売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00774 Japan GAAP

売上高

4,075.6億 円

前期

3,848.5億 円

前期比

105.9%

時価総額

1,971.7億 円

株価

2,226.5 (04/18)

発行済株式数

88,555,840

EPS(実績)

144.18 円

PER(実績)

15.44 倍

平均給与

768.1万 円

前期

732.1万 円

前期比

104.9%

平均年齢(勤続年数)

40.7歳(16.4年)

従業員数

4,198人(連結:6,406人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(デンカ株式会社)、子会社68社および関連会社28社より構成されており、「電子・先端プロダクツ」、「ライフイノベーション」、「エラストマー・インフラソリューション」、「ポリマーソリューション」の製造・販売を主たる業務としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。

当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業における位置付けは、次のとおりであります。

なお、次の4部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1) 電子・先端プロダクツ

主要な製品は、溶融シリカ、球状アルミナ、電子回路基板、ファインセラミックス、電子包装材料、アセチレンブラック、電設資材、接着剤、粘着テープ、半導体工程用材料等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。国内では子会社のデナールシラン㈱がモノシランガス等の製造・販売をおこなっております。海外では、シンガポールで子会社のデンカアドバンテックP.L.が溶融シリカおよび球状アルミナの製造・販売、デンカシンガポールP.L.がアセチレンブラックの製造・販売をおこなっております。また、中国では電化精細材料(蘇州)有限公司が電子部品包装材料の製造・販売、電化電子材料(大連)有限公司がアルシンクの製造・販売をおこない、ベトナムではデンカアドバンストマテリアルズベトナムC.L.が電子部品包装材料およびビニテープの製造・販売をおこなっております。

 

(2) ライフイノベーション

主要な製品は、ワクチン、がん治療ウイルス製剤、診断薬等であります。

国内では、当社が当部門主要製品の製造・販売をおこなっております。

海外では、子会社のIcon Genetics GmbH(ドイツ)がバイオ医薬品の研究開発、研究受託、サービスの提供をおこなっております。またデンカライフイノベーションリサーチP.L.(シンガポール)にて熱帯感染症に対する遺伝子法による簡易診断システム等の研究開発をおこなっております。

 

(3)エラストマー・インフラソリューション

主要な製品は、クロロプレンゴム、肥料、カーバイド、耐火物、セメント、特殊混和材、ポリエチレン製コルゲート管等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。子会社の日之出化学工業㈱が熔成燐肥の製造を、デンカアヅミン㈱が腐植酸苦土肥料および腐植酸液肥の製造をおこない、西日本高圧瓦斯㈱他がアセチレンガス等の製造・販売をおこない、当社のセメント、特殊混和材を原料として子会社の須沢生コン㈱他が生コンクリートの製造・販売をおこなっております。海外では、米国において子会社のデンカパフォーマンスエラストマーLLCがクロロプレンゴムの製造を、中国において子会社の電化無機材料(天津)有限公司が特殊混和材の製造・販売を行っているほか、東南アジアでは、デンカインフラストラクチャーマレーシアSdn.Bhd.(マレーシア)が特殊混和材および建設化学品の製造・販売を行っております。

 

 

(4) ポリマーソリューション

主要な製品は、スチレンモノマー、ABS樹脂、SBC樹脂、耐熱樹脂、N-フェニルマレイミド樹脂、透明樹脂、ポバール、ウィッグ・ヘアピース用合成繊維、食品包装用シート等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。国内では子会社のデンカポリマー㈱が食品包装用シート等の製造・販売を、デンカアステック㈱が住設資材の製造・販売をおこなっております。関連会社の東洋スチレン㈱がポリスチレン樹脂を、デナック㈱がモノクロル酢酸等の製造・販売をおこなっております。海外ではシンガポールにおいて、子会社のデンカシンガポールP.L.がSBC樹脂、MS樹脂といったスチレン系樹脂と、N-フェニルマレイミド樹脂を、デンカアドバンテックP.L.がウィッグ・ヘアピース用合成繊維の製造・販売をおこなっております。

 

(5) その他

プラントエンジニアリング事業、卸売業等を含んでおります。

子会社のデンカエンジニアリング㈱がプラントエンジニアリング事業を、YKアクロス㈱が当社製品等の卸売を、関連会社の黒部川電力㈱が電力供給事業をおこなっております。

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/22

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が上向くなど景気は持ち直しの動きがみられましたが、資源価格が一段と高騰したほか円安が急激に進行し、先行きに対する不透明感が高まりました。世界経済は、各国で物価の上昇が進んだほか、ウクライナ危機の長期化や、中国ではゼロコロナ政策により経済活動が抑制されるなど、減速感が強まりました。

このような経済環境のもと、当社グループは、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」を掲げ、2018年度より5か年の経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益性向上に注力いたしました。また、2021年度からの2年間では、次期経営計画のありたい姿へ飛躍するための大切な準備期間と位置づけ、「社会にとってかけがえのない存在」になるための第一歩として、「事業」「環境」「人財」に関する3つの「Value-Up」に取り組みました。

この結果、当期の業績は、世界経済減速の影響を受け、主力製品の一部で需要が減少しましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の見直しを行ったほか円安による手取り増があり、売上高は4,075億59百万円と前年同期に比べ227億9百万円(5.9%)の増収となりました。

収益面では、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、主力製品の一部で販売数量が減少したほか、スペシャリティー化進展のためのコスト増があり、営業利益は323億24百万円(前年同期比77億99百万円減、19.4%減益)となり、売上高営業利益率は7.9%(2.5ポイント減)となりました。また、経常利益は280億25百万円(前年同期比84億49百万円減、23.2%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、ポートフォリオ変革としてセメント事業からの撤退を決定したことに伴い製造設備の減損損失等を特別損失として計上し、127億68百万円(前年同期比132億44百万円減、50.9%減益)となりました。

 

<電子・先端プロダクツ部門>

高純度導電性カーボンブラックは需要が前年並みに推移したほか販売価格の改定により増収となり、窒化ケイ素もxEV向けの需要が堅調に推移し増収となりました。一方、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、パソコン、スマートフォンなどの民生向け需要の減少により販売数量が減少しました。また、球状アルミナは、xEVや5G関連向けの需要が堅調に推移しましたが、民生向けの需要が減少し全体では販売数量が前年を下回りました。このほか、自動車産業用向けの金属アルミ基板“ヒットプレート”やLED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”の販売も前年を下回りました。

この結果、当部門の売上高は935億41百万円(前年同期比33億88百万円(3.8%)増収)となり、営業利益は179億75百万円と前年同期に比べ6億80百万円(3.6%)の減益となりました。

 

<ライフイノベーション部門>

インフルエンザワクチンの出荷は生産能力を増強したことから前年を上回りました。一方、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットおよびインフルエンザウイルスとの同時診断キットは、感染の拡大により病院での検査需要が拡大し出荷量が増加しましたが、保険点数引き下げにより価格が大幅に下落し減収となりました。また、その他の検査試薬は中国でゼロコロナ政策による行動制限があり検査需要が減少したため減収となりました。

この結果、当部門の売上高は475億25百万円(前年同期比14億27百万円(3.1%)増収)となりましたが、営業利益は143億78百万円と前年同期に比べ11億17百万円(7.2%)の減益となりました。

 

 

<エラストマー・インフラソリューション部門>

当部門はウクライナ危機に端を発した原燃料価格上昇の影響を大きく受けました。クロロプレンゴムは販売数量が前年を下回りましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行い増収となりました。このほか、肥料の販売は前年を上回り、特殊混和材の販売は概ね前年並みとなりました。一方、セメントは急激な原燃料価格の上昇に対して価格転嫁が遅れたため減収となりました。

この結果、当部門の売上高は1,238億27百万円(前年同期比169億48百万円(15.9%)増収)となり、11億円の営業損失(前年同期は営業損失34億73百万円)となりました。

 

<ポリマーソリューション部門>

当部門は各製品で原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を進めました。数量面では、ABS樹脂や透明樹脂は自動車減産や中国経済減速に伴う民生需要低迷の影響を受け減少し、デンカシンガポール社のMS樹脂はテレビやモニター向けの需要が減少しました。また、食品包材用シートおよびその加工品、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売数量も前年を下回りました。このほか、スチレンモノマーは4年に1度の定期修繕を実施したことによるコストの増加がありました。

この結果、当部門の売上高は1,275億69百万円(前年同期比9億91百万円(0.8%)増収)となり、12億28百万円の営業損失(前年同期は営業利益79億5百万円)となりました。

 

<その他部門>

YKアクロス株式会社等の商社は取扱高が概ね前年並みとなりました。

この結果、当部門の売上高は150億94百万円(前年同期比46百万円(0.3%)減収)となり、営業利益は25億12百万円と前年同期に比べ6億7百万円(31.9%)の増益となりました。

 

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ345億12百万円増加の5,921億58百万円となりました。

流動資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べ336億28百万円増加の2,517億93百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億83百万円増加の3,403億65百万円となりました。

負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ262億54百万円増加の2,918億7百万円となりました。

非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ82億57百万円増加の3,003億51百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.7%から50.1%となり、1株当たり純資産は3,345円34銭から3,438円28銭となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、201億99百万円となり、前連結会計年度末と比べ10百万円の減少となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少などにより、89億46百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払などにより、282億68百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、183億61百万円の収入となりました。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

51.0

50.0

50.8

51.7

50.1

時価ベースの自己資本比率(%)

57.3

39.2

72.5

52.6

39.8

債務償還年数(年)

3.4

3.2

3.4

3.2

19.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

42.6

49.3

49.8

45.4

8.1

 

自己資本比率………………………………自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産

債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額

(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。

このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が上向くなど景気は持ち直しの動きがみられましたが、資源価格が一段と高騰したほか円安が急激に進行し、先行きに対する不透明感が高まりました。世界経済は、各国で物価の上昇が進んだほか、ウクライナ危機の長期化や、中国ではゼロコロナ政策により経済活動が抑制されるなど、減速感が強まりました。

このような経済環境のもと、当社グループは、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」を掲げ、2018年度より5か年の経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益性向上に注力いたしました。また、2021年度からの2年間では、次期経営計画のありたい姿へ飛躍するための大切な準備期間と位置づけ、「社会にとってかけがえのない存在」になるための第一歩として、「事業」「環境」「人財」に関する3つの「Value-Up」に取り組みました。

この結果、当期の業績は、世界経済減速の影響を受け、主力製品の一部で需要が減少しましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の見直しを行ったほか円安による手取り増があり、売上高は増収となりました。収益面では、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、主力製品の一部での販売数量の減少や、スペシャリティー化進展のためのコスト増のほか、ポートフォリオ変革としてセメント事業からの撤退を決定したことに伴う特別損失の計上などにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ減益となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりであります。

電子・先端プロダクツ部門は、高純度導電性カーボンブラックの販売価格改定による増収や、窒化ケイ素のxEV向け需要の堅調な推移があった一方、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラー、球状アルミナでは民生向けの需要の減少があり、前年並みの利益となりました。

ライフイノベーション部門は、インフルエンザワクチンの出荷が生産能力を増強したことから前年を上回った一方、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットおよびインフルエンザウイルスとの同時診断キットでは、感染の拡大により病院での検査需要が拡大し出荷量が増加しましたが、保険点数引き下げによる価格の大幅な下落などがあり、減益となりました。

エラストマー・インフラソリューション部門は、ウクライナ危機に端を発した原燃料価格上昇の影響を大きく受けました。クロロプレンゴムは原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、セメントで急激な原燃料価格の上昇に対して価格転嫁が遅れたことなどにより、前年に引き続き営業損失となりました。

ポリマーソリューション部門は、各製品で原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を進めましたが、ABS樹脂や透明樹脂は自動車減産や中国経済減速に伴う民生需要低迷、デンカシンガポール社のMS樹脂はテレビやモニター向けの需要減少の影響を受けたほか、スチレンモノマーの4年に1度の定期修繕によるコストの増加などにより、営業損失となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは89億46百万円の収入となりましたが、経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略である「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」にもとづく積極的な投資による支出をおこない、また株主還元方針にもとづく配当を実施した結果、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ327億8百万円増加し1,495億30百万円となりました。なお、自己資本比率は50.1%、ネットD/Eレシオは0.50倍と引き続き良好な財政状態を維持しているものと判断しております。

資本の財源及び資金の流動性については、当社グループでは将来の安定的な成長を持続するため、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。

資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。

当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは以下のとおりであります。

 

(a)固定資産(のれんを含む)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。また、年次の減損テストが必要な場合、のれんを含む資産グループの公正価値を算定し、その帳簿価額が公正価値を超過する場合には、公正価値まで減額を行います。将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映しているほか、必要に応じて外部専門家による評価を活用しております。

減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討をおこなっておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

(b)繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、収益力もしくはタックス・プランニングに基づく将来の課税所得の十分性により判断しており、課税所得の算定にあたっては、各納税主体の事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映し見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の予測不能な経営環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(c)退職給付債務の算定

当社グループでは、簡便法を採用している連結子会社を除き、確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用について、数理計算上の仮定を用いて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の計算基礎があり、これらの計算基礎については、例えば期待運用収益率であれば前提となる企業年金の運用方針などを、定期的かつ合理的な見直しをおこなっております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付債務および関連する勤務費用が変動する可能性があります。