E00811 IFRS
前期
3,692.9億 円
前期比
113.6%
株価
1,470.5 (04/19)
発行済株式数
156,000,000
EPS(実績)
124.31 円
PER(実績)
11.83 倍
前期
759.8万 円
前期比
103.0%
平均年齢(勤続年数)
38.8歳(16.0年)
従業員数
2,443人(連結:4,574人)
(1) 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社26社及び関連会社19社で構成され、化学品の製造販売を主な内容としております。
当社グループの事業にかかわる主な会社の位置付けは、次のとおりであり、事業の区分については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメント情報の区分と同様であります。
(注)日触物流㈱は、主として当社の製商品の運送を行っており、全ての事業区分に携わっております。
(2) 当社グループの主な会社の事業系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて51億6千8百万円増加の5,233億1千9百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて63億9千7百万円増加しました。販売数量の減少により営業債権が減少したものの、原料価格の上昇に伴い棚卸資産が増加したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて12億2千9百万円減少しました。リチウムイオン電池用電解質リチウム塩の事業拡大に向けた出資により持分法で会計処理されている投資が増加したものの、退職給付に係る資産が減少したことや、償却が進んだことにより有形固定資産が減少したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて137億7百万円減少の1,533億2千1百万円となりました。退職金制度改正に伴い退職給付に係る負債が減少したことや、営業債務が減少したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて188億7千5百万円増加の3,699億9千8百万円となりました。利益剰余金が増加したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の66.4%から69.2%へと2.8ポイント増加しました。なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて589.89円増加の9,213.91円となりました。
当年度末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前年度末に比べて3億2千7百万円減少の390億3千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の350億5千8百万円の収入に対し、414億4千7百万円の収入となりました。営業債務の減少や法人所得税の支払額の増加、税引前利益の減少などがあったものの、販売数量の減少に伴い営業債権が減少したことや、棚卸資産の増加額が前年度を下回ったことなどにより、前年度に比べて63億8千9百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の231億5千8百万円の支出に対し、259億7千6百万円の支出となりました。リチウムイオン電池用電解質リチウム塩の事業拡大に向けた関係会社出資金の払込による支出や、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、前年度に比べて28億1千8百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の107億5千1百万円の支出に対し、173億2千1百万円の支出となりました。社債の償還による支出がなくなったものの、短期借入金の純増減額の減少や長期借入金の返済の増加に加え、自己株式の取得による支出、配当金の支払額が増加したことなどにより、前年度に比べて65億7千万円の支出の増加となりました。
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.生産実績が増加した主な要因は、原料価格の上昇や円安の進行等により販売価格が上昇したためであります。
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは、第1四半期連結会計期間よりセグメント区分を変更しており、生産実績と販売実績の前年同期比については、変更後の区分に基づき作成したものを記載しております。セグメント区分の変更については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」に記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から回復の動きが続く一方、地政学リスクの広がり等による先行きの不透明感が継続し、物価上昇やそれに伴う金融引締めの影響により景気の下押しが懸念されるなかで推移しました。
米国においては急速な利上げで住宅投資が落ち込んでいるものの、個人消費は持ち直しの動きがみられました。欧州においてはウクライナ情勢が深刻化するなか、高インフレが継続することで個人消費が低迷しました。中国においては米欧経済の減速を受け、輸出の伸びは低下しました。アジア新興国においては、経済活動の正常化により景気は持ち直しの動きが続きました。
日本経済は、個人消費や設備投資の伸びが続くものの、物価上昇や世界景気の下振れにより、企業収益の改善の動きに足踏みがみられました。
化学工業界におきましては、海外景気の下振れ等の影響により生産活動の拡大の動きに足踏みがみられました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、販売数量は減少したものの、原料価格の上昇や円安の進行等により販売価格が上昇したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて502億7千5百万円増収(13.6%)の4,195億6千8百万円となりました。
利益面につきましては、当第3四半期連結累計期間まで、マテリアルズを中心に一部製品の海外市況が上昇したことや円安の進行等による交易条件の改善などを受けてスプレッドが拡大したものの、販売数量が減少したことや、海上輸送費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加したことなどが減益要因となり、営業利益は、前年度に比べて55億3千3百万円減益(△19.0%)の235億2千8百万円となりました。
税引前利益は、営業利益の減少、持分法による投資利益の減少により、前年度に比べて74億9千9百万円減益(△22.3%)の261億7千5百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べて43億2千8百万円減益(△18.2%)の193億9千2百万円となりました。
なお、ROA(資産合計税引前利益率)は、6.8%から5.0%へ1.8ポイント減少し、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は7.2%から5.5%へ1.7ポイント減少しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、主に海外子会社で金融機関からの借入金の返済が進んだことにより、前年度末に比べて20億6千5百万円減少し、576億1千2百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資、研究開発投資、借入金返済であり、これらを自己資金、金融機関からの借入金により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、事業セグメント及び報告セグメントを変更しており、当年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
マテリアルズ事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、販売数量は減少したものの、原料価格の上昇などにより販売価格が上昇したことで、増収となりました。
高吸水性樹脂は、販売数量は減少したものの、原料価格や製品海外市況の上昇などにより販売価格が上昇したことで、増収となりました。
酸化エチレンは、原料価格の上昇に伴う販売価格の上昇や、販売数量が増加したことにより、増収となりました。
エチレングリコールは、原料価格の上昇に伴い販売価格は上昇したものの、販売数量の減少などにより、減収となりました。
特殊エステルは、原料価格の上昇や円安の進行により販売価格は上昇したものの、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
無水マレイン酸は、原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことにより、増収となりました。
プロセス触媒は、販売数量が増加したことにより、増収となりました。
以上の結果、マテリアルズ事業の売上収益は、前年度に比べて16.3%増加の3,056億8千9百万円となりました。
営業利益は、販売数量が減少したこと、海上輸送費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加したことなどの減益要因があるものの、当第3四半期連結累計期間まで、一部製品の海外市況が上昇したことや円安の進行等による交易条件の改善などを受けてスプレッドが拡大したことにより、前年度並みの209億4千9百万円となりました。
マテリアルズ事業の資産は、前年度末に比べてほぼ横ばいの3,336億2千6百万円となりました。
ソリューションズ事業
コンクリート混和剤用ポリマー及び塗料用樹脂は、販売価格が上昇したことや販売数量が増加したことにより、増収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレート、洗剤原料などの水溶性ポリマー及びエチレンイミン誘導品は、販売数量が減少したものの、販売価格が上昇したことにより、増収となりました。
ヨウ素化合物は、販売価格が上昇したことにより、増収となりました。
脱硝触媒は、販売数量が増加したことにより、増収となりました。
電子情報材料は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
電池材料は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、ソリューションズ事業の売上収益は、前年度に比べて7.0%増加の1,138億7千9百万円となりました。
営業利益は、原料価格上昇による在庫評価差額の影響などがあったものの、生産・販売数量の減少、販売費及び一般管理費の増加などが減益要因となり、前年度に比べて80.8%減少の15億3百万円となりました。
ソリューションズ事業の資産は、前年度末に比べて54億7千5百万円増加の1,439億6千9百万円となりました。主として持分法で会計処理されている投資が増加したことによるものです。