売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E05699 IFRS

売上高

33.8億 円

前期

29.7億 円

前期比

113.8%

時価総額

101.8億 円

株価

582 (05/02)

発行済株式数

17,491,265

EPS(実績)

-95.66 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

816.4万 円

前期

754.7万 円

前期比

108.2%

平均年齢(勤続年数)

41.3歳(7.9年)

従業員数

104人(連結:145人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ソフトウェア技術とインターネット技術を中核としたさまざまな「つなぐ」ニーズに応えるソフトウェアの開発と販売およびそれに付帯する事業を行っています。

 

(1)当社の事業内容について

 当社は、企業情報システム、クラウドサービス、デジタル機器などを「つなぐ」(文字情報、数値情報、映像情報などデジタル化可能な情報の伝達)ためのソフトウェアを開発し、市場に提供しています。

 その中でも、当社は個別の企業向けのソフトウェア開発を行う「受託開発」ではなく、不特定多数向けのパッケージやクラウドサービスを提供する「製品開発」を行っています。

 当社の事業は、「ソフトウェア事業」、「デザイン事業」、「企業投資事業」の3つの事業で構成されます。また、事業セグメントとしては、ソフトウェア事業とデザイン事業を合わせた「ソフトウェア事業セグメント」と企業投資事業のみで構成される「投資事業セグメント」の2つのセグメントがあります。

 

<ソフトウェア事業>

 本事業は、データ連携ミドルウェア※「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)、モバイルアプリ作成ツール「Platio」(プラティオ)、モバイル向けコンテンツ管理システム「Handbook」(ハンドブック)、およびAI搭載IoT※統合エッジウェア※「Gravio」(グラヴィオ)の4製品で展開しています。

「ASTERIA Warp」の売上は、主としてライセンス※とサブスクリプション※で構成されるソフトウェアの利用対価売上とサポート(保守)売上によって構成されています。「Platio」、「Handbook」および「Gravio」の売上は、サブスクリプション型です。

 

<デザイン事業>

 デザイン事業は、英国に拠点を置く100%子会社This Place Limitedを中心に展開しています。事業内容としては、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)におけるブランディング戦略のコンサルティング、ウェブやモバイルアプリのデザインに関するコンサルティング等を提供しています。

 

<企業投資事業>

 企業投資事業は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.(以下 AVF)が管理する投資を行っています。AVFの投資対象は、ソフトウェア事業の研究開発投資対象である「4D」 (Data, Device, Decentralized, Design)に絞り、単なる投資リターンのみならず中長期的なシナジーも企図した投資を実行しています。

 

(2)当社の主要なソフトウェア製品

① 「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)

 当社の主力ソフトウェア製品「ASTERIA Warp」は、当社が独自に設計・開発を行ったノーコード企業向けデータ連携用ミドルウェア製品で、汎用のデータ連携機能をパッケージで提供することにより企業内外に存在するシステム間の連携を簡単・迅速に実現することを目指した製品です。

 <企業内データ連携> 「ASTERIA Warp」は、企業内システムを連携させる際に、システム間を1対1で個別に接続するのではなく「ASTERIA Warp」を中心として多対多の接続を実現します。「ASTERIA Warp」専用のアダプターが100種類以上の連携先と接続し、多様なデータ形式、通信手順形式、業務システムに対応し、最小限の接続数で拡張性の高い柔軟なシステム連携を迅速かつ効率的に行う機能を有しています。

 <企業間データ連携> 「ASTERIA Warp」は、システムの仕様や業務フローなどが多様な複数企業間における、多種多様な情報をやりとりするために必要な通信プロトコルや認証などの機能を装備し、企業間での発注処理などにおいて円滑なシステム連携を行う機能を有しています。

 <クラウドサービス連携> 「ASTERIA Warp」は近年普及が進んでいる各種クラウドサービスとの連携が可能です。Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureで提供される基本的なクラウドサービスに加え、Salesforceやkintoneなどクラウド上のアプリケーションサービスとデータ連携する機能を有しています。

 

② 「Handbook X」(ハンドブック エックス)

 「Handbook X」は、従来販売してきた「Handbook」の次世代版として、2022年2月に提供を開始したデジタルコンテンツプラットフォームです。スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末をはじめとするキーボードが無く、持ち運びが出来るコンピュータ)上にダウンロードして使う「アプリ」だけで稼働し、組織内外の多種多様な情報を、セキュリティを保ちながら登録・整理・配信・共有することを可能にします。

 

 

 

③ 「Platio」(プラティオ)

 「Platio」は、ノーコードでモバイルアプリを手軽に短期間で作成することができるサービスです。モバイルデバイスで得られる位置情報、カメラ、ビデオの情報に加え、IoT機器のセンサーデータ、そして手入力の情報などをまとめて入力する機能を有しています。アプリで入力した情報は自動的に生成されたクラウド上のデータベースに送信され、現場の情報の中央管理を手軽に実現します。さらに、クラウドに集まった情報をエクセルやCSV形式で出力したり、API※によって様々なシステムと連携する機能も有しています。

 「Platio」は、アプリを開発するクラウドサービス「Platio Studio」と、アプリを配布実行する「Platioアプリ」で構成されています。「Platio Studio」は、豊富なテンプレートと柔軟なカスタマイズ機能を備えており、業務現場に適したモバイルアプリを制作できます。

 

④ 「Gravio」(グラヴィオ)

 「Gravio」は、オフィス、ビル、店舗などでのIoTソリューションにおける、効率的なデータ収集と活用をノーコードでシンプルに実現するために開発したエッジコンピューティング※用ミドルウェアです。世界中のあらゆる現場で幅広く普及しているWindows上でも動作することで、既存のPC運用における知見や情報リソースを最大限に活かしながら、先進のIoTソリューションを手軽に実現します。

 「Gravio」は以下の6つの特長を有しています。

1:センサーデータ処理。IoT機器からのデータ加工・連携を一元的にエッジで処理可能。

2:各種デバイスの制御が可能。IoT機器に対する作動制御(命令発行)が可能。

3:AI(マシンラーニング)搭載。顔認識や天気の識別などカメラをセンサーとして使用可能。

4:ノーコード。直感的かつ流麗なインターフェースにより高い操作性を提供。

5:レイアウトビュー。エリア内に設置されたIoT機器の状態を画面上で俯瞰することが可能。

6:Windowsで動作。運用、管理、保守が容易でかつ高いセキュリティを実現。

 

(事業系統図)

※画像省略しています。

 

〔用語解説〕

 ここに示す用語解説は、本書内で使用する用語の意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。(アルファベット、50音順)

用語

解説・定義

API

Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア機能の一部を公開して、他のソフトウェアからその機能を共有するために使用するインターフェースの仕様。結果としてソフトウェア同士の連携が可能となる。

IoT

〔Internet of Things〕あらゆる「モノ」がインターネットに接続される仕組み。

Java

(ジャバ)

世界的に広く普及しているコンピュータプログラミング言語の一つ。米Sun Microsystemsによって1995年に開発された。

W3C

World Wide Web Consortiumの略。HTMLやXMLなどインターネット技術の標準化を行っている組織。

XML

eXtensible Markup Languageの略。1998年2月にW3Cで勧告された標準データ仕様。データにタグ付けをすることで、データ自身に意味づけを記述できるため、コンピュータと人間の双方がその内容を理解することができる。特定のOS、アプリケーション、ベンダーなどに非依存であることが特徴。

アプリ

元来アプリケーションの略語だが、現在では特にスマートフォンやタブレットのアプリケーションを指す。

エッジウェア

〔Edgeware〕エッジコンピューティング用のミドルウェア(当社の造語)

エッジコンピューティング

〔Edge Computing〕コンピュータネットワークの周縁(エッジ)部分でデータを処理する分散コンピューティングの概念。

クラウド

〔Cloud〕企業が、ハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たずにインターネット上に存在するハードウェアやソフトウェアを必要に応じて利用する形態。

コーディング

〔Coding〕アセンブラ、C言語、Javaなど文字を使用したソフトウェア開発作業の総称。

サブスクリプション

〔Subscription〕利用期間にわたり継続的に利用の対価をいただく販売方法(売上計上は毎月)

スマートデバイス

〔Smart Device〕スマートフォンをはじめ、タブレット型コンピュータなど、キーボードを持たない高性能モバイル・コンピュータ。必ずしも電話機能を持つ必要はない。

ノーコード

ソースコードを書かなくてもソフトウェアやアプリ等の開発ができる仕組み。プログラミング言語に関する専門的な知識がなくても、必要とする機能の実装や現場の運用に合わせた改変等が可能。

ミドルウェア

〔Middleware〕複数のソフトウェアの中間に位置し相互の連携を司るソフトウェア。

ライセンス

〔License〕最初に1回だけソフトウェア利用の対価をいただく販売方法(売上計上は発生月のみ)

 

 

23/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の状況

① 資産

当連結会計年度末における資産合計は、10,617,862千円となり、前連結会計年度末に比べ1,976,856千円減少しました。この主な要因は、その他の金融資産1,478,177千円及びのれん449,860千円の減少によるものです。

② 負債

負債合計は2,989,136千円となり、前連結会計年度末に比べ624,221千円減少しました。この主な要因は、繰延税金負債391,303千円、営業債務及びその他の債務248,422千円の減少によるものです。

③ 資本

資本合計は7,628,727千円となり、前連結会計年度末に比べ1,352,635千円減少しました。この主な要因は、その他の資本の構成要素433,772千円の増加、利益剰余金1,681,405千円及び非支配持分129,796千円の減少によるものです。

(2) 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月~2023年3月)における当社グループの業績は、売上収益については前期比で13.8%増の3,378,113千円となりました。事業別には、ソフトウェア事業の好調が続き前期比9.4%増、デザイン事業においては前期比39.8%増と大きく伸長いたしました。

 利益については、企業投資事業において、上場した投資先Gorilla Technology Group社の株価下落により、2,112,871千円の未実現評価損失を計上したほか、子会社This Place Limitedに関するのれん減損損失449,860千円の計上により、営業損失2,578,839千円、税引前損失2,346,642千円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,682,810千円となりました。

 

  ≪当社グループの取り組み≫

今後、当社グループにおいては、デジタル化は不可逆であると考えており、数年間にわたって大きく成長すると考えられる「D4G」(Data, Device, Decentralized, Design for Green)領域への事業展開及び戦略的投資を継続します。

また、当社ソフトウェア製品から培ってきた強みである「ノーコード」関連領域の取組みを強化します。2022年4月ノーコードに特化したリスキリングポータルサイト「NoCode Gate(ノーコードゲート)」開設に続き、同年9月ノーコードによるソフトウェア文化の変革を目的とした「ノーコード推進協会」を発起人企業の一社として設立しました。普及啓発活動を通じて、企業や社会の生産性向上に寄与するDXを推進してまいります。

また、国内を中心にサテライトオフィスを充実させるなかでオフィスのあり方を再定義し、社員が自律的に選択するマルチワークプレイスによる新しい働き方を推進しています。本年7月には長野県軽井沢町に新たなオフィスの開設も予定するなど、環境整備を進めています。

 

≪当社の報告セグメント≫

当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うための区分を基礎とし、「ソフトウェア事業セグメント」と「投資事業セグメント」の2つを報告セグメントとしています。「ソフトウェア事業セグメント」は、当社が創業来拡大している企業向けの「ソフトウェア事業」と、2017年に買収したThis Place社にて提供する「デザイン事業」の2つの事業で構成されます。「投資事業セグメント」は、2019年に開始したAsteria Vision Fundで実施する企業投資事業で構成されます。

 

≪ソフトウェア事業セグメント≫

 ソフトウェア事業セグメントは2つの事業で構成されそれぞれの売上収益の状況は以下の通りです

<ソフトウェア事業>

 本事業は、データ連携ツール「Warp(ワープ)」、商談支援アプリ「Handbook X(ハンドブックエックス)」、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」、AI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio(グラヴィオ)」を展開しています。

 「Warp」インボイス制度などの法規制の改正への対応や、幅広い業界で業務効率の改善に向けたDXが推進される中、ノーコードによるデータ連携ニーズの拡大基調が引き続き継続しています。さらに国内主要クラウドサービスとの協業によるプロモーション活動を展開した結果、前期比約11%の増収となりました。2022年12月には「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」のデータ連携基盤としてWarpが採用され、新たなビジネス領域となるiPaaS市場への参入も果たしました。

 「Handbook X」導入の手軽さや多様なコンテンツへのアクセスのしやすさなどが評価され、無償ダウンロード数が15万件を突破するなど、従来製品Handbookの展開フィールドを超えて新たなマーケット開拓を推し進めています。

 「Platio」「物流の2024年問題」などの残業規制導入に向けた業務効率化や、業務のデジタル化(アプリ化)等のDXニーズの高まりを受け、アプリの内製化を実現するノーコードツールとして幅広い業界で導入が進んでいます。2022年1月には、アプリ作成から多様なシステムとのデータ連携まで可能な新ラインアップ「Platio Connect」を投入し、販売パートナーとの積極的な販促活動も展開した結果、前期比約60%の増収となりました。

 「Gravio」AIやIoTを活用したシステムをノーコードで構築できることから、オフィス回帰に伴うワークプレイスのスマート化などのニーズが拡大しています。また、水際対策緩和によって訪日外国人観光客(インバウンド)数が増加する中で宿泊施設の人手不足を解消するツールとしてGravioの引き合いが急増しています。

 

 このような活動の結果、本事業の売上収益は2,769百万円(前期比109.4%)となりました。

 

<デザイン事業>

 主に英国・米国において、顧客企業のDX戦略の策定・実行支援のほか、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)向上のためのコンサルティングを提供しており、日本での事業も開始しています。当連結会計年度は、英国・米国の既存顧客からの継続受注のほか、米国大手IT企業、国際組織および日本の小売企業等の新規顧客を獲得したことにより、前期比で増収となりました。

 このような活動の結果、本事業の売上収益は609百万円(前期比139.8%)となりました。

 

≪投資事業セグメント≫

 投資事業セグメントは、2019年に開始したAVF-1を通じた企業投資事業です。AVF-1は「4D戦略」(Data, Device, Decentralized, Design)に基づく投資を実施しており、その業績は、国際会計基準に基づき投資先の評価額の増減を計上しています。

 当連結会計年度において、AVF-1の出資先であるGorilla Technology社が2022年7月14日(米国時間)に米国NASDAQへ上場いたしました。

 当社では、第2四半期連結会計期間末より市場価格にて測定される公正価値の変動額を損益に反映しており、当該株価が2023年3月期第4四半期の末日において4.8米ドルとなったことにより、2,113百万円の未実現評価損失を計上いたしました。

 結果として、当連結会計年度において2,033百万円の評価損を計上いたしました。

 

また、当連結会計年度における、セグメント状況は下記のとおりです。

① 報告セグメントの概要

 当企業グループの報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社グループは、「ソフトウェア事業」および「投資事業」の2つを報告セグメントとし、2つの事業を基礎として組織が構成されております。「ソフトウェア事業」は、当社が創業来拡大している企業向けの「ソフトウェア事業」と「デザイン事業」の2つの事業で構成されます。

 「投資事業」は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する投資で構成されています。

 

② 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及び資産の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

 

報告セグメント

 

調整額

(注)1

 

連結

 

ソフトウェア事業

 

投資事業

 

 

 

 

千円

 

千円

 

千円

 

千円

 

千円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

2,967,587

 

-

 

2,967,587

 

-

 

2,967,587

セグメント間収益

67

 

26,980

 

27,048

 

△27,048

 

-

合計

2,967,654

 

26,980

 

2,994,634

 

△27,048

 

2,967,587

セグメント利益(△損失)(注2)

42,784

 

3,969,655

 

4,012,439

 

125

 

4,012,564

その他の収益及び費用(注2)

 

 

 

 

 

 

 

 

△567,310

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

553,121

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

11,256

持分法による投資損益(△損失)

 

 

 

 

 

 

 

 

△2,728

税引前利益(△損失)

 

 

 

 

 

 

 

 

3,984,392

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

161,478

 

356

 

161,835

 

-

 

161,835

減損損失

603,899

 

-

 

603,899

 

-

 

603,899

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。

2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。

 

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

報告セグメント

 

調整額

(注)1

 

連結

 

ソフトウェア事業

 

投資事業

 

 

 

 

千円

 

千円

 

千円

 

千円

 

千円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

3,378,113

 

-

 

3,378,113

 

-

 

3,378,113

セグメント間収益

81

 

-

 

81

 

△81

 

-

合計

3,378,194

 

-

 

3,378,194

 

△81

 

3,378,113

セグメント利益(△損失)(注2)

△21,122

 

△2,093,011

 

△2,114,133

 

△81

 

△2,114,215

その他の収益及び費用(注2)

 

 

 

 

 

 

 

 

△464,624

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

303,445

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

76,675

持分法による投資損益(△損失)

 

 

 

 

 

 

 

 

5,427

税引前利益(△損失)

 

 

 

 

 

 

 

 

△2,346,642

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

140,948

 

245

 

141,193

 

-

 

141,193

減損損失

474,774

 

-

 

474,774

 

-

 

474,774

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。

2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりです。当社グループの業績は、売上収益については前期比で13.8%増の

3,378,113千円となりました。事業別には、ソフトウェア事業の好調が続き前期比9.4%増、デザイン事業においては前期比39.8%増と大きく伸張いたしました。

 利益については、企業投資事業において、上場した投資先Gorilla Technology Group社の株価下落により、2,112,871千円の未実現評価損失を計上したほか、子会社This PlaceLimitedに関するのれん減損損失449,860千円の計上により、営業損失2,578,839千円、税引前損失2,346,642千円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,682,810千円となりました。

 

前期実績

当期実績

従業員一人当たり売上収益

22,482千円

23,297千円

売上総利益率

84.0%

82.1%

営業利益率

116.1%

-%

 

(4) キャッシュ・フローの状況

① 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より72,464千円減少し、1,743,642千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は234,825千円(前期58,041千円の獲得)となりました。主に税引前損失2,346,642千円減少に対し、その他の費用2,033,749千円(主に投資にかかる未実現損失)の増加によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は67,313千円(前期498,690千円の使用)となりました。主に投資の売却及び償還による収入455,100千円及び貸付金の回収による収入431,590千円に対し、貸付けによる支出402,660千円及び有形固定資産の取得による支出391,787千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は265,518千円(前期224,968千円の使用)となりました。主に長期借入金の返済による支出142,800千円及び配当金の支払75,538千円によるものです。

② 当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行っております。そのため、先端技術を習得した技術者の採用によって研究開発を推進することに加え、企業買収等によって時間と優秀な技術者を獲得することや、世界的な視野において当社の投資領域である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design for Green)に合致する企業への効率的な投資を行うために2020年3月期に金融機関から借入金10億円を調達し投資を行っており、当連結会計年度においても、事業からの利益を効率的な投資にあてております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識致します。

 経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。

 

① 非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針(9)非金融資産の減損」)

当社グループは、有形固定資産及び無形資産について、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能額の算定においては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率及び長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経営条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表等において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。

 

② のれんの減損(注記「3.重要な会計方針(8)のれん及び無形資産」)

当連結会計年度において、非上場の子会社であるThis Place Limited社(以下、TP社)に関するのれんについて、減損損失を449,860千円計上しております。その結果、当連結会計年度末におけるのれんの残高はありません。

のれんを配分した資金生成単位の回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの見積額は、経営者が承認したTP社の事業計画を基礎とし、事業計画後の期間のキャッシュ・フローについては永久成長率を0%としております。

英国に本社を置くTP社の主要な事業内容は、ソフトウェア事業に関するデザインサービス事業であり、事業計画における主要な仮定は、既存顧客からの継続受注と、新規顧客の獲得や受注見通しであり、割引計算に使用した割引率は、資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しております。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針(13)法人所得税」及び注記「16.法人所得税」)

当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しております。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しております。将来の課税所得の見積りは、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。当該前提とした状況の変化や将来の税法の改正等により、繰延税金資産や繰延税金負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。

 

④ 金融商品の公正価値の測定(注記「3. 重要な会計方針(4)金融商品」及び注記「31. 金融商品」)

当社グループが保有する公正価値で測定する金融資産及び金融負債が、活発な市場における公表価格によって測定できない場合には、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しております。

特に、観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択など、当社グループの経営者による判断や仮定を前提としております。

これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

② 受注実績

 事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

③ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、全てソフトウェア事業からになります。

売上区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

ライセンス(千円)

836,475

102.0

サポート(千円)

1,164,979

110.7

サービス(千円)

1,376,658

125.8

合計

3,378,113

113.8

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

SCSK株式会社

366,718

12.36

396,598

11.74

パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社

348,241

10.31

(注)1.パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社の前連結会計年度は、10%未満であるため記載を省略しております。