E05713 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要を背景に、個人消費は底堅く推移しましたが、物価の上昇や米国の関税政策の影響などにより先行きが不透明な状況となりました。世界経済は、米国では雇用環境の改善等を背景に消費は堅調に推移し、欧州でもインフレの鎮静化を受けた利下げ政策が景気を下支えした一方で、中国経済の成長鈍化、米国の関税政策による影響の懸念や地政学リスクの継続もあり、依然として不透明な状況となっています。
再生可能エネルギー市場においては、国内では、日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言の下、2030年度に温室効果ガス排出を2013年度比46%削減するとの目標が設定されています。国際的には、2025年に開催された国連気候変動枠組条約(COP30)脱炭素社会の実現への取り組みは進展しており、再生可能エネルギー市場は、中長期的な成長が見込まれています。一方で、米国政府による気候変動対応やインフレ抑制法(IRA)に対する動向等には引き続き注視が必要な状況です。
当社グループの主力事業である太陽光パネル製造事業においては、世界的に需要は旺盛であるものの、米国市場では、同国政府により、東南アジア4カ国に対するアンチダンピング関税(以下、「AD関税」という。)及び相殺関税(以下、「CVD関税」という。)が賦課されたのに加え、追加となる相互関税がベトナム国に対しては20%、エチオピア国に対しては10%の賦課となりました。このような米国政府の動向に対し、当社は将来の収益拡大を見据え、エチオピア国のセル工場での生産を第1フェーズ(2GW)として2025年4月に開始し、更には生産能力の増強として、第2フェーズ(2GW)の生産も同年8月に開始し、順調に顧客への販売を拡大しています。エチオピア国製の太陽光セルは、米国輸入時の相互関税率が相対的に低いというメリットがあり、米国テキサス州に建設した太陽光パネルの新工場(以下、「米国新工場」という。)への製品供給のほか、外部顧客への販売も拡大する見通しです。そして、米国新工場は、同年10月に太陽光パネル第1フェーズ(1GW)の生産を開始し、同製品は米国政府による税制優遇措置の対象となることから、同国内の大規模な太陽光発電開発業者からの旺盛な需要が見込まれます。当社グループは、米国市場において太陽光パネル関連製品の安定した供給体制を構築し、同国内での太陽光パネル製造事業の拡大に取り組みます。
当社は、前連結会計年度に決算期変更を実施したため、2025年3月期は9ヶ月の変則決算となりました。これに伴い、前中間連結会計期間(2024年7月1日~2024年12月31日)と当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)は比較対象期間が異なることから、以下の経営成績に関する説明において、増減額及び前年同期比(%)を記載せず説明しております。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は58,662百万円、営業利益は6,274百万円、経常利益は6,097百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は2,807百万円となりました。なお、当中間連結会計期間において、為替が円安で推移した事により、為替差益を1,664百万円計上したほか、国内の太陽光発電所の売却により、固定資産売却益を4,306百万円計上し、更に太陽光パネル製造事業において、輸出関税に係る引当金戻入額が1,410百万円発生したことにより、特別利益を5,885百万円計上しています。また、法人税等調整額が456百万円発生したことにより、法人税等合計は、2,809百万円となりました。
太陽光パネル製造事業は、ベトナム国のVietnam Sunergy Joint Stock Company(以下、「VSUN」という。)及び 太陽光パネルの上流工程となるセルを製造するTOYO SOLAR Company Limited(以下、「TOYO SOLAR」という。)を傘下におくTOYO Co.,Ltd.が連携し、グローバル・サプライチェーンの強化に取り組んでいます。グリーンエネルギー事業は、太陽光発電所及び関連設備にかかる物品販売(フロー型ビジネス)を継続するとともに、太陽光発電所の自社保有化(ストック型ビジネス)を展開し、更には日本国内での需要拡大が見込まれる系統蓄電池事業にも注力することで、事業ポートフォリオの強化に取り組んでいます。
1.太陽光パネル製造事業
当中間連結会計期間においては、売上高53,645百万円、セグメント利益5,827百万円となりました。
米国市場では、ベトナム製の太陽光パネル関連製品に対するAD関税及びCVD関税に加え、ベトナム製やエチオピア製の同製品に対する相互関税の賦課がありましたが、2025年4月より生産を開始したエチオピア国の太陽光セルに対する需要が旺盛であり、米国のほか、アジア地域などへの販売が順調に進みました。併せて、ベトナム国のVSUN及びTOYO SOLARからインド国を中心とするアジア顧客向けの販売が堅調であったこともあり、売上高は計画を上回る形となりました。営業利益は、堅調に推移した売上高の影響と米国の輸入関税が相対的に低いエチオピア国製の太陽光セルのコスト競争力も寄与したことから、計画に対して上振れとなりました。当社グループは、当事業において、地政学リスクを考慮し、ベトナム国、エチオピア国並びに米国の3エリア体制によるサプライチェーン強靭化と競争力強化を推し進めています。このため、今後の米国における輸入関税の政策に対しても、一定以上のニュートラルな対応が可能であると想定しています。なお、太陽光パネルの販売を開始した米国新工場の2025年10~12月の経営成績は、当社の第4四半期連結累計期間から反映される予定です。
2.グリーンエネルギー事業
当中間連結会計期間においては、太陽光発電所の販売及び部材に係る物販2,688百万円、売電及びO&M収入1,928百万円を計上し、売上高4,697百万円、セグメント利益864百万円となりました。
当社グループでは、WWB株式会社(以下、「WWB」という。)及び株式会社バローズを主体に、太陽光発電所の販売のほか、太陽光パネル、PCS(パワーコンディショナ)、産業用及び住宅用蓄電池等の太陽光発電設備に係る部材販売をフロー型ビジネスとして行いつつ、売電収入を原資とする安定収入体制の構築のため、完工後も発電所を継続して保有・管理するストック型ビジネスを推進しています。
フロー型ビジネスにおいては、太陽光発電所の販売及び国内の小売量販店をチャネルとする販売が増収増益に貢献しました。ストック型ビジネスにおいては、自社の開発能力を活用した優良発電プロジェクトの開発に取組み、発電所開発・建設を進め、事業基盤の拡充に取り組んでいます。
ストック型ビジネスにおいては、自社の開発能力を活用した優良発電 プロジェクトの開発に取り組み、発電所開発・建設を進め、事業基盤の拡充に取り組んでいます。Non-FIT発電 所開発・建設やM&Aも積極的に活用するほか、最適なポートフォリオの構築に取り組み、収益基盤の拡充を図っています。更に、北海道地区において、電力の需給調整や停電時などに備えて、安定的な電力供給を可能とする系統蓄電池事業に参入しており、今後は、更なる蓄電所の新規案件獲得に取り組んでまいります。
3.その他
当中間連結会計期間においては、売上高319百万円、セグメント損失44百万円となりました。
その他の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、IT事業、光触媒事業及びスマート・モビリティ事業(旧建機販売事業)*1等を含んでおります。
(文中注釈)
*1 スマート・モビリティ事業(旧建機販売事業)とは、WWBの事業の一つであり、従来は建設機械の販売を中心に展開していましたが、今後は港湾荷役機械(トップリフター及びリーチスタッカー等)を中心とした電動化及び自動化を中心としたスマート技術製品の販売比率が高まっていく傾向にあります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は98,320百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,282百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9,761百万円増加、商品及び製品が615百万円増加した一方で、売掛金が311百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は70,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,106百万円増加いたしました。これは機械装置及び運搬具が8,807百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、169,239百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,437百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は103,830百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,546百万円増加いたしました。これは主に買掛金が6,507百万円増加、契約負債が16,729百万円増加した一方で、輸出関税に係る引当金が4,832百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は19,887百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,292百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が790百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、123,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,254百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は45,521百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,182百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する中間純利益2,807百万円によるもの等であります。
この結果、自己資本比率は21.9%(前連結会計年度末は16.6%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は35,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,922百万円増加しました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの分析は、次のとおりです。
営業活動の結果獲得した資金は、32,723百万円であります。主な内容として、税金等調整前中間純利益11,119百万円、減価償却費2,723百万円を計上したほか、運転資金項目として、契約負債の増加17,662百万円、仕入債務の増加により7,605百万円、売上債権の減少により1,654百万円、それぞれ資金が増加する一方で、棚卸資産の増加8,175百万円により資金が減少しました。
投資活動の結果支出した資金は、9,812百万円であります。主な内容は、太陽光発電所の開発・保有やVSUN等での設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出17,410百万円、固定資産の売却による収入7,016百万円によるものであります。
財務活動の結果支出した資金は、10,476百万円であります。主な内容は、短期借入金の返済による支出37,358百万円、長期借入金の返済による支出945百万円等があった一方、短期借入れによる収入39,457百万円があったことによるものです。
当社では第三者委員会の指摘や提言を受けた再発防止策の策定と実行が未了であり、今回の第三者委員会の調査報告書の内容の精査、財務諸表への影響等についての自主的な検証も完了しておりません。内部管理体制の改善に努め、必要な是正を図ってまいります。
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は27百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループはエチオピア国に設立した太陽光セル工場の稼働などに伴い、太陽光パネル製造事業の従業員数は3,253名(前連結会計年度末比+1,640名)であります。
なお、従業員数は就業人員数であります。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
再生可能エネルギー業界においては、固定価格買取制度(FIT)の見直しが続いていますが、国内エネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源としての役割が期待され、脱炭素化への取り組みを強化する国の方向性が示されていることから、事業分野として今後も拡大していくものと考えられます。当社グループが推進するグリーンエネルギー事業は、ESG投資への関心の高まりや世界的潮流となっているSDGsの趣旨に沿った事業であります。今後も、自社保有に基づく安定収益を確保する収益構造の転換を進め、上場企業としての持続的成長を図っていく方針です。