ベイシス株式会社

上場日 (2021-06-24) 
ブランドなど:BLAS
情報・通信業設備工事グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E36659 Japan GAAP

売上高

68.6億 円

前期

62.6億 円

前期比

109.6%

時価総額

23.9億 円

株価

1,285 (03/28)

発行済株式数

1,862,411

EPS(実績)

150.43 円

PER(実績)

8.54 倍

平均給与

469.2万 円

前期

449.9万 円

前期比

104.3%

平均年齢(勤続年数)

36.0歳(5.5年)

従業員数

365人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社はインフラテック事業(インフラ(infrastructure)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語となります。インフラ業界において「通信インフラ構築におけるノウハウ・スキル」に「最新テクノロジー」をかけ合わせたサービスと位置づけております。)を展開しており、通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービス及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供しています。

当社サービスの特徴は、自社システムであるBLAS(※1)に加え、RPA、AIなどのテクノロジーを利活用することで、現場管理や現場作業・プロジェクト管理等のIT化を推進しているところにあります。

 また、当社は国内各地域に営業拠点を設置するとともに、施工等を担う協力会社を擁し、日本全国にサービス提供可能な基盤を有しております。

 

 当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主たるサービス内容は以下のとおりであり、祖業であるモバイルエンジニアリングサービスを経営基盤としながら、近年は新たな成長分野としてIoTエンジニアリングサービスの提供を開始しております。

 

(1) モバイルエンジニアリングサービス(携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守)

当社は携帯電話基地局の施工案件など請負による現地でのフィールド業務対応のほか、通信事業者等に対してエンジニアを常駐させ、通信インフラの構築、運用、監視等に係る一連の作業を担っております。主要顧客は通信事業者となります。

また、モバイルエンジニアリングサービスの中で当社が主たる領域としていますのは客先常駐型のプロジェクト支援業務であり、通信機器が設置されたあとに電波環境を最適化するためのインテグレーション業務の他、定常的な運用監視・保守に係る業務により通信ネットワークが正常に稼働しているか監視し、異常を検知すれば速やかに遠隔、ないしは現場作業にて対応しております。詳細な内容は以下のとおりとなります。

 

① エリア設計・置局・施工

 携帯電話やWi-Fiなどの電波を発射する基地局工事に関わる品質管理、工期管理、免許申請、部材管理、無線ネットワーク解析、エリア検討業務等を受託し、通信インフラを構築する支援業務を行っています。業務遂行はもちろんのこと、当社はRPAやその他独自開発ツールを用いて、エラー発生時の自動検出、データベースの自動更新、データ照合の自動化などを行いヒューマンエラーの低減による業務改善や業務効率化を図っております。

 また、基地局等の施工においては全国20万箇所以上(2023年6月末累計実績)のキャリアWi-Fi構築実績があります。

 

② インテグレーション

 電波発射作業、正常性確認、無線機のソフトウェアアップグレード、工程管理等を受託しております。具体的には、基地局に対して遠隔よりデータ投入・設定をするなどして基地局が携帯電話の電波を発射できるように対応する業務となりますが、これまで全国で行ってきた通信キャリアを問わない様々な無線機への対応ノウハウをはじめ、各種ツールの開発、運用による作業の標準化や効率化を図り、オペレーションコストを削減するのみならず作業ミスの防止につなげることで作業品質を向上しております。

 

③ 運用監視・保守

 通信障害発生時の検知、障害対応、原因調査、現地対応管理等を受託しております。本分野におきましては、当社自拠点の工事部門と連携し、障害発生時の現場対応までを迅速に行うことが可能となっております。

 

 上記のサービスは特定の通信事業者に限ること無く提供することができると同時に様々な主要通信方式(4G、5G、WiFi、WiMAX、AXGP、LoRA等)にも対応することが可能となります。

 客先常駐型のプロジェクトは準委任契約となり、プロジェクト自体が数年続くこともあるため、1ヶ月~3ヶ月契約を継続的に更新するストック型のビジネスとなります。請負系案件は業務請負契約となり、基地局工事などが完工した際に売上計上されるフロー型のビジネスとなります。

 

 また、全国の主要な都市(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)に設けた事業拠点にエンジニアを配置し、加えて全国各地の協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ(※2)」を構築しており、日本全国を対象としたサービス展開が行える体制となっています。そのため、全国型の大規模案件の対応も可能となります。

 

 

(2) IoTエンジニアリングサービス(IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守)

電力、ガス等の生活インフラ提供事業者や鉄道、駐車場、小売等のIoTインフラを構築する事業者向けにIoT機器の設置、交換、運用・監視、ネットワーク構築等のサービスを提供しています。主要顧客は通信事業者、通信機器メーカー、電力会社、ガス会社となります。

 

① 仕様検討・機器設置

IoT機器設置における工事の仕様を検討し、現地で機器設置、ネットワーク工事を行い、設定・動作確認を行います。これまでの設置実績として電力スマートメーター設置台数は200万台(2023年6月末累計実績)です。

 

② 運用監視・保守

機器や通信ネットワーク等のイレギュラーや不具合の運用監視を行い、障害発生時は現地やリモートで対応を行います。

 

その中で当社は、BLAS、AI(画像認識)、RPAなどのテクノロジーを活用することでオペレーションコストを削減するのみならず、ヒューマンエラーの低減を可能とするサービスを提供しております。BLASではプロジェクトの進捗状況を一元管理するほか、現場の情報をスマートフォンを通じてアップロードすることでリアルタイムに現場の進捗や成果物管理が可能となっており、事後の作業報告書までも自動作成することができます。またAI(画像認識)では、現場作業員が手入力するデータと機器に表示されるデータの自動チェックを行うことでデータ誤登録を防ぎ、その他定型業務はRPAを活用することで作業の自動化を実現しております。このようにBLAS、AI(画像認識)、RPA等を活用することで作業ミスの低減、事務工数及びオペレーションコストの削減を実現しております。

 

機器設置案件は業務請負契約となり、フロー型のビジネスとなります。保守・運用は業務請負契約ではありますが、IoT機器の安定的な運用を維持するため、継続的な業務となり、ストック型のビジネスとなります。

また、全国の主要な都市(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)に設けた事業拠点にエンジニアを配置し、加えて全国各地の協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ」を構築しており日本全国を対象エリアとしたサービス展開が行える体制となっています。そのため、全国型の大規模案件の対応も可能としています。

 

 

(3)その他サービス

モバイルエンジニアリングサービス、IoTエンジニアリングサービスの現場業務で培ったノウハウを基に、RPA

ツールの販売、RPA導入支援のサービスを提供しています。

 

 

当社の事業系統図は下記のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

[用語の定義]

 本書記載内容に対する理解を容易にするために、また、正しい理解をいただくために、本書で使用する用語の定義と解説を以下に記載します。

 なお、番号は本項「3 事業の内容」の文中において※で示した用語と対応しております。

 

番号

用語

用語の定義、解説

※1

BLAS

自社開発の通信インフラ構築に特化したプロジェクト管理システムです。これまで通信インフラ構築の工程管理はFAXやメールなどアナログで行っていましたが、一連の作業がBLASのみで完結することが出来ます。例えば、作業員はスマートフォンから作業終了後の写真をアップロードすることで自動的に作業報告書を作成することができ、管理者側ではクラウド上のAIを通じて画像認識による品質確認を行うなど、人手による作業の自動化・効率化を実現しています。

※2

ベイシスパートナーズ

当社の事業説明を行い、今後発注する案件を受託する意思を持ち登録している外注先企業です。各社とは専属契約を締結しているわけではなく、ベイシスパートナーズは当社の外注先企業の呼称であり、総数は417社となっております(2023年6月末時点)。

ベイシスパートナーズに登録するメリットとしては、当社が独立系エンジニアリング会社のため、特定の顧客・業界に関わらず発注できること、自社の得意な分野の案件のみ受注可能なこと、BLAS等を無償で活用できることなどがあります。

ベイシスパートナーズには人材派遣会社、工事会社、システム開発会社、その他があります。

23/09/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における流動資産は3,103,247千円で前事業年度末に比べ326,979千円の増加となりました。これは主にコミット型シンジケートローンの再組成による現金及び預金の増加187,808千円、モバイルエンジニアリングサービスの売上が増加したことに伴い売掛金の増加89,479千円、仕掛品の増加39,191千円によるものであります。固定資産は、451,460千円で前事業年度末に比べて200,254千円増加いたしました。これは主に、本社移転による建物等の取得で有形固定資産の増加121,090千円によるものであります。

この結果、資産合計は、3,554,708千円となり前事業年度末に比べ527,233千円増加いたしました。

(負債)

当事業年度末における負債合計は1,599,762千円で前事業年度末比241,393千円の増加となりました。これは主にコミット型シンジケートローンの再組成による短期借入金の増加300,000千円が、1年内返済予定の長期借入金の減少45,000千円および未払法人税等の減少18,661千円を上回ったことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、1,954,945千円で前事業年度末比285,840千円の増加となりました。これは、当期純利益により繰越利益剰余金の増加280,166千円および新株式発行による資本金及び資本準備金のそれぞれ2,836千円の増加によるものであります。

この結果、自己資本比率は55.0%となり、1株当たり純資産額は1,052円84銭となりました。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響による企業収益の低下や雇用環境の悪化が続いており、極めて厳しい状況にあります。景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動レベルの段階的引き上げや各種政策の効果等により持ち直しの動きがみられました。

 このような経済環境のもと、当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、祖業であるモバイルエンジニアリングサービスを経営基盤としながら、近年は新たな成長分野としてIoTエンジニアリングサービスの提供を開始しております。

モバイルエンジニアリングサービスにおいては、各携帯キャリアの5Gのスタートが本格化し、通信事業者から5G関連の案件が増加いたしました。また、新規に市場参入した楽天モバイル株式会社のエリア構築案件は前年同水準の受注をしております。

 以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は6,863,464千円(前年同期比9.6%増)、営業利益382,606千円(前年同期比21.9%減)、経常利益363,928千円(前年同期比25.1%減)、当期純利益280,166千円(前年同期比13.7%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比較して187,808千円増加し、当事業年度末残高は1,061,675千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、73,743千円の収入(前事業年度は2,420千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益431,497千円、減価償却費22,316千円の増加要因が、売上債権の増加89,279千円および法人税等の支払額177,813千円の減少要因を上回ったことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、146,549千円の支出(前事業年度は97,699千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出40,795千円、無形固定資産の取得による支出40,072千円および敷金及び保証金の差入による支出76,367千円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、260,613千円の収入(前事業年度は33,949千円の収入)となりました。これは主に短期借入金による収入300,000千円の増加要因が、長期借入金の返済による支出45,000千円を上回ったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

6,198,378

92.3

1,886,542

154.5

(注) 当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

6,863,464

109.6

(注)1.当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソフトバンク株式会社

3,128,356

49.9

2,856,723

41.6

楽天モバイル株式会社

1,039,344

16.6

987,774

14.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績

(売上高)

 当事業年度における売上高は、6,863,464千円(前期比9.6%増)となりました。主な要因は、携帯電話事業者のインフラ投資の復調と作業効率化を目的としたシステム開発を行ったことによります。一方、電力会社向けの売上については、電力会社のスマートメーター設置計画が減少したため前年に比べ減少となりました。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度における売上原価は、5,182,797千円(前期比10.2%増)となりました。主な要因は、人件費の増加96,643千円、業務委託費の増加552,664千円であります。

 この結果、売上総利益は1,680,667千円(前期比7.8%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、1,298,061千円(前期比21.4%増)となりました。主な要因は、給与手当59,724千円、採用費42,527千円の増加であります。

 この結果、営業利益は382,606千円(前期比21.9%減)となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度における営業外収益は、2,950千円(前期比67.5%増)、営業外費用は、21,627千円(前期比254.9%増)となりました。営業外費用の主な内訳は、シンジケートローンの組成費用として支払手数料16,500千円、支払利息5,067千円であります。

 この結果、経常利益は363,928千円(前期比25.1%減)となりました。

(特別損益、当期純利益)

 当事業年度における法人税、住民税及び事業税は、156,713千円となりました。また、法人税等調整額は

△5,382千円となりました。

 この結果、当事業年度の当期純利益は280,166千円(前期比13.7%減)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した自己資金に加え、一部資金を銀行借入等により調達しており、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,061,675千円となっており、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しております。

 

f.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 当社の売上高は主にモバイルエンジニアリングサービスとIoTエンジニアリングサービスで構成されております。モバイルエンジニアリングサービスはストック案件の売上高が大半を締めており、その売上高は稼働人員数×平均単価で形成されております。そのため、①稼働人員数と②平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。また、IoTエンジニアリングサービスはフロー案件の売上高が大半を締めており、その売上高は設置台数×平均単価で形成されております。そのため、③設置台数と④平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。なお、過年度の各指標の推移は下記となります。

 

KPI

前事業年度実績

当事業年度実績

①稼働人員数

4,939人

4,838人

②平均単価

636千円

638千円

③設置台数

556千台

720千台

④平均単価

1,585円

1,593円