで、事業運営上必要な資金の安定的な確保に努めており、設備効率の向上によるキャッシュ・フローのさらなる創出と、財務の安全性を確保しながらの成長投資を見極めてまいります。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,582,112千円、資金の残高は4,810,628千円となっております。

 

 

(4) 経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識等

当社グループは、持続的な成長と安定した収益体質の実現を経営の目標としており、具体的には前期対比売上高成長率10%以上、売上総利益率30%以上、売上高対経常利益率10%以上の継続的な達成を目指しました。

当連結会計年度においては、物理基盤サービスからクラウドサービスへのシフトを図る中で、物理基盤サービスにおける大口案件の契約期間満了等による影響がありましたが、クラウドサービス売上が引き続き好調に推移し、前期対比売上高成長率は3.0%増となりました。利益面につきましては、原油価格高騰による電力費増加や円安によるドメイン取得原価増加など外的要因による費用増加がありましたが、クラウドサービス売上の増加や、クラウド集中による投資の効率化やデータセンター最適化が進行し、売上総利益率は26.0%(前期は23.5%)、売上高対経常利益率は4.7%(前期は3.2%)と収益性を向上させることができました。

今後の見通しにつきまして、社会全体のDXの進展により、ネット企業以外の一般企業もデジタル上で利益を得る時代になりつつあります。また、AI・大規模言語モデルの発展やVR技術の商業化の進展によりGPUなどの高度な計算資源への需要が増加しておりますが、わが国は海外サプライチェーンへの依存によるIT貿易赤字が拡大しており、経済安全保障の観点から国産クラウドへの期待が高まっております。

このような環境のもと当社グループは、クラウドビジネスの成長を促進するとともに、インターネット黎明期より時代に即したサービスを提供しながら成長してきた経験と技術力をもとに、既存産業の延長や効率化ではない新たなサービスを一般企業と開発していくとともに、公共案件をはじめハイパフォーマンスコンピューティングサービスを自社データセンターで提供してきた知見・実績を活かしてAI・バーチャルエコノミー等の新たな計算需要に応えてまいります。具体的には、DX化を進めるメーカー等の一般企業や中央省庁・地方自治体へ顧客を拡大して共創・支援を入口としてコア事業であるIaaSの成長を図ってまいります。また、中長期のさらなる成長に向けて今期中に100人規模の採用を計画しており、ガバメントクラウド採用を目指したクラウドサービスの強化や、新規サービス開発のためのエンジニア、DX支援・共創案件の増加に対応できる体制強化のための営業・マーケティング人員の拡充を図ってまいります。

2024年3月期は、こうした取組み等により、クラウドサービスが順調に伸長して増収と見込んでおり、利益面につきましても、中長期的な成長を見据えた積極的な成長投資を継続しつつも、収益性の高いクラウドサービス売上の増加等により、増益と見込んでおります。

 

  (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、現時点において新型コロナウイルス感染症による会計上の見積り等への重大な影響はないと考えております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

① 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。

固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

② 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

③ 資産除去債務

連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、資産除去債務については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。