売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E32794 Japan GAAP

売上高

48.6億 円

前期

40.3億 円

前期比

120.7%

時価総額

110.1億 円

株価

1,590 (05/01)

発行済株式数

6,925,400

EPS(実績)

-6.57 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

590.6万 円

前期

587.9万 円

前期比

100.5%

平均年齢(勤続年数)

33.6歳(3.7年)

従業員数

160人(連結:201人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

1.当社グループについて

当社グループは「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というコーポレートビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指し、様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開し、上記社会課題の解決に向き合ってまいりました。

当社グループは、「在宅ワークのスタンダード化」を目指して2003年11月に企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO(Business Process Outsourcing)((注)1.)事業を開始いたしました。その後、受託する業務量の増加に伴うニーズの多様化を受け、より効率的に運営を行うことを目的として当社グループを経由せずに案件をマッチングさせる体制を整えるため、2007年2月にクライアントと主に主婦のクラウドワーカー((注)2.)の業務受発注のマッチングサービスであるクラウドソーシング事業として「シュフティ」を開始。さらに、BPO事業で培われたノウハウやクラウドソーシング事業が持つリソースをかけ合わせることで、当社グループ自身がクラウドワーカーを活用して新たなサービスを創出するCGS(Crowd Generated Service)((注)3.)事業として、現在も売上高及び利益の大半を占める主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を2008年9月に開始いたしました。その後、2014年10月に幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム「えんフォト」、2019年2月にクラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」を開始。また2020年12月にはえんフォトとのシナジー創出を目的に出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社の全株式を、2023年1月にはNJSSとの連携を目的に入札情報検索サービス「nSearch」を運営する株式会社ブレインフィードの全株式をそれぞれ取得して完全子会社化し、現在の事業構成へと至っています。「NJSS」・「fondesk」・「えんフォト」はいずれもSaaS(Software as a Service)であり、現在ではSaaS事業が当社グループの成長の基盤となっております。

CGS事業では、「シュフティ」を活用することで、これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加し、システムのみでは提供できない付加価値を有したサービスを創出・提供しております。例えば、「NJSS」においては、システムクローラー((注)4.)だけでは情報の収集が難しいスキャニングされたPDFデータ等の入札・落札情報について、クラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」のクラウドワーカーを活用して情報を収集することで網羅性のあるデータベースの提供を図っております。

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社3社で構成されており、セグメントはCGS事業 NJSS、CGS事業 fondesk、CGS事業 フォト、CGS事業 その他、当社の100%子会社である株式会社うるるBPOにて運営するBPO事業及びクラウドソーシング事業の6つとしております。

(注) 1.BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業運営上の業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを指します。

(注) 2.クラウドワーカー(Crowd Worker)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録し、クラウドソーシング・プラットフォームを介して仕事の受注・遂行・納品等を行うワーカー(働き手)のことを指します。

(注) 3.CGS(Crowd Generated Service)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録するクラウドワーカーの労働力を活用して生み出されたサービスを指します。

(注) 4.システムクローラー(System Crawler)とは、ウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するプログラムを指します。

 

 

2.当社グループのビジネスモデルについて

当社グループでは、CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業の3つの事業を運営することで、「深刻化する労働力不足を解決する企業」として労働力の代替ソリューションを提供しております。

CGS事業では、直接「シュフティ」のクラウドワーカーへ業務を発注し、その納品物を集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。例えば、主力CGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」では、当社がクラウドワーカーへインターネット上に公示される官公庁等の入札・落札案件情報の収集を発注し、当社が当該情報を集約して入札・落札案件情報のデータベースを構築し、クライアントへ提供しております。このデータベースは、従来型のサービスではシステムクローラーによるテキスト情報の収集が主であり、必要な情報が取得できない、または不要な情報が混ざってしまうことが多々ありましたが、「NJSS」ではクラウドワーカーが手作業で収集を行うことにより、不要な情報の除去が可能となっている他、画像情報のテキスト化が可能となり、システムクローラーのみでは作成困難なデータベースの構築を図っております。他にも、クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」においては、「シュフティ」のクラウドワーカーへ在宅での受電業務を発注することで、地代家賃等の固定費を抱えることがなくコストを抑えられ、比較的安価でクライアントに電話受付代行サービスを提供でき、保育園・幼稚園向けの写真販売管理システム「えんフォト」においては、クラウドワーカーであるフォトグラファーを園へ派遣し、写真撮影業務を発注することで全国の園に写真撮影サービスを提供しております。

BPO事業では、「シュフティ」のクラウドワーカーや国内・国外協力会社といった当社グループが有する複数のリソースを活用して、クライアントのアウトソーシング・ニーズに対して、その規模を問わず、ニーズに適合するリソースを適切に指示・管理することで、クライアントへソリューションを提供しております。

クラウドソーシング事業では、業務をアウトソーシングしたいクライアントと、在宅等で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスであるクラウドソーシング・プラットフォームである「シュフティ」を提供しております。

当社グループのビジネスモデルの特徴は、①これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加することで、システムのみでは提供できない付加価値の創出を図るCGS事業を運営していること、②クラウドソーシング事業やBPO事業において、クライアントの相談を受けることで市場のニーズを把握し、新規CGS事業のアイディアが生まれること、③クラウドソーシングのプラットフォームを自社で保有しており、外部環境に依存せずにCGS事業を運営することができ、またクラウドワーカー活用のノウハウを蓄積し続けていること、④CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業という3つの事業を有することで、収益基盤の安定化を図れることが挙げられます。

 

 

当社グループ全体の事業系統図は、以下のとおりです。

(2023年3月31日現在)

※画像省略しています。

 

 

3.各事業の概要

(1) CGS事業

① サービスの概要

CGS事業では、当社グループが「シュフティ」に登録するクラウドワーカーへデータ入力やデータ収集といった様々な業務を直接発注し、クラウドワーカーから納品されたデータ等を当社が集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。

CGS事業で提供するサービスの主な特徴は、以下のとおりです。

ⅰ.「シュフティ」には全国各地に点在する約45万人(2023年3月末時点)のクラウドワーカーが登録されているため、地域固有の業務の提供やデータの継続的な収集を行うことができる

ⅱ.在宅等の勤務により業務時間・場所に制約のないクラウドワーカーを活用することで、サービスの提供を常時行うことができる

ⅲ.クラウドワーカーを活用する際に、採用、勤務場所、設備投資等などに係る費用がかからないため、初期投資費用を抑えることができる

 

② 展開しているサービス

当社グループがCGS事業で展開しているサービスは、以下のとおりです。

サービス名

サービス概要

入札情報速報サービス

「NJSS」

官公庁、地方自治体、その他公共機関等から各民間企業へ発注される入札案件の情報は、各ウェブサイト上で一時的にしか公示されていない場合もあるため、応札したい民間企業は全ての案件を網羅できず機会損失が発生しておりました。

入札・落札を検討する際は、多様な入札情報と過去の落札情報(前回どの企業がいくらで落札したか等の情報)の把握が、機会損失を軽減させ、落札の可能性を高めることに繋がります。

「NJSS」では、システムクローラーだけでは情報の収集が難しいスキャニングされたPDFデータ等の入札・落札情報について、クラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」のクラウドワーカーを活用して情報を収集することで網羅性のあるデータベースの提供を図っております。官公庁等の入札案件の落札を目指す企業等をクライアントとし、クライアントが必要とする入札に関する情報や過去の類似案件の落札に関する情報を、ウェブサイト上でタイムリーに提供しております。

これまでに「NJSS」が収集した入札情報件数は約2,060万件、落札情報件数は約1,650万件です(2023年3月末時点)。なお落札情報は、各機関のウェブサイト等において一定期間経過後に掲載が終了し、各企業が自社でその情報を過去に遡及して収集することが困難であるため、「NJSS」が収集した落札情報は付加価値を有していると考えております。

「NJSS」はサイト利用を月額課金制とすることにより、継続的に収入を得ることのできるストック型の事業となっております。有料契約件数は5,722件(2023年3月末時点)を有しております。

入札情報検索サービス

「nSearch」

「nSearch」は、当社100%子会社である株式会社ブレインフィードが運営しております。「nSearch」は入札情報を収集し、検索できるサービスですが、自然言語処理や機械学習の活用により、すべての案件情報を自動収集しており、低価格でユーザーに提供しております。「NJSS」と同じ市場に属しますが、価格及び情報の網羅性においてポジショニングを異にしており、両社が一つのグループとなることで市場の最大化とシェア拡大を目指しております。有料契約件数は423件(2023年3月末時点)を有しております。

クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス

「fondesk」

当社では、2017年5月に在宅主婦等のクラウドワーカーを活用したコールセンターサービス「フレックスコール」を開始し、2019年2月にはその「フレックスコール」をリニューアルした「fondesk」のサービスを開始しました。

これは、クラウドワーカーが会社・事務所の電話受付を代行し、受電内容を各種ツールで通知するサービスで、コールセンター勤務経験や事業会社での電話対応業務経験などを有する「シュフティ」のクラウドワーカーを活用することによって、安価かつ手軽に導入できるサービスの提供を実現しました。

fondeskの有料契約件数は、4,054件(2023年3月末時点)となっています。

 

 

サービス名

サービス概要

幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム

「えんフォト」

 幼稚園教諭や保育士は直接的な業務の他に雑多な業務が多く、特に業務過多を理由とした保育士の定着難が慢性的な保育士不足の一因となっております。その雑多な業務の一つに保護者向けの写真の整理業務があり、当社ではそれを解決するための写真販売管理システム「えんフォト」を提供しております。

 「えんフォト」は園の保育士が撮影した写真をインターネット上のプラットフォームを通じて、写真をスムーズに販売できるシステムで、園は当該写真販売を通じて収益を得ることもできることから、園で働く人たちの待遇を改善させることにもつながると考えております。

 さらに「えんフォト」では、クラウドワーカーであるフォトグラファーを園に派遣することにより、写真撮影のサポートを行い、類似サービスとの比較優位を生み、付加価値を高めております。

 また、2020年12月にはシナジー創出を目的に出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社を完全子会社化いたしました。

 えんフォトの契約園数は、4,186園(2023年3月末時点)となっております。

出張撮影マッチングサービス

「OurPhoto」

 2020年12月にえんフォトとのシナジー創出を目的に、出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」を展開するOurPhoto株式会社の全株式を取得し完全子会社化いたしました。

 幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム「えんフォト」とのシナジー創出を図りながら、撮影場所を問わずに撮影が可能であるという特性を活かしニーズを取り込むことで着実に成長を続けております。

 

 

なお、代表的なCGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」の事業フローは、以下の図のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

 

(2) BPO事業

① サービスの概要

BPO事業は、当社100%子会社である株式会社うるるBPOが運営しております。本事業では、業務コスト削減や業務速度を早めたい、作業品質を高めたい、コア業務へ集中したい等といったアウトソーシングニーズがある企業へ株式会社うるるBPOが保有する社内施工部門である徳島センター・大分センター、「シュフティ」のクラウドワーカー、国内外の協力会社といった社内外のリソースを活用して、ソリューションを提供するサービスを展開しております。具体的にはデータ入力・スキャニング等に加え、システム開発受託、電子化総合アウトソーシング、メーリングサービス、キャンペーン事務局代行等の総合型アウトソーシング受託業務を行っております。受注後、案件の内容、規模、納期、クライアントの要望等に応じて発注先を選択しております。

このほか、AI-OCRと人力をかけ合わせたSaaS型データ自動化サービスである「eas(イース/Entry Automation System)」も展開しております。

当社グループでは2003年より、自社ウェブサイトを経由して新規・継続顧客から業務を受注し、累計約5,400社のクライアントを有しております。

 

「BPO事業」累計クライアント数の推移

(単位:社)

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

累計クライアント数

4,348

4,557

4,829

5,039

5,203

5,425

 

 

② BPO事業の特徴

BPO事業では、クライアントのニーズに対して、社内施工部門、「シュフティ」のクラウドワーカー、中国を中心とした国外協力会社及び国内協力会社といった社内外のリソースを活用して、株式会社うるるBPOがワンストップでクライアントへソリューションを提供できることが特徴となっております。

クライアントと株式会社うるるBPO及びそのリソースとの関係については、以下の図のとおりです。

 

 

※画像省略しています。

 

(3) クラウドソーシング事業

① サービスの概要

クラウドソーシング事業とは、当社がインターネット上で提供するクラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」で、業務を発注したいクライアントと、在宅で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスとして2007年2月にリリースいたしました。「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2023年3月末時点で約45万人となっておりますが、CGS事業にリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。

 

② サービスの特徴

「シュフティ」の特徴は以下のとおりです。

ⅰ.クラウドワーカーは、業務時間・場所に制約なく、仕事をし、報酬を得ることができる

ⅱ.クラウドワーカーは、仕事内容を選ぶことができ、自身のスキルを活かすことができる

ⅲ.クライアントは、業務を依頼したいときのみ、業務の発注を行うこととなるため、費用を変動費化でき、また採用等の初期投資費用を抑えられる

ⅳ.クライアントは、業務時間・場所に制約のない多数のクラウドワーカーが存在する「シュフティ」を利用するため、常時役務の提供を享受できる

「シュフティ」で登録されている業務の特徴として、「シュフティ」にアクセスできる環境さえあれば誰でも簡単にできる業務が多いことが挙げられます。パソコンやスマートフォン等でできる業務が多く登録されていることから、育児の合間や電車で移動中の時間といったすき間時間に仕事をすることが可能となります。

「シュフティ」におけるクライアントとクラウドワーカーの一連の取引フローは、以下の図のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/29

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

《経営成績等の状況の概要》

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における売上高は4,862,379千円(前年同期比20.7%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額(以下同様))は105,905千円(前連結会計年度は△164,280千円)、営業利益は8,859千円(前年同期は241,449千円の営業損失)、経常利益は5,976千円(前年同期は251,790千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は45,507千円(前年同期は64,401千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、2022年5月13日に開示(2022年6月24日に一部訂正)いたしました業績予想との対比は以下のとおりです。

 

 

当連結会計年度

(当初業績予想)

当連結会計年度

(実績)

当初業績

予想比

売上高

4,850百万円

4,862百万円

100.3%

EBITDA

50百万円

105百万円

211.8%

営業利益又は営業損失(△)

△50百万円

8百万円

経常利益又は経常損失(△)

△60百万円

5百万円

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△90百万円

△45百万円

 

 

 各セグメントの業績は、次のとおりです。

 

事業区分

第 22 期

2022年3月期)

(前連結会計年度)

第 23 期

2023年3月期)

(当連結会計年度)

前連結会計年度比増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

CGS事業 NJSS

1,997,792

千円

49.6

2,386,369

千円

49.1

388,577

千円

19.5

CGS事業 fondesk

454,669

千円

11.3

660,035

千円

13.6

205,366

千円

45.2

CGS事業 フォト

465,072

千円

11.5

572,539

千円

11.8

107,466

千円

23.1

CGS事業 その他

千円

千円

千円

BPO事業

1,081,690

千円

26.8

1,216,020

千円

25.0

134,329

千円

12.4

クラウドソーシング事業

30,068

千円

0.7

27,415

千円

0.6

△2,652

千円

△8.8

合計

4,029,292

千円

100.0

4,862,379

千円

100.0

833,087

千円

20.7

 

 

 

① CGS事業 NJSS

CGS事業の主力SaaSである「NJSS」については、「ARPU(一件当たり日割り売上高)と有料契約件数の最適化を図ることで将来にわたる売上高を拡大する」という方針に基づき各種施策を展開した結果、有料契約件数は、解約数を抑えつつ新規契約を着実に獲得することができたことから、2023年3月末時点で5,722件と、2022年3月末比で1,018件増加いたしました。ARPUは1,164円となりましたが、今後、新機能リリース等により、中長期的に維持・増加を目指してまいります。

また、カスタマーサクセスの強化により、有料契約件数をベースにした12ヶ月平均の解約率は1.44%(同2022年3月末1.48%)と前連結会計年度から1.4%台を維持し、ARR(年間経常収益)も約25億円と成長を続けております。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 NJSSの売上高は2,386,369千円(前連結会計年度比19.5%増)となり、セグメントEBITDAは940,901千円(前連結会計年度比33.8%増)、セグメント利益は920,757千円(前連結会計年度比32.3%増)となりました。

 

NJSS KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

467

490

518

520

552

584

608

640

EBITDA(百万円)

191

178

188

145

191

216

268

265

有料契約件数

4,139

4,388

4,480

4,704

4,968

5,183

5,398

5,722

ARPU (円)

1,226

1,199

1,232

1,213

1,195

1,195

1,190

1,164

解約率(%)

1.55

1.48

1.46

1.48

1.45

1.46

1.42

1.44

LTV(千円)

2,153

2,229

2,337

2,220

2,255

2,264

2,318

2,189

ARR(百万円)

1,891

1,972

2,048

2,127

2,215

2,312

2,374

2,471

 

(注) 1.ARPU:有料契約一件当たりの日割り売上高。

     2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約件数の割合上表は12か月平均の数値。

     3.LTV:「顧客生涯価値」。ARPU×1/解約率×粗利率90%で算出。

     4.ARR:「年間定額収益」。各四半期末時点のMRRに12を乗じて算出。

 

② CGS事業 fondesk

CGS事業におけるSaaSである「fondesk」は、マーケティング施策の実施など成長投資を行ったことによりコストが増加いたしましたが、バックオフィス業務のDX化を支援するサービスの一つとしての認知をさらに拡大させ着実に需要を取り込んだことで、2023年3月末時点で有料契約件数が4,054件(2022年3月末比739件増加)と成長いたしました。また、2022年7月1日に行った料金改定による従量料金の増加によりARPUが14,810円となりました。加えて継続的なプロダクト・サービス改善によって、直近12ヶ月の平均月次解約率は過去最低水準の1.5%を維持しております。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 fondeskの売上高は660,035千円(前連結会計年度比45.2%増)となり、セグメントEBITDAは△30,178千円(前連結会計年度は△73,437千円)、セグメント損失は31,014千円(前連結会計年度は74,019千円の損失)となりました。

 

fondesk KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

102

110

120

121

136

167

175

180

EBITDA(百万円)

1

2

1

△78

△4

11

35

△72

有料契約件数

2,552

2,814

3,105

3,315

3,550

3,718

3,896

4,054

ARPU (円)

13,361

13,074

12,920

12,230

12,840

14,987

15,056

14,810

解約率(%)

2.5

2.0

1.9

1.6

1.6

1.6

1.5

1.5

ARR(百万円)

481

486

547

668

703

720

 

(注)1.ARPU:有料契約一件当たりの月割り売上高。

    2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約数の割合。上表は12か月平均の数値。

    3.ARR:「年間経常収益」。各四半期サブスクリプション売上高と各四半期リカーリング売上高の合計に4を乗じて算出。

 

③ CGS事業 フォト

CGS事業におけるSaaSである「えんフォト」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、着実に契約園数を増加させることができ、ARR(年間経常収益)も約6億円と成長を続けております。また、2020年12月に完全子会社化した出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社とのシナジー創出等に注力しつつ、サービス成長やユーザー利便性向上のための施策を着実に実施いたしました。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 フォトの売上高は572,539千円(前連結会計年度比23.1%増)となり、セグメントEBITDAは△210,421千円(前連結会計年度は△219,286千円)、セグメント損失は241,967千円(前連結会計年度は250,396千円の損失)となりました。

 

フォト KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

101

90

139

133

126

114

170

161

EBITDA(百万円)

△32

△54

△64

△67

△56

△74

△40

△38

えんフォト 契約園数

3,072

3,207

3,318

3,662

3,757

3,835

3,942

4,186

えんフォト 園当たり売上高(円)

23,517

28,711

32,347

27,097

25,222

28,983

34,882

えんフォト ARR(百万円)

381

473

407

386

457

584

OurPhoto 撮影件数(件)

4,022

3,206

9,648

2,760

4,551

3,165

9,381

3,138

 

(注) ARR:「年間経常収益」。各四半期リカーリング売上高に4を乗じて算出。

 

 

④ BPO事業

BPO事業におきましては、SaaS型自動化サービス「eas(イース/Entry Automation System)」におけるマーケティング施策などの成長投資を行いつつも、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの社会浸透を背景とする紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移いたしました。また、引き合いが好調な状況を背景に2023年3月より徳島第三センターの稼働を開始したことに加え、同月にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ体制づくりのため、大分県に大分センターを設立しております。

この結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は1,216,020千円(前連結会計年度比12.4%増)となり、セグメントEBITDAは62,698千円(前連結会計年度比30.6%増)、セグメント利益は28,136千円(前連結会計年度比56.5%増)となりました。

 

BPO KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

247

297

253

282

239

323

288

364

EBITDA(百万円)

18

50

△20

△1

△7

50

7

11

 

 

⑤ クラウドソーシング事業

クラウドソーシング事業におきましては、「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2023年3月末時点で約45万人となっておりますが、CGSにリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。

この結果、当連結会計年度におけるクラウドソーシング事業の売上高は27,415千円(前連結会計年度比8.8%減)となり、セグメントEBITDAは△13,993千円(前連結会計年度は△30,123千円)、セグメント損失は14,370千円(前連結会計年度は30,604千円の損失)となりました。

 

クラウドソーシング KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

7

7

8

7

7

7

6

6

EBITDA(百万円)

△9

△7

△5

△8

△2

△4

△7

0

 

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ409,032千円減少し、2,396,104千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

営業活動によるキャッシュ・フロー

△30,696千円

328,863千円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△416,772千円

△695,046千円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△39,205千円

△42,849千円

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは328,863千円の収入(前連結会計年度は30,696千円の支出)となりました。この主な要因は減価償却費68,619千円の計上のれん償却額28,426千円の計上契約負債の増加282,805千円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは695,046千円の支出(前連結会計年度は416,772千円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出81,133千円無形固定資産の取得による支出205,809千円連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出260,629千円投資有価証券の取得による支出138,911千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは42,849千円の支出(前連結会計年度は39,205千円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出41,810千円によるものです。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注状況

BPO事業において受注が発生するものの、受注から納品までの期間が短く見込納品額は変動するケースがあるため、受注額の掲載を省略しております。

 

c.販売実績

最近2連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

(単位:千円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

CGS事業 NJSS

1,997,792

2,386,369

CGS事業 fondesk

454,669

660,035

CGS事業 フォト

465,072

572,539

CGS事業 その他

BPO事業

1,081,690

1,216,020

クラウドソーシング事業

30,068

27,415

報告セグメント計

4,029,292

4,862,379

合計

4,029,292

4,862,379

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

《経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容》

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態及び経営成績等)

「《経営成績等の状況の概要》 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

(経営成績等に重要な影響を与える要因)

当社グループのCGS事業は、いずれもストック型・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、その有料契約件数及び一有料契約当たりの総契約額が経営成績等に重要な影響を与えます。

CGS事業の主力サービスである「NJSS」においては、過去に営業体制とプロダクトが抱える課題によって成長が鈍化していたという認識があります。具体的には、営業体制に関しては、組織構造及び重視するKPI等が適切ではなかったことにより各社内部門が部分最適に陥っておりました。また、プロダクトに関しては、抜本的システム改修がなされていなかったことにより顧客利便性が不十分となっておりましたが、営業体制については人員強化を図ったうえプロダクトに関しては2021年7月にフルリニューアル第一弾を実施いたしました。今後はNJSSをSaaS事業としてさらに成長させていくため「解約率を維持・改善しつつ、ARPU(一件当たり日割り売上高)と有料契約件数の最適化を図ることで将来に渡る売上高を拡大する」という方針のもと有料契約件数増加トレンドの継続・チャーンレートのさらなる抑制・プロダクトへの機能追加やこれまでターゲットとしていなかった顧客層へのアプローチの開始等により事業価値を向上させていきたいと考えております。

BPO事業においては、紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移し、2023年3月より徳島第三センターの稼働を開始したことに加え、同月にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ体制づくりのため、大分県大分市に大分センターを設立しております。引き続き2024年3月期においても各センターにおける強固且つ多様な施工体制を土台に、インボイス制度開始や電子帳簿保存法施行に伴って発生する各種ニーズへの対応やSaaSの裏側のサポート等を通じて、継続的な成長と利益率の向上を図っていくことが重要であるという認識でございます。

クラウドソーシング事業については、CGS事業のためのプラットフォームとしての位置付けであり、当面横ばいの業績を見込んでいることから経営成績等への重要な影響を与える要因はないという認識です。

 

その他の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当連結会計年度においては、無形固定資産の取得による支出205,809千円や連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出260,629千円、投資有価証券取得による支出138,911千円なども行った結果、現金及び現金同等物は409,032千円減少いたしました。しかしながらそれでもなお当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,396,104千円、有利子負債控除後のネットキャッシュの金額は2,357,224千円となっており、手元流動性には懸念がないものと認識しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社グループは、2017年3月の東証マザーズ上場時に第三者割当増資によって約13億円の資金調達を行いました。また、主力事業であるNJSSにおいて、原則として契約金額全額を顧客から前払いで受領していることにより、契約が増加すればするほど貸借対照表上の契約負債が増加していくため、正常運転資金は基本的に発生しない財務構造となっております。

これらの要因により、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が約24億円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも約23.5億円あるなど、当社の資金の流動性は当面十分であると考えております。

上記資金は、今期については中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)達成に向けて一定程度抑制する見込みですが中長期的には成長投資(人材採用・システム開発・広告宣伝等)等やM&Aに投下してまいります。

 

 

(3) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。