売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00659 Japan GAAP

売上高

9,007.9億 円

前期

8,460.8億 円

前期比

106.5%

時価総額

2,729.5億 円

株価

1,007 (07/12)

発行済株式数

271,056,029

EPS(実績)

121.84 円

PER(実績)

8.27 倍

平均給与

751.3万 円

前期

728.0万 円

前期比

103.2%

平均年齢(勤続年数)

41.7歳(16.4年)

従業員数

4,345人(連結:23,389人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社243社および関連会社36社で構成されており、主な事業内容は次のとおりである。

①〈板紙・紙加工関連事業〉

国内における板紙、段ボール、段ボール箱、クラフトパルプの製造・販売

②〈軟包装関連事業〉
③〈重包装関連事業〉
④〈海外関連事業〉

国内における軟包装製品、セロファンの製造・販売

国内における重包装製品の製造・販売

海外における板紙、段ボール、段ボール箱、軟包装製品、重包装製品、不織布の製造・販売

⑤〈その他の事業〉

国内における不織布、紙器機械の製造・販売、運送事業、保険代理業、リース業、不動産業

 

 

当社グループの事業にかかわる位置づけ、およびセグメントとの関連は、次のとおりである。なお、セグメントと同一の区分である。

 

① 板紙・紙加工関連事業

板紙の製造・販売事業は、当社および丸三製紙株式会社等が行っており、各社の製品はレンゴーペーパービジネス株式会社を含む独自の販路にて販売されるほか、段ボールの主原料として当社およびレンゴーペーパービジネス株式会社を通じてグループ内にも供給されている。
 段ボールおよび段ボール箱の製造・販売事業は、当社、大和紙器株式会社およびセッツカートン株式会社等が各社独自に行っている。特に、当社およびレンゴー・リバーウッド・パッケージング株式会社は、缶ビールの6缶パック等に使用されるマルチパックの製造・販売を行っている。
 クラフトパルプの製造・販売事業は、大興製紙株式会社が行っている。

 

② 軟包装関連事業

軟包装製品の製造・販売事業は、朋和産業株式会社等が行っており、当社も販売事業のみ行っている。
 セロファンの製造・販売事業は、当社が行っている。

 

③ 重包装関連事業

重包装製品の製造・販売事業は、日本マタイ株式会社等が行っている。

 

④ 海外関連事業

海外における各種製品の製造・販売事業については、板紙はビナクラフトペーパー社等、段ボールおよび段ボール箱は大連聯合包装製品有限公司等、軟包装製品は江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司等、重包装製品はトライウォール社等、不織布は無錫聯合包装有限公司が行っている。

 

⑤ その他の事業

各種製品の製造・販売事業については、不織布はレンゴー・ノンウーブン・プロダクツ株式会社、紙器機械は山田機械工業株式会社等が行っている。
 紙器機械については、当社も販売事業のみ行っている。
 運送事業、保険代理業、リース業および不動産業は、レンゴーロジスティクス株式会社および山陽自動車運送株式会社等が行っている。

 

(概要図)

※画像省略しています。

(注) 複数の事業を営む会社については各セグメントにそれぞれ記載している。

24/06/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりである。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、物価上昇、円安などさまざまな課題に直面したが、新型コロナウイルス感染症の5類移行や政府による各種政策効果もあり、人流の増加、輸出や企業収益を背景とした設備投資の持ち直し等により緩やかな回復基調が続いた。

このような経済環境の中で、板紙業界においては、段ボール需要の減少、低調な輸出も相まって、生産量は前年を下回った。

段ボール業界においては、通販・宅配分野は好調を維持したものの、幅広い分野で需要が低迷し、生産量は前年を下回った。

紙器業界においては、ギフト関連市場の縮小は続いているが、人流増に伴う需要やPOPなど展示品、販促物向けの回復により、生産量は前年並みとなった。

軟包装業界においては、インバウンドやイベント需要が回復する一方で、物価高による節約志向の影響もあり、生産量は前年を下回った。

重包装業界においては、中国をはじめとする世界的な景気後退の影響を受けて石油化学関連の需要が減少し、生産量は前年を下回った。

以上のような状況のもとで、当社グループは、再生産可能な価格体系に向けての取組みを推し進めるとともに、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、営業力の強化、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。

なお、物流費や労務費の上昇、環境対策や労働環境改善のための設備投資等、バリューチェーン全体にわたるコスト構造の変化に対して自社努力だけでは抗し難い状況となったことから、段ボール、紙器製品について2024年4月納品分からの価格改定に取り組んでいる。

2023年8月、朋和産業株式会社(千葉県船橋市)が株式会社金羊社(東京都大田区)と丸福株式会社(石川県白山市)の水性フレキソ印刷事業を統合・一元化し多様化する軟包装製品のニーズに対応する体制を整備するとともに、10月には、紙器事業の経営効率の向上と競争力の強化を図るため富士包装紙器株式会社(滋賀県蒲生郡日野町)と丸福株式会社が合併(新社名:富士丸福株式会社)した。2024年1月には、愛媛東温工場(愛媛県東温市、松山工場を移転)の操業を開始し段ボール事業の一層の強化を図り、4月には、軟包装事業における一貫体制の拡充を目指しサン・トックス株式会社(東京都台東区)と三井化学東セロ株式会社(東京都千代田区)のパッケージソリューション事業を統合して子会社化(新社名:アールエム東セロ株式会社)した。

また、大興製紙株式会社(静岡県富士市)が事業ポートフォリオの見直しに着手、バイオベンチャー企業である株式会社Biomaterial in Tokyo(福岡県大野城市、2024年4月に子会社化)と提携し、国際航空分野で需要が高まるSAF(持続可能な航空燃料)の原料となる第二世代バイオエタノールの生産実証事業を開始した。

海外においては、2023年4月、トライコー社(ドイツ)が最先端技術を駆使した新工場の建設を決定するとともに、5月には、トライウォール社(香港)が中国に設立した新会社において営業運転を開始、10月にはスペインを中心にポルトガル、モロッコにも事業を展開するジェコインサ社を子会社化するなど、重量物包装資材事業の一層の拡充に取り組んだ。また、同月、インドの段ボールメーカーであるヴェルヴィン・コンテナーズ社の株式を取得(新社名:ヴェルヴィン・レンゴー・コンテナーズ社)し、グローバル戦略のさらなる充実を図った。

ESG経営における環境への取組みは、“Less is more.”をキーワードに掲げる当社グループとして最も優先すべき課題であり、2030年度におけるCO2排出量削減目標「2013年度比46%削減」(エコチャレンジ2030)に向け、石炭使用ゼロを実現すべく、2026年に金津工場(福井県あわら市)、2027年には丸三製紙株式会社(福島県南相馬市)の燃料をLNGに転換する。

また、国際的イニシアティブであるSBTi(Science Based Targets initiative)から東京証券取引所プライム市場における国内製紙会社で初めてとなるSBT(パリ協定が求める水準と整合した企業が設定する温室効果ガス排出削減目標)認定を取得した。

この結果、当連結会計年度の売上高は900,791百万円(前期比106.5%)、営業利益は48,855百万円(同188.2%)、経常利益は47,984百万円(同167.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は33,025百万円(同161.7%)となった。主な内容は次のとおりである。

売上高については、製品価格の改定および連結子会社の増加が寄与したことにより増収となった。

営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、人件費の増加等はあるものの、製品価格の改定および連結子会社の増加が寄与したことにより増益となった。

当連結会計年度の売上高経常利益率については、5.3%と目標を0.7ポイント下回った。これは主に人件費等の固定費の増加によるものであるが、現在、当該コストアップを回収できる適正な製品価格の水準の維持に努めている。なお、当連結会計年度においては、営業外費用として、持分法適用関連会社に関する減損損失を計上している。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。

 

[板紙・紙加工関連事業]

板紙・紙加工関連事業については、販売量の減少はあったが、製品価格の改定により増収増益となった。

この結果、当セグメントの売上高は510,945百万円(同105.6%)、営業利益は34,966百万円(同244.3%)となった。

 

主要製品の生産量は、次のとおりである。
 (板紙製品)

板紙製品については、段ボール需要の減少により、生産量は2,427千t(同96.2%)となった。
 (段ボール製品)

段ボール製品については、幅広い分野で需要が低迷し、生産量は段ボール4,217百万㎡(同97.3%)、段ボール箱3,531百万㎡(同97.9%)となった。

 

 

[軟包装関連事業]

軟包装関連事業については、製品価格の改定が寄与し増収増益となった。

この結果、当セグメントの売上高は121,278百万円(同105.0%)、営業利益は4,770百万円(同159.7%)となった。

 

[重包装関連事業]

重包装関連事業については、石油化学関連需要の減少により減収減益となった。

この結果、当セグメントの売上高は44,348百万円(同98.4%)、営業利益は906百万円(同80.6%)となった。

 

[海外関連事業]

海外関連事業については、連結子会社が増加したこと等により増収増益となった。

この結果、当セグメントの売上高は189,177百万円(同113.7%)、営業利益は6,781百万円(同112.8%)となった。

 

[その他の事業]

その他の事業については、運送事業の採算悪化等により減収減益となった。

この結果、当セグメントの売上高は35,041百万円(同99.1%)、営業利益は1,162百万円(同87.4%)となった。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

生産高

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

 

 

板紙(千t)

2,427

96.2

段ボール(百万㎡)

4,217

97.3

段ボール箱(百万㎡)

3,531

97.9

海外関連事業

 

 

段ボール(百万㎡)

244

101.7

段ボール箱(百万㎡)

229

102.7

 

 

 

② 受注実績

当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。

その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

510,945

105.6

軟包装関連事業

121,278

105.0

重包装関連事業

44,348

98.4

海外関連事業

189,177

113.7

その他の事業

35,041

99.1

合計

900,791

106.5

 

(注) 当連結会計年度において、海外関連事業の販売実績が著しく増加している。これは、連結子会社が増加したことによるものである。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金および有形固定資産の増加により、1,172,515百万円となり、前連結会計年度末に比べ119,377百万円増加した。

負債は、主に長短借入金や支払手形及び買掛金の増加により733,537百万円となり、前連結会計年度末に比べ66,132百万円増加した。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加や、為替レートの変動に伴う為替換算調整勘定の増加により、438,978百万円となり、前連結会計年度末に比べ53,246百万円増加した。

この結果、自己資本比率は36.3%となり、前連結会計年度末に比べ0.9ポイント上昇した。

また、D/Eレシオについては1.0倍となり、目標の1.5倍以下を達成している。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は103,782百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ32,870百万円増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。

営業活動による資金の増加額は89,628百万円(前連結会計年度に比べ43,562百万円の収入の増加)となった。主な内訳は、税金等調整前当期純利益50,290百万円、減価償却費48,761百万円、売上債権の増加25,297百万円、法人税等の支払額8,479百万円である。

投資活動による資金の減少額は76,033百万円(前連結会計年度に比べ15,387百万円の支出の増加)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出63,975百万円、定期預金の純増額11,988百万円である。

財務活動による資金の増加額は17,265百万円(前連結会計年度に比べ2,758百万円の収入の減少)となった。主な内訳は、長短借入金の純増額19,897百万円、社債の発行による収入20,000百万円、社債の償還による支出10,110百万円、配当金の支払額5,977百万円である。

資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っている。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っている。

 

(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いているが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」「注記事項」 (重要な会計上の見積り)に記載している。