売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05713 Japan GAAP

売上高

2,152.8億 円

前期

921.2億 円

前期比

233.7%

時価総額

373.3億 円

株価

2,136 (04/26)

発行済株式数

17,477,433

EPS(実績)

284.08 円

PER(実績)

7.52 倍

平均給与

609.9万 円

前期

57.3億 円

前期比

0.1%

平均年齢(勤続年数)

42.0歳(2.7年)

従業員数

35人(連結:1,430人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(Abalance株式会社)、連結子会社35社及び関連会社5社により構成されており、太陽光発電システムの仕入・開発・販売・売電に関するグリーンエネルギー事業、太陽光パネル製造事業、建設機械の仕入・販売・レンタルに係る事業、光触媒酸化チタンコーティング剤とそれを利用した製品の製造販売に係る光触媒事業、及びソフトウェアライセンス販売、システム構築、その他付帯サービス提供に関するIT事業を行っております。

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりです。

 

1.太陽光パネル製造事業

当社の連結子会社であるVSUN社、VSUN SOLAR USA Inc、Vietnam Sunergy Europe GmbH、VNREE Co., Ltd、VSUN China Co., Ltd、Vietnam Sunergy (Bac Ninh) Company Limitedにおいて、太陽光パネルの製造販売業を営んでおり、主に産業用、家庭用太陽光パネルの米国、欧州のほか、東南アジア向けに販売を行っております。また、Cell Companyを設立いたしました。

2.グリーンエネルギー事業

当社の連結子会社であるWWB株式会社及び株式会社バローズ、株式会社バローズエンジニアリング、角田電燃開発匿名組合事業を中心に、ソーラーパネル及び関連商品の販売、発電所開発販売、太陽光発電や風力発電等の操業による売電事業を行っております。

3.IT事業

当社の連結子会社であるAbit株式会社及び株式会社デジサイン、株式会社FORTHINKにおいて、同社主力製品「Knowledge Market」の新規のお客様への導入や、マイクロソフト関連事業におけるライセンス販売、SI、運用保守等を行っております。

4.光触媒事業

当社の連結子会社である日本光触媒センター株式会社において、チタンコーティング剤とそれを利用した製品の製造販売等を行っております。

5.その他

当社の連結子会社であるWWB株式会社及びバングラデシュ国Win power Ltd.において、建設機械を国内及び海外に販売しており、建機販売事業を含めております。また、バーディフュエルセルズ合同会社では、次世代のクリーンエネルギー貯蔵システムを担う水素エネルギーを活用した貯蔵システムの研究開発を計画的に推進しております。

 

 

〔企業集団の事業系統図〕

 

※画像省略しています。

 

※1 重要性が低いものに関しては、上記の系統図から記載を省略しております。

※2 二重四角枠は連結子会社を示し、は持分法適用会社を示しております。

24/03/14

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

再生可能エネルギー市場では、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑える温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」*1の目標達成に向けて、各国でカーボンニュートラル*2が宣言されるなど、世界的に脱炭素化の動きが広がりを見せております。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC*3)は、2035年の温室効果ガス排出量を19年比で60%削減する必要があることを示し、主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合も共同声明にこれに準じた内容を織り込んでおります。産業界では、持続可能な社会の実現(SDGs*4)のため、温室効果ガス排出目標(SBT*5)・RE100など、脱炭素化に意欲的な企業が増加しており、ESG投資やグリーンファイナンスなど、脱炭素関連の投融資も活発化しております。各国で温度差を残しながらも、地球環境温暖化への強い危機感から、世界的な脱炭素化への取り組みは今後、一層加速することが期待されております。

 

日本国内においても、2050年カーボンニュートラル*2宣言のもと、2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比で46%削減、更に50%削減を目指す政府の目標が示されております。「第6次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーを主力電源と位置付け、その導入に最優先で取り組むものとされております。大企業・自治体等を中心に、電力の自家消費、蓄電池の導入促進、省エネ対策の普及等が期待される中で、グリーントランスフォーメーション(GX)、カーボンプライシング等の施策が進む見通しです。また、東京都を始めとする各自治体において、戸建て住宅を含む新築建物に太陽光パネルの設置義務化や使用済み太陽光パネルを利活用する動きが見られるなど、再生可能エネルギーに関連する投資は、今後も拡大する見通しです。

 

当社グループは、再生可能エネルギーの中核的グローバル企業を目指す2030年グループビジョンのもとで事業を推進し、当期は、従前の「中期経営計画(2022-24)」の最終年度に当たります。当該計画においては、目標値の再上方修正を行ってきたほか、計画時に十分想定し得なかったセル工場の新設や、米国における太陽光パネル製造工場建設の検討のほか、パネル年間製造目標(8GW)を引き上げる必要性などが生じたため、一年前倒しとなりますが、新たな中期経営計画として取り纏め、本年9月22日に公表しました(「Abalanceグループ中期経営計画(2024-26)」)

 

当連結会計年度においては、不確実性のある外部環境にありながらも、太陽光パネル製造事業が大きく連結業績を牽引すると共に、グリーンエネルギー事業につきましても底堅く推移いたしました。太陽光パネル製造事業を営むベトナムのVSUN社において、欧米市場向けのパネル販売が想定を超えて好調に推移し、特に下期において、2023年1月より第4工場が本格稼働になったこと、また、部材価格・輸送費等の高騰化に対する価格転嫁が功を奏したほか、コンテナ運賃の低下と相俟って、利益率の改善が一層鮮明となりました。

 

グリーンエネルギー事業においては、太陽光発電所及び太陽光発電設備に係る物品販売を継続したほか、重点施策の一つである発電所の自社保有化(ストック型ビジネスモデル)の転換が進み、売電収入が順調に推移致しました。WWB株式会社、株式会社バローズは、PPA*6事業者として、ノンフィット案件を強化すると共に、脱炭素化を志向する企業や自治体等へソリューション提案を行い、自家消費案件、ソーラーシェアリング等を推進しております。脱炭素ニーズ対応のため、ノンフィット案件の提携や新規事業部門(PPA*6等)を中心としたリソース増員、電気代削減ニーズへの提案型営業等も更に強化していく方針です。

その他事業として、2024年を目途に、太陽光パネルと同等価格で1日平均発電量の7日分以上の電力を貯蔵可能な大規模エネルギー貯蔵システムの研究開発を推進しております。

当社グループは、ソーラーシェアリングシステム*7の販売拡大、東南アジア全域を対象とした機械装置の販売拡大、光触媒活用による安全かつ衛生的な養豚・養鶏場の運営に係るシナジーを見込み、2022年2月、製粉製造設備、配合飼料製造設備の製造販売等を営む明治機械株式会社と業務提携契約を締結しております。2022年11月には、連結子会社のWWB株式会社及び日本光触媒センター株式会社と明治機械株式会社との間で業務提携契約を締結し、光触媒製品に係る共同マーケティングのほか、食の安心・安全を担保するシナジーが一部創出し、光触媒製品の販売等を共同で進めておりますが、今後、提案活動を一層深化させて参ります。なお、当社の連結財務諸表において、当連結会計年度の期首より、明治機械株式会社の持分法適用に伴う損益の取り込みを開始しております。

 

経常損益の区分において、持分法適用会社である当社グループの明治機械株式会社の持分法による投資利益のほか、主にVSUN社における外貨建債権債務の為替変動に伴う為替差益が営業外収益の主な要因となっております。

 

以上の結果、当連結会計年度において、売上高は215,284百万円(前期比133.7%増)、営業利益は12,804百万円(前期比697.3%増)、経常利益は14,038百万円(前期比889.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,965百万円(前期比515.4%増)となりました。

 

 

当社は、2023年8月10日開催の当社取締役会において、当社子会社であるCell Companyが、米国ナスダック市場(以下「NASDAQ」という。)に上場している特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Company:SPAC)である、BLUE WORLD ACQUISITION CORPORATION(NASDAQ Trading Symbol:BWAQ)との間で基本合意書(Business Combination Agreement)を締結し、Cell CompanyがNASDAQ上場を目指すこと(以下、「本取引」という。)を決議しました。TOYO Co., Ltd. (以下、「TOYO Co」という。)は、当社子会社の FUJI SOLAR株式会社が本取引のために設立した特別目的会社であり、当社連結子会社であるVSUN社の100%子会社であるCell Companyを、TOYO Coが本取引のため設立した特別目的会社のTOPTOYO INVESTMENT PTE LTD.(以下「TOPTOYO」という。)を通じて買収致します。これにより、TOYO CoはCell Companyの親会社となり、NASDAQ上場を目指して参ります。

 

セグメント毎の経営成績については、次の通りです。ただし、将来予想に関する見通しは本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

1.太陽光パネル製造事業

VSUN社は、ベトナムのバクザン省、バクニン省に太陽光パネル製造の自社工場を有しております。再生可能エネルギーに関する事業をグローバルに展開する上で、サプライチェーンに太陽光パネルの製造機能を持つことは、グループの大きな強みであり、競合他社との差別化となっております。世界的な再生可能エネルギー需要を背景に、VSUN社の受注が継続する一方で、生産能力を拡張する設備投資を実行し、2023年1月より、第4工場が本格稼働に入っております。年間生産能力は従前の2.6GWに、第4工場の2.4GWを加え、合計で5.0GW(凡そ国内年間設置容量に相当)へと拡張しております。

VSUN社は日系資本の世界的な太陽光パネルメーカーへと成長し、「Tier1リスト」(Bloomberg社)にも掲載され、生産能力は日系パネルメーカーでは首位にあるものと認識しております。VSUN社は、日本の生産・品質管理の手法・体制を取り入れながら、これまで欧州向けの産業用・家庭用太陽光パネル販売で事業を拡大させてきました。VSUN社の売上高の9割以上が欧米向けのパネル販売で占めており、近年は、米国向けのパネル販売が急速に伸長しております。その他、南米、アフリカ、アジア地域からの受注も獲得しております。利益面においては、世界的なインフレに対する価格転嫁の推進、コンテナ運賃の低下、生産体制の効率化等を主な要因として、利益率が大きく改善しております。下期においては、中国の春節、ベトナムのテト(旧正月/祝日)のほか、ベトナムでの電力不足に伴う工場操業の低下を出来る限り回避するため、サプライヤー協力や生産スケジュールの事前調整等により、工場稼働・出荷体制の維持を図りました。

 

太陽光パネル製造事業に係る設備投資について、VSUN社は、2023年3月に、第4工場の設備資金(融資額:10百万US$(14.4億円))として、グリーンローンによる資金調達を行っております。本件は、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金調達に用いられる融資で、グリーンローン原則に準拠したフレームワークを作成の上、格付機関よりグリーンローン原則や関連ガイドライン等に適合している旨のセカンドオピニオンを取得しております。当社グループは、VSUN社において生産された太陽光パネルの総発電容量によるCO2排出削減量を年次報告致します。

 

太陽光パネルの主要部品であるセル(N型TOPCon)を現状の外部調達から自社生産体制へ切り替えるべく、ベトナム国フートー省にセル工場(第1フェーズ、2023年10月完成予定)を建設中です。プロジェクト全体では、年間生産能力6GW(投資額:約3億US$(435.0億円))、その内、第1フェーズは年間生産能力3GW(投資額:約1.8億US$(261.0億円))、必要資金は自己資金及び借入金により充当の上、2023年10月完成に向け順調に建設工事が進捗しております。本設備投資により、主要部品の内製化によるコスト削減を実現し、利益率の向上が期待されるだけでなく、部品調達の安定化、サプライチェーンの垂直的な川上強化、各国の輸入規制にも柔軟に対応を図ります。セル工場の稼働後、将来的にはセルの外部販売による売上増を見据えていますが、第2フェーズのプロジェクト進行につきましては、状況が分かり次第、速やかに開示する予定です。

 

()MUFG「外国為替相場情報」(2023年6月30日)を参考に、TTM(仲値)144.99円/US$により外貨換算しております。

 

また、VSUN社は、今後の米国市場における競争優位性を早期に確保すべく、米国における太陽光パネル新工場建設のため、候補地視察など具体的な検討を進めております。本件について、建設地の選定、建設資金の手当等の検討過程にありますが、決定次第、速やかに開示致します。また、ベトナム投資開発銀行(BIDV)との長期的パートナーシップ協力協定の締結(2023年5月開示)は、今後の工場建設を始めとして、事業活動の円滑化に大きく資するものであります。

 

 

VSUN社は、サプライチェーンを主体とするサステナビリティ評価の世界的な評価機関であるEcoVadis(エコバディス、本社:フランス)の評価において、世界中の75,000以上の参加企業の中で64位にランクされ、前年度に続き、Bronze Medalを受賞しました。EcoVadisは、グローバルサプライチェーンのサステナビリティ評価を環境、労働と人権、倫理、及び持続可能な資材調達の4分野で包括的な評価を行う世界的な第三者機関であり、同社は2007年の設立以来、世界160か国、200業種、75,000社以上が登録する情報共有プラットフォームを通じた多数の評価実績を有します。本評価を受けたサプライチェーンには特段のリスクがないことの社会的な評価を得られ、アメリカや欧州を始め、日本国内でも購買部門におけるサプライヤー契約リスク管理のため、同社の評価が広く活用されております。本件の受賞は、太陽光パネルの企画設計から仕入、各工程における製造、製品検査等の一連のデュープロセスや事業実績が高く評価された証左と認識しております。また、太陽光モジュールの信頼性・性能試験機関のPV Evolution Labs(PVEL)より、モジュールの信頼性に関する調査結果を纏めた報告書「PVモジュール信頼性スコアカード」(2022年度版)におきましても、前年度に続き、「トップパフォーマー(Top Performer)」の一社に認定されております。

 

以上の結果、売上高は206,811百万円(前期比152.9%増)、セグメント利益は12,701百万円(前期比925.5%増)となりました。

 

2.グリーンエネルギー事業

当社グループでは、WWB株式会社、株式会社バローズを主体として、低圧発電所を中心とした太陽光発電所の販売のほか、太陽光パネル、PCS、産業用及び住宅用蓄電池等の太陽光発電設備に係る主に産業用の物品販売をフロー型のビジネスとして行いつつ、近年では、売電収入を原資とする安定収益確保のため、完工後も発電所を継続して保有するストック型のビジネスモデルを推進しております。PPA*6事業者として、ノンフィット案件への取り組みのほか、太陽光発電所を保有する企業や物件仕入・施工管理の強化等を目的としたM&Aを積極的に推進しております。連結子会社のWWB株式会社は、株式会社フレックスホールディングスの全株式取得により、茨城県内の6箇所の太陽光発電所(発電出力7.9MW、年間予定発電量9,045MWhでCO2削減量約3,500トン)を取得しております(2023年1月)。これらの発電所は、FIT価格32円/kWh(税別)~36円/kWh(税別)、取得後のFIT期間は約12~14年間であり、高利回りの売電収入が見込まれる良質の太陽光発電所であります(初年度売電収入予測額:約3億5千万円)。その後のアフターFIT期間も再生可能エネルギーを必要とする企業等への売電を計画しております

 

また、WWB株式会社、株式会社バローズは、脱炭素化を推進している企業、団体、自治体等を対象に積極的な提案を行い、新規事業として自家消費案件、ソーラーシェアリング、ソーラーカーポート事業等を推進しております。発電所の稼働案件については、角田市太陽光発電所(宮城県)、大波太陽光発電所(福島県)、花畑太陽光発電所(群馬県)、長嶺ソーラーファーム(宮崎県)、能登町太陽光発電所(石川県)、邑智郡太陽光発電所(島根県)、宮之浦太陽光発電所(鹿児島県)等から経常的に売電収入を収受しております。当連結会計年度の自社開発では、大和町・大衡村太陽光発電所(宮城県)、神栖太陽光発電所(茨城県)、宮崎市案件、風力案件(陸上/小型)等について、計画的に開発・建設を推進し、大和町・大衡村太陽光発電所(初年度売電収入予測額:約4.7億円(税別/暦年基準))、神栖太陽光発電所等が稼働を開始しております。O&M収入も安定収益源として定着し、WWB株式会社の実績に加え、株式会社バローズエンジニアリングにて、落雷対策に効果のあるアース線配線、施設内カメラの設置によるセキュリティの確保、RPAシステムを通じた異常点探知等のシステム完備により、本事業を引き続き推進しております。その他、脱炭素化への目標設定(SBT*5、RE100)など、企業の脱炭素経営の活発化や自治体等の再エネ導入への意欲から、脱炭素化に対するソリューションの企画・提案力の強化、ノンフィット申請や営農型太陽光発電案件等の積極的な推進を図っております。

 

WWB株式会社は、系統用蓄電池の設置・運用において、国内有数の大手発電事業者、建設会社、重電システムメーカーと協業し、設計・調達・施工・試験調整、電力市場取引システムによる需給運用を新規事業として行います。系統用蓄電池の導入は、電力需給変動の調整力を提供することで、国内における再エネの有効活用、普及促進等の社会的意義がありますが、本事業の推進に当たっては、経済産業省資源エネルギー庁の「令和4年度補正再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金(系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業)」における補助金交付が2023年4月20日付にて決定されております。

 

 

海外事業では、ベトナム、カンボジア、台湾等のアジアその他における旺盛な電力需要に対して、現地企業・総合商社との合弁等により事業参画しております。また、WWB株式会社は、ホテル三日月グループ様が運営されている、複合型リゾート「ダナン三日月ジャパニーズリゾート&スパ / Da Nang Mikazuki Japanese Resorts & Spa」に、設備容量約1MW相当(年間想定電力量:1,530.78MWh)の屋根設置型太陽光発電設備のEPC事業を担い、グランドオープン以降、電力供給が開始されております。当該設備にはVSUN社製造の太陽光パネルが搭載され、ホテル、スパ施設の約35%に相当する電力供給を想定し、本事業を推進しております。ファイナンス面については、脱炭素化への取り組み、グリーンエネルギー事業の実績が評価され、脱炭素化への貢献度に応じて、金利スプレッドが調整されるサステナビリティ・リンク・ローン契約の締結により、2022年9月、WWB株式会社は運転資金4億円を調達しております。当社グループでは、サステナビリティの推進に資する脱炭素経営の実践により、「安心・安全」でクリーンなエネルギー供給を通じ、今後もサステナビリティ、ESGに係るグリーンファイナンス関連のローン組成に積極的に取り組んで参ります。

 

以上の結果、太陽光発電所の販売及び部材に係る物販4,260百万円、売電及びO&M収入3,190百万円、その他549百万円を計上し、売上高8,002百万円(前期比19.3%減)、セグメント利益1,076百万円(前期比3.2%減)となりました。

 

その他、気候変動等の環境問題対策や脱炭素社会の推進は社会的な使命であるとの認識に立ち、一般社団法人炭素会計アドバイザー協会の目的・姿勢に強く賛同し、その普及・発展に貢献したいとの思いから、今般、特別賛助会員としてご承認いただき、入会しております。

 

3.光触媒事業

光触媒事業については、商品の知名度や商品性・品質は評価されましたが、事業収益化するまでに一定期間を必要とし、コロナ禍の一時的な落ち着きが見られた状況等もありました。前記の通り、2022年11月に当社の連結対象子会社であるWWB株式会社及び日本光触媒センター株式会社と明治機械株式会社との間で業務提携契約を締結しており、今後も両社グループの強みを発揮できるシナジーの創出・連携営業を拡大し、食に関わるすべての顧客に付加価値の高い提案を続けて参ります。

 

以上の結果、売上高40百万円(前期比49.1%減)、セグメント損失40百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。

 

4.IT事業

企業によるDX投資、5Gサービス、クラウドを活用したSaaSがIT市場で注目されており、IoTの浸透によって収集したビッグデータをAIで解析の上、業務効率・予測精度を向上させ、単純作業の効率化や人間への提案に転化するなど、新たな事業機会が創出されております。このような市場環境のなか、グループのAbit株式会社では、ナレッジ(情報・知識・経験)の共有や業務プロセスの再構築による労働生産性の向上を目的とした自社製品 「KnowledgeMarket®」、MicrosoftパートナーとしてMicrosoft365を活用したDX支援サービス、その他RPA製品を活用した効率化・省力化サービス等を実施致しました。

 

連結子会社の株式会社デジサインでは、強みであるデータセキュリティ技術を活かしたシステム開発や企業のデジタル化/DX支援を進める中、契約書作成~締結~管理まで契約業務をオンライン化し、紙依存・印紙代など様々な契約業務課題を解決するワンストップ電子契約ソリューション「e-Digi Sign」をリリースしております。各種プロフェッショナル人材の紹介サービス、データセキュリティを啓発するためのオウンドメディア「情報資産管理マガジン」、セキュリティ系商材を中心としたECサイト「Johoいっちば」などの運営と合わせ、今後もビジネスニーズとのマッチング創出を通じ、多くのソリューションを展開/提供していけるよう推進して参ります。

 

以上の結果、売上高677百万円(前期比131.4%増)、セグメント利益47百万円(前期比511.3%増)となりました。

 

(文中注釈)

*1 京都議定書(1997年、COP3)に代わる地球温暖化対策の国際ルールとして、「パリ協定」(2015年、COP21)において、産業革命前からの気温上昇を2度より十分低く保つと共に、1.5度以内の努力目標を掲げている。

*2 カーボンニュートラルとは、地球全体の温室効果ガスの排出量と、地球全体の森林等による吸収等の量をイコールとすることによって、さらなる地球温暖化を防止していくことをいう。世界各国でカーボンニュートラルが宣言されるなか、日本政府は2020年10月、積極的な温暖化対策が産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長に繋がるとして、2050年カーボンニュートラルを宣言した。

*3 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とは、気候変動に関連する科学的評価を担当する国連機関をいう。気候変動に関する科学的評価を定期的に提供するために設置され、国連やWMOの加盟国が参加している。

 

*4 SDGsとは、2015年国連にて全会一致で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」であり、2030年を目標年度とする国際的な共通目標をいう。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成される。

*5 SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した、企業の温室効果ガス排出削減目標をいう。

*6 PPAとは、太陽光発電事業者が太陽光発電所を開設し、脱炭素化を企図した再生可能エネルギーの電気を購入したい需要家と電力購入契約(Power Purchase Agreement : PPA)を結んで発電した電気を供給する仕組み。

*7 ソーラーシェアリングシステムとは、ソーラーシェアリングを前提とした太陽光発電設備のことをいう。ソーラーシェアリングとは、営農型太陽光発電をいい、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、 太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みをいう。

 

(中期経営計画の策定について)

再生可能エネルギーの中核的グローバル企業を目指す2030年グループビジョンのもと、当社グループでは、①保有発電容量1GW、②年間製造目標として、インゴット、ウエハ8GW、セル16GW、太陽光パネル12GWを中長期的な事業目標としております。「中期経営計画(2024-26)」は、それを達成するための加速期間と位置付け、その着実な実現を図ることにより、グループ企業価値の向上に努めて参ります。

 

(英文開示の拡充・強化)

当社グループは、自社の株主及び将来の潜在的な海外機関投資家との間で、開示・提供される情報が建設的な対話を行う上での基盤になるとの認識に立ち、ディスクロージャー拡充のため、合理的な範囲において、英語によるIR情報の開示・提供を進めております。その一環として、第2四半期連結会計期間(中間)において、「(Abalance グループ)2022年6月期第2四半期決算(中間)、及び今後の見通し」に係る開示・動画公開による決算説明会に続き、英語による開示・動画公開*8を行っております。2023年6月期においてもIR資料の英文開示を行っております。今後も英文開示書類・資料の範囲を適切に判断し、その拡充に努めて参ります。

*8 Announcement of Financial Results Briefing for the Second Quarter of the Fiscal Year Ending June 30,2022(Video with English support)

 

(社会・環境課題をはじめとするサステナビリティに関する取り組み)

当社グループは、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明すると共に、同提言に賛同する企業や金融機関等から構成されるTCFDコンソーシアムに参画しております。気候変動等の地球環境問題等に係るサステナビリティへの対応は非常に重要性の高いテーマであるものと認識し、今後も気候変動への対応に係る情報開示の拡充に努めてまいります。

 

(社会・環境課題に関する近年の取り組み)

当社グループは、持続可能な開発目標(SDGs)との関連では、「安全・安心」でクリーンなエネルギーを提供し続けることを通じて、SDG7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、SDG11(住み続けられるまちづくりを)、 SDG13(気候変動に具体的な対策を)を中心にコミットしております。また、光触媒事業等のヘルスケア関連の事業において、SDG3(すべての人に健康と福祉を)についても積極的に取り組んでおります。また、当社グループは、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明すると共に、同提言に賛同する企業や金融機関等から構成されるTCFDコンソーシアムに参画しております。

 

(SDGsに関する近年の取り組み事例)

・再生可能エネルギーに係る事業実績(VSUN社の太陽光パネル製造事業、WWB株式会社、株式会社バローズによるグリーンエネルギー事業)。

・WWB株式会社は、系統蓄電池の設置・運用において、国内有数の大手発電事業者、建設会社、重電システムメーカーと協業し、設計・調達・施工・試験調整、電力市場取引システムによる需給運用を開始。

・台風による各地の被災・停電等の発生を受けて、折り畳み式軽量のポータブルバッテリー「楽でんくん」をリリース(WWB株式会社が自社開発。熊本県人吉市、宮崎県えびの市、小林市、宮城県角田市、大衡村等へ寄贈)。

・次世代エネルギーを担うと期待される水素を活用したエネルギー貯蔵システムの開発(バーディフュエルセルズ合同会社)。

・太陽光パネルの廃棄問題に対する貢献、資源の有効活用のため、リサイクル・リユース事業に着手(PV Repower株式会社)。

・福島第一原発事故の発生時に寄贈協力を行った三一重工製、大型コンクリートポンプ車(大キリン)に係る交換部品の無償提供、技術協力を実施。近年では、東南アジアへの日本ODA事業におけるインフラ整備への貢献として、コロナ禍においても海外への建設機械投入及びメンテナンス等を継続(WWB株式会社/建機事業)。

・港湾地域において、脱炭素化に向けた先導的な取り組みに対して、EV港湾荷役機械等の供給により貢献(WWB株式会社/建機事業)。

 

・サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)への達成度に応じて金利スプレッドが調整されるSDGsリーダーズローン契約締結。金融機関と共同で営む活動として、発行額の一部が地域の学校、医療機関、環境保護団体等へ寄付される仕組みのSDGs私募債、CSR私募債を発行するなど、ESG関連のローン組成への取り組み。

・光触媒の塗布により殺菌・防虫効果のある、発電するビニールハウス「Maxar® EneZone」等を自社開発。営農と食の安心・安全確保への貢献を図り、光触媒事業に関しては、明治機械株式会社と協業連携(WWB株式会社、日本光触媒センター株式会社)。

・社外役員として、SDGsの専門家を登用(研究論文、教育研修等多数)。

・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言賛同、及びTCFDコンソーシアムへの参画。

・SDGs関連の団体加盟として、(外務省) JAPAN SDGs Action Platform、(内閣府)地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、(JCLP)日本気候リーダーズ・パートナーシップ賛助会員、炭素会計アドバイザー協会特別賛助会員ほか。

・啓蒙活動として、長野県及び神奈川県内の中・高校生、都内私立中学校の生徒へのSDGs研修の実施。社会・環境活動イベントへの支援・技術協賛(Peace On Earth、Earth Day等)

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、16,381百万円増加し、19,507百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの分析は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は18,526百万円(前連結会計年度は6,449百万円の支出)となりました。主な増減要因は、税金等調整前当期純利益13,990百万円、売上債権の減少による4,294百万円の増加、棚資産の取得による20,712百万円の減少前受金の増加による10,176百万円の増加であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は20,670百万円(前連結会計年度は13,221百万円の支出)となりました。主な増減要因は、有形固定資産の取得による12,400百万円の支出無形固定資産の取得による2,198百万円の支出、及び預け金の預入による5,539百万円の支出であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は17,235百万円(前連結会計年度は17,752百万円の獲得)となりました。主な増減要因は、短期借入れによる収入及び短期借入金の返済による支出を相殺した15,648百万円の増加であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

IT事業は開発を終了し製品化したソフトウェアの販売を行っており、受注から売上までの期間が短いため、生産実績は販売実績とほぼ一致しております。したがいまして、生産実績に関しては販売実績の欄をご参照ください。

太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業及び光触媒事業につきましては、仕入実績の欄をご参照ください。

 

 

(b) 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年7月1日
 至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

太陽光パネル製造事業

(百万円)

179,463

141.0

グリーンエネルギー事業

(百万円)

2,027

2.4

IT事業

(百万円)

△100.0

光触媒事業

(百万円)

2

△54.5

報告セグメント合計

(百万円)

181,494

137.4

 

 

(c) 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

太陽光パネル製造事業

216,056

4.6

118,136

△7.3

グリーンエネルギー事業

8,297

△21.5

4,213

7.6

IT事業

582

125.4

19

△49.7

光触媒事業

40

△50.0

△100.0

報告セグメント合計

224,975

3.4

122,368

△6.8

 

 

(d) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年7月1日
 至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

太陽光パネル製造事業

(百万円)

206,568

153.5

グリーンエネルギー事業

(百万円)

8,000

△19.4

IT事業

(百万円)

600

105.1

光触媒事業

(百万円)

40

△49.1

報告セグメント合計

(百万円)

215,209

134.4

その他

(百万円)

75

△77.0

合計

(百万円)

215,284

133.7

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源は、金融機関からの借入やリース会社からの割賦バック契約等、財務活動によるキャッシュ・フロー(17,235百万円の獲得)を主とし、国内外既存事業及び新規有望事業に対し積極的に支出(投資活動によるキャッシュ・フロー20,670百万円)しております。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(のれんの減損)

  当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間にわたって均等償却しております。また、その資産

 性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなっ

 た場合は、のれんの帳簿価格を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、経営環境の変化に伴う収益性の悪化等により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境の悪化等によりその見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

VSUN社はグリーンエネルギーの世界的な需要拡大を受けて、欧米向けの産業用、家庭用太陽光パネルの販売により業績を拡大させ、主に米国市場への販売が伸長しています。VSUN社のパネル製造能力を更に高めるため、本連結会計年度において第4工場を稼働しました。また、太陽光パネルの生産に必要となる主要部品のセル(N型 TOPCon)を現状の外部調達から自社生産とするため、セル工場建設を進めております。

グリーンエネルギー事業では、太陽光発電所の販売については継続しつつ、当初分譲計画上は販売予定としていた一部案件や低圧発電所も含めて自社保有化を引き続き進めました。これは発電所の販売を中心としたフロー型モデルから、継続保有による売電収入を中長期で確保するストック型モデルへの構造転換を図るもので、安定収益・キャッシュ・フローを確保することを企図したものです。この点は貸借対照表における総資産が増加していることにも表れており、発電所の建設から売電を開始するまでの期間は将来の利益を獲得するための投資実行段階にあります。当連結会計年度において、大和町太陽光発電所及び大衡村太陽光発電所において売電を開始し、売電収入を伸長させております。

IT事業はホワイトカラーの生産性向上に資する製品・サービス等の提供を行いました。

光触媒事業では、ヘルスケアに関連する光触媒効果を活用した抗菌・抗ウイルス製品「blocKIN」の拡販に努めております 。

その他の事業としては、主に建設機械販売事業では国内建設機械の販売、海外ODA案件を中心とした建設機械の販売・レンタルを推進しました。

 

④ 財政状態に関する分析

資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当連結会計期間末における流動資産は100,049百万円となり、前連結会計年度末に比べ42,598百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が16,652百万円増加、商品及び製品が22,086百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は43,600百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,941百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が12,435百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、総資産は、143,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ58,570百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計期間末における流動負債は100,356百万円となり、前連結会計年度末に比べ42,635百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が16,674百万円増加、契約負債が11,587百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は20,563百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,111百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,166百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は、120,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ43,746百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計期間末における純資産合計は22,771百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,824百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を4,965百万円計上、及び非支配株主に帰属する当期純利益を6,962百万円計上したこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は8.8%(前連結会計年度末は6.9%)となりました。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの事業展開において、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載の内容をご参照ください。

 

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

当社グループでは、以下のような企業理念を掲げ、本理念を具現化するために、安心・安全で最適なグリーンエネルギーの供給と人々の目の前も心も照らす光を創造することにより、社会貢献を果たし、持続可能な脱炭素化社会に貢献することを目的とした事業を行っております。

Best Values(最高の価値、愛すべき未来)

■ 先進的な商品・業務・サービスの提供を中心に、価値の創造を通じて社会生活の改善と向上を図り、社会の持続可能な発展に貢献し続けます。

■ 価値の提供によって[Excellent Creative Company]のビジョンのもと、従業員の幸福、お客様・社会とのWin-Win関係、企業価値・株主価値の向上・最大化を図り続けます。

■ 価値の提供、愛と感動を原動力にAbalanceグループは成長し続けます。

 

2030年グループが目指す姿として、「再生可能エネルギーの中核的グローバル企業」となることを目標に据え、保有発電容量1GW、年間製造目標8GWを成長戦略の柱としております。当社グループは、前記の通り、新たな「中期経営計画(2022-24)」(2023年9月公表)を策定し、グループの持続的成長と社会価値を両立しながら、企業価値の最大化を図って参ります。

 

<企業価値向上への強化施策について>

・VSUN社業績の拡大、持続的な成長、利益率の改善、及び株式公開の実現を目指す

・セル製造のほか、インゴット、ウエハ製造の川上工程を視野に入れたサプライチェーンの強化

・自家消費案件(ノンフィット、ノンファーム)の申請強化、ソーラー・シェアリングの推進、脱炭素化を目指す企業(SBT,RE100等)、自治体、新たな事業機会への訴求・ソリューションの提示

・再エネ分野を中心としたM&Aの実行、多様な資金調達手段の確保

・自己資本比率の計画的な向上(財務健全化)

・ESGレーティング・スコアを意識した情報開示(TCFD)、英文開示の拡充

・戦略的なパートナーシップ、有力企業・総合商社等との提携推進 等

 

当社グループの主軸セグメントである太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業を中心に予算編成を行った結果、2024年6月期の連結業績予想(2023年7月1日~2024年6月30日)は、売上高251,800百万円、営業利益15,800百万円、経常利益15,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(1株当たり当期純利益 413.53円)といたします(2023年8月18日公表の当社決算短信より)。

 

2024年6月期の連結業績予想に係る前提条件は、各セグメントが直面している外部環境の動向を踏まえて、現状において合理的に予測可能な条件等に基づいて設定しております。

 

(a)  太陽光パネル製造事業

世界的な地球温暖化、気候変動対策の要請はすでに課題認識されており、太陽光発電や風力発電等を中心に、再生可能エネルギーの導入加速化、関連投資の拡大、導入促進を目的とした各国の政策支援等は、今後も継続する見通しです。

連結子会社のVSUN社が営む太陽光パネル製造事業は、ヨーロッパ市場を主体に販売を伸ばしてきましたが、近年はアメリカ市場向けの販売が大きく伸長しているほか、南米地域やアジア圏からの受注増も見込まれます。2024年6月期においても、販路拡大を図りながら、欧米を中心とした販売地域を見込んでおります。世界的なインフレに対しては、引き続きコストダウンの企業努力と価格転嫁を図る一方で、今後の円高懸念やアメリカの関税を巡る動向等にも注視して参ります。生産能力面では、第4工場の本格稼働のほか、セル工場が2023年10月完工予定となっており、パネル生産能力の拡張に合わせ、これまで外部調達していた主要部材のセルを自社生産することで、利益率の順次向上を図っていく方針です。

 

 

(b)グリーンエネルギー事業

当社グループでは、近年、太陽光発電所の自社保有化によるストック型のビジネスモデルを推進中であり、発電所開発のほか、M&Aにより複数案件をスピード感をもって一括的に取得していく方針です。トップラインを形成するためフロービジネスを行いつつ、自社保有化を更に進めて参ります。大和町・大衡村太陽光発電所の稼働、下関市豊浦町太陽光発電所の取得に続き、案件の積み上げを推進して参ります。

また、海外事業の積極展開のほか、次世代のクリーンエネルギー貯蔵システムを担う、現状では専門性の高い研究開発段階にある水素エネルギーを活用した貯蔵システムの開発も計画的に推進致します。その他、太陽光パネルの廃棄問題が懸念される状況に対して、太陽光パネルのリユース、リサイクル事業を引き続き、推進して参ります。

 

(c)IT事業

グループのAbit株式会社では、ナレッジ(情報・知識・経験)の共有や業務プロセスの再構築による労働生産性の向上を目的とした自社製品「KnowledgeMarket®」、Microsoft パートナーとしてMicrosoft 365を活用したDX支援サービス、その他RPA製品を活用した効率化・省力化サービス等のほか、同じくグループの株式会社デジサインにおいて、データセキュリティ技術を活かしたシステム開発や企業のデジタル化/DX支援を進める中で、各種プロフェッショナル人材の紹介サービスを展開してまいります。その他、データセキュリティを啓発するためのオウンドメディア『情報資産管理マガジン』とセキュリティ系商材を中心としたECサイト「Johoいっちば」のオープンにより、ビジネスニーズとのマッチング創出を通じ、多くのソリューションを展開/提供していけるよう推進してまいります。