売上高

利益

資産

キャッシュフロー

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労働生産性

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最終更新:

E32642 Japan GAAP

売上高

1,152.2億 円

前期

1,148.8億 円

前期比

100.3%

時価総額

881.6億 円

株価

2,373 (04/26)

発行済株式数

37,149,400

EPS(実績)

183.74 円

PER(実績)

12.91 倍

平均給与

714.0万 円

前期

730.0万 円

前期比

97.8%

平均年齢(勤続年数)

40.0歳(14.8年)

従業員数

660人(連結:831人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(KHネオケム株式会社)、子会社4社及び関連会社1社(2023年12月31日現在)により構成されており、各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務としています。「オキソ技術」をコア技術として、さまざまな産業分野に特色ある化学製品を提供しています。オキソ技術とはオレフィン(注1)とオキソガス(注2)を原料にアルデヒド(注3)を製造する技術です。当社グループは1970年にオキソ技術によるアルデヒドの大量生産を開始して以来、アルデヒドを原料にアルコールや脂肪酸(注4)などの生産品目を拡充し、溶剤(注5)や可塑剤(注6)原料、機能性材料等の多様な製品群を国内外の顧客へ供給しています。

 当社グループの事業分野は、「機能性材料」「電子材料」「基礎化学品」の3分野であり、各事業分野の事業内容は以下のとおりです。

 

(1) 機能性材料

 エアコン・冷蔵庫等に使用される冷凍機油(注7)の原料、化粧品原料等に用いられる特殊ジオール(注8)等を製造し、販売しています。

 

<主な製品名と概要>

キョーワノイック-N(イソノナン酸)、オクチル酸、1, 3-ブチレングリコール

・キョーワノイック-N(イソノナン酸)とオクチル酸は、エアコン等に使用される冷凍機油の原料に用いられています。オゾン層破壊・地球温暖化といった環境問題に対処するため、エアコン等に使用される冷媒は、オゾン層を破壊せず、かつ、地球温暖化係数(注9)の低い環境にやさしい冷媒への切り替えが進んでおり、当該製品はこの冷媒に適合する冷凍機油の原料です。

・オクチル酸は、冷凍機油の原料の他、自動車や住宅等の合わせガラス用中間膜の原料等に用いられています。

・1, 3-ブチレングリコールは、高い保湿性を持ち、化粧品やスキンケア製品の原料として用いられています。

<主な用途>

潤滑油、粘接着剤、化粧品、医農薬、界面活性剤

 

(2) 電子材料

 液晶ディスプレイや半導体、フォトレジスト(注10)の製造に使用される高純度溶剤を製造し、販売しています。

 

<主な製品名と概要>

PM-P(プロピレングリコールモノメチルエーテル-P)、

PMA-P(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート-P)

・液晶ディスプレイやCPU・メモリー等の半導体の製造プロセスには、非常に高純度の溶剤が必要とされています。この分野には、当社が長年培ってきた高い品質管理ノウハウを駆使して、金属含有量の極めて少ない高純度溶剤を提供しています。

<主な用途>

ディスプレイ材料、半導体

 

(3) 基礎化学品

 自動車や住宅など様々な産業で使用される溶剤、可塑剤原料、樹脂原料等を製造し、販売しています。

 

<主な製品名と概要>

ブタノール、オクタノール、オキソコール900(イソノニルアルコール)、酢酸ブチル

・オクタノールは、壁紙や床材、自動車部材等の幅広い用途に用いられる可塑剤であるDOP(ジオクチルフタレート)の原料や紙おむつ等に用いられる吸水性樹脂の原料として使用されています。

・オキソコール900(イソノニルアルコール)は、壁材や床材の他、自動車部品や電線被覆材等に用いられる可塑剤であるDINP(ジイソノニルフタレート)の原料として使用されています。

・ブタノール、酢酸ブチルは主に塗料用の溶剤で、自動車のボディや建物の外壁、缶類の塗装等に使用されています。

<主な用途>

 塗料、インキ、可塑剤、洗浄剤

(注)1.オレフィンとは

分子内にひとつの二重結合を持つ炭化水素の総称です。石油化学基礎製品であるエチレン、プロピレン等がこれに含まれます。

 

2.オキソガスとは

水素と一酸化炭素の混合ガスです。

 

3.アルデヒドとは

アルデヒド基をもつ有機化合物の総称です。アルデヒドに水素添加するとアルコールになります。また、アルデヒドは酸化されるとカルボン酸になります。

 

4.脂肪酸とは

酸の性質を持つ有機化合物の総称です。当社のイソノナン酸やオクチル酸も脂肪酸の一種です。

 

5.溶剤とは

塗料用や電子材料用の樹脂や医農薬等の原料などを溶かすものです。

 

6.可塑剤(かそざい)とは

材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくしたりするために添加する物質のことです。

 

7.冷凍機油とは

エアコンや冷凍庫などにおいて、冷媒を循環するコンプレッサーに使用される特殊な潤滑油です。

 

8.ジオールとは

分子中に2つの水酸基をもつ有機化合物の総称です。グリコールともいいます。

 

9.地球温暖化係数とは

二酸化炭素を1として温室効果を示した数値です。

 

10.フォトレジストとは

半導体や液晶ディスプレイに回路を形成する工程で用いられる感光性材料です。

 

 

 

 

 また、グループ各社の役割は以下のとおりです。

 

国内法人

当社

グループの中核会社として、各種石油化学製品の研究、製造、販売を行っています。

黒金化成㈱

電子情報分野、医療分野向け高機能有機材料等の受託製造、販売を行っています。

㈱黒金ファインズ

黒金化成㈱の子会社として健康食品原料、医薬原料、工業薬品等の販売を行っています。

㈱ジェイ・プラス

三菱ケミカル㈱との合弁により設立し、各種可塑剤の製造及び販売を行っています。

 

海外法人

KH Neochem Americas, Inc.

当社が製造・販売する化学品等の米国等における輸出入、販売、開発及び市場調査を行っています。

晟化(上海)貿易有限公司

当社が製造する化学品等の中国等における輸出入、販売及び市場調査を行っています。

 

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

※画像省略しています。

(注)無印 連結子会社

※1 非連結子会社で持分法非適用会社

※2 関連会社で持分法適用会社

 

24/03/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、経済活動の正常化が進み緩やかな回復がみられました。一方、原材料価格・エネルギー価格の上昇や各国のインフレ対策を目的とした金融引き締めの影響など、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような環境のもと、当社グループは、機能性材料分野を中心とした積極的な販売展開により、販売数量、売上高は増加しました。また、あらゆるコストが上昇若しくは高止まりしたことを受けて製品への価格転嫁を着実に進めてまいりましたが、在庫メリットの剥落、一部原料調達に支障を生じたこと、国際市況の下落等が減益要因となりました。

 それらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1,152億17百万円(前連結会計年度比0.3%増)、営業利益は99億46百万円(同20.1%減)、経常利益は97億25百万円(同23.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億26百万円(同15.4%減)となりました。

 

 事業分野別には、次のとおりであります。

(事業分野別の売上高の概況)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

機能性材料

46,158

40.2

50,374

43.7

4,215

9.1

電子材料

13,684

11.9

11,668

10.1

△2,016

△14.7

基礎化学品

54,265

47.2

52,352

45.4

△1,912

△3.5

その他

771

0.7

822

0.7

50

6.6

合計

114,880

100.0

115,217

100.0

337

0.3

 

(事業分野別の営業利益の概況)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

機能性材料

7,730

49.3

8,430

64.4

700

9.1

電子材料

3,047

19.4

1,883

14.4

△1,163

△38.2

基礎化学品

4,850

30.9

2,611

19.9

△2,238

△46.2

その他

57

0.4

167

1.3

110

193.0

本社費

△3,229

△3,146

82

△2.6

合計

12,456

100.0

9,946

100.0

△2,509

△20.1

(注)上記の事業分野別の「営業利益」には、全社に共通する管理費用等を配分しておりません。

 

 機能性材料は、冷凍機油原料は、中国および米国における不動産不況の影響等によりエアコン市場の成長が減速しましたが、製品値上げや拡販等を実施いたしました。化粧品原料に関しては国内外ともに需要の本格回復には至りませんでした。その結果、売上高は503億74百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は84億30百万円(同9.1%増)と増収増益となりました。

 電子材料は、半導体およびディスプレイ市場は、スマートフォンやパソコン、データセンター等の末端需要が年間を通じて低調に推移したことから、売上高116億68百万円(前連結会計年度比14.7%減)、営業利益18億83百万円(同38.2%減)となりました。

 基礎化学品は、国内需要は、自動車生産台数は大きく回復したものの住宅着工件数は弱含みで推移したことから、緩やかな回復に留まりました。また、増加するコストの製品への価格転嫁を進めましたが、在庫メリットの剥落や一部製品における輸入品の流入等により、売上高は523億52百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は26億11百万円(同46.2%減)となりました。

 その他の分野の売上高は8億22百万円(前連結会計年度比6.6%増)、営業利益は1億67百万円(同193.0%増)となりました。

②財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は662億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ79億94百万円減少いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が46億2百万円、棚卸資産が18億89百万円、現金及び預金が12億41百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 固定資産は582億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億45百万円増加いたしました。これは主に、無形固定資産が1億7百万円減少しましたが、有形固定資産が10億68百万円、投資有価証券が5億2百万円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は1,244億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億49百万円減少いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は513億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億26百万円減少いたしました。これは主に、1年内償還予定の社債が50億円増加しましたが、コマーシャル・ペーパーが59億99百万円、支払手形及び買掛金が45億33百万円減少したことによるものであります。

 固定負債は66億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億49百万円減少いたしました。これは主に、社債が50億円、修繕引当金が6億60百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は580億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ111億75百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は664億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億26百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益68億26百万円及び剰余金の配当32億50百万円によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億41百万円減少し、96億84百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は132億1百万円(前連結会計年度は51億31百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少額46億28百万円、その他の流動負債の減少額26億円及び法人税等の支払額24億77百万円により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益97億25百万円、減価償却費45億17百万円、売上債権の減少額46億29百万円、棚卸資産の減少額19億76百万円、修繕引当金の増加額11億78百万円により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は49億37百万円(前連結会計年度は100億82百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出50億91百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は95億1百万円(前連結会計年度は10億76百万円の使用)となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの純減少額60億1百万円及び配当金の支払額32億50百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループは化学品事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。

 

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。

事業分野の名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

前年同期比(%)

機能性材料   (百万円)

49,514

116.2

電子材料    (百万円)

11,396

83.9

基礎化学品   (百万円)

47,760

92.2

合計(百万円)

108,671

100.6

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当社グループでは一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が低いため、受注実績は記載しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。

事業分野の名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

前年同期比(%)

機能性材料   (百万円)

50,374

109.1

電子材料    (百万円)

11,668

85.3

基礎化学品   (百万円)

52,352

96.5

その他     (百万円)

822

106.6

合計(百万円)

115,217

100.3

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

出光興産㈱

13,772

12.0

14,755

12.8

ミヤコ化学㈱

12,460

10.8

11,803

10.2

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の当社グループの売上高は1,152億17百万円(前連結会計年度比0.3%増)、営業利益は99億46百万円(同20.1%減)、経常利益は97億25百万円(同23.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億26百万円(同15.4%減)となり、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。

 当連結会計年度末における有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ60億49百万円減少の148億20百万円、純有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ48億8百万円減少の51億35百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーを返済したことによるものであります。

 当連結会計年度末における自己資本比率は51.20%となり、引き続き安定的な水準にあるものと認識しております。

 なお、経営成績等の概要につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況及び②財政状態」に記載のとおりであります。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、経済・市場環境、原燃料の価格変動、為替変動が挙げられます。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の概要は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社は、運転資金及び設備投資に使用するための資金を内部資金または借入金及び社債により調達しております。このうち、有利子負債による資金調達につきましては、運転資金を主に短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにより、設備投資などのための長期資金を主に長期借入金及び社債により、それぞれ調達しております。

 当連結会計年度末における現金及び預金は96億84百万円となりました。前連結会計年度末の109億26百万円から12億41百万円減少しておりますが、十分な手元流動性を確保しているものと認識しております。

 当社グループは、現在の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローの創出により、財務健全性を維持しながら、今後の資金需要に対応可能であると考えております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。