売上高

利益

資産

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最終更新:

E36107 Japan GAAP

売上高

48.6億 円

前期

41.4億 円

前期比

117.4%

時価総額

108.7億 円

株価

839 (05/02)

発行済株式数

12,956,600

EPS(実績)

-5.72 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

661.8万 円

前期

666.5万 円

前期比

99.3%

平均年齢(勤続年数)

34.5歳(3.2年)

従業員数

256人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、「デジタルを簡単に、社会を便利に」というミッションの下、アプリ開発技術がなくてもノーコードでネイティブアプリ(*1)を開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォーム(以下、「Yappli」という)の企画・開発・販売を行っております。

 なお、当社の事業は、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略をしております。

 

■ Yappli及びYappli CRMの機能

 ノーコードでありながら、スクラッチ開発(*2)に見劣りしない40種類以上の充実した機能を搭載しております。以下が主要な機能の一覧になります。

 

※画像省略しています。

※画像省略しています。

 当社は1アプリ(iOS及びAndroidの両方を含む)を1契約としており、主な収入源は、導入時に当社が初期制作サポートを実施した対価として受領する「初期制作収入」、Yappli及びYappli CRMの利用料及び保守運営料として毎月受領する「月額利用料」であります。「月額利用料」は、ベース利用料金と有料オプション機能やプッシュ配信(*3)を受領できる端末数に応じた従量課金方式により加算される追加料金により構成されております。また、収益認識については以下の計上基準に拠っております。「初期制作収入」は設定代行等の一時的なスポット作業を完了することで、履行義務を充足する取引であると判断しており、検収書等に記載されたサポート提供完了日時点で売上を計上しております。「月額利用料」はサービスを契約期間にわたり継続的に提供する取引であると判断しており、契約期間にわたり概ね一定の役務を提供するため、契約期間にわたり定額で収益を認識しております。料金の定価はプランによって異なり、「初期制作収入」で280~360万円、「月額利用料」のベース利用料金は30万円、オプション料金は1機能で10万円~となります。

 Yappliの機能性・利便性が顧客企業から評価され、2023年12月末時点で契約アプリ数は843、平均月額利用料は423千円と順調に推移しました。この結果、2023年12月期のストック売上(月額利用料)は3,980,720千円となりました。フロー売上(月額利用料以外の売上)は883,745千円であり、売上高の18.2%を占めていますが、その大部分は初期制作収入となります。

 また、月次解約率(直近12カ月平均)(*4)は2016年12月期より1%未満を継続し、2023年12月期は0.81%と引き続き1%未満を堅守しました。

 Yappliの直近5事業年度の契約アプリ数、累計アプリダウンロード数(*5)、月次解約率(直近12カ月平均)、月額利用料割合(*6)は以下のとおりです。

 

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

2022年

12月期

2023年

12月期

契約アプリ数(数)

429

554

693

783

843

累計アプリダウンロード数

(千ダウンロード)

46,926

72,809

99,909

138,975

180,013

月次解約率(直近12カ月平均)(%)

0.82

0.91

0.68

0.88

0.81

月額利用料割合(%)

75

79

77

80

82

 

■ 従来のアプリ開発における課題

 一般的に企業にとってアプリ開発は、iOSとAndroidの2つの異なるプログラミング言語を用いて行うスクラッチ開発が主流であり、Webの開発よりも難易度が高い挑戦であると考えられます。具体的には、「複数のプログラミング言語に伴う開発コストの多額化」、「慢性的なアプリエンジニアの不足による開発リソース確保の課題」、「継続的な運用管理とアップデートに係る多額な運営コスト」、「開発及び追加改修による開発期間の長期化」などの課題点が挙げられます。

 

■ Yappli及びYappli CRMが選ばれる理由

 当社は、上記の様な企業におけるアプリ開発、運用の多くの課題をSaaS(*7)型のアプリ開発プラットフォームの提供により解決しております。Yappliであれば、顧客企業にアプリ開発技術が無くても、ドラッグ・アンド・ドロップなど直感的な操作でデザインの設計、変更、機能の登録、プッシュ通知の送信などiOSとAndroidの2つのネイティブアプリの開発、運用が同時に可能となります。また、Yappli CRMも併用すれば、顧客管理やポイント管理などもノーコードで実現することができます。

 当社が提供する製品の強みは、クラウドを経由してノーコードで開発・運用・分析に関わる機能をワンストップで提供する点となりますが、サービスの主たる特徴については以下のとおりであります。

 

① ノーコードでスピード開発

 Yappli又はYappli CRMを利用することで、顧客企業にとってエンジニアは不要であり、知識がなくてもノーコードで幅広いデザインのiOSとAndoroidのネイティブアプリをスピード開発し、顧客管理を用いた施策を実現することが可能となります。エンジニア採用の市場は競争が激化しており、インターネット事業を主軸としない企業による開発組織の構築は難易度が高い状況です。当社の製品はこのようなアプリ開発における根本的なハードルである開発リソースの確保と開発コストの多額化という課題を解決しております。

 

② 機能やデザインを自在に更新することが可能な管理画面

 スクラッチ開発の場合はアプリ開発後の運用に関しても外部へ委託する為、多大な費用とコミュニケーションコストを要します。Yappliは管理画面を通じて直観的な操作で更新作業が実施でき、作業を即時確認できるプレビューやタイマー、バックアップ機能などを搭載しており、機能やデザイン変更、アプリストア申請管理までの全てを実現することが可能となります。

 

③ 顧客属性やエリア情報、行動データに基づくプッシュ配信機能

 ネイティブアプリのプッシュ配信はWebにはない特有な機能であり、利用者のエンゲージメントを高める効果を発揮し、優良顧客を創出します。Yappliでは、性別や誕生日などのユーザー属性情報、GPS位置情報によるエリア情報、アプリ起動日やクーポン利用などによる行動データ、プッシュAPI(*8)で顧客システムと連携した会員情報などの組み合わせによるユーザーセグメントに基づくプッシュ配信が可能となります。Yappli CRMの顧客管理を活用すれば、より高度な1to1施策も実現できます。

 

④ ユーザーのアプリ活用状況についてのデータ分析

 ユーザーのアプリ内の行動やアクション、流入経路などが可視化されたダッシュボードで素早いPDCAサイクルを運用することが可能となります。また、その他にもGoogleアナリティクス(*9)やAppsFlyer(*10)を用いたデータ分析、DMP(*11)やDWH(*12)とのデータ統合を行うことも可能です。

 

⑤ クラウドで進化

 700社以上の導入実績で培ってきたノウハウから、年間200回以上の機能改善や、アプリ運用の効果につながる新機能の搭載、最新OSに対応する為のアップデートなどもクラウド上で素早く自動で対応しており、常に最新のモバイルテクノロジーにアクセスすることが可能です。

 

⑥ サクセス支援

 700社以上のアプリ導入実績をもとに、リリース後の課題分析やダウンロード施策など顧客企業の成長を支援しております。具体的には、顧客企業へのレクチャー会やセミナーを通して成功事例やネイティブアプリ運用のノウハウを提供しております。

 

■ 当社が提供する開発支援サービス

 上記の特徴を活かし、Yappliでは産業や業態にとらわれない様々なアプリの活用シーンに対してパッケージ化したソリューションを提供しております。

 

① 顧客エンゲージメント(Yappli for Marketing)

 店舗/施設DX・・・・・・・・店舗や施設への集客を支援します。オムニチャネル(*13)対応として店頭のバーコードやQRコードを読み取りECサイトへ送客する機能や、O2O(*14)対応としてクーポン配信、ショップ検索、ポイントカード、スタンプカード等でオンライン上から店舗の集客を支援する機能を備えております。また、プッシュ通知で確実に顧客にリーチし、セグメント配信で最適なメッセージを配信することが可能であり、ジオプッシュ(*15)でお店やイベントの情報配信を配信することも可能となります。

 

 EC集客・・・・・・・・・・・快適なUIとモバイルに最適化された操作性で、優れたEC体験を提供することができます。プッシュ通知やアプリのパーソナライズ化によって、ECサイトの集客を支援、また、分析ツールによって、プッシュ通知の開封率やアプリ経由の売上、プロモーションの測定効果などを計測して、素早いPDCA運用を実現することが可能となります。

 

② 従業員エンゲージメント(Yappli UNITE)

 組織エンゲージメント・・・・社内の様々な情報を集約した、いつでもどこでも閲覧できる社内ポータルアプリで素早い情報共有を可能にし、業務効率化を可能にすることができます。全国の自社店舗や支店、フランチャイズ店に接客マニュアルや研修動画を配信することで、スタッフの接客スキルの向上やサービス品質の標準化に貢献、また、企業ミッションの浸透や経営者の思いを届けることでカルチャーの醸成や社内交流を促進し、従業員のエンゲージメントを高めることが可能となります。

 

③ 取引先エンゲージメント(Yappli for Business)

 営業DX・・・・・・・・・・・BtoBポータルアプリで取引先を支援し、自社の営業効率の向上に貢献します。紙のカタログや営業資料をアプリに集約することで、新商品の情報や仕様変更をリアルタイムに反映し、常に最新の情報を取引先へ届けることが可能となります。また、販売ノウハウ動画をアプリで配信して、営業人材の育成を支援することも可能です。製品理解やサポート負荷を改善し、自社の営業効率を大幅に向上することができます。

 

 

④ その他のソリューション

 メディア・エンタメ・・・・・エンベッド動画(アプリ内自動再生)、ポッドキャスト(*16)(音声等のデータ公開)、紙媒体のデジタルカタログ化によりオウンドメディア(*17)の運営が可能となります。アーティストやインフルエンサー、スポーツチーム、企業・地域のオウンドメディア、課金型メディアなどに活用されています。

 

 会員向けサポート・・・・・・金融、不動産、福利厚生などの契約者向けのサポートをアプリで提供します。マイページの閲覧から会員向けコンテンツの配信までアプリに集約することが可能となります。

 

 自治体DX・・・・・・・・・・自治体ポータルから健康・福祉、地域活性・観光、防災まで、暮らしに役立つ情報をスマートフォンで届けることが可能となります。

 

 学校・教育支援・・・・・・・学生手帳や学内掲示板の情報をアプリを通じて電子化することで各学生に応じた最適な情報配信が可能となります。

 

(*1)ネイティブアプリとは、スマートフォンやタブレットのホーム画面に、App StoreやGoogle Playなどのアプリケーションストア経由でインストールして使用するアプリをいいます。

(*2)スクラッチ開発とは、特定のパッケージ製品のカスタマイズや機能追加などによらず、全ての要素を個別に最初から開発することを指します。

(*3)プッシュ配信とは、スマートフォンのアプリにユーザーにとって必要な情報を配信し、表示や音で通知する機能を指します。

(*4)月次解約率とは、既存契約の月額課金額に占める、解約に伴い減少した月額課金額の平均割合です。

(*5)累計アプリダウンロード数とは、Yappli上で開発されたアプリの累計ダウンロード数を指します。

(*6)月額利用料割合とは、売上高全体に占める月額利用料の割合です。

(*7)SaaSとは、「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。

(*8)プッシュAPIとは、プッシュ通知を配信する際に対象となるユーザーを限定するために会員情報などのデータ等を外部のサーバーなどから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めたものです。

(*9)Googleアナリティクスとは、Googleが提供するホームページやアプリといったWebコンテンツのアクセス解析ができるツールを指します。

(*10)AppsFlyerとは、アプリ広告の効果測定プラットフォームを指します。

(*11)DMPとは、「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」の略で、インターネット上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォームのことを指します。

(*12)DWHとは、「Data WareHouse」の略で、目的に応じて使えるように膨大な量のデータを格納するシステムを指します。

(*13)オムニチャネルとは、実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合すること、及び統合販売チャネルの構築によって、どのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現することを指します。

(*14)O2O(オー・ツー・オー)とは、Online-to-Offlineの略で、ネット上(オンライン)から、ネット外の実地(オフライン)での行動へと促す施策のことや、オンラインでの情報接触行動をもってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のことを指します。

(*15)ジオプッシュとは、プッシュ通知と位置情報を組み合わせた通知機能を指します。

(*16)ポッドキャストとは、インターネット上で音声や動画等のデータファイルを公開する方法の一つであり、インターネットラジオ・インターネットテレビの一種を指します。

(*17)オウンドメディアとは、自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社ウェブサイト・ブログ等、企業が自ら所有し、消費者に向けて発信する媒体を指します。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

24/03/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は2,814,352千円となり、前事業年度末に比べ29,216千円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が227,569千円増加した一方で、現金及び預金が143,067千円、流動資産その他が89,987千円及びのれんが28,116千円減少したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債合計は1,454,292千円となり、前事業年度末に比べ45,248千円減少いたしました。これは主に、未払費用が103,657千円増加した一方で、借入金返済により長期借入金(1年内返済予定含む)が125,000千円及び契約負債が28,308千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は1,360,059千円となり、前事業年度末に比べ16,032千円増加いたしました。これは主に、当期純損失を計上したことにより、利益剰余金が74,079千円減少した一方で、資本金及び資本剰余金がそれぞれ45,099千円増加したことによるものであります。

 

②経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、消費活動の回復やインバウンド需要の拡大等、リオープニングによる景気回復の兆しが見られる一方で、物価上昇や円安状況の長引き、また労働人口の縮小による人件費の高騰も顕著になり、先行きが不透明な状況が継続しました。しかし、このような経済環境の中、企業はデジタル化を引き続き促進しており、IT技術を使った生産性や効率化への投資は安定して推移し、当社が属するソフトウェア業界の重要性はますます高まっております。

当社は、「デジタルを簡単に、社会を便利に」というミッションの下、アプリ開発技術がなくてもノーコード(プログラミング不要)で誰でも簡単にスマートフォンアプリの開発・運用を行うことができるプラットフォーム「Yappli」を提供しております。「Yappli」は従来の企業のアプリ開発における様々な課題を解決するだけではなく、顧客企業自ら効率的にアプリを運用することを可能にするため、アプリ運用における成果を生み出しやすいサービスとなっております。

また、2021年10月にはノーコードの顧客管理システムである「Yappli CRM」をローンチし、ユーザーとのタッチポイントであるアプリに加え、バックエンドのデータ領域へと当社のドメインを拡大いたしました。「Yappli CRM」は順調に立ち上がり、様々な企業への導入が進んでおります。また、2023年8月に社内利用向けアプリを刷新し、人的資本経営をアプリから推進する新サービス「Yappli UNITE」をローンチしました。人的資本開示に向け、HR Tech領域に進出し、組織エンゲージメントをアプリで向上させる新たな市場の開拓を目指します。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高4,864,465千円(前年同期比17.4%増)、営業利益264,833千円(前年同期は営業損失818,800千円)、経常利益254,408千円(前年同期は経常損失824,984千円)、当期純損失74,079千円(前年同期は当期純損失941,138千円)となりました。当期純損失は、繰延税金資産の回収の可能性が見込まれる部分について、繰延税金資産を計上したことによる法人税等調整額(益)を227,569千円計上した一方で、特別損失に信託型ストックオプション関連損失を530,536千円計上したことによるものであります。信託型ストックオプション関連損失は第3四半期会計期間において一部見積り計上していた600,673千円が、当第4四半期会計期間で確定したことによるものです。

なお、当社はアプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,507,669千円となり、前事業年度末に比べ143,067千円減少となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は161,362千円(前年同期は926,634千円の使用)となりました。これは主に、信託型ストックオプション関連損失が530,536千円、未払費用の増加が46,691千円及びのれん償却額が28,116千円あった一方で、税引前当期純損失が276,448千円及び信託型ストックオプション関連損失の支払額が473,570千円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は53,220千円(前年同期は19,577千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入が54,136千円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は34,925千円(前年同期は729,032千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入が89,315千円あった一方で、長期借入金の返済による支出が125,000千円あったことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

4,864,465

117.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上原価、売上総利益)

売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客に対するアップセル等の営業努力により4,864,465千円(前事業年度比722,031千円増)となりました。2023年12月末時点でのYappliの契約アプリ数は843となり、月次解約率(直近12カ月平均)も0.81%、月額利用料割合は82%と堅調に推移しています。

売上原価は、主に外注費の内製化で減少した一方で、契約アプリ数の増加に伴うサーバ費用、アプリマーケティングで発生した広告媒体費及び賞与が発生した影響から1,507,774千円(前事業年度比117,220千円増)となりました。この結果、売上総利益は3,356,691千円となりました(前事業年度比604,811千円増)。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、主に研究開発費が増加した一方で、広告宣伝費及びオフィス賃借料等が減少した影響から3,091,858千円(前事業年度比478,822千円減)となりました。

この結果、当事業年度の営業利益は264,833千円(前事業年度営業損失818,800千円)となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は、主に雑収入の増加があった一方で、受取手数料が減少した影響から1,016千円(前事業年度比402千円減)となりました。営業外費用は、主に支払利息の増加と支払補償費の計上があった影響で11,440千円(前事業年度比3,838千円増)となりました。

この結果、当事業年度の経常利益は254,408千円(前事業年度経常損失824,984千円)となりました。

(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)

特別損失は、主に信託型ストックオプション関連損失を計上した影響から530,857千円(前事業年度比423,456千円増)となりました。

この結果、当事業年度の税引前当期純損失は276,448千円(前事業年度税引前当期純損失932,385千円)となりました。

 

(法人税等、当期純損失)

法人税等については、主に法人税、住民税及び事業税の増加があった一方で、繰延税金資産を計上したことによる法人税等調整額(益)を計上したことにより△202,369千円となりました(前事業年度比211,122千円減)。

この結果、当事業年度の当期純損失は74,079千円(前事業年度当期純損失941,138千円)となりました。

 

(当社の経営成績に重要な影響を与える要因)

当社が事業展開するサービスは、小売業態において多くの導入実績があり、その中でも特にアパレル関係企業への導入が進んでおります。小売業界においては、これら企業の広告費は引き続き好調な推移を示すと予測する見方ではあるものの、国内外の経済情勢を受け当社の予想を超えて下振れするような場合には、当社の経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。

その他、当社が抱える事業等のリスクについての詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

以上を踏まえ、当社は常に市場動向には留意しつつ、顧客に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制の強化をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に備え、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社は、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金、設備投資や長期運転資金の調達について、自己資金又は金融機関からの借入を基本としており、都度最適な方法を選択しております。

なお、当事業年度末における借入金の残高は793,750千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,507,669千円となります。

なお、当社は、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、事業年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後述「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、契約アプリ数、月次解約率、アプリ当たりの平均月額利用料を重要な経営指標と位置付けております。

当該指標については、2023年12月末時点でのYappliの契約アプリ数は843(前事業年度末比60件増)となり、月次解約率は0.81%(前事業年度末は0.88%)、アプリ当たりの平均月額利用料は423千円(前事業年度末は389千円)であります。これは、現時点において予定通りの進捗となっており、今後の業績に寄与するものと期待できることから、堅調に推移しているものと認識しております。なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の推移については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。